2008年10月26日(日)掲載

◎フードフェスタ、道南産使った料理に舌鼓
 【七飯】道南産の食材を使った料理をビュッフェスタイルで味わう「第3回はこだてフードフェスタin大沼」(実行委員会主催)が25日、七飯町西大沼温泉の函館大沼プリンスホテルで開かれた。地元の農家が育てた新鮮な野菜や果物、近海の海産物などを、同ホテルのシェフが全23品に仕上げ、参加者は舌鼓を打っていた。

 同フェスタは、道中小企業家同友会函館支部が中心となり生産者、流通業者、販売者、消費者団体、行政関係者などが連携し、一昨年から開催。過去2回は函館市内のレストランでコース料理を提供していたが、今年はより多くの種類を楽しんでもらおうと、バイキングによるビュッフェスタイルでの提供となった。

 約230人が参加。開会式では食材を提供した生産者が壇上に立ち、「私たちが育てた野菜や果物などを存分に味わってください」とあいさつ。ビュッフェがスタートすると、各料理の前には長い列ができていった。

 この日のメニューは「道南限定タマフクラと昆布の甘辛煮」「道南牛の豪快びっくり焼」「近海の魚貝のばらずし」「くりりん南瓜のそのまんまプリン」など、素材のおいしさを生かした料理がずらりと並んだ。函館市的場町の坂本幸春さん(58)は「野菜のおいしさに驚いた。これまでは産地を意識しないで野菜を食べていたが、これからは安全でおしいい道南産を選ぶようにしたい」と話していた。

 来年10月の第4回フェスタは東京の新高輪プリンスホテルでの開催を予定しており、里見泰彦副委員長は「今回の料理への反応を参考にしながら、東京の人たちにも道南産食材をおいしく味わってもらえるように準備を進めたい」と話していた。 (小川俊之)


◎ハートランドフェリー、江差―奥尻便 年間48便減便
 【江差・奥尻】燃油価格の高騰を受け、奥尻航路を運航するハートランドフェリー(札幌、蔦井孝典社長)は主要航路である江差―奥尻航路の減便を決め、25日までに道運輸局から事業計画変更の認可を受けた。これまで1日2往復を運行していた12月1日―28日、4月1日―20日は1日1往復便に削減する。せたな―奥尻航路は減便しない。燃料消費量の削減に向けてフェリーの速度を落とす省エネ運航も実施し、江差・せなた両航路で所要時間が10分ずつ増える。

 江差―奥尻航路の減便は10年ぶり。減便について同社の嶋野貞二江差支店長は「輸送量減少などの動向を踏まえて減便期間を拡大した。航路運航の継続に向けて、燃油価格高騰などの情勢を理解してもらいたい」としている。

 新ダイヤは4月1日―20日、12月1日―28日までの期間を1往復便に削減する。同社はこれまで江差・せたな両航路で年間計927便を運航していたが、ダイヤ改正による減便数は計48便。全運航便数の4・9%に当たる。江差―奥尻便だけでみると年間657便から609便(7・3%減)となる。

 減速運航ではエンジン出力を落として消費燃料の削減を図るという。所要時間は10分ずつ増え、江差―奥尻間が2時間20分、奥尻―江差は2時間25分、せたな航路は1時間45分となる。

 また、奥尻町やひやま漁協などの要望に応じて、来年10月1日から11月30日までの期間中は、島外へのスルメイカの輸送時間に合わせ、初便を奥尻始発に変更するという。従来は江差発が午前7時、午後1時、奥尻発が午前9時45分、午後3時45分だったが、新ダイヤでは奥尻発午前8時15分、午後1時55分、江差発が午前11時、午後4時50分の体制となる。ダイヤに関する問い合わせは同支店TEL0139・52・1066へ。(松浦 純)


◎日本海グリーンベルト構想 上ノ国でドングリの種まき
 【上ノ国】伐採で失われた日本海沿岸の森林を取り戻そうと、上ノ国町の漁業者を中心とする「日本海グリーンベルト構想推進協議会」(花田英一会長)によるドングリ(カシワの種子)の植え付け作業が25日、町内の木ノ子地区で行われた。町内での本格的なドングリの種まきは3年目。同構想は2006年をスタートラインに20年間計画でドングリを海岸に植え続け、およそ50年後には豊かな海と森林を復活させようというユニークな取り組み。地球温暖化など環境問題に注目が集まる中、地域住民を主体にした活動は注目を集め、桧山管内全域にすそ野を広げ始めている。(松浦 純)

 大安在川河口付近で行われた作業には、構想を発案した工藤昇町長、町立滝沢小学校の児童、漁業者や林業関係者、構想を応援する住民ら約120人が参加した。開会式で協議会の花田会長は「1個でも多くのドングリが芽吹き、子孫の世代には荒れた大地に花が咲き、豊かな森林が作られることを期待します」とあいさつした。

