2008年11月17日(月)掲載

◎ロープウェイ市民感謝祭、無料開放 山頂にぎわう
 函館山ロープウェイ(函館市元町19)で16日、「2008市民感謝祭」としてロープウエーが終日無料で開放された。創業50周年を記念した50円カレーライスの提供や景品が当たるクイズラリーなどもあり、朝から大勢の家族連れや観光客らが片道3分間の“空中散歩”を満喫した。

 同祭はクリスマスファンタジーの協賛事業「西部地区サンクスラリー」(実行委主催)の一環。午前10時の始発前から山麓(さんろく)駅を取り囲むように300人余りの長い列ができ、急きょ運行を15分繰り上げた。1000食限定の50円カレーも午前11時には整理券を配り終える盛況ぶり。この日だけで延べ約1万7500人が訪れた。

 日中はあいにくの曇り空だったが、気温は高めで山頂からの視界も良好。カレーや飲み物が振る舞われた展望台のレストラン「ジェノバ」には利用客が殺到し、窓際の特等席は終日埋まっていた。席に着くまで2時間並んだ北斗浜分小1年の三好汐令央(せりな)さん(6)は「おいしくておかわりしたい」と声を弾ませていた。

 函館山ロープウェイは1958年11月15日、前身の「函館観光事業」が31人乗りのゴンドラで営業を開始。85年に第三セクター化され、88年には125人乗りの大型ゴンドラに切り替わった。運行開始以来の輸送人員は約4000万人。石井直樹社長は「市民や観光客に支えられ半世紀を迎えられた。今後も安全運行を最優先に、2015年の北海道新幹線開業までにゴンドラなども更新したい」と話している。(森健太郎)


◎科学の魅力どう伝える 未来大で人材育成講座
 科学技術を一般向けにに分かりやすく伝える「科学技術コミュニケーター」を養成しようと、「科学と市民社会をつなぐ人材育成講座」が15、16の両日、公立はこだて未来大(函館市亀田中野町)で開かれた。市内の学生ら約20人が映像や写真など各分野の専門家から効果的な情報発信の手法を学んだ。

 北大科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP、代表・杉山滋郎理学研究院教授)の主催。2009年夏に開催予定の大規模イベント「はこだて国際科学祭」に向けて運営スタッフを育成する狙いで、16日のワークショップでは映像クリエイターら5人が講師を務めた。

 参加者は「函館×科学」をテーマに意見交換した後、分野ごとにアイデアの具現化に向けたアプローチを展開。グラフィックデザインを担当するチームは同祭のポスター製作に取り組み、写真や折り紙などを切り張りして一つの作品を仕上げていた。

 未来大3年の田中真依さん(21)と函館高専4年の藤田真弥さん(20)は季節によって見え方が異なる函館の街並みを色や写真で表現。2人は「科学の素晴らしさを広く伝え、イベントを盛り上げていければ」と話していた。(森健太郎)


◎22日にディズニーのクラシック音楽会
 幅広い年代に親しまれているディズニー音楽を楽しめる「ディズニー・オン・クラシック〜まほうの夜の音楽会2008」が22日午後5時から、函館市民会館大ホールで開かれる。東京フィルハーモニー交響楽団が「“Dream,Dream,Dream”〜夢よ、輝け」をテーマにディズニー音楽の魅力をたっぷり聞かせる。

 この公演は2002年から開かれており、今回は市文化・スポーツ振興財団(金山正智理事長)創立20周年記念事業として開催。指揮は初年度から音楽監督を務め、楽曲のアレンジなどを手掛けるブラッド・ケリー氏。第一部は東京ディズニーリゾート25周年を記念して、その歴史を音楽で振り返る。曲は25周年アニバーサリー・テーマソング「ドリーム・ゴーズ・オン」のほか、ディズニーリゾートで流れる曲のメドレー「パークミュージックメドレー」や、火の精と水の精の奇跡の愛の物語を描いた世界初演の「ブラヴィッシーモ!」など。東京ディズニーリゾートの疑似体験ができる内容だ。

 第二部は、今年大ヒットしたディズニー映画「魔法にかけられて」で、アカデミー賞主題歌賞にノミネートされ、「美女と野獣」などを作曲した巨匠、アラン・メンケンのスペシャル・プログラムが中心。「ヘラクレス」より「ゴー・ザ・ディスタンス」、「ノートルダムの鐘」より「ゴット・ヘルプ」などを演奏する。ディズニー音楽の歴史を伝える演奏者の情熱があふれるステージになる。

 入場料はS席8000円、A席6500。同会館、市芸術ホール、ローソンチケットなどで発売中。問い合わせは同会館TEL0138・57・3111。(山崎純一)


◎東川小跡地の道営住宅建設、年度内に着工
 2001年に閉校、02年に解体された旧東川小学校跡地(函館市東川町18、約1ヘクタール)で進められていた道営住宅建設計画が本格的に始動し、本年度内にも着工する見通しだ。建設される99戸のうち、30戸は渡島管内では初の「子育て支援住宅」として設計される予定で、少子・高齢化により人口減少が著しい西部地区の活性化へ大きな期待が寄せられている。

 道は市から約3億円で同跡地を購入。仮称・函館中央団地として、RC(鉄筋コンクリート)造5階建て、延べ4100平方メートルのA棟49戸(2DK9戸、2LDK16戸、3LDK9戸、子育て支援住宅2LDK15戸)、同3900平方メートルのB棟50戸(2DK5戸、2LDK25戸、3LDK5戸、子育て支援住宅2LDK15戸)を建設する。

 子育て支援住宅は、可動式の間仕切りによって子どもの成長に応じて間取りなどを変更できるのが特徴で、小学校就学前の子どもを持つ家庭が入居対象となっている。また敷地内に建設される集会所では、函館市による子育て支援サービスが提供される予定となっており、子育てに不安を持つ親をサポートする。道は2005年に「北海道子育て支援住宅推進方針」を策定。これに基づき、これまで根室市などの道営住宅に子育て支援住宅が整備されてきたが、渡島管内では初の試みとなる。

 函館市は「安心して子育てができる場所として新たな定住者が増えば、少子・高齢化が進んでいる西部地区にとっては明るい材料となる」と期待する。子育て支援住宅には「子どもが中学校に入学するまでに退去しなければならない」という入居期限が設けられているが、函館市では「優先的に他の道営住宅への住み替えをしてもらうことで、明け渡しを巡るトラブルなどがないように入居者には理解を求めたい」と話している。 (小川俊之)