2008年12月7日(日)掲載

◎キッズ・エアトラベル体験、児童が遊覧飛行

 函館市内・近郊の小学4―6年生を対象にした「キッズ・エアトラベル体験事業」が6日、函館空港(同市高松町)や同市上空で開かれた。参加した児童は、北海道エアシステム(HAC、千歳市)の機長らから話を聞いた後、実際に航空機に搭乗して上空からの眺望を満喫した。

 函館空港振興協議会(高野洋蔵会長)が、児童に空港や飛行機での旅行に関心を持ってもらおうと初めて企画。97人の応募者のうち24人が選ばれた。

 同空港ターミナルビルでは、HACの川添健也機長(35)が「パイロットを目指すのであれば、学校の勉強を一生懸命にやってほしい」などとアドバイスし、携行しているバッグに入っているルートマップや革製手袋などを公開した。

 児童は搭乗手続きを済ませて、実際に国内で使用されている36人乗りの航空機内へ移動。機体は時速420キロで高度1500メートルまで上昇した後、夜景きらめく函館市内を旋回し、約50分間にわたる遊覧飛行を楽しませた。

 函館旭岡小5年の南陸君(10)は「とてもきれいな景色を見ることができた」と声を弾ませていた。(浜田孝輔)



◎函館バス、広告付きバス停登場

 函館市内に「広告付きバス停上屋」がお目見えし、市民の目を引いている。設置者は函館バス(函館市、寺坂伊佐夫社長)だが、設置や維持管理費用を負担しているのは仏日合弁企業のエムシードゥコー社(東京、トマ・ゲドロン社長)。広告料収入で費用を賄う方式で、道内では旭川、札幌に続いての設置。函館バスは「バス事業者、利用者、広告主にメリットがある」と話している。

 湯倉神社前と杉並町(遺愛高校前)に設置し、本年度内に亀田支所前、五稜郭公園入口、亀田中学校前の計5カ所に試験的に建てる。利用者の要望や意見を調査し、好評であれば将来的には30基に増やす計画。

 バス停の大きさは高さ3・2メートル、長さ4・15メートル、奥行き1・85メートルで、広告面は1面当たり縦1・71メートル、横1・16メートル。広告は歩道の幅員により歩道側か車道側から見えるようになっている。

 エムシードゥコー社は、フランスに本社を持つ都市景観をビジネスとする会社。同社によると、設置費用はまちまちだが、上屋本体と設置工事費でおおむね1基350万円という。国道や道道、市道などに応じて道路管理者の了解を得て、道路占有料や除雪、清掃なども同社が負担する。函館市の場合、建築審査会や屋外広告物条例などの条件をクリアして認められる。

 同様のバス停は世界52カ国、3500都市で展開し、国内では26都市で約800基を設置している。「広告は2週間に1回、全国一斉に替える。バス停設置は20年契約で、長期的に採算を取る。ビルの壁面や屋上などの広告と違い、歩行者に正対する形で見えるのでPR効果が高く、一定の料金をいただける」と説明する。

 バス停はガラスの壁で、ベンチのほか照明も付いている。函館バスは「利用者が雨や雪をしのぐことができ、美観や景観、さらに防犯・防災の観点からも注目度が高い」とメリットを語る。

 同バス停を利用していた市内の50代の女性は「広告もおしゃれで、これからの時期に助かります」と話し、好評だ。(高柳 謙)



◎鳥崎川の外来魚全面駆除 結論出ず

 【森】森町内を流れる鳥崎川に生息する外来魚、ブラウントラウトの駆除に向けた現地検討協議会(道主催)が6日、森町公民館で開かれた。サケ稚魚の食害被害防止のために全面駆除を訴える漁業者側と、釣りの対象魚として保存を望む釣り愛好者らが意見を交わしたが、この日は結論に至らず今後も検討を重ねていくこととなった。

 ヨーロッパが原産のブラウントラウトは、道内40水系で生息が確認されており、サケ・マス稚魚を食べることで漁業被害をもたらしているとされている。今回の協議会は道の本年度の新規事業「外来魚駆除対策」の一環で、道南地域での協議会開催は北斗市の戸切地川に続いて2件目。戸切地川の協議会では、下流域に限定してブラウントラウトの駆除を実施することで11月に合意している。

 この日の協議会では漁業者側、釣り愛好家側とも、稚魚の食害を防ぐためにブラウントラウトの駆除が必要であることについては意見が一致。同川では下流域でサケの稚魚、中流域でサクラマスの稚魚を放流していることから、漁業者側はほぼ全域にわたっての駆除を要求。一方、釣り愛好家側は、下流域限定で駆除を行い、中流域にはブラウントラウトを残してほしいと訴えるなど、最後まで意見がまとまらず、今後は各代表者らが中心となった協議で合意を目指すこととなった。

