2008年12月9日(火)掲載

◎ポインセチア販売ピーク

 函館市内の生花店などでクリスマスシーズンを華やかに彩るポインセチアの販売がピークを迎えている。中島町のガーデンショップきこうえん(桜木美貴子店長)の店頭では赤色を中心にピンク、黄色など多種多様な品種が目を引く。

 ポインセチアはメキシコ原産で、クリスマスカラーの赤と緑色の葉のコントラストが美しく、この季節定番の観葉植物。11月初旬から店頭に並べた同店では例年よりも出足が早く売れ行きも好調という。

 12月に入ってからも赤色を中心とする品種が続々と入荷。店頭には赤い葉に白い斑点が入った「ジングルベル」、葉が幾重にもなった「ウインターローズアーリーレッド」などの珍しい品種も含め15、16種80―90鉢が並ぶ。

 赤色が鮮明な「イチバン」が人気で、ラッピング込みで2500円程度の商品が売れ筋。個人や飲食店関係者の購入が目立つという。同店は「ギフト用にシクラメンとセットで購入する人も多い」と話す。24日ごろまで販売する予定。(宮木佳奈美)



◎函館市職員労組調査、合併の否定的見解増加

 函館市役所職員労働組合(市職労、藤盛敏弘執行委員長)が組合員と市民に実施したアンケートで、2004年12月の渡島東部旧4町村との合併について「しない方が良かった」と考えている組合員が増えている傾向が分かった。市職労は「合併の是非ではなく、この間の行財政改革で職員減などが進み、職場環境が変化した影響があるのではないか」と話している。

 合併に伴う意識とまちづくりの課題を調査し、今後の方向性を探る目的で、06年に続いて実施した。組合員(市職員)1844人、市民1000人を対象に実施し、回答率は組合員66・2%、市民48・3%。サンプル数が少ない旧4町村地域もあるが、おおまかな傾向が分かる。

 組合員が感じる合併の意識について、前回は肯定派が否定派を若干上回っていたが、今回は否定派が24・8%、肯定派が19・2%と大きく逆転した。否定派が挙げた「市民が不満足な点」(複数回答)は、前回は「行政サービス」がトップだったが、今回は「労働環境」が首位となった。

 背景には行財政改革に伴う人員削減があるとみられる。合併時より市職員は400人以上減少し、業務の集約化や兼務、増大が進んでいる。市職労は「詳細な分析が必要だが、普段、生の声で聞いている労働環境の厳しさがアンケート結果に出たのではないか。労組として対策を検討していく」としている。

 アンケート全体では、合併の感想について「良かった」と思う市民は旧4町村地域で少ないが、全市的には「分からない」と答えた市民が半数以上だった。函館市が目指す将来像については、全市的には福祉都市が多く、旧市では国際観光都市、旧4町村では水産海洋産業の推進が高く、地域性が表れている。

 まちづくり活動への参加状況は前回より高まり、市職労は「市民の皆さんと協働した取り組みが必要で、市職員、組合員として地域で何ができるかを考えていきたい」と話している。 (高柳 謙)



◎「大間―函館航路存続と利用促進検討会」発足へ

 函館市は来年1月に、国や青森県、同県の大間町などとともに「大間―函館航路存続と利用促進検討会(仮称)」を発足する。東日本フェリー(函館市港町3)から同航路の運航事業を引き継いだ同社グループ会社の道南自動車フェリー(同)が、来年12月末までは暫定運航するものの、それ以降も継続するかは未定のため、航路維持に向けた支援策の方向性を見い出していく。

 検討会の設置は、東北運輸局(仙台市)が打ち出す「大間―函館航路の存続に向けた利用活性化プロジェクト」に基づく取り組み。来年1月に青森市内で初会合を開き、同航路の利用実態や地域住民の意識調査、観光振興に向けた素案づくりをするかなど、今後の活動内容を話し合っていく。

 函館市港湾空港部は「大間町にとって函館は医療を中心とした生活圏との認識があり、函館からも観光の需要がある大事な航路ととらえている。地元の関係機関の意見を取りまとめ、市としての対応を協議していきたい」と話している。

 函館―大間町を結ぶフェリー航路は、運航事業者の道南自動車フェリーに対し、青森県と大間町が年間1億2000万円を上限に財政支援することで、来年12月末までの運航継続が決定。函館市の西尾正範市長は、金銭面での支援に難色を示している。(浜田孝輔)



◎「世界料理学会」来年4月開催

 函館市内のスペイン料理店オーナーシェフ深谷宏治さん(61)らの呼び掛けで、国内外から気鋭の若手料理人を招く「2009世界料理学会inHakodate」が来年4月20、21の両日、函館市末広町の五島軒本店で開催されることが決まった。世界の料理人が自身の料理への考え方などを発表する場で、深谷さんは「地産地消などを通じ社会とのつながりが一層深まる中、料理人が社会に対して何ができるか考える機会にしたい」と話している。

 スペイン・バスク地方サンセバスチャンの料理人が世界の第一線の料理人を集めて開く「最高美食会議」の発想を基に、深谷さんら市内の有志4人で準備会を立ち上げ、企画した。深谷さんは「函館は食のまちなので食に関する催しを開くのにふさわしい」と話す。開催前日の4月19日には西部地区の飲食店を飲み歩く催し「バル街」を開催し、参加する料理人に函館の魅力をPRする。

 出席者は30代の若手を中心に17人程度。道内はフランス料理店の「レストラン・ル・ミュゼ」(札幌)の石井誠さん、「レストラン・マッカリーナ」(後志管内真狩村)の菅谷伸一さん、道外からは東京の日本料理「龍吟」の山本征治さん、フランス料理店「アロニアドタカザワ」の高澤義明さんらが参加。海外からは道内出身で深谷さんの店にも勤めたことがあり、現在はアルゼンチンで店を出す大野剛浩さんのほか、スペイン、フランス、コロンビアなどからも招く予定だ。

 両日とも一人一人が映像で自分の料理やそのコンセプト、背景にある風土、素材などについて解説。初日の夕方はパーティーを開き、参加者が提供したレシピで作ったつまみを提供し、その場で料理人に話を聞く場面を設ける。12月中旬にホームページ(http://www.ryori−hakodate.net)を開設し、2月中旬に入場券を発売する。(宮木佳奈美)


◎西尾市長ら中小企業の融資円滑化へ金融機関に要望書

 世界的な金融不安の広がりで金融機関による貸し渋りが懸念される中、函館市の西尾正範市長や函館商工会議所の高野洋蔵会頭らは8日、同市内の金融機関などを訪れ、中小企業者に対する融資の円滑化を働きかける要望書を提出した。金融機関に向けて、官民の連吊で同様の要望をするのは、旧拓銀が経営破たんした1997年11月以来となる。

 この日参加したのは2氏のほかに、函館市議会の阿部善一議長、函館市亀田商工会の竹林良雄会長、函館東商工会の尾関忠義会長。同市内に拠点を置く銀行の統括店、信金、信組など13カ所を回った。

 このうち、北洋銀行函館中央支店(同市若松町15、東陽一支店長)では、西尾市長が「厳しい経済情勢だが、年末にかけて中小企業が資金繰りに息詰まらないよう、きめ細かな配慮をお願いしたい《と述べ、5者連吊の要望書を提出。東支店長は「金融界にとっても大変な時期にあるが、話し合いをすれば必ず道は開けると思うので、可能な限り早めに相談するよう呼び掛けてほしい《と答えた。(浜田孝輔)