2008年11月3日(月)掲載

◎歩道の落ち葉を踏みしめ歩く
 函館市見晴町の見晴公園(香雪園)で2日、濡れたアスファルトの歩道に、イチョウなど落葉が、黄色やオレンジなどの幾何学模様を描いていた。

 函館はこの日の朝に雨が降り、路面がしっとり濡れた。風で落ちた葉が路面に張り付き、まるで黒板の上に絵を描いたようなコントラストになった。頭上では、ドウダンツツジやイタヤカエデも多彩な色合いに染まり、足元では落ち葉のほかにドングリも落下して、訪れた人は晩秋の風情を楽しんでいた。(山崎純一)


◎昨年度398件、1億510万円 初の動産、車1台を公売…函館市の差し押さえ
 函館市が昨年度、市税滞納者に実施した差し押さえは398件で、金額は1億510万円となっている。初めて動産も差し押さえ、5件のうち公売となった自動車1台がインターネットオークションで見積価格の10倍以上で落札された。市納税課は「支払う能力がある滞納者には、これからも厳しく臨む」と話している。

 同課によると、昨年度の内訳は不動産が28件、3957万円、債権が365件、5420万円、自動車などの動産が5件、1132万円。金額は差し押さえ対象となった税額で、回収額ではない。件数、金額とも昨年度分で、それ以前から続いている不動産や債権の差し押さえもある。

 債権差し押さえの9割近くが国税還付金で、07年度は約1750万円を回収した。残りは生命保険の返戻金や預貯金、家賃、給料など。生命保険は解約することで返戻金が入るが、多くはその前に分納に応じるという。

 不動産は過去の差し押さえ分も含め、昨年度は市内の土地と家屋、土地2件の計3件を公売した。動産は5件のうちワゴンタイプの自動車1件を公売し、見積価格4万8000円に対し、51万3000円で落札され、同課は「一定の成果があった」と語る。

 過去の差し押さえ件数と金額は、04年度が469件、6870万円、05年度が489件、9693万円、06年度が407件、1億2483万円。件数と金額は必ずしも比例せず、差し押さえの対象額によって金額が上下する。

 昨年度の市税収入は、調定額(滞納繰越分を含む)が366億9072万円で、収入額は339億7938万円、収入率は92・6%。市税は一般会計歳入の3割近くを占める貴重な自主財源で、公平な税負担のため、滞納額の圧縮が求められている。

 10月からは保育料や介護保険料、水道料金、医療費などの未収金に対し、徴収業務のノウハウを担当部局に指導する債権回収対策室も財務部内に設置された。税外収入を含めた滞納金の回収に、市は力を入れている。(高柳 謙)


◎7団体 多彩なステージ…市民文化祭・舞台部門
 函館市民文化祭の舞台部門を飾る「華麗・錦秋の夕べ」(市文化団体協議会など主催)の第1夜が2日、市芸術ホールで開かれ、約600人の観客がダンスやバレエ、長唄など多彩なステージを満喫した。

 今年は「粋からモダンへ〜益田喜頓さん生誕100年に捧げる〜」と題して2日間にわたり開催。初日は7団体が出演した。

 ステージは大正琴アンサンブル「琴蕗(ことぶき)」とソシアルダンススクール「ふるかわ&みやざき」の共演でスタートし、大正琴の演奏に合わせて男女ペアの踊り手がワルツやタンゴなどを踊った。

 来年10周年を迎える「R dance company(アール・ダンス・カンパニー)」は先ごろ行ったプレステージ「宇宙COSMOS(コスモス)」で発表したダンスを熱演。三国バレエ研究所は「フェアリーガーデン」と題し、華やかなバレエを披露し、観客の拍手や声援を送られていた。

 最後は出演団体の代表者らが「函館讃歌」を歌い幕を閉じた。

 港町の男性会社員(51)は「どの団体もレベルが高く感心した。大正琴とダンスのコラボレーションは新鮮だった」と話していた。

 3日午後6時から同ホールで第2夜のステージが行われ、函館地区吹奏楽連盟など7団体が出演する。(鈴木 潤)


◎啄木短歌 若い感性で…道南の高校生が書道展
 道南の高校生による書道展「啄木短歌を書こう」(財団法人函館市文化・スポーツ振興財団主催)が函館市末広町22の市文学館で開かれている。若さあふれる力作23点が来場者の目を楽しませている。12月25日まで。

 財団創立20周年、文学館開館15周年を記念した企画で、高校生に函館ゆかりの歌人、石川啄木の文学に親しんでもらうことが目的。書道部に所属する生徒が感銘を受けた短歌を書に書き起こして表現した。

 会場には「ふるさとの 山にむかひて 言うことなし ふるさとの山は ありがたき哉」などの代表的な短歌を繊細な筆遣いや豪快なタッチで表現した作品がずらり。同文学館の大島吉憲主事は「生徒が短歌をよく詠んでそしゃくし、独自に表現した作品をぜひ観賞してほしい」とPRしている。

 25日までは函館西、函館大妻、清尚学院、函館中部、森の作品23点を展示。26日から12月8日までは市立函館、遺愛女子、函館稜北、江差の4校、12月9日から25日までは函館商、桧山北、白百合の3校の書を展示する。

 午前9時―午後5時。入館料は一般300円、学生・生徒・児童150円。10―14日、12月11日は休館日。問い合わせは同文学館TEL0138・22・9014。(長内 健)