2008年11月26日(水)掲載

◎函館八幡宮で破魔矢、おみくじ作り始まる
 来る年に願い込め―。師走入りを前に、函館市谷地頭町の函館八幡宮(中島敏幸宮司)で25日、破魔矢など正月の縁起物づくりが始まった。氏子で構成する函館八幡宮敬神婦人会(国立タミ会長)の女性たちが初詣での準備を着々と進めている。

 縁起物は毎年、同会が奉仕活動で手掛けている。今年は45人が参加し、破魔矢や鏑(かぶら)矢に来年の干支(えと)「丑(うし)」をあしらった絵馬などを一つずつ取り付け、おみくじを折って丸めるなどの仕上げ作業に取り組んだ。

 国立会長(80)は「不景気が続き、凶悪事件などが起こる中、来年は穏やかで安心して過ごせる世の中であってほしいと願い、心を込めて作業しています」と話していた。

 作業は26日も行われ、破魔矢4000本、鏑矢1000本、おみくじ2万5000本、お札8000体を用意する。同神社では例年並みの約7万人の参拝者を見込んでいる。(宮木佳奈美)


◎函館の魅力を世界に発信「はこだて動画甲子園」実施中
 あなたしか知らない函館の魅力を「動画」で表現しませんか―。函館市は、街の映像をインターネットの人気動画投稿サイト「You Tube(ユーチューブ)」に掲載し、魅力を世界にPRする「はこだてブランド映像事業」に取り組んでいる。この一環として、短編動画を一般公募する「はこだて動画甲子園」を実施中だ。事務局の映像制作会社「シンプルウェイ」(阪口あき子代表)は「夜景だけでなく、住んでいるから分かる函館の魅力をアピールしたい」としている。(新目七恵)

 近年の観光客減などを背景に、同市観光コンベンション部ブランド推進課が企画し、同社に事業を委託した。新たな街の魅力を発掘し、動画投稿サイトを活用する観光振興の新たな試みだ。

 同事業ではまず、同社が「函館の新しい魅力」を伝える短編動画を来年3月までに30本以上制作する計画。既に21本が完成しユーチューブで公開しており、専用ホームページ(HP)「函館CM放送局―Hako Tube」で視聴できる。

 作品は観光や食などがテーマだが、ユーチューブ視聴者をターゲットにしているとあって、どれも切り口が少し変わっている。「函館滅亡!?イカール星人襲来」は、CGと実写を組み合わせ、異星人が操る巨大イカロボットと、五稜郭タワーが変身したロボットが対決するユニークな内容。「秘湯ハンター」と称した中年男性が水無海浜温泉など各地の温泉地を訪れるシリーズや、生のイカの足を男性がそのまま食べる刺激的なシーンなど、どれも趣向が凝らされている。阪口代表(35)は「これまでのイメージと違う函館の面白さや魅力を感じてもらい、それが話題になれば」と説明する。

 一般公募は「世界に発信したい函館の新しい魅力!」をテーマとした1分以内の短編映像。1月20日(当日消印有効)まで募集し、審査を経て入賞作品を決める。最優秀には賞金10万円を用意。入賞作品は事務局が英語、中国語、韓国語にも翻訳し、ユーチューブで公開する。携帯電話のカメラで撮った映像も可。同社担当の上田武央さん(31)は「映像の質よりインパクトや題材を重視。あなたの“函館愛”を形にして」とPRしている。

 希望者は応募用紙に作品を記録したDVDを添えて、事務局(函館市本通1の26の12 シンプルウェイ内)に提出する。問い合わせは事務局TEL0138・86・7601。専用HPはhttp://www.omoide.tv/hakotube/


◎知内町公民館でそばの図書展
 【知内】知内町重内21の町公民館1階ロビーで、そばの関連図書を並べる「蕎麦(そば)特集展」(町教委)が開かれている。ソバ畑の風景写真や手打ちそばの調理指南書、道内の人気そば100店を紹介する雑誌、各地の風習が解説されたそば辞典など30冊を展示。関係者によると、テーマを「そば」に絞った図書展は極めて珍しいという。12月16日まで。(田中陽介)

 同館では各種の文化活動が盛んに行われていることから、そうした催しに沿った図書の展示で、行事に魅力を加えようと企画。例年この時期に新ソバを使った手打ちそば会が開催されることから、道立図書館(江別市)の協力を得て準備した。

 道内有数のソバ畑、空知管内幌加内町の様子を撮影した写真集は、青空に映える純白な花が印象的。「手打ち道場」と題した調理本や、「ここのそばはお薦め」と、全国のJR沿線の駅そば店を紹介するユニークなものもある。

 展示場所では町教委職員が仕上げた説明文も添えられている。その中では、江戸時代の落語や浮世絵でそばが多く登場する様子を伝え、「そばは脇役に過ぎませんが日常には不可欠な存在。時代を超えて愛されている」と紹介している。

 そば屋の雰囲気を演出しようと、毛糸で細工した“ざるそば”の玩具や本物のつゆ入れなども町職員が用意。図書室担当の中島弓枝さん(26)は「興味を持ってもらえるように、表紙を見やすくするなど、飾り付けには工夫を重ねた。本に親しんでもらえる機会になればうれしい」と笑顔を見せる。

