2008年10月3日(金)掲載

◎市立函館保健所「いか踊り体操」考案
 市立函館保健所の健康づくり推進室(辻喜久子室長)は「函館いか踊り」をベースにした健康体操「函館いか踊り体操」とストレッチ体操「函館いか踊り座(The)ストレッチ」を創作した。市民に圧倒的な知名度がある音楽に合わせてイカや海藻など海の生物の動きを模して体を動かすことで、幅広い年代が一緒に楽しく取り組めるように工夫した。12日に市総合保健センターで開催する「市民健康まつり」を皮切りに広く普及させ、市民の健康増進に役立てる。

 同室の健康づくり推進事業の一環。幼児や高齢者の健康増進のほか、中高年のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策も視野にある。

 同保健所内部のほか、市小学校長会、市幼児教育研究会、函館水産連合協議会、函館朝市協同組合連合会などの団体の協力を得て作成した。ストレッチや健康体操などの講座を主宰し、函館いか踊りの制作にも携った健康体操指導者の増野玲子さんが、基本となる動きを考案。これに各団体などの意見を反映させ、5月下旬から約4カ月かけて完成した。

 音楽は通常よりも若干ゆっくりとしたペースとし、1回当たり約5分の体操向きの長さにした。全体として、イカや海の揺らぎ、海藻などの動きを表現する動作が多く、自分が持つイメージで自由に体を動かす場面もある。

 体操は14の動きを組み合わせた。体をたたいてほぐすリラックスさせる動きのほか、筋トレやストレッチ、スクワットなどを随所にちりばめた。ストレッチは座位で、動きは24種類。どちらも軽快な音楽に合わせて動き、気が付くと自然と体操できている。

 増野さんは「ほかの人と無理に動きをそろえず気軽な気持ちでやって」と話し、「有酸素運動なので筋肉が非常に伸びる。この体操をしてから運動すると良いです」と効用を説く。

 同保健所では1、2日の両日、普及に向けて初めての所内練習を実施し、多くの職員が増野さんの指導に合わせて体を動かした。参加した保健師の加藤悦子さん(47)は、多少息を切らしながらも「初めてだが皆で楽しくできた。それほど難しくないので誰でもすぐに覚えられるのでは」と話していた。(小泉まや)


◎保育所建設中、スギ間伐材 建築で再生
 【江差】道南スギの間伐材をふんだんに活用した、江差町の創設保育所(仮称、江差町茂尻町110の3)の建設現場が2日公開された。スギ間伐材が原料の構造用集成材を生かした大規模な公共施設の建設は道南で初めての取り組みという。町は「道南スギのPRや間伐材の活用につながれば」と期待している。

 保育所は2階建。延べ床面積は約690平方メートル。スギの木調が美しい柱や梁(はり)は、屋内のデザインにそのまま生かされ、壁面にもスギ間伐材を使う。建設工事の進ちょく率は40%程度。来年4月の供用開始を予定している。

 建設に使う間伐材は約64立方メートル。馬場山や椴川の町有林で昨年冬に伐採した。集成材の供給は桧山製材所(江差町)が担当。集成材メーカーの秋田グルーラム(秋田県大館市)やエム・エイチ・グルーラム協同組合(八雲町)が、板材を接着剤と高い圧力で張り合わせて、柱や梁など用途に合わせた構造用集成材に加工した。

 集成材は耐久性、防火性、遮音性に優れ、直径30センチ未満の間伐材も原料に活用できる。工事を請け負った田畑・前田組・本間経常建設共同企業体は「品質も上々。スギ特有の色調や香りが引き出された」と話す。耐震性に優れた工法を併用すれば、鉄筋コンクリート造と同等の強度が得られ、鋼材の価格高騰もありコスト面でも遜色(そんしょく)がないという。

 約1100ヘクタールの町有林がある同町では、1950年代に植林したスギ林が間伐の適齢期にある。植樹、間伐、伐採、供給―の育林サイクル確立を目指し、同町は昨年度から計画的な間伐事業に着手。「今から間伐を始めなければ町有林は荒廃が進む。維持コストを確保しながら、地域固有の資源である道南スギの有効活用に道を開きたい」(同町)としている。

 道南には木材蓄積量で約778万立方メートル(2005年度)のスギ資源がある。渡島管内で約580万立方メートル、桧山管内でも約198立方メートルに上る。育林と木材供給のサイクルを確立することで、環境に優しい再生可能な資源として活用が期待されている。(松浦 純)


◎25日に大沼で「フードフェスタ」参加者を募集
 函館・道南産の安全・安心な食材を使ったコース料理を提供する「第3回はこだてフードフェスタin大沼」(実行委員会主催)が25日午後4時から、七飯町の函館大沼プリンスホテルで開かれる。23種類の料理を用意し、中学生以上1人6000円、小学生2500円。実行委は200人の参加を受け付ける。

 道中小企業家同友会函館支部が考案し、実行委をつくり一昨年から開催。過去2回は函館市の五島軒でランチを提供し、今年はビュッフェスタイルのフルコースでディナーを企画した。

 函館・道南の約20団体が食材を提供。野菜はカボチャ、ジャガイモ、ナガネギ、トマト、ダイコン、ブロッコリーなどで、金子宏実行委員長は「低農薬や有機栽培による、安全でおいしい食材」と太鼓判を押す。魚介類は近海でとれた新鮮な秋サケ、ホタテ、マグロ、ツブなどを使う。

 「マグロのかま焼きとクリーン野菜のやわらか煮」「道南牛の豪快びっくり焼き、洋ワサビと肉汁を添えて」などのメニューが並び、会場では農産物の販売もある。

 実行委は来年10月、東京の新高輪プリンスホテルで首都圏在住の1000人を集めた第4回フェスタも企画。5回目の2010年は函館で最終回を開き、農水産物の販売や水産加工体験などの祭典を開き、一次産業や観光振興にも結び付けたい考え。

 第3回フェスタは、JR函館駅前から無料送迎バスも運行する。同ホテルの宿泊プラン(シングル1人6500円、ツイン1人5000円、朝食付き)も用意している。申し込み・問い合わせは道中小企業家同友会函館支部(TEL0138・51・8800)。(高柳 謙)


◎自主夜間中学「函館遠友会」入学希望者向け説明会
 七飯養護学校教諭の今西隆人さん(52)が、来年4月の函館市内開設を目指す自主夜間中学「函館遠友会」の入学希望者向け説明会が2日、函館市総合福祉センター(若松町)で行われた。幅広い年代の男女約40人が参加し、運営方針や学習内容について説明を受けた。

 自主夜間中学は戦争や家庭の事情、病気などで満足に義務教育を受けられなかった人が対象。札幌の自主夜間中学「札幌遠友塾」でボランティアスタッフを務めていた今西さんが、自身の経験などを基に準備を進めている。

 この日、今西さんは「学歴などは一切関係なく、勉強したい人が対象。進ちょく状況に差はあっても、皆で机を並べて幅広く勉強したい」と説明。続いて、函館市在住で札幌遠友塾を卒業した女性(64)が「少しずつわかるようになると世界が広がる気がした。3年間通って良かった」などと経験談を語った。

 参加者からは運営内容などについて意見や質問が多く寄せられ、学習意欲の高さをうかがわせた。函館市の竹内俊子さん(74)は「小学生時代に戦争があり、十分な教科書で勉強していないのですぐに申し込んだ。一番最後の成績でも頑張りたい」と話していた。

 15日にはボランティアスタッフ希望者向けの説明会も行われる。問い合わせは今西さんTEL080・5598・5608(午後6時以降)。(新目七恵)