2008年11月2日(日)掲載

◎道新幹線 ロングレール次々
 【知内】JR北海道は1日未明、2015年度に開業する道新幹線の軌道レール「ロングレール」の運搬作業の様子を報道陣に初めて公開した。新幹線が乗る1本200メートル、12トンのレールを、在来線の軌道の外側に置く作業で、2010年9月まで続く予定。並行して敷設作業も行われる。高速輸送時代の幕開けを告げる新幹線工事は、着々と進行している。

 公開されたのは知内町中ノ川地区の第二森越トンネル付近で、JR海峡線の函館に向かう約1キロの地点。青森の津軽今別新幹線軌道基地で溶接したロングレール(25メートル×8本、一般の8倍)を積んだ輸送車が到着し、レールの後方部と線路上の固定具をワイヤで結んだ。

 輸送車が時速3キロで前進すると、レール2本1組が後部へ下りる仕組みで、後ろを歩く作業員33人が手作業でバランスよく配置した。午前1時20分に始まった作業は約1時間で終了。JR北海道によると、本格的な敷設作業は来年1月から始まるという。

 報道公開は、道新幹線工事の本格化を地域へ知らせるのが大きな目的。やり直しがきかないため、安全面に配慮しながら慎重に作業を進めた。

 ダイヤスケジュールなどの都合で深夜に行う運搬作業は危険が伴うため、一般公開は予定されていないが、木古内新幹線工事事務所の松波摂哉(せつや)所長(45)は「工事は順調に進んでいる。これから雪が心配されるが、早期開業に向け、安全第一、万全の態勢で作業に臨みたい」としている。(田中陽介)


◎充実発展誓い 節目祝う…柏野小80周年
 函館柏野小学校(藤井良江校長、児童381人)の創立80周年記念式典が1日、函館市松陰町の同校で行われた。同校を1943年に卒業した作曲家廣瀬量平さん(78)=京都在住=作曲の「はこだて賛歌」の全校合唱などが行われ、集まった関係者ら約500人が節目を盛大に祝った。

 式典に先立ち行われた全校皆唱では、児童がリズムに合わせ、体を揺らしながら楽しげに歌い上げた。来賓の廣瀬さんが紹介されると、参加者から大きな拍手が沸いた。

 式典で藤井校長は「80年間の伝統を受け継ぎ、優しく一生懸命な(柏野小の)皆さんは自慢。今後も『開発』の精神を継承し、『質の高い柏野教育』を充実発展させたい」と式辞を述べた。続いて、高橋則行創立80周年記念事業実行委員長があいさつし、多賀谷智教育長らが来賓あいさつした。

 記念品贈呈に続き、6年生が同校の創立から現在に至る歩みを写真のスライドショーで紹介。昭和時代の給食や授業風景などが映し出されると、参加者は懐かしげにスクリーンに見入っていた。(新目七恵)


◎CO2排出量計算 えこ之助と楽しくエコ挑戦…道の環境政策課がサイト開設
 道の環境政策課地域環境グループはこのほど、インターネットで個人の二酸化炭素(CO2)排出量を計算することができるサイト「えこ之助 みんなでエコチャレンジ!」を開設した。具体的なCO2削減法もアドバイスされる仕組みで、同グループは「楽しみながら環境問題についての意識を高めてもらえれば」と期待している。

 環境に配慮する意識を高め、北海道環境宣言を道民一人ひとりに根付かせることが目的。環境忍者「えこ之助」という愛らしいキャラクターが案内役に置かれており、小さい子どもたちもゲーム感覚で参加できる。

 利用者は「CO2排出チェック」コーナーに1カ月の電気、ガス、水道、灯油、ガソリンの使用量を入力し、1日当たりのCO2排出量を確認。「冷房の設定温度を1℃高くする」「車に乗るのをやめる」「買い物の際にはマイバッグを持ち歩く」など46種類の努力項目から、実施可能な「マイ行動メニュー」を選択すると、新たなCO2削減量が表示される仕組み。行動内容に応じて「えこ之助」が細かなアドバイスをしてくれる。