 また参加者からは、砂防ダムに設置された魚道が機能していないことが、サケの回帰率の低さにつながっているとの指摘もあり、道側は今後の検討課題にすると答えた。(小川俊之)



◎財源確保へ函館市、広告収入事業に力

 函館市が実施している広報誌や各種刊行物、ホームページ(HP)などへの広告収入は昨年度、約800万円あった。本年度も対象を広げ、12月1日現在で750万円の収入があり、昨年度を上回るペースで推移している。大都市圏で進んでいる公共施設の命名権売却は、費用対効果などを考慮しながら検討している。

 広告収入事業は、自主財源の確保を目的に2006年度からスタート。市財政課によると、初年度は市民生活のしおり、納税通知書用封筒、ごみ収集カレンダー、HPの4媒体で実施し、350万円の収入があった。

 07年度は広報誌「市政はこだて」や職員の給料袋などにも導入し、796万円を確保した。内訳は、市政はこだてが346万円、HPが285万円など。本年度は環境部ニュースや啓発冊子「はこだてエコライフのすすめ」でも実施し、観光パンフレットにも掲載を予定している。

 広告収入にはならないが、市の歳出削減につながったケースもある。民間の広告関連会社、郵宣協会(北九州市)から、市へ広告入り封筒45万枚の寄付があり、約100万円の経費が節減できた。郵宣協会が独自に作った広告入りの封筒で、広告主が封筒代を負担する仕組み。

 市の公共施設の命名権売却(ネーミングライツ)は、市交通局が電停の「魚市場通」に「函館信金本店前」、「十字街」に「明治館・赤レンガ倉庫群前」などの副呼称を付け、3カ所で実施している。

 市は財源確保から有効な手法とみているが、市長部局で拡大する場合、例えば千代台公園野球場は「オーシャンスタジアム」、勤労者総合福祉センターは「サン・リフレ函館」などの通称が定着している。名称変更に伴う作業を勘案しながら、引き続き検討を進めている。(高柳 謙)



◎函館渡辺病院で新棟竣工式

 特定・特別医療法人函館渡辺病院(函館市湯川町1、川口崇理事長)の東棟新築工事がこのほど終了し6日、新棟で竣工式が行われた。同病院職員や工事関係者ら約40人が出席し、新棟完成を祝った。

 現在の東棟が築35年と老朽化が進んだことなどから、昨年10月から駐車場スペースに新東棟の新築工事を進めてきた。新棟は鉄筋コンクリート造り5階建てで、延べ床面積は6962平方メートル。

 1階部分に作業療法科や、訪問介護などのヘルパーステーションを配置し、2―4階部分を精神科病棟、5階部分をストレスケアや思春期の専門病棟とした。病室は患者のプライバシーや快適性に配慮し、個室のほか、個室スペースを確保した多床室も備えた。病床数は計210床。院内保育園も新築し、新東棟に隣接している。

 竣工式は神事にのっとり行われ、神主の祝詞奏上後、川口理事長や三上昭廣院長らが玉ぐしをささげた。

 式後、出席者を対象に新棟の施設見学会や祝賀会が行われた。川口理事長は「立派な施設が完成した。病院設立からの理念である、豊かな人類愛と科学的英知に基づく美しい医療をこれからも目指していきたい《と述べた。

 現在の東棟を解体し、駐車場整備後の来年6月が本格的なオープンだが、7日から移転準備を進め、11日から供用開始する。(鈴木 潤)



◎共産党演説会、市田書記局長ら支持求める

 共産党演説会(党函館地区委員会、同渡島・桧山地区委員会主催)が6日、函館市若松町のロワジールホテルで開催された。市田忠義書記局長と、国会議員団道事務所長で次期衆院選の道比例区候補予定の宮内聡氏が講演した。

 主催者によると同党の書記局長が函館入りするのは、志位和夫委員長の書記局長時代以来17年ぶり。会場には道南から約950人の支持者らが駆けつけた。

 市田書記局長は、金融危機や労働者の解雇、中小企業への貸し渋りなど、日本経済が悪化している原因は政府与党や民主党にあるとし、「大企業にはきちんと課税して税源を確保し、消費税を非課税にして、外需頼みではなく足腰の強い日本経済を作るべき」と訴えた。次の衆院選では「国民が主人公の民主的な政治が求められている。世の中を変えるために一緒にがんばろう」と協力を呼び掛けた。

 宮内氏は、農林水産業や中小企業を支援する政治を進め、憲法9条を守る必要性などを訴え、「日本の政治に福祉の心を取り戻そう」と支持を求めた。(小泉まや)