2008年12月17日(水)掲載

◎福島町小鹿さん宅、Xマスイルミネーション

 【福島】福島町白符515の小鹿建設の小鹿太磨雄社長(64)の自宅では、1、2階の全面にクリスマスイルミネーションが飾られ、付近の住民から「福島の冬の新名所だ」と話題になっている。

 電飾は今年で4年目。小鹿社長は「1年目は玄関だけだったが、皆が喜んでくれるので年々増えていった。地元の子どもやお年寄りが楽しみにしてくれていることが一番だ」と話す。

 11月8日から取り付けを開始し、同24日に設置完了。毎日午後4時から同9時ごろまで点灯している。今年は庭先の松の木や盆栽にもライトを付けた。小鹿社長は「滝の流れを表現した。電球の数は分からないが、職業柄デザインはばっちり」と笑顔。

 日が暮れると記念撮影する親子や、近隣の水産加工場で働く主婦らを乗せた送迎バスが“観光”に訪れる。中には「毎年楽しみにしている」と八雲町から見物に来る常連もいるという。

 小鹿社長は「来年は家の横も電球を飾りたい。経費が掛かり、どこまでできるかプレッシャーはあるけれど、皆が喜ぶ顔を見るのが幸せだから」と話している。

 ライトアップは25日まで。場所は旧福島町立白符小学校近く。(田中陽介)



◎道新幹線、札幌―長万部間 着工へ/政府、与党合意

 政府、与党は16日、北海道新幹線の未着工部分(新函館―札幌間、211キロ)のうち、札幌―長万部間(124キロ)を09年末までに部分着工することで合意した。残る新函館―長万部間(87キロ)については新八雲駅部の設計に着手する。同じく北陸新幹線の金沢―福井間、九州新幹線の諌早―長崎間の新規着工も決まり、3区間の部分着工にかかる費用は1兆円超と試算している。来年度予算に調査費などを計上する。

 今回の合意内容は、道関係者が切望していた新函館―札幌間の全線認可には至らなかったものの、札幌延伸に向けての大きな前進となった。函館市の西尾正範市長は同日、「道新幹線の全線開業に向けて大きな一歩を踏み出したと受け止めている。新青森―新函館間の早期開業を目指すとともに札幌延伸に向けた着工が確実となるよう、全力で取り組んでいきたい」とのコメントを発表した。

 ただ、建設財源は6000億円程度しか見込まれず、今後どう財源をねん出していくかが課題。また「整備方式は要検討」の文言が付け加えられており、関係者から不安の声も上がっている。これは最高時速200キロ程度のスーパー特急方式による整備の可能性も示したもので、これまでフル規格を想定していた時間短縮効果が見直しとされる可能性も出てくる。

 これに対し函館市の幹部は「九州新幹線ではスーパー特急方式で整備をスタートし、後からフル規格に格上げされた例もある。まずは着工されることが大事」と語る。

 一方、道の幹部は「道民の願いはあくまでも東京から札幌までをフル規格で一本につなげることだが、現在の経済情勢を考えると今回の決定は納得しなければいけない内容。今後も全線開通に向けて粘り強く働きかけていきたい」と話している。(小川俊之)



◎フジ棚の保存決まる

 国の特別史跡五稜郭跡で函館市が進めている「箱館奉行所復元整備」で、表門があったと推測された場所にその痕跡が確認されなかったことが16日、分かった。この場所には市民の憩いの場となっているフジ棚があり、市議会総務常任委員会(井田範行委員長)は同日、市民から提出された「復元整備でフジ棚を守ってほしい」「正確に復元してほしい」という相反する陳情2件を採択した。

 市教委が9、10月に実施した発掘調査の結果を同委員会に報告。須田正晴生涯学習部長は「表門の痕跡が見られなかったことから、フジ棚の地への表門整備はせず、今後は文化庁と協議しながら対応していきたい」と述べた。

 フジ棚は五稜郭公園の「二の橋」を渡った先にあり、幅5・2メートル、長さ28・8メートル。市教委文化財課によると、2000年に実施した裏門調査などから、門番所跡に近接する溝状遺構を表門の場所と推測し、調査した。その結果、溝状遺構は大正時代以降の公園整備で作られた工作物の可能性が高く、表門の柱などを建てた跡はなかった。

 五稜郭は1864年に完成し、箱館奉行所は箱館戦争後の71年に解体された。市は2006年度から10年度までの計画で同奉行所の復元整備を進めている。フジ棚は昭和の初めに市民が整備したとされる。

 奉行所の整備にあたり、市民団体「五稜郭の藤棚を守る会」が市議会にフジ棚の存続を求め、陳情書を提出。1万1349筆の署名を集めたほか、オリジナルの歌を作りCD化などをしている。山崎淳子代表(63)は「フジ棚は五稜郭の顔で、市民や観光客が喜び、うれしいこと。理由はどうであれ、市や議会に良識ある対応をしていただき、ありがたい」と語る。