 同グループではCD―ROM版も作成し、道内中学校への配布を予定している。同サイトのアドレスはhttp://www.econosuke.jp。(小川俊之)


◎クジラ肉大人気!…北大「北水祭」始まる
 北大水産学部(函館市港町3)の大学祭「第47回北水祭」が1日、開幕した。今年は「Aqua(アクア)カンタービレ」をテーマに、2日間にわたり開催される。初日は、毎年人気の「北大鯨類研究会」のクジラ肉販売に長蛇の列ができたほか、学生らの模擬店やキャンパス内をめぐる探検ツアーなどが来場者の人気を集めた。

 鯨類研究会が提供する1日300食限定の名物「鯨すき丼」は、東京農大客員教授で札幌市の「おばんざいくじら亭」の野口真希さんが考案。クロミンククジラの赤肉をすき焼き風にアレンジし、臭みもなく食べやすいと人気を集めた。冷凍赤身や大和煮の缶詰販売は、市販価格より安いとあって、開始前から80人ほどの列ができ、瞬く間に初日分を売り切った。

 缶詰を買い求めた同キャンパスの清掃員、山田敦子さん(55)は「普段、学生たちの準備の様子を見てきたので、今日はゆっくり見て回りたい」と話していた。

 また、函館市漁協と南かやべ漁協主催の鮮魚即売会会場には、近海で水揚げされたばかりの新鮮なマコガレイやクロソイ、サケなどが並び、主婦らの人気を集めた。このほか、同学部の交響楽団によるコンサートや、キャンパスをめぐるツアー、ミニ水族館など、多彩な催しで来場者を楽しませた。北水祭は2日も行われ、活魚のつかみ取りやチアリーディング部のパフォーマンスなどを予定している。 (今井正一)


◎個性あふれる作品並ぶ…函館市民文化祭
 函館市民文化祭(市文化団体協議会など主催)が1日、市芸術ホールで開幕し、展示部門の「清秋・函館市文団協芸術展」、茶席などの「ぶんだん秋の庵」が始まった。市内で創作活動に励む団体の作品が一堂に展示され、訪れた人の目を楽しませている。

 展示部門・茶席には文芸、美術、書道、華道、陶芸、茶道などの各分野から18団体が参加。茶席では初日、函館Xォ茶道連盟が日ごろの研さんの成果を披露した。

 展示には戸井、南茅部の団体が初参加。会場を華やかに彩るアレンジメントフラワー、クリスマスの雰囲気を演出したトールペインティング、個性あふれる陶芸などの作品200点以上がずらり。入り口付近に並ぶ彫刻も存在感を際立たせている。堺栄泰石展示委員長は「いろんな作品を見て自分でも何か習ったり作ったりしてみたいと思う人が増えてくれれば」と話している。

 展示は午前10時―午後6時(5日は同4時まで)、茶席が午前10時―午後3時半でいずれも5日まで。舞台部門「華麗・錦秋の夕べ」は2、3日のいずれも午後6時から開演。後半は市民会館(湯川町1)で市民オペラ公演「コシ・ファン・トゥッテ」(8日午後6時、9日午後1時、同6時)、「2008函館アート・フェスティバル」(6―10日)が開かれる。(宮木佳奈美)


◎秋の褒章 道南から5人
 政府は2日付で2008年秋の褒章受章者を発表した。受賞者数は全国で789人、このうち道内は30人で、道南からは渡島管内から4人、桧山管内から1人が選ばれた。

 樋本さんのほかの道南の受章者は次の通り。(敬称略)

 ▽黄綬褒章(業務精励・鉱山保安業務)中田仁(71)=上ノ国町新村239、中外鉱業上国駐在事務所長▽藍綬褒章(更生保護功績)蛯子洋子(75)=函館市弥生町23、保護司▽同(自衛隊協力功績)小笠原金悦(82)=函館市松川町45、自衛官募集相談員▽渡邉邁(74)=七飯町鳴川1、保護司