2008年11月16日(日)掲載

◎定置網イカ漁好調…南茅部地区
 函館市南茅部地区の定置網にマイカが入り始め、浜が活気づいている。南かやべ漁協(鎌田光夫組合長)によると、1週間ほど前から一日に300―500トンほど入るようになり、漁業者の表情も明るい。昨年は刺し網などを含め、年末までに1万7300トンの水揚げがあった。漁業者は「サケ漁が落ち込んでいる分、今年も主力のイカでカバーしたい」と期待している。

 尾札部漁港では連日、網起こしした漁船からイカやイワシ、サケなどが水揚げされ、魚種ごとに魚箱に詰めて出荷する作業が続いている。マルシチ村上漁業の村上大平社長(39)は「今年は昨年より1週間から10日ほど早くイカが入ってきた。揚がるときは一日で100トン以上あり、年間漁獲高の半分以上を占めることもある」と話す。14日は約50?の水揚げがあり、仕分けする漁業者からは「バッチリよ」と威勢の良い声が聞かれた。

 イジルシ佐藤漁業の宝清丸も連日、イカやサケ、イワシなどの水揚げがある。佐藤知寿船長(36)は「13日は120トン、14日は40トンのイカが揚がった。昨年から見れば少ないが、サケが良くない分、このまま好調な漁が続いてほしい」と話した。

 南茅部のイカ漁はかつて、それほど多くはなかった。同漁協によると、06年は6200トンだったが、07年は3倍近い1万7300トンまで増えた。今年は13日に今季一番の漁となり、漁協全体で1130トンまでになり、値崩れ防止のため水揚げを制限した。

 噴火湾のイカについて道立函館水産試験場は「例年、この時期には結構とれている。豊漁だった昨年は年末まで漁が続き、海水温が高かったため本来は南下するイカが遅くまで残っていたことが考えられる。今年も昨年同様となるかどうかは分からない」と話している。(高柳 謙)


◎レラカムイに大歓声
 日本バスケットボールリーグ(JBL)に所属するレラカムイ北海道の函館初の公式戦、対パナソニックトライアンズ戦が15日、函館市民体育館(湯川町1)で行われた。会場は1900人余の観客で満員となり、プロの迫力あるプレーを楽しんだ。

 レラカムイの野口大介選手(七飯町)、パナソニックの阿部佑宇(ゆうう)選手(八雲町)の道南出身2選手は控えとして登場。交代で名前が呼ばれると、いっそう大きな拍手が沸き起こった。

 試合は第3クオーターまで接戦で、レラカムイは第4クオーター中盤に7点差のリードを奪ったが、終盤に逆転され、74対80で惜敗した。スタンドは最後まで“道民バスケチーム”の逆転を信じ、大きな声援に包まれていた。

 試合は16日も行われる。試合開始は午後2時。(山崎純一)


◎期待のタマフクラ 柔らかく食感グー…試食会
 本年度から道南地域限定で栽培が行われている新品種の大豆「タマフクラ」の試食会が15日、函館市地域交流まちづくりセンター(函館市末広町4)で行われた。来場者はさまざまに調理されたタマフクラを食べ比べながら、アンケート用紙に食感や甘みの違いなどを記入していた。

 タマフクラは一般の大豆に比べて非常に大きな粒なのが特徴で、柔らかく甘みもあり、将来的には道南地域の主力作物との期待も高い。今回の試食会は、一般消費者にタマフクラを認知してもらうとともに、調理や加工法の可能性を探ろうと、生産者と市民団体で構成する応援プロジェクトが主催した。

 試食は蒸し大豆、枝豆ご飯、枝豆の3種類の食べ比べで、参加者はじっくりと味わいながら細かくチェック。市内東川町の藤田裕子さん(51)は「想像していたより甘みが少し足りないが、柔らかくて食感がいいので、色々な料理に試してみたい」と話していた。

 主催者の田中ユサさん(食ねっとわーく道南代表)は「タマフクラに適した調理法や食べ方を今回のアンケートを参考にして開拓し、生産者にも消費者にも魅力のある品種として育てていきたい」と話していた。(小川俊之)


◎地域とのかかわり紹介…福島・中塚建設社長 建設フォーラムで講演
 【福島】社訓に「地域貢献」を掲げ、まちの活性化を進める中塚建設(福島町三岳73)の中塚徹朗社長(50)が、札幌市で17日に開催される建設フォーラムで講演することが決まった。キリンクレーンなどで子どもたちを喜ばせている教育活動や、工事現場を防犯拠点とする一連の取り組みが評価されたためで、中塚社長は「福島の魅力はもちろん、道南全体のまちづくり活動の情熱を伝えてきたい」と意気込んでいる。

