2008年12月2日(火)掲載

◎はこだてクリスマスファンタジー開幕
 函館の冬を盛り上げる一大イベント「2008はこだてクリスマスファンタジー」(実行委主催)が1日、函館市末広町の赤レンガ倉庫群などを会場に開幕した。オープニングセレモニーには大勢の市民や観光客らが詰め掛け、華やかにきらめく約5万個の電飾が施された高さ約20メートルのメーンツリーと、夜空を彩る花火を楽しんだ。25日まで連日、多彩なイベントが繰り広げられる。

 クリスマスファンタジーは1998年から始まり、今年で11回目。この日は午後5時半過ぎにオープニングセレモニーが始まり、JAL(日本航空)の客室乗務員で構成するハンドベル隊「ベルスター」の演奏が幕開けを飾った。

 クリスマスファンタジーの新しいキャラクターが紹介された後、ツリーの点灯式に移り、実行委の沼崎弥太郎委員長が「25日間、大いに楽しんで」とあいさつ。来場者のカウントダウンに合わせ、沼崎委員長や西尾正範函館市長らが点灯スイッチを押すと、ツリー最上の星形の電飾から下に向って順々に点灯し、同時に海上から花火が打ち上げられた。

 その後はスペシャルライブが行われ、函館出身の歌手、村岸カンナさんと女性デュオの「Dew」、男性ユニットの「月の203号室」が熱演した。

 ツリーの点灯は25日まで毎日午後4時半から同5時45分までと、同6時から午前零時まで(22―24日は翌日午前2時まで、25日は午後8時まで)。点灯式も毎日午後5時50分に行われ、日替わりで点灯者が登場し、花火が打ち上げられる。(鈴木 潤)


◎ガソリン・セルフ114円 2ヵ月連続大幅値下げ…12月の石油製品価格調査
 函館消費者協会(米田イツ会長)が1日に行った12月の石油製品価格調査によると、レギュラーガソリン(1リットル当たり)の平均価格はフルサービス式が前月比21・79円安の121・13円、セルフサービス式が同18・60円安の114円となり、2カ月連続で大幅に値下がりした。前年同月と比べても30円以上安くなり、110円台前半を掲げるスタンドも出始めた。

 調査対象は函館、北斗両市内の計25店舗。レギュラーの最高値はフルで128円(前月比22・15円安)、セルフで115円(同19円安)。最安値はフルが118円(同14円安)、セルフが113円(同19円安)だった。最高値だった今年8月からは70円前後も急落。110円台の給油所が現れるのは、暫定税率が失効した今年4月を除くと約1年半ぶりだ。

 需要期に入った灯油についても前年の水準を下回るほど価格が下落。ホームタンク1リットル当たりの平均価格は前月比16・35円安の80・44円。前年同月と比べても18・76円安となり、昨年11月以来約1年ぶりに平均価格が80円台へと落ち着いた。

 米田会長は「国際価格の下落がようやく反映されてきた。灯油に関しては冬場に前年を下回る水準となり、このまま行けば昨シーズンより家計への負担が軽減される」と安堵(あんど)する一方、「また価格が上がるのではという先行きの不安感から、買い控えやスタンドへの客離れは続いている」としている。(森健太郎)


◎6カ月連続「弱い動き」…10月の道南経済
 日本銀行函館支店(市川信幸支店長)は1日、10月の道南地方の金融経済動向を発表した。個人消費は雇用・所得環境が一段と悪化していることから低調で、観光客の入り込みも依然として不振が続くため、景況判断は「弱い動きとなっている」として、6カ月連続で据え置いた。

 個人消費は石油製品価格が低下してきたものの、雇用環境の厳しさや食料品価格の値上がりで低調な動き。主要小売店10社の売上高は、平均気温が高かったため冬物衣料が不振で、53億3500万円(前年同期比7・3%減)と20カ月連続の前年割れとなった。

 新車販売台数は普通・小型車が3カ月連続の前年割れとなり、前年同期比12・0%減と下落幅も拡大。一方、軽乗用車は新型車の売れ行きが好調で同6・0%増と、2カ月連続で前年を上回った。全国では大幅な販売減の傾向にあり、同支店は「道南では車が生活必需品であることを反映している」と分析する。

 観光は10月末で運休した東日本フェリーの高速船への駆け込み需要で利用が急増したものの、外国人客の減少などで全体としては弱い動きが広がっている。主要ホテル20社の宿泊客数や函館空港乗降客数、五稜郭タワー利用客数はいずれも6カ月連続で前年を割り込んだ。

 生産は増勢だった電子部品(半導体、水晶デバイス)が携帯電話・デジタル家電向けの受注の伸び悩みで頭打ちに。函館市内の非住宅着工は函館競馬場整備などで棟数、床面積とも前年を大幅に上回った。住宅投資は所得環境の厳しさから持ち家が前年を下回り、分譲、賃貸も含め全体としては5カ月ぶりに前年を下回った。(森健太郎)


◎航路引き継ぎ運航開始…道南自動車フェリー
 道南自動車フェリー(函館市港町3、関根二夫社長)は1日、11月30日でフェリー運航事業から撤退した東日本フェリー(同、古閑信二社長)から函館―青森、函館―大間の2航路を引き継ぎ、新たに運航を開始した。海上の荒天で大間発函館行きの第1便は欠航したが、青函航路は1日未明に函館、青森をそれぞれ第1便として出港した。

