2007年9月4日(火)掲載

◎駒場小、スーパーで食育体験
 スーパー魚長乃木店(函館市乃木町8)などで3日、函館駒場小学校(武田隆雄校長)の5年生33人が、野菜や果物についての知識や理解を深める体験学習「5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)食育体験ツアー」を行った。

 米国で発祥した、1日あたり5皿(約350グラム)の野菜と200グラムの果物を摂取することを推奨する「5 A DAY運動」が、世界的な気運の高まりを見せているのを受け、国内のスーパーや食品メーカーなどが2002年に「ファイブ・ア・デイ協会」(東京)を設立。

 同ツアーは、児童を対象に、正しい食生活の在り方や野菜・果物の大切さを学んでもらおうと、全国で展開されていて、昨年度は341回を実施。同市内や近郊でスーパーを展開する魚長(柳沢一弥社長)がことし、同協会に加盟したのを機に、函館では初めて開催した。

 児童は、運動・文化施設「ペアーレ乃木」(同町8)で食育インストラクターの中村優美さんから、栄養素や栄養バランスについて説明を受けた後、同店の青果売り場に移動。6つのグループに分かれ、「赤い色の野菜・果物」や「地元の野菜」などの与えられた課題に沿って、食材を選定した。

 吉田優太君(11)は「簡単に選べると思っていたが、バランスや値段を考えながら買い物するのは難しかった」と、母親の苦労を身をもって実感していた。(浜田孝輔)


◎函病が3専門外来閉鎖へ
 市立函館病院(吉川修身院長)は専門医の退職で当面、糖尿病など3つの専門外来を閉鎖する。後任の医師の確保ができた段階で診療を再開する方針だが、見通しは立っていない。

 閉鎖す専門外来は、糖尿病のほか、リウマチ科と腎臓内科。いずれも専門の医師がそれぞれの科の診療に当たっていたが、3人とも今月末までに一身上の都合や独立開業などを理由に退職する意向だ。

 診察日は糖尿病が週4回、リウマチ科は週3回、腎臓内科は週1回で、それぞれ病状に特化した専門的な診療を行っている。専門医の退職を受け別の医師の兼務も検討したが、専門的な診療が困難なことから止むなく閉鎖に踏み切った。いずれも新規外来の診察は3日までに停止した。

 糖尿病は今月21日、リウマチ科は今月28日が最終診察日。腎臓内科の場合は、再来患者のみについて来年3月まで月1、2回、北大からの派遣医師による診療を行うことにしている。閉鎖後は他の病院の専門医を紹介するなど対応していく。

 通院中の患者や入院患者に対しては8月中旬までに事情を説明し、おおむね理解を得られているとしている。吉川院長は「当面の間、不便をおかけすることになり申し訳ない。早急に医師の確保を努めるとともに、再来患者に対するケアや他の病院の医師への紹介をしっかりやりたい」としている。

 同病院は産婦人科が2006年4月から産科を休診し、婦人科外来と急病の応急措置のみとなっているほか、精神科の診療を縮小している。

 3年前、医師臨床研修制度が導入されたことをきっかけに、大学病院には医師を派遣する余力がなくなったとされる。全国各地で問題となっている医師不足が、函館の基幹病院にも及んでいる。(鈴木 潤)


◎桧山支庁統廃合問題/どうなる最終案
 【江差】道は支庁制度改革の在り方を示す「新しい支庁の姿」の成案を9月にも公表する方針だが、道議会や統廃合対象の支庁所在地からの反発などで、詰めの議論は難航している模様だ。桧山支庁廃止に反対する江差町は、議論のヤマ場になる9月の定例道議会に向けて他の支庁所在地との情報交換を密にしながら動向に注目している。

 高橋はるみ知事は、再選直後の第2回定例道議会で(1)9月に最終案を策定(2)2008年3月に支庁設置条例改正(3)09年4月の新支庁発足―という改革のスケジュールを明らかにした。一方、道議会自民党や廃止対象の支庁所在地の反発を受け、石狩、胆振、後志、空知の4支庁を1支庁に再編するとした道央圏には、複数の支庁を残す意向を表明。道の新長期計画に盛り込む6つの地域生活経済圏を軸とする、当初の再編案にこだわらない姿勢をみせた。

