2008年10月27日(月)掲載

◎函館少年刑務所で矯正展
 受刑者が作った農産物や工芸品などを展示即売する「函館地区矯正展が26日、函館少年刑務所(函館市金堀町)で開かれた。あいにくの天気にもかかわらず、市民ら約1300人が来場。同刑務所オリジナルの「マル獄」シリーズ商品は早々に売り切れる品もあり、多くの来場者の注目を集めていた。

 社会復帰を目指す受刑者の職業訓練の成果を紹介し、矯正行政への理解を広めようと、1983年から毎年開催している。今回は全国各地の作業製品約360種類、2800点を出品。会場内に人気のマル獄シリーズの専門コーナーも初めて設けられた。

 マル獄印がプリントされた前掛けは用意した110枚が午前中に完売。老若男女を問わず人気を集め、来場者は素材や絵柄を品定めしていた。受刑者が市内の同刑務所鱒川農場で育てた野菜の販売コーナーでは開場前から約150人が列をつくり、1玉100円のカボチャ計700玉が2時間ほどで売り切れた。

 マル獄シリーズを目当てに初めて訪れた夫婦は前掛けとバッグを購入。「思ったより生地や縫製がしっかりしている」と製品の出来栄えに感心した様子。別の男性公務員(41)は「家具など地味なものばかりと思っていた刑務所製品のイメージが変わった」と話していた。(森健太郎)


◎函館市の07年度決算、連結の赤字比率1・55%
 函館市の2007年度決算で、普通会計の収支は黒字だが、全会計を合算した場合の連結実質赤字比率は1・55%で、厳しい状況となっている。病院事業の赤字38億3600万円が重く、これが大きく改善されると全会計の連結決算も黒字を達成できる状態だ。

 地方財政健全化法に基づき、07年度決算から自治体の財政状況を指標で公表することが義務付けられた。(1)普通会計の実質赤字比率(2)全会計の連結実質赤字比率(3)実質公債費負担率(4)将来負担比率―などで、08年度決算からは指数に応じて黄信号や赤信号の健全化判断が示される。

 市財政課によると、07年度の普通会計決算は8億400万円の黒字。(1)の実質赤字比率はないが、規模が大きい一般会計は基金(貯金)を取り崩して収支を黒字化しており、手放しでは喜べない。

 普通会計に特別会計や企業会計を加えた(2)の連結実質赤字比率は1・55%で、収支の資金不足が現れている。連結実質赤字比率は、標準財政規模(市税と地方交付税)に対する全会計の実質赤字の比率。例えば標準財政規模が100億円で、連結赤字が1億円あれば1%となる。

 市の07年度決算の場合、赤字は病院事業の38億3600万円、自転車競走事業が7億7400万円、国民健康保険事業が2億6600万円など。黒字は普通会計8億400万円のほか、水道事業16億8900万円、公共下水道事業5億9000万円、老人保健医療事業5億1400万円などで、全会計収支の差し引きは11億500億円の赤字となる。黒字を出している会計も多いことから、病院事業の大幅な収支改善ができれば連結赤字が解消できる。

 市の場合、08年度決算で連結実質赤字比率が16・25%まで上がると、自治体財政の黄信号となる「早期健全化基準」に達する。夕張市と同じ赤信号の「財政再生基準」は30%となっている。

 07年度決算の他の指数では、(3)の実質公債費負担率は10・8%で、早期健全化基準は25%、将来の借金償還の負担を示す(4)の将来負担比率は143・5%で、早期健全化基準は350%。両指数とも黄信号ラインには達していない。 (高柳 謙)


◎オンパク・まぐろまつり、大間産を豪快に解体
 「第4回はこだて湯の川温泉泊覧会(オンパク)」(18―11月9日)の目玉プログラムの一つ、「大間まぐろまつり」が26日、函館湯の川観光ホテル(湯川町2)で開かれた。戸井地区のマグロ漁の不振で開催直前に食材が戸井産から青森県大間産に入れ替わる異例の事態となったが、参加者は産地にとらわれず、目の前で繰り広げられる解体ショーやマグロ丼の味を堪能した。

 大間まぐろまつりは当初、最高級ブランドの「戸井マグロ」の解体ショーとマグロ丼を温泉入浴付きで楽しめるイベントとして企画。一方、全面協力の戸井漁協から数日前に「マグロを確保できない」との連絡が入り、同実行委が急きょ大間産のマグロを手配した。

 この日は事前予約でマグロが大間産に変更されたことを承知済みの市民ら約100人が参加。23日に水揚げされた重さ約120キロの大間産マグロが用意され、職人が鮮やかな包丁さばきで切り分ける解体ショーを披露した後、各部位をふんだんに盛り込んだマグロ丼にして参加者に振る舞われた。

 友人と2人で参加した市内上新川町の主婦中原純江さん(69)は「同じ津軽海峡で育った高級マグロに変わりないのだから産地は気にしない。スーパーで買うものとは甘みや身の柔らかさが全然違う。留守番している主人に申し訳ない」と笑顔ではしを進めていた。(森健太郎)