 青函航路では、午前2時40分青森発が第1便となり、車両18台、ドライバーを含む乗客38人を乗せて出港。函館発は午前3時に出港し、車両14台、ドライバーら15人が乗船した。

 函館―大間航路は東日本フェリーから引き継いだ在来船で、午前9時半に車両6台と乗客36人を乗せた函館発の便が初便となった。

 この日、函館ターミナルでは道南自動車フェリーの社員らが券売機の料金設定を変更したり、運送約款の一部をシールで張り替えたりと、未明から引き継ぎ作業に追われていた。来年1月まではウェブ上での乗船予約も一時中断する。従業員は1日付で東日本フェリーなどから約50人が配属替えとなった。

 函館―大間航路は1日から、旅客運賃が約6割値上げされ、大人2等が片道2200円となる。青森県や大間町が最大で1億2000万円を財政支援することを条件とした来年12月末までの暫定運航で、2010年以降の運航については決まっていない。(森健太郎)


◎高橋知事「道町村会との対話強調」 支庁制度改革めぐり
 【札幌】道の支庁制度改革をめぐり、高橋はるみ知事は1日の道議会本会議で、「道町村会など地方4団体の率直な意見を伺い、理解を得たい」と述べ、支庁再編に反対している道町村会(会長・寺島光一郎乙部町長)との対話姿勢を繰り返し強調した。ただ、公職選挙法改正の先送りで実施が困難とみられる来年4月の支庁再編の実施については、計画の延期や見直しといった具体的な対応には触れなかった。

 自民党・道民会議の千葉英守氏(札幌市中央区)、民主党・道民連合の勝部賢志氏(江別市)の一般質問に答えた。

 高橋知事は「市町村や地元の理解が何より重要。よく意見を伺いながらよりよい改革になるよう努力する」と強調。支庁再編に反対する道町村会、道市長会など地方4団体との意見交換を早期に行いたいとの意向を示した。支庁が「振興局」に格下げされる留萌管内を11月に訪れ、地元関係者と意見交換を行ったことに触れ、「他地域でもこのような機会を設けたい」と述べ、江差町などとの対話にも意欲を見せた。

 自民党本部が支庁再編の前提となる公選法改正を先送り、来年4月の支庁再編は困難な情勢にあることについて、勝部氏が「施行の見通しが立たない条例は破棄すべき。組織機構や人員配置の検討だけを進めることが地方に不安を与えている」とただした。高橋知事は振興局の組織や機能について、「組織フレームを検討中だ。市町村や住民の意見を伺い、できるだけ早期に改革を進める」と述べるにとどめた。(松浦 純)


◎渡島信金に感謝状…振り込め詐欺被害防止に貢献
 渡島信用金庫(本店・森町御幸町、伊藤新吉理事長)にこのほど、振り込め詐欺被害の防止対策に貢献したとして、警察庁の「振り込め詐欺対策室長」(室長・安藤隆春警察庁次長)から感謝状が贈られた。対象となった団体は全国の6金融機関で、道内では渡島信金のみ。現金自動預払機(ATM)での振り込み限度額を制限するなどの取り組みが評価された。伊藤理事長は1日、道警函館方面本部を訪れ、大江宜信本部長に報告した。

 渡島信金では、10月からATMでの振り込み限度額を30万円に引き下げた。必然的に高額の振り込み客は窓口を訪れるため、詐欺被害を水際で食い止めることができる。このほかにも、ATM周辺での携帯電話使用禁止や、職員の対応マニュアル作成などの対策を取ってきている。伊藤理事長は「利便性と安全性は紙一重だが、客を守るために必要な措置」とする。

 感謝状が贈られたことについて、伊藤理事長は「ありがたいが、事件が起きていることは日本全体の問題であり、悲しいこと。被害者はお年寄りばかりでお金だけではなく、心も奪われてしまう。取り組みが被害撲滅につながってほしい」と話していた。

 道警函本生活安全課によると、管内の今年の振り込め詐欺の発生件数は11月末現在で56件(前年同期15件)、被害額は約7266万円(同約1255万円)で、被害が後を絶たない状態になっている。

 他の感謝状を受けた団体は、ATMから振り込み機能をなくした巣鴨信金(東京)や不正口座監視システムを導入した名古屋銀行(愛知)など。(今井正一)


◎幻想的に…五稜星の夢
 国の特別史跡・五稜郭跡の形を光で浮き上がらせる「五稜星の夢(ほしのゆめ)」(実行委主催)が1日、始まった。高さ約90メートルの五稜郭タワーの展望台からは、地上に舞い降りたような巨大な星の形がくっきり。来場客は歓声を上げて見入っていた。

 このイベントは市民ボランティアでつくる実行委(宮下俊雄実行委員長)が1989年から毎年実施。堀の内周約1・8キロメートルにわたって約2000個の電球を取り付けて点灯し、幻想的な雰囲気を演出する。

 この日は午後5時に電球がともされ、花火も打ち上げられた。この“光の共演”に、札幌から観光で来た東宮幸枝さん(28)は「雪があったらもっときれいだったと思うが、歴史ある函館の魅力を楽しめた」と喜んでいた。

 点灯は来年2月28日までで、時間は午後5―同10時。(山崎純一)