2008年11月27日(木)掲載

◎クリスマスムード演出…遺愛旭岡幼稚園 イルミネーション点灯
 函館市西旭岡町2の遺愛旭岡幼稚園(山田秀夫園長、園児89人)で26日、玄関前のイルミネーションが点灯し、預かり保育で残っていた園児や近所の住民らが夕闇に瞬く青や白の光を眺め、一足早くクリスマスムードを楽しんでいた。

 イルミネーションの点灯は毎年恒例で、4年ほど前から屋外を本格的に電飾している。玄関前にはサンタクロースやトナカイ、クリスマスツリーの形をした電飾のほか、屋根からつるされた無数の光が園舎を彩る。電球の数は合わせて3000個で、同園のバス運転手鳴海明さんが10日間掛けて飾り付けた。山田園長は「市民にも楽しんでもらいたい」と話し、12月22日まで毎日午後4時から同8時まで点灯する。

 高田詩織ちゃん(5)は「サンタさんがきれいだった」と笑顔。村田愛莉ちゃん(5)も「トナカイさんの青い電球がきれいだから好き」と話していた。(宮木佳奈美)


◎看護師増員し患者確保…公立病院改革
 函館市病院局は26日、市病院事業改革プランの素案を市議会民生常任委員会(佐古一夫委員長)へ報告した。市立3病院の経営改善化や患者に信頼される病院づくりを求める質問が相次ぎ、同局は「入院収益を上げることが欠かせず、看護師の増員や接遇の向上などで患者の確保を図り、病床利用率を高めたい」と述べた。民生委も「市政の最重要懸案」(佐古委員長)として、議会独自の提言を年明けにもまとめる。

 市立病院で38億円の累積赤字を抱える函館市は、本年度に公立病院特例債(借金)29億2600万円の発行を計画している。経営健全化と特例債発行に向け、本年度内に改革プランを成案化する。素案では来年度から2015年度までの7カ年で病院事業の黒字化を目指す。

 すでに実施している患者7人に対し看護師1人を配置する「7対1看護」について、市病院局の藤森和男管理部長は「サービスの向上や手厚い看護、診療報酬が上がるメリットがあり、看護師の人件費などを引いても年間3億7000万円程度の効果がある」と答えた。

 函館病院の場合、1日当たりの入院患者は10月末時点で447人だが、看護師の増員を図ることで来年度は490人、2012年度には520人まで増やし、維持する計画を伝えた。

 病院特例債の発行で不良債務の解消を図るが、実質的には借金の借り換えにすぎないことも指摘されている。病院事業会計には本年度、一般会計から19億6000万円を繰り入れる見込みだが、改革プラン素案では、来年度から繰入金が年間6―13億円増加する見通し。

 複数の委員が「一般会計に依存しすぎで、収益を増やす努力が必要だ」と指摘。藤森部長は「医師の大幅増員など現実とかけ離れた改革プランは認められない方針のため、一般会計からの繰り入れに頼らざるを得ないが、経営改善を図り少しでも圧縮したい。改革プランも毎年、ローリングして改めたい」と述べ、理解を求めた。(高柳 謙)


◎「エフロード」内の旭友ストア来月閉店
 函館市北美原1の商業施設「エフロード」内の食品スーパー「旭友ストアーエフロード店」が12月31日で閉店することが決まった。周辺の競合店の影響で客足が伸びず、業績の改善が見込めないため。同店は今年4月に改装オープンしたばかりで、市内で激化する流通競争の余波が徐々に広がり始めた。

 同店は親会社の旭川電気軌道(旭川市、大谷平次社長)が昨年12月、エフロードを経営する美原商業協同組合(函館市美原3、時兼正富理事長)と10年間の賃貸契約を締結。エフロード内にテナントとして入居し、旭友ストアーとしては道南では4店目、初の函館進出だった。売り場面積は約2000平方メートル。

 従業員のうち正社員5人は配置転換を行うが、16人の地元採用のパート従業員は先週末までに年内での解雇を通知した。同組合との契約事項に盛り込まれていた中途解約時の後継テナントの誘致について、同社は「食品スーパー業態に限らず、現在数社と協議中」としている。

 周辺にはスーパー魚長石川店、道南ラルズのビッグハウス・アドマーニ美原店、生活協同組合コープさっぽろ赤川店などがひしめく激戦区。約2キロ離れた石川町には同時期にイオングループのマックスバリュ石川店もオープンし、顧客の奪い合いが激しさを増していた。