 手続きを踏めば町外の人でも貸し出し可能。月―土曜日の午前9時―午後5時(火・水・木曜日は午後8時半まで)。日曜休館。

 問い合わせは町教委TEL01392・5・6855。


◎五稜郭タワーにXマスツリー
 12月1日に開幕する「2008はこだてクリスマスファンタジー」(実行委主催)を前に、五稜郭タワー(函館市五稜郭町)のアトリウムで25日、高さ約4メートルのクリスマスツリーが点灯し、観光客らの目を楽しませている。国の特別史跡・五稜郭をライトアップする「五稜星(ほし)の夢」に合わせ、12月からはタワー独自の電飾も加わり、ツリーとともに来年2月末まで飾られる。

 このツリーは函館の姉妹都市、カナダ・ハリファクス市から贈られた“産地直送”の本場のモミの木。赤レンガ倉庫群(市内末広町)前の海上に設置するメーンツリーとは別に、市民や観光客にイベントをPRするため、函館空港やJR函館駅など市内10カ所に順次飾られる。

 同タワーのツリーは青、緑、白の3色の電飾約1100個のほか、上空からつり下げられたブランコに乗る約70センチのサンタクロースが飾り付けられ、クリスマスムードを演出。この日は午後5時に明かりがともり、早速、携帯電話のカメラに収める女子高生の姿も見られた。

 散歩がてらタワーを訪れた市内杉並町の松橋祥子さん(61)は「いよいよクリスマスが始まる気がして、函館山の夜景に負けないぐらいすてき。きょうはラッキーでした」と瞳を輝かせていた。ツリーの点灯は毎日午後5時前後から午後10時まで。(森健太郎)


◎振り込め詐欺で225万円被害
 金融会社を名乗る男からローンの一本化を勧められ、指示通りに現金を宅配便で送った函館市内の会社員の女性(28)から「現金225万円を支払ったが、連絡が途絶えた」と、函館西署に25日までに届け出があった。同署は融資保証をかたる振り込め詐欺事件として、捜査を進めている。

 調べによると、女性の元に10月中旬、「ローンの一本化で支払い総額を削減できる」などとするはがきが届いた。複数のクレジット会社から約89万円の債務があった女性が申し込みの電話を掛けると、男から100万円を融資する条件として「信用が薄いので、消費者金融2社から借りられるだけの金を借りて送ってほしい。借りた金は当社が返済する。それがあなたの信用となる」と持ち掛けられたという。

 女性は今月19日、言われるまま市内の消費者金融2社から計225万円を借り、指定された東京都内の住所に宅配便会社のメール便を使用して現金を郵送した。その後、男からは「融資が遅れる」と言われたのを最後に連絡が途絶えた。

 だまされたことに気付いた女性が23日、同署を訪れたという。


◎10月の函館港貿易概況 輸出3カ月ぶり減
 函館税関は25日、10月の函館港貿易概況を発表した。輸出は国際商品市況の下落で鉄鋼のくずが大幅に減少したため、前年同月比75・4%減の1億5500万円と3カ月ぶりのマイナス。輸入は石炭の価格高止まりや魚介類・同調整品が増えたことから、同18・3%増の12億3700万円と2カ月連続のプラスだった。

 輸出の品目別では、主力の船舶がゼロ。韓国・香港向けの鉄鋼のくずが全体の約8割を占めたものの、同67・0%減の1億2100万円だった。海外需要の冷え込みに伴う相場の下落が主因とみられる。魚介類・同調整品は前年にあったカナダ向けのサケ(200トン、1億1900万円)が全減し、全体の数字を押し下げた。

 輸入は石炭が数量で同8・6%減だったが、額では同21・8%増の4億3900万円と堅調。小麦・メスリンも数量で同16・7%減、額で2・4%増と依然として価格の高止まりが続く。サケ・マス(前年同月比15・3倍)やイカ(同6・6倍)、ニシン(全増)などの急伸で、魚介類・同調整品は全体で同54・8%増の4億8600万円だった。

 同税関管内(道内と青森、秋田、岩手の東北3県)では、輸出が北米向けの自動車の部分品(自動無段変速機など)のほか、オランダ向けの事務用機器、クウェート向けの加熱・冷却用機器などの一般機械が大幅に増加し、同13・3%増の633億1100万円と4カ月連続のプラスで過去2位を記録。輸入は原・粗油や石炭、トウモロコシの価格高騰が続いていて、同31・5%増の1881億200万円となり、今年に入り10月までの累計で昨年実績を上回った。(森健太郎)


◎「はこだて賛歌」など作曲、廣瀬量平さん死去
 函館市出身の作曲家で、今年7月に函館市栄誉賞を受けた廣瀬量平さん=京都市在住=が24日午前11時7分、肝不全のため入院先の京都市内の病院で亡くなった。78歳。自宅は非公開。近親者で葬儀を行い、後日、「しのぶ会」を予定している。

 1930年、函館生まれ。61年に東京芸大作曲科専攻科を修了。「尺八とオーケストラのための協奏曲」など代表作は数多く、紫綬褒章や旭日小綬章を受けた。

 函館関連でも「はこだて賛歌」「岬のレクイエム」を作曲した。市民との合唱やフルート奏者育成など、文化・芸術の振興に貢献し、7人(組)目となる市栄誉賞を受けた。

 今月1日に開かれた母校の函館柏野小学校創立80周年記念式典に出席。西尾正範市長は「元気な姿を拝見したところで、誠に痛恨の極み。廣瀬氏の功績は郷土の誇りで、市民の記憶から決して消え去ることはない」とのコメントを発表した。柏野小の藤井良江校長も「子供たちのはこだて賛歌の合唱に、うれしそうな顔をされたのが印象的だった。講演会の一言一言が心に響き、函館に温かい思いのある素晴らしい方だった」と別れを惜しんだ。