2007年9月27日(木)掲載

◎大野平野 黄金色に輝く
 道南の田んぼでは稲の穂先が黄金色に輝き、北斗市や七飯町の小高い場所から大野平野を眺めると、黄色いじゅうたんを敷いたような色合いを見せている。

 渡島支庁が20日に発表した15日現在の渡島地方の農作物の生育状況によると、稲(きらら397)の生育は平年より4日早い。一部では穂に実が入らない「不稔」の発生がみられているが、実りの秋を感じさせる景観はほぼ例年通りだ。(山崎純一)


◎マックスバリュ北海道、来春「石川店」オープン
 イオングループのマックスバリュ北海道(札幌)が、函館市石川町の函館新道沿いに、道南で1号店となる店舗「マックスバリュ石川店」を来春開業する。出店予定地がホームセンター「ホーマックスーパーデポ石川店」に隣接していることから、同グループの2社がタイアップすることで、集客に対する相乗効果を狙う。

 同社は、2000年10月にスーパーマーケットの札幌フードセンターと、北海道ジャスコが合併して誕生。現在、道内各地で51店舗を展開している。

 新店舗の建設予定地は、東日本バス(同市桔梗町431、森崎義和社長)の所有地約5898平方メートル。「ホーマックスーパーデポ石川店」の駐車場とを行き来できる構造とするため、同一敷地内での増床として、大規模小売店舗立地法に基づく申請を東日本バスと「ホーマックスーパーデポ石川店」の開発業者「センチュリー・リーシング・システム」(東京)の連名でこのほど、道に届け出た。

 新築する建物は、鉄骨造りの平屋で、店舗面積は約2170平方メートルと、既存店の平均よりやや小さめの広さ。屋上には駐車場が設けられ、「ホーマックスーパーデポ石川店」の駐車場とつなげることで、両店の駐車スペースは1217台分確保される。

 新店舗前の函館新道沿いには、出入り口1カ所を新設。営業時間は午前9時―午後11時を予定していて、「ホーマックスーパーデポ石川店」閉店後の午後9時以降は、全敷地内にある既存の入り口・出口・出入り口5カ所のうち、市道赤川石川線に面する3カ所を閉鎖することで、騒音や防犯に関する問題を解消したい考えだ。

 マックスバリュ北海道では、総工費約4億円、初年度の売上高12―13億円を見込み、早ければ来年4月20日すぎにも開業する見通し。同社は「商品の販売だけでなく、植樹などの社会貢献活動を展開していきながら、地域に根ざした店づくりに努めていきたい」と話している。(浜田孝輔)


◎道新幹線新茂辺地トンネル工事の安全祈願
 【北斗】北海道新幹線新茂辺地トンネルの東工区安全祈願祭が26日、北斗市柳沢の工事現場内で行われた。

 同トンネルは同市内の3・2キロで、新函館―新青森間(149キロ)のうち、道内で工事計画がある6トンネルの中では、2006年から掘削工事が始まった「渡島当別トンネル」(北斗―木古内間8・1キロ)に次ぐ長さ。

 東工区は鉄道・運輸機構北海道新幹線建設局が発注済みの新函館側から1・9キロで、西工区は未契約で着工時期は現時点では未定。機械や設備の設置、準備を進め、11月初旬から本格的な掘削工事に取りかかる。完成は2010年6月の予定。総工費は約33億円。

 工事を受注した熊谷・東急・札建特定建設工事共同企業体(JV)主催の安全祈願祭には、同局や渡島支庁、北斗市、地権者ら関係者約60人が出席。市橋学局長、畑秀叔支庁長、海老沢順三市長、JR北海道函館支社の小笠原憲生支社長がかま入れし、工事の無事を祈った。

 直会(なおらい)で市橋局長は「品質・安全管理に努め、着実に工事を進めたい」と決意を語り、畑支庁長は「早期開業に向けた予算確保、札幌延伸に積極的に取り組みたい」と述べた。海老沢市長は「無事故、無災害で一日も早い完成を祈る」と期待を込めた。(宮木佳奈美)


◎29日に研究フォーラム「蛎崎波響と『夷酋列像』の世界」
 【松前】研究フォーラム「蛎崎波響(かきざきはきょう)と『夷酋列像』(いしゅうれつぞう)の世界」(松前町教委など主催)が29日午後1時から同5時まで、松前町町民総合センターで開かれる。松前藩の画家、蛎崎波響(1764―1826年)が描いたアイヌの有力者「夷酋列像について、作成された時代背景や美術史上の位置づけなど、最新の研究成果を各界の第一人者が報告する。

 波響は7代松前藩主、松前資広の5男として誕生し、家臣の蛎崎家の養子となった。藩の家老を務めたほか、画家としても活躍。1789年にアイヌ民族が蜂起したクナシリ・メナシの戦いの際に、松前藩に助力したアイヌの有力者12人を描いた「夷酋列像」は、代表作の一つ。

