2008年11月20日(木)掲載

◎冬の訪れ
 冬型の気圧配置となった19日、道南でも本格的に雪が降り、道路や畑ではうっすらと雪に覆われたところが目立った。七飯町の大沼国定公園内では、午前中のうちに芝生が真っ白になり、寒そうに歩く観光客が見られた。

 函館海洋気象台によると、午後9時現在の道南の最低気温は、函館氷点下2・8度、長万部同4・8度、森同4・4度など、ほどんどで今冬最低を記録した。積雪は長万部4センチ、福島町千軒4センチ、函館1センチ。夜は路面が滑りやすくなり、慎重に運転するドライバーも見られた。

 同気象台によると、20日は雪でふぶき、渡島地方は昼すぎから、桧山は夕方ごろから曇りになる。(山崎純一)


◎企画・函館子ども歌舞伎20年(1)…観客うならせた初舞台
 1989年2月、市民参加の歌舞伎で知られる「初春巴港賑(はつはるともえのにぎわい)」の第11回公演で子どもだけによる歌舞伎「絵本太功記十段目」が上演されたのが「函館子ども歌舞伎」としての初舞台となった。

 当時、初春巴港賑の指導に当たっていたのが二代目市川団四郎さん(68)。86年から石川県小松市の「曳山(ひきやま)子供歌舞伎」の振り付け指導に出向いていた市川さんは、子どもたちが純真に頑張る姿に感動し、「函館の人たちにも見せたくて、自分が函館の子どもを集めて教えればいいと思った」と振り返る。

 初舞台は大好評だった。予想を超える子どもたちの本格的な芝居に多くの観客は驚き、「この公演だけで終るのは惜しい。函館で定着させるよう育てていくべきだ」と関係者の機運が高まった。当時、初春巴港賑の実行委員長だった関輝夫さん(現函館子ども歌舞伎後援会顧問)が小玉陽造さん(73)に後援会長就任を依頼し、市内の演劇愛好者らとともに89年11月、後に後援会となる「函館子ども歌舞伎を育てる会」を発足。翌年12月には旗揚げ公演が行われた。

 当初のメンバーは日本舞踊、バレエ、ダンスなどから子どもたちを集め、10人でスタート。市川さんは「いろんなジャンルに必ず才能が光る子がいる。そのような子は抵抗なく歌舞伎にも興味を示してくれた」。老人ホームなどの慰問公演を重ね、93年に第1回自主公演を実施、以来、2年に1回のペースで開催できるようになった。

 2000年には、青森県の子ども歌舞伎との交流など各地のイベントに呼ばれ、03年には小松市の「全国子ども歌舞伎フェスティバル」、その翌年には東京のNHKホールで開かれた「全国ふるさと歌舞伎フェスティバル」に招かれて公演。近年は東京・新宿コマ劇場や沖縄でも舞台に立った。

 各地で大人顔負けの本格的な演技を披露し、観客を圧倒した函館子ども歌舞伎は、名実ともに日本一といえるだけの評価を得るようになった。「子どもたちにプロと同じことを要求し、それに応えてくれたからここまでこれた」。市川さんはこう自信を見せる。

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 30日午後1時から函館市民会館で公演する「函館子ども歌舞伎」は初演から今年で20周年を迎えた。子どものレベルを超えた本格的な芝居で全国的にも知名度を高めてきたこれまでの歩みを振り返り、指導者の市川団四郎さん、支え手となって応援してきた後援会ら関係者の思いを伝える。(宮木佳奈美)



◎「新幹線や水産振興を」…渡島・桧山の総合開発期成会 石破農水省に要望
 石破茂農林水産大臣を迎えた要望会が19日、花びしホテル(函館市湯川町1)で開かれた。渡島総合開発期成会(会長=海老澤順三北斗市長)と桧山総合開発期成会(会長=工藤昇上ノ国町長)から、道新幹線の建設促進や、農林水産業の支援強化などを求める意見が出されたのに対し、石破大臣は「地方の抱える問題をしっかりと受け止め、住民ひとりひとりの心に響く事業を実施していきたい」と答えた。

 この日は両期成会から、道新幹線や道縦貫自動車道など交通網の整備促進、農業の土地改良事業に関する地元負担金の軽減、漁港整備や栽培漁業への支援、治山や海岸保全の防災対策の推進などについての要望が出された。