 参加者はクワで地面を掘り起こし、鳥やネズミなどの食害や乾燥から守るため、紙コップに納めたドングリを植えた。また、町内出身者でつくる「東京上ノ国ふるさと会」から寄贈されたカシワの苗木100本も植樹した。作業に参加した高齢者のグループは「長い道のりもこの一歩から。小さな積み重ねが大切」と語り、作業に汗を流した。工藤町長は「ことしも大勢の住民が参加してくれたことは心強い。協議会の活動が長く継続されることを期待したい」と話していた。

 同構想は上ノ国町で2006年度にスタート。これまでに町内の汐吹・小砂子地区でドングリの種まきを行った。予算をかけずに活動を長期間継続するため、ドングリや種子を風雪などから守る特別の手立ては講じていない。このため、現地での発芽率は高くはないが、カシワの新芽は着実に数を増やし続けている。

 こうした取り組みは、磯焼けや漁業資源の減少が続く日本海沿岸の漁業者から期待を集め、本年度からは「桧山地域日本海グリーンベルト構想推進会議」(会長・市山亮悦ひやま漁協組合長)が活動を開始。桧山支庁、江差、上ノ国、厚沢部、乙部、奥尻、せたな、八雲町(旧熊石町)の日本海沿岸6町に加え、内陸の厚沢部・今金両町も参加。さらに新函館農協、ひやま漁協、管内5つの森林組合、桧山建設協会など21の機関・団体が参加している。

 推進会議では来年度以降、桧山管内以外の日本海沿岸自治体にも呼び掛け、活動のすそ野を広げる方針。


◎「男女共同参画フォーラム」作家の沖藤さん講演
 はこだて男女共同参画フォーラム2008(同実行委主催)が25日、ロワジールホテル函館(若松町14)で開かれた。女性の生き方や家族、介護などの問題に取り組むノンフィクション作家の沖藤典子さんが「男と女〜子育てと介護から始まるいい関係〜」と題して講演、市民ら約300人が聴講した。

 沖藤さんは自身の夫婦生活や取材・執筆活動などを通して体験したエピソードを紹介しながら、国が定めた男女共同参画の基本計画を考察。少子化が進んだ要因について、家族政策の不十分さを指摘し「人口政策に国が関与するのではなく、社会の成熟を目指すべき。女性が生活しやすい社会は男性も暮らしやすいはず」と女性の生き方を支援する政策を提起した。

 男性の孤独死の増加は地域から孤立していることが要因であるとし、「地域住民とのこまめなあいさつは生き方上手につながる。家事の夫婦分担は男性の老後を救うことにつながる」と述べた。

 「21世紀の社会を支えるのは女性や高齢者」とし、「元気な高齢者が増えるのは良いこと。働くことは人との交流や生きがいを生み、賃金以外にプラスアルファの効果がある」と述べた。 (鈴木 潤)


◎「せせらぎ温泉」マルメロ風呂スタート
 【北斗】ほんのり、秋の香り―。北斗市営の「せせらぎ温泉」(本町311)で25日、恒例のマルメロ風呂が始まった。早速、大勢の温泉ファンらが訪れ、入浴とともにマルメロが放つほのかな甘い香りを楽しんだ。

 市特産のマルメロの収穫期に合わせ、旧大野町時代から続くイベント。市営マルメロ果樹園で収穫された品種「かおり」が男湯、女湯ともに10?ずつ浮かぶ。初日は午前10時開場とともに地元客らが訪れ、マルメロ風呂の実施の知らせに「うれしい」と笑顔で浴場へと向かった。

 週2回、同温泉を訪れるという同市久根別の主婦(71)は湯に浮かぶマルメロを手に取り「毎年楽しみしており、待ってました!という感じ。良い香りで気持ちいい」とリラックスした様子だった。

 マルメロ風呂は11月3日まで実施。入館料は大人300円、中学生・高校生250円、小学生140円、幼児70円。営業時間は午前10時から午後10時で休館日は月曜(3日は祝祭日のため営業)。問い合わせは同温泉TEL0138・77・7070。(笠原郁実)


◎新党大地が事務所開き
 鈴木宗男衆院議員(60)=道比例区選出=が代表を務める新党大地が25日、函館市大森町19で函館支部事務所開きを行った。

 約200人の支持者を前に鈴木代表は「小泉政権が生んだ格差社会の広がりと地方切捨ての風潮が、人々からやる気を失わせている。今こそ政治の流れを変えて日本に元気を取り戻す好機」と力説。また「原油の安定供給のために北海道がサハリンからの石油中継基地となれば、道経済は必ず立ち直る」と力説した。

 他党との協力体制については「解散後の公約を見てからしっかり見極めたい」、解散時期については「11月30日の投開票が有力だが、(来年9月の)任期満了まで伸びる可能性もある」と話し、「いつ選挙になっても大丈夫なように準備体制を整えることが大切。そのためにはみなさんの協力が必要」と呼びかけた。

 新党大地は次期衆院選で道比例区などから複数の候補者擁立を目指している。 (小川俊之)