2008年12月10日(水)掲載

◎とば作りに挑戦! 日新中生徒がサケ干し

 戸井産のサケを使った「とば」作りに取り組む函館日新中学校(鈴木利春校長、生徒32人)の全校生徒が9日、函館市泊町の同校敷地内でサケを干す作業に当たった。

 サケとば作り体験は、市教委の「知恵の予算」を活用した同校独自の活動として本年度初めて実施。生徒らは11月中旬に戸井漁協(森祐組合長)組合員らの指導でサケをさばく作業に挑戦した。

 干し場は高さ2メートル70センチ、幅1メートル80センチ、奥行き3メートル60センチ。同校の裏庭に鈴木校長ら教職員とPTAなどが木材やプラスチック素材などで組み立てた。この日、子どもたちは約1か月間冷凍したサケ約90匹を1匹ずつ持ち、干し場に順番に並べていった。

 1年生の伊藤大起君(13)は「おいしく出来上がったら家族と一緒に食べたい」と話していた。丸干ししたサケは来年2月ごろまで寒風にさらし、乾燥させて完成する予定だ。(新目七恵)



◎温泉事業見直しへ 植物園や谷地頭…函館市議会

 函館市議会の第4回定例会の一般質問が9日始まり、この日は4人が質問に立った。2007年度決算で累積赤字が約1億2000万円に達した市水道局の温泉事業について、中林重雄局長は「事業の移管や廃止などを含めた抜本的な見直しを図っていかなければならない」と述べ、市の温泉施設の民間への売却も選択肢に入っていることを明らかにした。

 板倉一幸氏(民主・市民ネット)への答弁。水道局の温泉事業は温泉供給、公衆浴場(谷地頭温泉)、熱帯植物園の3事業からなり、これまでは熱帯植物園事業の赤字を他の2事業で補てんしてきた。しかし、温泉供給事業は湯川地区での資源保護対策が課題となっているため、供給量の減少を余儀なくされているほか、谷地頭温泉もスーパー銭湯との競合で入浴者が減っており、収支悪化につながっている。

 07年度の温泉事業会計決算では、財政健全化法に基づく資金不足比率が41・5%に達し、経営健全化基準の20%を大きく上回った。水道局ではこのままの経営状態で推移した場合、2018年度末に累積赤字が約15億円になると試算している。

 板倉氏は水道事業会計についても07年度に2年連続で純損失を計上したことから、「余力のあるうちに、将来の見通しを考えていくべきでは」とただした。中林局長は少子高齢化や人口減少などを減収の要因に挙げた上で、「近い将来、料金改定を検討しなければならないと考えている」と述べた。

 このほか、佐古一夫氏(新生クラブ)、小野沢猛史氏(市民クラブ)、小谷野千代子氏(公明党)が質問。本間新氏(市民クラブ)の旧函館ドック跡地の土地購入についての質疑は、理事者側の答弁調整で中断し、後日に延期となった。(浜田孝輔)



◎定額給付金 「所得制限難しい」

 政府が追加経済対策とする定額給付金について、西尾正範市長は9日の市議会一般質問で「他都市の動向も勘案しなければならないが、現時点では制度的にも実務的にも所得制限を設けることは難しい」との考えを明らかにした。

 所管する部局は決まっていないが、1999年の地域振興券発行時には、当時の商工観光部に7人体制の事務局を置いたことから、当時を参考に兼務などの形で臨時的な組織を作る考えを示した。

 同給付金は国民1人当たり1万2000円、18歳以下と65歳以上には8000円を加算して支給する経済対策。総額2兆円の規模で、国は所得制限を設けるかどうかの判断を市町村に委ねている。全国市長会や各自治体では公平性の観点や事務作業の負担増などから、所得制限を設けることに反対する意見が相次いでいる。(浜田孝輔)



◎13日に夜景サミット

 夜景の魅力を語り合おう―。「日本一美しい函館100万ドルの夜景愛好会」(代表・王未来ラッキーピエログループ専務)は13日午後6時から、函館山山頂展望台のイベントホール・クレモナで開くイベント「夜景サミット」の参加者を募集している。

 函館市内と近郊でハンバーガーチェーンを展開するラッキーピエログループが今年1月、「100万ドルの夜景」の商標権を取得したのを契機に、夜景で街を活性化させようと、王専務の呼び掛けで愛好会が発足。現在、全国各地に約200人の会員がウェブ登録している。

 今回は夜景ファンの交流を深め、函館の魅力を再発見してもらおうと、音楽を交えた鑑賞会を「サミット」と題して初めて企画。定員150人で、応募者多数の場合は抽選となる。ロープウエーの往復搭乗料金も含め、参加は無料。

 当日は過去10年分の写真を通じて函館山からの夜景の移り変わりを紹介。同会が募集していた写真コンテストの入賞者を発表するほか、函館の手回しオルガン職人、谷目基さんの演奏や、地元の音楽グループによるクリスマスソングのゴスペルなども披露される。

 王代表は「函館夜景の素晴らしさをもっと有名にするため、みんなで夜景談義に花を咲かせましょう」とPRしている。参加希望者は11日までに事前の申し込みが必要。申し込み、問い合わせは同会事務局(ラッキーピエロ内)TEL0138・42・6656。(森健太郎)


