2007年9月3日(月)掲載

◎秋のイベントにぎわう
 9月最初の日曜日となった2日、函館市内では「第10回黒豚バーベキュー祭り」(函館商工会議所銭亀沢地区青年部主催)や「はこだてエコフェスタ2007」(実行委員会主催)が開かれ、大勢の家族連れなどでにぎわった。風が若干強かったものの、参加者は秋の気配を感じながら野外イベントを楽しんだ。

 黒豚バーベキュー祭りは志海苔町の志海苔ふれあいひがし広場で行われ、1000人以上が訪れる盛況ぶり。この日に向けて特別に飼育された6頭分、約300キロが市民らの胃袋に納まった。

 同青年部の石田大樹部長が「地域最大のイベントも10回目を迎え、盛大に開催でき感謝します。特産の黒豚を心行くまで楽しんでください」とあいさつ。勇壮な函館巴太鼓の演奏や、市内新川町のダンススタジオZEROの小学生17人によるヒップホップダンスなどが祭りを盛り上げた。

 ブリキ板を使用した特設のこんろや炭火は主催者が用意。1500円の前売り券1枚で肉約300グラムにおにぎり1個、野菜とタレが付く。当日券と合わせ1000枚が完売した。北斗市から友人7人で訪れた自営業の花田靖弘さん(28)は「毎年楽しみに参加している。通常の豚肉と比較にならないほどジューシーで、タレでも塩こしょうでもうまい」と笑顔だった。

 4月に函館商工会議所と銭亀沢商工会が合併し、初めての黒豚祭りとなり、商工会議所の古川雅章専務は「祭りを支えてくれた関係者に感謝したい」、市の谷沢広副市長も「黒豚の味を堪能し、広く市民においしさをPRしてほしい」と話していた。 (高柳 謙)

 はこだてエコフェスタ2007は、若松町のクイーンズポートはこだて前広場で開催。大勢の来場者がごみの減量化やリサイクルを啓発する出展コーナー、廃油でせっけんを作る体験コーナーなどを楽しみ、環境問題を考えた。

 環境保全への取り組みなどを市民に広く周知していこうと1990年に「環境フェスティバル」としてスタート。2001年からは「はこだてエコフェスタ」の名称で、市や渡島支庁、民間団体などが実行委を立ち上げ開催している。

 「キーワードは『もったいない』“1人ひとりにできることから”」をテーマに掲げ、市をはじめ、企業や市民団体、NPO法人(特定非営利活動法人)など約30団体による啓発コーナーが並んだ。

 ごみとして出された家電品や自転車、スキー用品などを直して展示したコーナーでは、抽選で無料提供されるとあって、大勢の人が品定めをして応募。フリーマーケットも45組ほどが出店し、来場者は掘り出し物探しに夢中になっていた。

 ごみとして出された家電品や自転車、スキー用品などを直して展示したコーナーでは、抽選で無料提供されるとあって、大勢の人が品定めをして応募。フリーマーケットも45組ほどが出店し、来場者は掘り出し物探しに夢中になっていた。

 このほか、ポイ捨て防止、レジ袋削減のキャンペーンコーナーや、エコロジー製品の開発やリサイクルに取り組む企業の出展コーナーなどが開設された。景品が当たる「環境○×クイズ」やキャラクターショー、市消防音楽隊のステージが行われ、イベントを盛り上げた。  (鈴木 潤)


◎はこだて自由市場祭り、マグロ解体ショーも
 函館自由市場協同組合(佐藤止昭会長)は、2日午前8時から、はこだて自由市場(函館市新川町)の駐車場で、「はこだて自由市場祭り」を開催した。新鮮な海産物や農産物が安く手に入るとあって、朝早くから大勢の来場者でにぎわった。

 毎年恒例となったメーンのマグロ解体ショーでは、大間産の120キロの大物が登場。鮮やかな包丁さばきで切り身にされていく様子を来場者は釘付けになって見つめていた。各部位は小分けにパック詰めされその場で販売。市価より4割近い破格値とあって、わずか20分ほどで売り切れる人気ぶりだった。

 また、ジャンケンに勝つとサケ1匹をもらえる(負けた場合も500円で販売)ゲームには、子どから大人まで真剣な表情で挑み、用意された100匹はまたたく間に姿を消した。このほかにも焼きそばや焼き鳥などの屋台もずらりと並び、会場は華やかなお祭りムードに包まれていた。

 新川町の主婦(58)は「目当てのマグロを手に入れることができてうれしい。さっそく今晩の食卓に並べます」と笑顔を見せていた。 (小川俊之)


◎保育園民営化アンケート、半数近く「利用しやすくなった」
 函館市福祉部は、本年度から民営化に移行した函館美原保育園の保護者を対象としたアンケートを行い、結果をまとめた。保育園の利用について、民営化前から継続入園している世帯の半数近くが「利用しやすくなった」と好感を抱くなど、同部子育て推進課は「民営化移行後も順調に進展している」ととらえている。

 アンケートは民営化後の状況を検証する目的で7月17―27日に実施。全園児の保護者72世帯のうち44世帯から回答を得た。44世帯のうちわけは、民営化前からの継続入園24世帯、本年度新規入園20世帯。

