2007年9月25日(火)掲載

◎獣医師体験 散歩楽しむ…動物ふれあいフェスにぎわう
 動物愛護週間(20―26日)にちなんだ「動物ふれあいフェスティバル2007」(渡島支庁、市立函館保健所主催)が24日、函館公園(函館市青柳町17)で開かれ、愛犬家や家族連れでにぎわった。

 動物愛護や適切な飼養について理解と関心を深めてもらおうと毎年開催し、今回で18回目。これまで渡島合同庁舎前で開かれてきたが、今年から同公園に場所を移した。

 会場では獣医師によるペットの飼養・健康相談ブースや、ペットが迷子になった時に役立つマイクロチップの展示コーナーなどを設置。「待て」「伏せ」など簡単なしつけを競うコンテストも開かれ、6組が参加した。

 また、ペットを飼っていなくても触れられる犬の散歩コーナーが人気を集めた。津村梨夏子さん(函館日吉が丘小3年)は母和子さん(37)と訪れて散歩を体験。「借家で犬を飼えないから散歩できて楽しかった」と笑顔を見せていた。獣医師体験コーナーでは、聴診器で愛犬の心音を聞いた佐々木遥香さん(函館八幡小2年)が「心臓の音がすごく早くてびっくりした」と話していた。(宮木佳奈美)


◎収入 前年比6.2%減…政治資金収支報告書
 道選挙管理委員会は25日付道広報で道内政治団体の政治資金収支報告書を公表した。前年繰り越し分を除く2006年分の政党、政治団体の収入額は93億7000万円で、前年に比べ6・2%減となった。ただ後援会などの政治団体の収入は2年連続で増加しており、今年4月の統一地方選を控え、集金活動が活発になったことがうかがえる。

 報告書を提出した政党、政治団体は3817団体で、前年より35団体増えた。繰り越し分を含めた収入総額は127億3300万円で、支出総額は89億3500万円だった。

 06年収入額のうち、政党は前年比15・6%減の46億6000万円。共産党が同1・3%減の20億1580万円で前年の自民党に代わってトップとなり、6年連続トップだった自民党は17億6940万円で、前年比で29・8%の大幅減だった。民主党は同4・2%減の6億6750万円、公明党は同19・6%減の1億7240万円、社民党は同32・5%減の3130万円で、国民新党が今回初めて410万円を報告した。

 その他の政治団体は同5・4%増の47億1000万円で、統一地方選を前に大きく資金が動いたとみられる。収入のうち寄付が44・7%を占め、内訳は個人分が17億9400万円、法人・団体分が6億8000万円、政治団体分が17億1700万円だった。

 渡島・檜山両管内では、政党収入で共産党函館地区委員会が5887万円(前年比549万円増)、同党渡島檜山地区委員会が4666万円(同69万円増)と上位を占めた。民主党道8区総支部は2253万円(同123万円減)、自民党道8区支部は前年を大幅に下回る651万円(同1874万円減)だった一方、同党松前支部が1231万円(同367万円増)と1000万円を超えた。公明党函館総支部は386万円(同123万円増)、社民党道南支部は43万円(同14万円減)だった。

 主な政治団体の中では、井上博司前函館市長の資金管理団体「はこだて未来研究会」が2000万円(同1850万円増)、後援会「21世紀の函館を創る会」は1126万円(同326万円増)。前自民党道8区支部長の佐藤健治氏の連合後援会は前年のゼロから1300万円に増加。いずれも1000万円を上回り、上位となった。金田誠一衆院議員の資金管理団体「誠心政経フォーラム」は650万円(同1000万円減)と前年を大幅に下回った。(宮木佳奈美)


◎選考委が発足、初会合…函館市縄文文化交流センター設計者選定
 函館市教委は、南茅部地区に建設を予定している「函館市縄文文化交流センター」の設計者選定に着手した。プロポーザル(提案)方式で設計候補者を選定する方針で、24日には同センター設計者選考委員会を立ち上げ、委員長に石森秀三氏(北大観光学高等研究センター長)、委員長代理に小林英嗣氏(北大大学院工学研究科教授)を選任した。プロポーザル参加者の募集も26日から始める。

