2008年10月13日(月)掲載

◎開港5都市麺フェスタ
 函館開港150周年記念事業のプレイベント「開港5都市麺(めん)フェスタ」が12日、函館市豊川町11のBAYはこだてイベント広場で開幕した。会場には各都市の名物を味わおうと市民や観光客らが長い列を作り、販売開始と同時にチケットを購入して各店に走った。日本最古のラーメンと言われる函館の「南京そば」の人気が高く、予定していた500食に急きょ追加し700食に。そのほかのめんも各300―450食が飛ぶように売れた。

 めんはすべてハーフサイズで、各500円。函館以外のめんは、新潟の「極々み」、横浜の「絶品たんめん」、神戸の「牛バラめん」、長崎の「皿うどん」。それぞれの土地の味覚を味わえるとあり、家族やグループで来て5種類すべてを味わい比較する人も多く、来場者はめんを通して開港5都市に思いをはせた。

 家族12人の旅行で来函した札幌の齊籐恵子さん(54)らは、それぞれが気になるめんを味わった。「いろいろな土地に行かなくても味見できるのがうれしい」と話した。

 13日の開催時間は午前11時から午後4時。販売食数は、函館の「南京そば」のみ700食、ほかは各500食。(小泉まや)


◎森町長選 あす告示
 【森】競売入札妨害(談合)罪で逮捕、起訴された前町長辞職に伴う出直し森町長選が14日告示、19日投開票される。立候補を予定しているのは元副町長・阿部真次氏(66)、会社役員・佐藤克男氏(58)、元町議・松田兼宗氏(52)=いずれも新人、五十音順=の3人。事件後の新しい舵かじ取りを決める町長選は三つどもえとなる公算が大きく、有権者の関心も高い。

 「41年間の行政経験を生かし新しい森町の運営を担いたい」(阿部氏)、「街のよさを全国にアピールし、街を元気にする」(佐藤氏)、「37年間のしがらみを断ち切るとき。役場の改革が急務」(松田氏)。8日夜、森町公民館で開かれた公開討論会で、詰めかけた1000人を前に、3氏はそれぞれ訴えた。

 事件発覚後、任期満了を目前に前町長の辞職に伴う選挙戦に町民の関心は高く、合併後初の町長選(2005年4月)に行われた公開討論会を200人以上、上回る来場があった。高まる期待を受け、3氏はそれぞれ、町民参加の町政を掲げるとともに、財政や国保病院の運営、旧砂原地区への振興策を打ち出し、町民の支持を訴える。

 同日行われる町議補選(欠員1)とともに、立候補の届け出は午後5時締め切り。町長選立候補を予定する3氏は14日午前8時すぎに町選管に立候補を届け出た後、阿部氏と松田氏は本町で、佐藤氏は新川町で第一声を上げ、選挙戦をスタートさせる。(笠原郁実)


◎書家金子鴎亭の功績をたたえる石碑群お披露目
 【松前】松前出身で日本を代表する書家金子鴎亭(1906―2001年)の生誕100年を祝い、功績をたたえる記念式典が12日、松前町西館の観光施設松前藩屋敷近くで行われた。鴎亭の書などが刻まれた石碑群がお披露目され、書を通じた地域振興を誓った。

 鴎亭の孫金子大蔵さん(東京在住)ら道内外の書道関係者約600人が出席した。約1ヘクタールの一帯には、84基が並ぶ石碑公園「北鴎碑林(ほくおうひりん)」が完成。鴎亭の書が刻まれた13基と著名書家の作品71基が並ぶ国内最大の石碑群が誕生した。

 式典は松前中吹奏楽部の演奏で幕開け。鴎亭の銅像の前で前田一男町長らがテープカットし、町内の3保育所の園児117人が風船を空高く飛ばし、愛らしい演出で花を添えた。

 前田一男町長は「松前は町民一丸となった各種文化事業で書に親しむ活動を進めている。その中で金子先生の生誕100年を祝えることがうれしい。この石碑群を大切にし、書が持つ魅力で地域を盛り上げていきたい」とあいさつ。佐藤俊夫道副知事らが祝辞を述べた。

 函館市から参加した会社員金谷淳美(あつみ)さん(24)は「美しい景色の中でゆっくり歩きながら石碑の素晴らしさを感じることが出来た。春にまた来たい」と声を弾ませていた。

 石碑公園は松前藩屋敷の駐車場北側にある。(田中陽介)


◎収穫祭で恵みの秋満喫
 恵みの秋を体感するイベントが12日、函館市の体験農園「亀尾ふれあいの里」(米原町126)と「市営熱帯植物園」(湯川町3)で開かれた。それぞれ、地場産野菜の販売や屋台コーナーなどが並び、大勢の家族連れが秋晴れの一日を満喫した。