 保育園の利用について、継続入園世帯のみに質問した結果、ほぼ半数の11世帯で「利用しやすくなった」と回答。「変わらない」が10世帯、「どちらとも言えない」が3世帯で、「利用しにくくなった」は0だった。

 新規入園世帯については、85%に当たる17世帯が「利用しやすい」と答え、残り3世帯は「どちらとも言えない」だった。

 子供が保育園の雰囲気に慣れたかという質問については、継続、新規合せて41世帯が「はい」と回答し、以下「無回答」2世帯、「わからない」1世帯。民営化後、全面的に入れ替えがあった保育士の対応(複数回答あり)については、「良い」が32世帯と7割を占め、「普通」が7世帯、「良くない」が1世帯あった。

 民営化に当たって市が配慮すべき点の意見については、「保育士の総入れ替えはやめて」「駐車場を増設して」「保育料を安くして」「民営化によって大きなギャップが生まれないようにして」などが寄せられた。

 同課は「今後予定されている公立保育園の民営化に生かしていきたい」としている。 (鈴木 潤)


◎21日の江差追分全国大会の記念アトラクションへ幼児3人猛特訓 
 【江差】21日開幕の第45回記念江差追分全国大会(江差追分会主催)は「次世代に引き継ぐ追分節」をテーマに、町内の児童による江差追分大合唱などの記念アトラクションが行われる。開幕を約3週間後に控えた町内では、大会会場のステージで江差追分を発表する幼児3人が猛特訓を重ねている。

 「かもーめーぇー!」。ステージに元気な歌声が響く。小さな体を震わせ、大人顔負けの歌声で複雑な節回しを丹念に追う。見守る師匠や江差追分会館職員から拍手がわいた。

 特訓を重ねているのは、高橋航君(3)=かもめ会=、東美羽音ちゃん(4)=乙部鴎会=、川口美海ちゃん(3)=健翔会=の3人だ。22日に大会会場の町文化会館第ホールで行われるアトラクションで1人ずつ江差追分を発表する。練習は大会直前まで休まず続く。

 「追分は楽しい?」との問いに、満面の笑みを浮かべる美羽音ちゃん。江差追分を歌い続ける母・真喜子さん(33)は「娘がお腹にいるころから江差追分を聴かせました。3歳になったころに『歌ってごらん』と言うと、自然に歌い出すことができました。今では家や外出先でもひとりでに口ずさむほど」と笑顔をみせる。

 アトラクションに出演する3人の中で、航君は唯一の男の子。「ソイーソイ!」と独特の合いの手を入れる「ソイがけ」は、姉の稜ちゃん(6)が務める。2人を指導する杉山由夫師匠は「航君が練習を始めたのは4月。半年で驚くほどの上達です。お姉さんの練習を聞いて追分を身に着けてきたようです。稜ちゃんのソイがけも大人顔負け」と太鼓判を押す。

 大会は21日―23日まで。21・22の両日は熟年・一般の予選会。23日は少年大会と決選会を行う。22日のアトラクションは午後7時55分から。児童の江差追分大合唱や追分踊り、道立江差高の生徒による発表も行う。決選会当日の入場場券付きプログラムは前売り2000円、当日2300円。問い合わせは江差追分会事務局TEL0139・52・5555へ。 (松浦 純)


◎11日に「打楽器の世界」公演、ゲストにボブ・ベッカーさん
 地元の打楽器奏者が毎年開く演奏会「打楽器の世界」が来年10回目を迎えるのを記念し、世界的打楽器奏者で知られるボブ・ベッカーさんをゲストに招いた記念公演「ボブ・ベッカーと仲間たち in HAKODATE」(「打楽器の世界」実行委員会、市文化・スポーツ振興財団主催)が11日午後7時から市芸術ホールで開かれる。ベッカーさんの来函は初めて。出演する函館のマリンバ奏者市川須磨子さんは「打楽器の神髄を楽しめる。耳をすませて聞いてほしい」と来場を呼びかけている。

 打楽器の世界は、裏方的な音色となっている打楽器にスポットライトを当てようと1999年から毎年開催。来年迎える節目に、世界的演奏家を招いた記念公演を開くことになった。

 ベッカーさんは、米国の音楽学校で打楽器と作曲を学び、ガーナやインドなど世界各国を訪れ民族音楽を研究してきた。カナダを中心に活躍する世界的打楽器合奏団「ネクサス」の創立メンバー。今回は、全国8カ所で開かれるツアーで来日。同ツアーには市川さんほか4人の日本人も参加しており、市川さんの願いで函館公演が実現した。

 コンサートでベッカーさんは、シロフォン(木琴)で、ラグタイム音楽をソロで演奏するほか、さまざまな民族楽器を奏でる。市川さんは「時代と民族を超えた音楽が会場に響く。自然体で軽やかな音色を楽しんでほしい」と話す。

 また、全国ツアーのメンバーや、打楽器の世界に参加している14人とも共演、全曲にベッカーさんが登場する予定。打楽器の世界のメンバーの木村峻さん(19)は「共演できることは光栄。恥ずかしくないように頑張り、演奏を楽しみたい」と話している。

 入場料は一般2500円(当日2700円)、高校生以下1200円(同1500円)。市芸術ホールのほか、市内の松柏堂プレイガイド、七飯町文化センター、北斗市総合文化センターなどで発売中。問い合わせは市芸術ホールTEL0138・55・3521。 (山崎純一)