 旭川電気軌道の河西利記常務は「激戦地であることは承知の上での出店だったが、思うように集客が伸びず、赤字回復の見込みが立たないと判断した。(競合で)結果的に周辺地域の顧客が分散してしまい、商品構成などで特色を出し切れなかった」と話している。

 エフロードは同組合が1991年に開業したが、昨年4月には売り上げの不振などで全テナント店舗が撤退し、旭友ストアの入居で約1年ぶりの営業再開となった。同組合は「寝耳に水の話で驚いている。あまりに早すぎる撤退で期待していただけに残念。雇用面や道南地区の他店舗への影響も懸念され、ダメージは大きい」としている。(森健太郎)


◎函館出身の演歌歌手・暁恵さんがデビュー10周年コンサート
 函館出身で演歌歌手の暁恵(あかつきめぐみ)さんは24日、カフェ・ペルラ(元町18)でデビュー10周年記念コンサートを開いた。これまで研さんを積み重ねてきた演歌を熱唱したほか、節目を機に挑戦を重ねる決意をした歌謡曲、ポップスを披露。「古里のファンの温かい声援に勇気づけられた。これからはジャンルにこだわらず、大好きな歌の世界で頑張っていきたい」と意欲を話し、満員の観客から拍手を受けていた。

 暁さんは幼少時から地元のカラオケ大会などで活躍し、NHKのど自慢チャンピオン大会出場をきっかけに、函館大妻高卒業後に作詞・作曲家の故中山大三郎氏の内弟子となり、98年に本名の田村恵でデビュー。2003年に暁恵と改名し、これまで3枚のシングルをリリースしてきた。中山氏が亡くなった05年前後には、看病のためマイクを握れなかった時期もあったが、現在は歌手活動に加え、芝居やものまねにも挑戦するなど精力的に活動範囲を広げている。

 今回のコンサートは、昨年6月の金森ホール以来、単独ステージとしては2度目。「前回は最初から最後まで緊張ばかりだったが、今回はリラックスして楽しむことを目指した」と話すように、終始明るいムードで、美空ひばりや森晶子などの演歌のほか、杏里の「オリビアを聞きながら」やホイットニー・ヒューストンの「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラブ・ユー」まで多彩なジャンルの作品を歌いこなし、見事な歌唱力で観客をうならせた。

 暁さんは「以前は演歌以外を歌うことに抵抗があったが、新たなジャンルに挑戦することで自分の可能性を探ってみたくなった」と明かす。さらに、今年からは函館出身で東京で活動する音楽出版社長の河村悦郎さんにプロデュースを依頼。河村さんは「演歌にとどまらず、表現者としての暁さんの個性を発揮できる新曲を、来年中に発表したい。将来的には暁さんを目標にして函館から多くの歌手が誕生するような存在になってほしい」と大きな期待をかけている。

 さらなる飛躍に向かう暁さんは「この10年間、辛いことも少なくなかったが、歌うことをやめようと思ったことは一度もなかった。古里のみなさんが温かく応援してくれる限り、いつまでも歌い続けたい」と熱く語った。(小川俊之)


◎委託料返還求める方針…貿易センター 不正経理問題
 函館市議会経済建設常任委員会(小山直子委員長)が26日に開かれ、市は第三セクターの「函館国際貿易センター」(社長・谷沢広副市長)に委託しているポートセールス業務と、港町ふ頭コンテナヤード施設の管理について委託料の一部返還を求めていく考えを明らかにした。

 ポートセールス業務は、同社の元専務(70)が主導した不正経理問題に関連し、元専務らがサハリンへのチャーター便に無料で搭乗したにもかかわらず、2005年、07年度に各1回、計約9万5000円の航空運賃を不正に受け取った。

 同ふ頭コンテナヤード施設の管理は、同社が06―08年度に市の指定管理者として業務を受託。委託料は年間約2200―2400万円で、今回の問題発覚を受けて市が調査したところ、06、07年度に冷凍コンテナで使用した電気代が、当初の算定額より年間約400万円少ないことが分かった。

 市の高橋良弘港湾空港部長によると、ポートセールス業務の旅費に相当する分は全額の返還を求める一方、コンテナヤード施設管理については「取り扱うコンテナの数が想定より少なかったことによるものなので、全額返還とはならない」とし、今後庁内で対応を協議していくという。

 この日の委員会では、プール金の一部を出費して05、06年に同市内のホテルで開催した同社の新年会に、当時の社長だった元助役をはじめ、派遣職員や市職員が出席していたことも判明。会費の全額を会社が負担していたか、一部を個人負担していたかなど、市の聞き取り調査では対象者の記憶があいまいで意見に食い違いがあるという。(浜田孝輔)