2008年12月14日(日)掲載

◎スケート場、スキー場オープン

 【函館、七飯】道南に本格的なウインタースポーツシーズン到来―。函館市民スケート場(金掘町10)と函館七飯スノーパーク(七飯町東大沼666)が13日、オープンした。12月に入り暖かい日が続いてが、11日ごろからの冷え込みで無事、氷や雪が保たれ、営業開始となった。ともに朝から子どもたちや家族連れが訪れ、にぎわいを見せていた。

 函館市民スケート場では、市内の小学生など約150人が列を作りオープンを待った。セレモニーでは同スケート場を運営する市文化・スポーツ振興財団の金山正智理事長が「暖かい日が多く、氷の仕上がりが心配だったが、無事に開幕を迎えられた。今季も元気に安全にスケートを楽しんでください」とあいさつし、市教委の多賀谷智教育長の号砲で外周250メートルのスピードリンクとサブリンクが開放された。

 来場者は早速、銀盤の感触を確かめるように初滑りを楽しんだ。函館港小5年の吉岡穂高君(11)は「この日を待っていたのでうれしい。昨季は10回来たので、今季も10回以上来て、速く滑れるようになりたい」と話していた。(山崎純一)

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 道南のスキー場で一番早いオープンを迎えた函館七飯スノーパークでは、親子連れなど約300人が来場し、思い思いのシュプールを描いていた。

 11日に降った雪と、人工降雪機で約30センチの積雪となり、約1キロの小沼コースのみが完成した。今月20日をめどに頂上部からの約4キロのコースなど順次、オープンしていく予定。村山徹支配人(38)は「この日を待っていた客の期待に応えられたことがとてもうれしい。雪質には少し物足りなさがあるが、天候と徹夜で頑張ったスタッフに感謝している」と話していた。

 気持ち良さそうにスノーボードで滑っていた函館市の黒島隆一さん(22)は「シーズン到来が待ち通しかったので最高の気分。毎週のようにこのスキー場を訪れたい」と笑顔だった。 (小林省悟)



◎インフルエンザ 早い流行

 函館市内で、インフルエンザが例年よりも早いペースで流行している。市立函館保健所が市内の医療機関から受ける罹患(りかん)者の定点報告では、11月中旬に今季初の報告があり、12月上旬の1週間だけて60件を数えた。これに伴い函館市立の小中学校では、11日までに10校の16学級が、インフルエンザを含む集団風邪で閉鎖した。同保健所は「さらに感染者が増えるかもしれない。うがいや手荒いを励行し、人込みを避けるなど予防を徹底して」と呼び掛けている。

 同保健所の定点報告は、あらかじめ定めた市内11カ所の医療機関から寄せられ、流行状態の目安となる。今季の報告件数は、初報告の11月10―16日は1件、同17―23日は3件、同24―30日は14件。これが12月1―7日の週は60件と、爆発的に増加した。

 例年流行を迎えるのは、小中学校の3学期が始まる1月以降が多いが、同保健所は「ことしはかなり早い時期に流行が始まった」と話す。

 市内の小中学校では、集団風邪による学級・学年閉鎖が相次いでいる。今季は11月中旬に亀尾小中学校が学校閉鎖したのを最初に、12月に入ってからは日吉が丘小や旭岡小、高丘小、神山小などで相次いだ。これまでに閉鎖した学級数は、小学校が9校で13学級、中学校は1校で3学級。市教委は「市内の東部から中央方面に向かって感染が広がっている」とみる。

 2学級を閉鎖した神山小では、8日以降に児童の罹患や欠席が目立ちだした。全体の3分の1に当たる児童が休んでいるクラスもあり、担任は授業内容を復習中心にするなど、進度に配慮している。重症の児童に対しては、家庭訪問や電話で病状を確認しており、津田英昭教頭は「油断できない状態。週末に上手に休んで回復させてほしい」と語る。

 インフルエンザの予防について同保健所は、うがいなどのほか人込みを避けることも勧める。保健予防課は「どうしても人込みに行かなければならないときはマスクをして、感染の拡大防止と予防に努めてほしい」と話している。 (小泉まや)



◎函館開港150周年200日前イベント、ハートの炎 会場彩る

 函館市豊川町11のBAYはこだてイベントスペースで13日、火をともしたろうそくで会場を彩るイベント「スィートキャンドルプロジェクト」が開かれた。ほのかに揺らめく炎が、エキゾチックな赤レンガ倉庫群をやさしく照らし出し、来場者の心を和ませた。

 来年7月1日に節目の150周年を迎える「函館開港記念日」のちょうど200日前にあたることから企画。用意されたキャンドルは500個で、歩道脇に並べられたほか、大小3つのハートをかたどった。直径約2メートルあるハートの前では、記念写真を撮る若い男女らが多く集った。

 キャンドルの側面を覆う透明のカバーには、先着150人がそれぞれのメッセージを記入。函館あさひ小2年の鈴木李奈さん(7)は「クリスマス、やっほー」と書き込み、「クリスマスが来るのがうれしくて。プレゼントも楽しみ」と笑みをこぼしていた。