 札幌市の北海道建設新聞社(松木剛社長)創立50周年記念フォーラムで、「未来へつなぐ建設業〜地域に活路を求めて〜」のテーマに合わせ、「約50人の社員で取り組んできた活動の成果を伝えてほしい」と主催者側から打診があった。

 キリンクレーン(7トン)は、町内の小学生が2006年6月にデザイン。黄色地に茶色の斑点模様で頭部には丸い目がある。小学校の写生会のモデルとして活躍するほか、その愛らしい姿は「工事現場が動物園みたい」と町民にも大人気だ。中塚社長は「『今日はここでキリン』『明日はトラ(パワーショベル)』と社員同士が車両に愛着を持ち、現場の雰囲気が良くなった」と話す。

 また、「キリンが住民を見守っている」として、工事現場を防犯拠点にし、手作りののぼりやシールで地域安全にも力を注いでいる。社員は町内の各種イベントに積極的に参加し、運営スタッフとして古里を盛り上げている。

 講演当日は中塚社長のほか、北大大学院の高野伸栄准教授や赤平市の植村建設(植村真美社長)など道内3企業が各活動を伝える。

 同フォーラムは午後1時半から共済ホール(札幌市中央区北4西1)入場無料だが整理券が必要。問い合わせは同新聞社TEL011・611・6311。(田中陽介)


◎極上のパフォーマンス見て…札幌のシアターアイム 来月金森ホールで公演
 札幌を拠点に全国各地でオリジナルミュージカル活動を展開する「theater I’m(シアターアイム)」が12月20、21の両日、函館市末広町の金森ホールで「Style I’m(スタイル アイム)」を公演する。日常生活を題材にしたパフォーマンスをオムニバス形式で発表。同劇団アクティング・ディレクターの奥山綾子さんは「よくあるミュージカル舞台とはひと味もふた味も違う独特のパフォーマンス。多くの人たちに見てほしい」と来場を呼び掛けている。

 シアターアイムは1996年に発足。代表は三木弘和さんで、これまで「飛天」「月の船」「卑弥呼」などを全国で自主公演しているほか、各地域の教育委員会から依頼を受けてワークショッなどを開いている。

 函館での公演は8月に札幌市内のモエレ沼公園で発表した作品。同劇団員のほか、一部は函館の岡島緑バレエスタジオ(本町)の研究生も演じる。岡島さんはこのときのステージを見て、子どもから大人まで共感できる内容に感動したという。

 研究生は朝の出勤前のひとこまを描く「おはようダンス」や、満員電車の中で大きく新聞を広げる人に焦点を当てた「新聞」などに出演する。動きにバレエの要素はあるが、声を出して大きなアクションをするのは初経験となる。岡島さんは「自身の表現の幅が広がるはず」と期待を寄せる。

 このほか、津軽三味線などを奏でる草舞弦(杉中久夫代表)も出演。奥山さんは「クリスマスファンタジーの時期であり、全国の人が函館に来る季節。極上のパフォーマンスを展開できるように頑張っている」と話している。

 20日は午後6時半、21日は同1時半開演。入場料は一般3000円などで、金森ホール、松柏堂プレイガイド、岡島緑バレエスタジオで発売中。問い合わせは奥山さんTEL090・9084・4817。(山崎純一)


◎迫力ある演舞披露…龍馬祭
 坂本龍馬の誕生日で、命日でもある11月15日を記念した特別公演が同日、五稜郭タワー(函館市五稜郭町)で開かれ、地元で活躍する伝統芸能団体4組が民謡や舞踊などを披露し、市民や観光客ら約150人を楽しませた。

 同タワーで11日から開催されているNPO法人北海道坂本龍馬記念館実行委(三輪貞治理事長)主催のイベント「龍馬祭2008」の一環。道滑田鬼剱舞愛好会(大島清貴代表)、函館悦山会(小林基悦会主)、函館剣道連盟杖道部会新道夢想流杖術一門(砂原新也部会長)、同連盟居合道部会夢想神伝流一門(白崎滋部会長)が出演した。

 同連盟居合道部会夢想神伝流一門は型に真剣を使用するなど、迫力満点の演武を見せた。三輪理事長は龍馬の歴史をつづった紙芝居を披露した。

 神戸市から観光で来函していた鈴木陸夫さん(69)は「五稜郭での開催は歴史を感じられていい」と話していた。三輪理事長は「多くの人が見に来てくれた。函館の人に受け入れてもらえてうれしい。記念館開館に手応えを感じた」と笑顔を見せていた。(山田孝人)