 このうち道新幹線について石破大臣は「北海道にとって函館までの早期開通に加え札幌までの延伸が必要不可欠」と理解を示し「金子一義国土交通大臣に整備促進の重要性をしっかり伝えたい」と話した。また交通網整備については「広大な土地を有しながら他の代替手段が存在しない北海道こそ優先的に行われるべき。建設業が果たす地域経済への役割も考慮する必要がある」と語った。

 また、農林水産業への支援については「農業における用水整備や土地改良、水産業における漁港整備や栽培漁業の推進は渡島桧山にとって重要な課題。できる限り地元の要望に対応していきたい」と話した。(小川俊之)


◎クリファン 来月1日に開幕
 函館の冬を彩る「2008はこだてクリスマスファンタジー」が12月1日、函館市末広町の金森赤レンガ倉庫群前で開幕する。クリスマスツリーはカナダ・ハリファクスから届けられる約20メートルのモミの木で、電飾を施して同倉庫群前の海上に設置される。25日までツリー点灯式をはじめ、さまざまな催しが繰り広げられ、函館の冬の観光を盛り上げる。

 今年で11回目の開催。初日は午後5時半から、ツリー前でオープニングセレモニーが開かれ、ツリーに取り付けられた電飾が一斉に点灯するとともに花火が打ち上げられる。

 ツリーの点灯式は2日以降も午後6時から毎日実施し、一般市民ら日替わりで式に登場し、点灯ボタンを押す。期間中、会場では「スープバー」を設け、午後5時から同8時まで市内の飲食店のオリジナルスープ12種類を1杯500円で販売する。

 関連のイベントも目白押しで、カナダ・ハリファクス市を紹介する写真展(1―25日・金森洋物館内特設会場)や、クリスマスファンタジーの歴史をポスターや写真で紹介する「メモリアルギャラリー」(1―25日・市地域交流まちづくりセンター、JR函館駅イカすホール)、市内の幼稚園児によるクリスマスソングの発表会「クリスマス・キッズ合唱コンサート」(12日午後6時半、金森ホール)のほか、団体・企業が企画・運営した行事も行われる。

 最終日の25日午後6時からはファイナルセレモニーが開かれ、ツリーの灯りが消える。同実行委は「昨年は節目の10回を迎えたが、今年も皆さんが楽しめるようさらに盛り上げていきたい」としている。問い合わせは市観光コンベンション部TEL0138・21・3323、函館国際観光コンベンション協会TEL同27・3535。(鈴木 潤)


◎ダンス教室「R dance company」来年10周年公演
 函館市末広町9のダンススタジオ「R dance company」(高野理恵子主宰)では、来年10月31日に函館市民会館で開くスタジオ開設10周年記念公演「宇宙(そら)へ」の際に、アメリカなど世界で活躍する日本人ダンスアーティスト「TONYTEE(トニーティー)」さんの作品を発表するにあたり、一般から出演するダンサーを募集している。希望者は22日のワークショップ、23日のオーディションに参加が必要。

 同スタジオは1999年10月に創立。これまで2年に1回発表会を開くほか、市文化団体協議会や北海道ジャズダンス協会のイベントにも出演してきた。

 トニーティーさんは、広島県出身。東京学芸大大学院修了後、1985年に渡米し、ハリウッドでプロダンサーとして活躍。オリジナルダンススタイルを確立し、これまで、ダイアナ・ロス、マドンナなどのステージの振り付けをし、マイケル・ジャクソンと共演もしてきた。現在は、ロサンゼルスにダンスアカデミーを開設し、日本でもワークショップを開くなど活動中。テレビなどで話題のリズム感育成トレーニング「インターロック」の考案者でもある。

 高野さんは「日ごろの活動の感謝を込め、節目の公演は生徒のみならず、市民も参加してもらい、世界のトニーティー作品に触れてもらおうと企画した」と話している。対象は3歳以上で、ダンス経験の有無は問わない。

 22日のワークショップは午後1時半からキッズ初級、同2時半から同中級など、インターロックからロッキング、ヒップホップなど7種類。23日オーディションはキッズは午前10時から、大人は午後7時から、いずれも同スタジオで行なう。ワークショップの受講料は1レッスン4000円、1日フリーパス1万5000円で、オーディション参加費は1000円。

 申し込みは22日午前まで、同スタジオTEL0138・23・7121または高野さんTEL090・3112・2635。問い合わせは同じ。(山崎純一)