 会場ではこのほか、手作り小物の販売やステンドグラス製作の体験なども行われた。(浜田孝輔)



◎定額給付金、函館市は総額44億円

 政府の追加経済対策となる定額給付金について、函館市の総給付額などが明らかになった。11月の住民登録状況を基に、18歳と65歳の判定を1月1日とした場合、給付総額は約44億円。給付額1万2000円の対象者は約28万7700人で、このうち8000円が加算される18歳以下が約4万2800人、65歳以上が約7万5100人となっている。

 「所得制限を設けるのは困難」(西尾正範市長)だが、政府が市町村の判断に委ねた高額所得者の水準は年収1800万円以上。昨年の所得が1800万円以上あった市民は約700人いた。

 所管する部局は決まっていないが、臨時組織を設置して対応していく考え。支給方式は?郵送で振込口座を申請?窓口で振込口座を申請?窓口で申請後に現金を手渡し―の3方式が示されている。窓口での混乱などを防止するために、できるだけ口座振り込みによる給付にしたい考えで、実施が決まったら事前周知を十分にする。

 総務省から示された「たたき台」で、今後の課題として▽郵送または窓口申請が困難な市民への対応▽基準日から申請開始日までに転出した人への取り扱い―などがある。国の関連予算成立後、市の補正予算の議決が必要で、本格的な業務は補正予算成立から始まる。

 市議会一般質問で瀬尾保雄氏(公明党)が取り上げた。 (高柳 謙)


◎夜景ファンが交流 市民団体が初のサミット

 函館の夜景の魅力を幅広く全国にPRすることを目指す市民団体「日本一美しい函館100万ドル夜景愛好会」(王未来代表)による第1回「サミット」が13日、函館山山頂展望台のイベントホール・クレモナで開かれた。函館市とその近郊を中心に、遠くは札幌市から合わせて約180人の「函館夜景ファン」が詰め掛け、多彩なイベント通じて親交を深めるとともに、函館夜景の人気を名実ともに日本一にするために一致団結することを誓った。

 同愛好会は、王代表が「100万ドルの夜景」の商標権を取得したことをきっかけに、このキャッチフレーズを生かして函館夜景のPR活動を展開しようと今年1月に発足。主にホームページを通じて会員を募ってきたところ、現在までに全国各地から約200人の会員がウェブ登録している。今回のサミットは会員同士の交流を深めながら、新たな会員を掘り起こそうと企画したもので、当初の予想を超える参加者により会場は満員の盛況となった。

 眼下に打ち上がるクリスマスファンタジーの花火をバックにあいさつに立った王代表は「ネットで『夜景』『美しい』と検索しても、函館のランクは東京や横浜などよりずっと下になってしまう。みなさんの力を結集して、ブログやホームページ、また口コミなどを通じて函館の100万ドルの夜景の魅力を多くの人たちに広めて、日本一にしましょう」と力強く呼びかけた。

 この後ステージでは、ゴスペルコーラスや手回しパイプオルガンによるクリスマスキャロルの演奏などが繰り広げられ、会場は和やかなクリスマスムードに包まれた。また同会が主催した函館夜景をテーマにした「キラキラフォトコンテスト」の結果発表も行われ、北斗市の島津彰さんの「残照 駒ケ岳と巴港」が最優秀賞に輝いた。  王代表は「これほど多くの人たちに集まってもらえるとは想像していなかったので感激している。今後も年に1回、会員同士が交流できるサミット開くとともに、函館夜景PRのために様々なアイデアを出し合っていきたい」と意欲を見せていた。(小川俊之)



◎野菜ソムリエに関心 函館でセミナー

 日本ベジタブル&フルーツマイスター協会札幌支社(札幌)主催の「野菜ソムリエセミナーinはこだて」が13日、函館市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で開かれた。市民ら約30人が参加し、同協会が認定する民間資格「ベジタブル&フルーツマイスター(通称・野菜ソムリエ)」の取得に向けて関心を高めた。

 2001年10月に創設した「野菜ソムリエ」は、初級の「ジュニア・マイスターコース」、中級の「マイスターコース」、上級の「シニア・マイスターコース」に分類。11月末時点で、渡島・檜山管内には男性1人を含む8人の「ジュニア・マイスター」がいる。

 セミナーは、来年1月23日から同センターで開講する「ジュニア・ベジタブル&フルーツマイスター函館1期講座」に先駆けて実施。03年1月に道内初の野菜ソムリエとなった札幌市の吉川雅子さんが、資格取得のきっかけについて「仕事に役立てるために、野菜や果物の情報が欲しかった」と明かし、買い物時のアドバイスとして「栄養素を覚えなくても、かごの中がカラフルになるように野菜・果物をそろえると、おのずと栄養のバランスも良くなるはず」と話した。

 野菜ソムリエの資格取得に関する問い合わせは、同協会札幌支社TEL011・757・4817。(浜田孝輔)