 プロポーザル方式は設計者選定の手法のひとつで、参加者は発注者からの課題に対し提案書を作成し、選考委が最もふさわしい設計候補者を選ぶ。

 選考委の構成メンバーは石森委員長、小林委員長代理に加え、佐藤一夫氏(道博物館協会監事)、韮沢憲吉小氏(函館高専環境都市工学科教授)、多賀谷智氏(市教育長)の計5人。事務局は市教委生涯学習部文化財課。24日に南茅部公民館で初会合を開き、設計プロポーザル募集要領案を承認し、審査基準や評価方法などを確認。さらに建設予定地を視察した。石森委員長は「建設の趣旨に沿った選考をしていきたい」と話した。

 プロポーザルの審査は2段階で、1次審査は11月16日、設計構想提案書の内容を精査し、2次審査の参加者を選定。12月18日にヒアリングや第2次設計構想提案書の審査を行って最優秀設計者を選定、市に推薦する。

 プロポーザルの参加加申込書の提出期限は10月17日、第1次設計構想提案書の提出期限は11月14日。

 同センターは垣ノ島遺跡に隣接する臼尻町551の約9000平方?の敷地に建設を予定。道内初の国宝に指定された「中空土偶」をはじめ、縄文時代にかかわる遺品や資料を展示し、縄文文化の調査研究や情報発信の拠点を目指す。来年度中に基本設計と実施設計を終え、2009年5月の着工、10年10月の開館を予定している。(鈴木 潤)


◎農場見学、菓子作り体験…フィリピンの農業研修生が江差で交流
 【江差】農業研修で来日したフィリピン人女性、アローナ・ハイミさん(24)が24日、江差町鰔川の澤口辰雄さん宅を訪れ、農業施設を見学し交流した。

 ハイミさんは、日本の非政府組織(NGO)や、発展途上国の農業技術者養成に取り組むアジア学院(栃木県)などの支援で大学を卒業。フィリピン中部のネグロス島で、地域の農民や途上国の研修生に農業技術を伝える「MC―ARI研修センター」に勤務。野菜の栽培管理や食品加工の指導を行っている。3日から埼玉県の農場で研修を受けている。

 この日はイチゴやアスパラのハウス団地を見学。「フィリピンでアスパラは観賞用の花としてコサージュなどに使われます」と話した。昼食では、澤口さんが栽培したソバを使った手打ちそばなどに舌鼓を打ち、昔懐かしい「ドン菓子」の製造も体験。「おいしい。フィリピンに持って帰る」と笑顔を見せた。

 澤口さんは同じ指導農業士で、せたな町で酪農を営みながらフィリピンでボランティア活動を続ける生出正実さん、西川求さんとの交流を通じて2月にフィリピンを訪問。ハイミさんらの案内で貧困に苦しむ現地をめぐり、NGOなどによる支援の現場を歩いただけに、「終戦直後の日本と同じ状況。日本が復興に立ち上がった経験をアドバイスできれば。現地で懸命に生きる人たちの姿から学ぶことも多い」と話した。(松浦 純)


◎63団体一堂 かつどうPR…NPOまつり
 市民団体が活動内容を紹介する第3回NPOまつり(同実行委主催)が24日、函館市地域交流まちづくりセンターで開かれ、体験講座や物品販売などを通じて団体をPRした。

 NPO(民間非営利団体)やNPO法人(特定非営利活動法人)が市民に活動を周知し、団体同士で横のつながりを広げるのが狙い。年々参加団体が増え、3回目の今回は最多の63団体を数えた。新たな取り組みとして、各団体の活動内容をまとめた冊子も配布した。

 同センター1、2階を利用して団体ごとにブースを設け、茶席や海藻押し葉体験、消費者への無料出前相談コーナーなど趣向を凝らしてアピール。子ども向けに手作りキャンドル作りや折り紙などの体験コーナーを用意し、ステージで活動紹介する「市民パワーライブ」では絵本の読み聞かせなどが行われた。屋外駐車場では食べ物の屋台が軒を連ね、大勢の市民でにぎわった。

 函館市本通1の会社員東海林英俊さん(41)は長男優真君(5)を連れて来場。「思ったよりいろいろな体験ができ、子どもの勉強にもなってよかった」と話していた。(宮木佳奈美)