◎はこだて検定 上級5→16人 前回19ポイント上回る

 函館の歴史、文化などの知識を試すご当地検定「第3回函館歴史文化観光検定《(はこだて検定、函館商工会議所主催)の試験結果が9日、公表された。前回(昨年11月)、合格者がわずか5人の超難関だった上級は、合格率が前回を19ポイントも上回る21・3%と大健闘。市立函館高校1年生が一括受験した初級の合格率は前回と横ばいの27・5%で、引き続き狭き門となった。合否は同日から受験者に通知される。

 今回が2回目となる上級は前回の約3分の1に当たる75人が受験し、合格者は前回の3?以上の16人だった。平均点は65・7点で、「難しすぎる《と受験者からの批判が相次いだ前回よりも14・1点アップ。最高点は60代男性の86点で前回記録を更新した。

 一方、初級は同校1年生281人を含む480人が受験し、合格者は132人。平均点は前回を1点下回る58・5点で、最高点は40代男性の95点。最年少合格者は16歳の高校1年生で、最高齢は81歳の無職男性だった。

 上級合格者の半数を占めたのが60代で、各年代別の合格率も32%で最も高かった。初級も年代別の合格率は10代以下が合格率2・4%(合格者数7人)だったのに対し、60代は81・3%(同13人)、70代以上は85・7%(同6人)に上り、人生経験が合否に反映された形となった。同会議所は「年代別の合格率の差は今後の検討課題の一つ。上級は超難関を覚悟の上で臨んだ受験者の勉強ぶりが光った《(地域振興課)と分析している。

 同会議所は来年2月下旬、今回と前回の上級合格者計21人を対象に、当地の知識を生かした活躍の場を探る「上級合格者のつどい《を初開催する予定。(森健太郎)



◎函水高・2年田村君が危険物取扱者甲種に合格

 函館水産高校(齋藤隆校長、生徒468人)機関工学科2年生の田村香基君(17)がこのほど、危険物取扱者甲種に合格した。全種類の危険物を取り扱える国家資格で、4月の消防法改正に伴い高校生でも受験が可能になって以降、高校生の合格者は道内で初めて。田村君は「これからもいろいろな資格を取得したい」と喜んでいる。

 危険物取扱者はガソリンや重油、酸化性固体などさまざまな危険物を取り扱ったり、取り扱う場に立ち会うのに必要な資格。甲、乙(1―6類)、丙の8種類に分かれ、乙と丙は扱える危険物が限られる。

 甲種は危険物に関する法令や化学など3科目を問う最も高度な内容。これまでは大卒以上など受験制限があったが、4月からは乙種の特定3類を取得すれば高校生でも受験できる仕組みに変わった。

 同校では授業にかかわる各種国家資格の取得に向け、希望者向けの補習などで生徒の受験をサポートしている。危険物取扱者もその1つで、乙種の4類は1年生でほぼ全員が受験する。田村君は1年生の時に乙種の6類すべてを取得。「もっと上を目指したい」と甲種の受験に挑戦することにした。

 受験準備はすべて独学。例題集や市販の参考書を使い、試験前の約2週間に集中して勉強した。11月に函館市内で行われた試験会場では手応えをつかんだものの、試験後の自己採点で予想より結果が低く不安だったという。合格通知が自宅に届いた時は「うれしかったし、安心した」と振り返る。

 試験を行う財団法人消防試験研究センター道支部(札幌)によると、高校生の甲種合格者は全国的にも珍しいという。担任の杉崎健教諭(38)は「ここまで妥協せず努力し続けるのはすごい。結果が出てうれしい」と喜ぶ。田村君は「来年は2級電気工事士の試験にも挑戦し、いろいろな資格を将来に生かしたい」と話している。(新目七恵)



◎桧山南部5町に「インフルエンザ注意報」

 【江差】江差保健所は9日、桧山南部5町を対象に「インフルエンザ注意報」を発令した。今冬の注意報発令は留萌保健所管内と並び道内で初めて。同保健所は「今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性がある」とし、手洗い、うがい、マスク着用などの感染予防対策を呼び掛けている。

 江差保健所は江差、上ノ国、厚沢部、乙部、奥尻の5町を管轄。同保健所は、管内の3医療機関でインフルエンザ患者の発生数を1週間ごとに調査している。定点調査の対象となっている3つの医療機関では、インフルエンザの平均患者数が11月17―23日0・3人、同24―30日5・3人だったが、12月に入り急激に増加し、1―7日には16・3人を数え、全道平均の0・85人を大幅に上回った。3医療機関の累積患者数は計49人に上っているという。

 同保健所は、3つの医療機関で患者の平均人数が10人を超えた場合に注意報、30人を超えると警報を発令。患者の平均人数が基準を下回るまでの間は注意報を継続する。

 道教委によると、桧山管内7町では11月24―28日、インフルエンザによる学年閉鎖は小学校1校で1学年、高校1校で2学年。12月1―5日にも学級閉鎖が小学校1校1学年、学年閉鎖は小学校1校2学年で行われた。10月末からの幼稚園、小・中学校、高校、特別支援学校を合わせた患者数は166人で、このうち33人が1―5日に発生したという。管内の学校では患者の増加が例年よりも早いペースで進んでおり、各町教委などで注意を促している。(松浦 純)