 だが、支庁再編後の所管区域が広大な道北(上川・宗谷・留萌)、道東(釧路・根室)では、道央圏に“例外”を認めたことで新たな反発が広がった。知事周辺でも「6支庁案が崩れたことで議論は行き詰まった。道北や道東に説明ができない。改革が頓挫する可能性もある」と厳しい声も。また、道議会自民党も中小支庁の廃止につながる改革に懸念を示しており、最終案をめぐる調整が難航。最終案の公表が9月から12月以降にずれ込めば、4月の統一選を挟んで1年以上も先送りされた改革のスケジュールが再び遅れることが予想され「知事の任期中に間に合わない可能性もある」(関係者)。

 また、道や道議会では6支庁への再編とともに、桧山支庁など8支庁を窓口業務のみを行う「地域行政センター(仮称)」に格下げするとした、「新しい支庁の姿(骨格案)」(2006年6月公表)にこだわらず、市町村合併や権限委譲などを考慮して、他の都府県の機構も参考にした、現行の支庁制度に替わる出先機関の在り方を模索する動きもあるという。

 江差町は廃止対象の支庁所在地や道議会を通じて情報収集を継続。「9月の道議会に注目している。反対が強まる中で最終案を公表できるかどうかが焦点だ。道の対応次第では存続運動の拡大・強化を検討する」(総務政策課)と話している。(松浦 純)


◎子ども衛星アイデアコンテスト、松信君が最優秀賞
 「第2回子ども衛星アイデアコンテスト」(宇宙航空研究開発機構=JAXA=、財団法人日本宇宙少年団=YAC=主催)で、函館ラ・サール中学校3年の松信麟太郎君(15)が描いた衛星のイラスト「サテライト エコ(多用途環境保全衛星)」が、個人の部で最優秀賞を獲得した。松信君は「宇宙にごみがたくさんあることを知って描いてみました。入賞するとは思っていませんでしたがうれしい」と喜んでいる。

 同コンテストは、全国の小中学生に人工衛星のアイデアを提案してもらうことで、宇宙を身近に感じ、地球や生命の大切さ、宇宙開発の意義などについて考えてもらおうと昨年度から開催している。本年度の募集期間は4月から6月。イラストを提出する「個人の部」と、「グループの部(イラスト」「同(クラフト)」の3部門があり、合わせて761点の応募があった。

 松信君が応募した個人の部には703点の応募があり、学年別の中学校の部門で最優秀賞に選ばれた。道内から最優秀賞者が出たのは初めて。

 松信君が考えたサテライトエコは、宇宙開発が始まってからこれまでに地球から宇宙に運ばれた使用済みの人工衛星などのスペースデブリ(宇宙ごみ)を回収する機能を持つ。スペースデブリは地球の軌道上にあり、スペースシャトルや人工衛星に衝突した事例報告もあり、危険性が指摘されている。

 サテライトエコは宇宙ごみを感知するセンサーや、衝突しても壊れないように衝撃を吸収するゲルを塗る装置、回収する袋などが装備されている。松信君は、これらの装置を図や文章で微細に説明。YACは「細部にわたって考え抜かれ注釈が書かれている点や、宇宙ごみを回収する機能が評価された」という。

 松信君は、これらの知識を図書やインターネットで調べて描き上げた。「増え続ける宇宙ごみをなんとかしたいと思いました」と松信君。「このような機能をすべての衛星に備え付け、ごみを減らしては」と提案する。(小泉まや)


◎ニワトリ120羽食い荒らされる クマが侵入か
 【知内】知内町湯の里284の知内温泉ユートピア和楽園付近の養鶏場で、採卵用のニワトリ約120羽が食い殺されていたことが3日までに分かった。現場にはクマの足跡が複数残されていたことから、木古内署はクマが侵入して食い荒らしたとみて調べている。

 同署の調べによると、養鶏場の経営者の男性(79)が3日午前6時半ごろ、同町役場を通じて警察に通報。この養鶏場では2日朝に約50羽、3日朝に約70羽が、主にニワトリの内臓だけが食いちぎられていたという。被害額は約36万円相当。

 養鶏場の外壁にはビニールシートで覆われたすき間があり、そこからクマが夜間に侵入したとみられる。この養鶏場では約500羽の比内鳥が飼育されていた。

 現場は国道228号から知内温泉に続く町道沿いで、付近に民家が5軒ほどある。同役場などは捕獲用のわなを仕掛けたほか、地元のハンターらに出動を要請し、警戒を強めている。