 ○…4月にオープンした亀尾ふれあいの里では、指定管理者の特定非営利活動法人(NPO法人)「亀尾年輪の会」主催で、初めての収穫感謝祭が行われた。ジャガイモや野菜たっぷりの豚汁を無料で配布したほか、子どもたちは昔の遊び体験やドサンコ乗馬で楽しんだ。

 農産物販売コーナーには、亀尾地区周辺で実った大根やジャガイモ、ネギなど、新鮮な野菜がずらりと並んだ。市内赤坂町で農業を営む金子周治さん(68)は有機肥料で栽培した野菜を販売し、「肥料の値段も上がっているが『おいしかった』と言われる野菜を作っていきたいね」と話していた。

 市農林課によると市民農園スペースは毎月延べ600人以上が来園し、利用率も95%を超えた。市内で飲食店を経営する滝下栄次さん(52)は丸々としたニンジンを収穫し、「栽培したエダマメは豊作で、店のお通しとしてお客にも好評でした。来年もまた違う野菜を育てたい」と話していた。

 ○…市営熱帯植物園では、NPO法人「函館エコロジークラブ」主催の第5回収穫祭が行われた。函館大谷高校のダンスや、ハワイアンバンドとフラダンスの熱演に声援が送られたほか、ハロウィーングッズの製作体験、屋台コーナーなどで市民を出迎えた。

 温室内ではバンド「フレンドリーハワイアンズ」(勝又静夫代表)によるコンサートや川上ミチさんのフラダンス教室メンバーのダンスが行われ、南国ムードに。ステージ前では、グラスアートやドライフラワーなどの体験コーナーも設けられた。

 また、近郊で取れた野菜販売やヤマブドウを使ったジュースの試飲、ジャガイモ詰め放題コーナーなど、秋の味覚もたっぷりと満喫。同法人の坂井正治さんは「ヤマブドウやキノコなど秋の味覚を盛りだくさんに集めた。楽しんでもらえたのでは」と話していた。(今井正一)


◎市民健康まつり、みんなで「いか踊り体操」
 第20回市民健康まつり(実行委主催)が12日、函館市五稜郭町の市総合保健センターなどで始まった。メーン会場の同センターでは、お薬相談や検査体験などのコーナーに多くの市民が参加し、健康について考えた。

 開会式では「函館いか踊り」をベースにした健康体操「函館いか踊り体操」を初披露。市立函館保健所の職員をはじめ、西尾正範市長、市立はこだて幼稚園の園児らが、軽快な音楽に合わせてイカや海藻などの動きを模して体操した。参加した同園の佐藤宏軌君(6)は「全部の動きが楽しい」と喜んだ。

 検査やマッサージの体験コーナーには開場早々に希望者が殺到し、すぐに予約がいっぱいに。歯科コーナーでは口の健康チェックや、立体パズルのような「人口歯並べ替えゲーム」を楽しんだ。

 9月に設立した函館市自殺予防対策連絡会議は、自殺予防コーナーを開設した。(1)うつ病の症状(2)原因不明の体調不良(3)深酒(4)仕事で大きな失敗をする―など、自殺につながる10項目を紹介したリーフレットをポケットティッシュと共に配布。相談窓口などを地図で示し「死んだらイカん!」と訴えた。

 サブ会場では、同市美原4の渡島支庁駐車場をスタートにした「みんなで歩こう大会」などが行われた。13日には千代台公園陸上競技場で「2008函館ハーフマラソン大会コミュニティランニング」を、18日には同センターで「第6回市民健康教室ミニ特集」を開きメタボリック症候群と特定健康診査についての講演が行われる。(小泉まや)


◎障害者の暮らし話し合う
 さまざまな障害者の地域での現状や課題を考える「障がいがあっても暮らしやすい街づくりタウンミーティングin道南」が12日、道教育大函館校で開かれ、行政担当者やNPO法人のメンバーらが市民を交えて意見交換した。

 函館市内のNPO法人全国精神障がい者地域生活支援センター(能登正勝理事長)の主催。精神、知的、身体障害者らの立場に理解を深めてもらい、地域で暮らしやすい環境づくりへの活路を探ろうと、この日はパネリスト8人のほか、障害者を含めた市民約70人が参加した。

 厚労省社会保障審議会障害者部会委員を務める広田和子さんは「全国の精神病棟にいる35万3000人の入院患者のうち、15万人は不必要な長期の社会的入院を迫られている。これはもう一つの拉致だ」と強調し、地域ぐるみの自立支援の必要性を訴えた。

 参加者からは「障害者について学校教育の現状は」「函館は交通バリアフリーが遅れている」などの質問や指摘が相次ぎ、終了予定時間を超えるほど白熱した議論を展開した。11日夜には市内のベルクラシック函館で前夜祭を兼ねた「感謝の集い」が開かれ、能登理事長から支援者に感謝状が贈られたほか、函館社会福祉介護学院(美原1)を運営するマイエルフ(吉田正樹代表)から授業で使われていた車いす2台が同法人に寄贈された。(森健太郎、宮木佳奈美)