 フォーラムでは、前田一男町長のあいさつに続き、大阪学院大の大塚和義教授と国立民族学博物館(大阪府吹田市)の佐々木史郎教授が開催趣旨を説明。

 報告は7氏が行い、宮城学院女子大学の井上研一郎教授が「『夷酋列像』と蛎崎波響―美術史的評価のあゆみ」、大塚教授が「『夷酋列像』に描かれた人物配列とその意味」、函館高専の中村和之教授が「『夷酋列像』の時代の北東アジア」などのテーマで研究成果を紹介する。

 続いて佐々木教授を司会に、報告者全員で総合討論を行う。

 列像の1枚「ツキノエ」は、当時の中国から下賜された蝦夷錦(えぞにしき)と呼ばれる絹織物の上に、ロシアの外套(がいとう)を羽織ったアイヌの有力者を描いており、当時の中国、ロシアとアイヌ民族の関係などをうかがう資料としても注目されている。

 また、フォーラム開催に合わせ、29日から10月1日まで3日間、松前城資料館で「「夷酋列像」(国立民族学博物館所蔵)を展示する。

 フォーラムは入場無料で、28日まで参加申し込みを受け付けている。申し込み、問い合わせは松前町教委TEL0139・42・3060。(高柳 謙)


◎「湯の川オンパク」6日から予約開始
 10月27日から16日間にわたって開かれるイベント「第3回はこだて湯の川温泉泊覧会(はこだて湯の川オンパク)」の予約が同6日から始まる。お出かけ、散策系を中心に新たな18プログラムを加え、計70プログラムを企画。開催回数は約170回、定員約3600人で、実行委では参加率90%を目指している。

 テーマは「湯けむり見聞録―そっと教えるおとなのより道―」。新たなプログラムでは、「天使の聖母 トラピスチヌ修道院」が、普段めったに立ち入ることのできない神聖な施設なだけに、注目を集めそうだ。

 市街地から近くにありながら、なじみの薄い場所を訪れる「江差いにしえ街道散策ツアー」や「定置網漁業体験!南かやべバスツアー」も魅力。オープニングイベントの「戸井まぐろまつり」では解体ショーを見物した後、マグロ丼を堪能できる。

 また、前回初開催で人気を集めた湯川町の商店街で飲み歩きを楽しむ「湯の川ぶらり・つまみぐいめぐり(ゆのぶら)」は、11月2、3の両日開催。参加店は前回比4軒増の38軒となり、すし店やラーメン店、居酒屋など地元の名店が趣向を凝らしたメニューを提供する。

 内容を紹介するガイドブックは、「オンパク・ファンクラブ」会員に発送し終えたほか、市内各所で配布している。予約は、同オンパクのホームページ(HP)上や専用電話で、10月6日午前10時から受け付ける。

 申し込み専用電話はTEL0138・36・6111、HPアドレスはhttp://hakodate.onpaku.com

 問い合わせは、オンパク事務局(函館湯の川温泉旅館協同組合内)TEL同59・3789。(浜田孝輔)


◎渡島・桧山「食ブランド」発見交流会、道南食材の可能性探る
 道内産食材のブランド化の可能性を探る「渡島・桧山『食のブランド』発見交流会」が26日、函館市内の函館国際ホテルで開かれた。道の新北海道ブランドづくり事業の一環で、道南での開催は初めて。東京で料理や食品に携わる同事業サポーターを招き、函館のシェフらとともに道南産食材を使った料理や加工品を試食し、生産者にアドバイスした。

 サポーターは月刊誌「料理王国」を発行する料理王国社社長の浅野裕紀さん、フランス料理店「ル・ブルギニオン」オーナーシェフの菊地美升さん、総合ワインコンサルタント会社「ワインアンドワインカルチャー」社長の田辺由美さん、大丸グループの催事・レストラン担当チーフバイヤーの福丸一郎さんの4人。生産者や両支庁関係者ら約50人が参加した。生産者は道南の13団体・企業で、この日は調理品や加工品など19種類を紹介し、特徴や食材へのこだわりなどを説明した。

 函館の海藻専門店オーガニックケルプが製造販売するガコメコンブ(トロロコンブの仲間)やマコンブの粉末と自然塩を混ぜた調味料「海乃香藻(ウミノハーブ)」について、菊地さんは「白身魚に塗って蒸すなど洋食で使うと面白い」と評価した。

 道南生まれのコメ「ふっくりんこ」では、福丸さんが「アンテナショップを開設するなど道外へ広めてはどうか」、森町のみよい農園が生産するカボチャ「くりりん」に対し、浅野さんは「洋菓子の分野でも使ってもらっては」とアドバイスした。今金町のうまいベイこだわり工房が製造するシソジュース「紫蘇(しそ)の儚物語」について、田辺さんは「健康志向に合わせて消費者が甘さを調節できるようにしては」と提案した。27日は生産現場見学会を開き、サポーターらがみよい農園など4カ所を訪れる。(宮木佳奈美)