 忠実な復元を求めた市内の男性(36)も「フジ棚保存に反対するのが趣旨ではなく、今後とも文化庁の方針に従って粛々と復元整備を進めてほしい」と話している。(高柳 謙)



◎未来大で「生け花」展示会

 公立はこだて未来大(函館市亀田中野町、中島秀之学長)で、新時代の生け花を紹介する「花・四季の形とリズム展」が19日まで開かれている。同大華道部学生のコンピューターや映像を駆使した「インタラクティブ・アート(参加型芸術作品)」と、小中学生の生け花とのコラボレーションが展開され、来場者の目を楽しませている。

 同部は昨年4月に発足。学生たちは池坊函館中央支部の野呂さとみさんの指導を受け生け花を学ぶとともに、同大の木村健一准教授のアドバイスを受けながら、デジタル技術を取り入れたインタラクティブ・アートの世界による新時代の生け花のデザイン研究を進めている。

 今回は、学生の作品を一般に初めて紹介する機会で、野呂さんが指導している「池坊花と遊ぼうキッズ講座」に所属する小中学生の力作も展示。映像を通じて表現される、時間を越えた仮想空間の生け花世界と、現実に咲き誇る生花が共鳴している。

 インタラクティブ・アート部門には、ユリが開花して枯れるまでの画像を動画処理して壁面に投影した「Flowers interactive pictures」や、床面に置かれた本物のプラタナスの枯れ葉の上から画像を投射し、葉が動きまわる様子を再現した「かれは/リズム」など独創的な作品が登場。来場者の動きによって映像が変化するなどの仕掛けもあり、作品との一体感を楽しめる。

 子どもたちは、バレエのシューズを使った「プリマドンナ」や、ケーキとワイングラスで華やかに彩った「Happyなクリスマスパーティー」など、伝統的な生け花の枠を飛び出した新鮮でインパクトの強い作品を出品している。

 木村准教授は「日本の伝統芸術である生け花はこれまで、学問との縁が薄かった。映像やコンピューターを使うことで新たな表現の可能性が広がることを理解してもらえれば」と話す。また、同部の横窪安奈部長(情報アーキテクチャー学科3年)は「子どもたちのアイデアあふれる作品から新たな刺激を受けたので、今後はさらに生け花の新たな可能性を追求していきたい」と意欲を見せる。野呂さんは「これからの生け花も伝統に縛られず、新たな表現方法を探る時代。学生たちにとってもこどもたちにとっても今回が新たな出発点となってくれればうれしい」と期待している。

 午前10時から午後6時半(19日は同4時)まで。入場無料。問い合わせは木村准教授TEL0138・34・6131。(小川俊之)


◎市議会経済建設委、道路占用料見直し

 函館市は、来年度の市道にかかる道路占用料の徴収額が、本年度予算額の1億7332万円より約6600万円減少する見通しを、16日の市議会経済建設常任委員会(小山直子委員長)に説明した。

 今年4月に国、道が道路法施行令を改正し、占用料を引き下げたのに伴い、市が道路占用料徴収条例の一部改正案を提出。道内他都市の動向や庁内での協議、一般への周知などを考慮し、施行時期を来年4月と1年先送りにしてきた。

 道路占用料は、道路に埋設するガス管をはじめ、電柱や道路に突き出た店舗の看板、建設工事時に設置する仮設足場、イベント時に出店する露店などに課している。今回の条例改正によって、現行から3―4割程度の減額となる見込み。

 瀬尾保雄氏(公明党)、丸尾隆子氏(共産党)は「国や道に準じる理由はなく、地方自治体の判断に委ねられるはず」と指摘。市は「貴重な自主財源だったが」と説明しながらも、国道・道道や近隣自治体との整合性を改正の理由に挙げ、事業者の負担軽減をメリットとした。(浜田孝輔)



◎ベトナム人研修生と昭和小児童が交流

 国際協力機構(JICA)の青年研修プログラムで来日しているベトナム人研修生が16日、函館昭和小学校(秋元順一校長、児童498人)を訪れ4年生70人と交流した。一行はベトナム人の官僚など21人。日本の教育現場の視察や児童との交流などを目的に15日に函館入りし、26日まで滞在する。

 授業では研修生がベトナムの歴史や文化を語り、「違う言葉を話す54の民族が仲良く暮らしている」と説明した。子どもたちは興味深そうに聞き入り、休み時間には研修生と握手をしたり写真を撮ったりし、仲良く腕を組んで校内を見学した。このほか秋元校長や市PTA連合会若杉充宏会長が同校やPTAの活動について紹介した。

 研修生のズォン・ティ・タイン・フエンさん(30)は「言葉は通じないが、みんな親しみやすくてかわいかった」とにっこり。同小の工藤壮生君(10)は「ベトナムに行ってみたい」と話し、笹木せいうさん(10)は「また来てほしい」と名残惜しそうだった。(山田孝人)