2008年1月15日(火)掲載

◎函館市成人祭、2845人が大人の仲間入り
 「成人の日」の14日、函館市成人祭(市、市教委主催)が市内湯川町の市民体育館で開かれた。振り袖や羽織はかま、スーツ姿の新成人約2000人が出席、大人の一歩を踏み出し、これからの人生に向けて決意を新たにした。(鈴木 潤)

 同祭出席の対象となる今年の新成人は1987年4月2日生まれから88年4月1日生まれ。昨年12月末現在、男性1413人、女性人1432の計2845人で、前年より190人減少した。

 式典では、西尾正範市長が「これから楽しいこと、苦しいことがたくさんあると思うが、いつどこにいてもふるさと函館を頭に描き、元気で幸せな人生を歩んでほしい」と激励した。

 新成人を代表し、函館大2年の清水律志さん(19)と公立はこだて未来大2年の大島孝子さん(20)が「大人の自覚を持ち、国際社会の一員となって豊かな社会を築くことを誓います」などと誓いの言葉を述べた。市内のマーチングバンド「マキシマム・ドラム&ビューグル・コー」が華麗な演奏を披露し、新成人を祝福した。

 式典後、実行委員会(重山喜重委員長)主催の祝賀行事に移り、先着1000人に駄菓子が入った「想ひ出の詰め合わせ」が手渡されたほか、豪華景品が当たる抽選会が行われた。新成人たちは久々に再開した友人らと記念写真を撮り合ったり、会場に展示された中学時代の恩師の手紙を見たりしながら、楽しいひとときを過ごした。

 式典中、会場内は私語でざわついていたが、目立った混乱はなかった。

 道教委のまとめによると、今年の渡島(2市9町)、檜山(7町)管内の新成人は、渡島が昨年より212人少ない4303人(男性2142人、女性2161人)、檜山が同じく183人少ない297人(男性151人、女性146人)となっている。


◎新成人抱負、大人として成長、もっと自立を…
 「大人の自覚を忘れずに頑張る」「振り返って後悔のない人生を送りたい」―。14日の函館市成人祭で大人の仲間入りを果たした若者たちは、さまざまな抱負を語った。昭和の終わり、バブル景気の真っただ中に生まれ、パソコンや携帯電話を自在に操る現代っ子たち。少子化や格差問題など社会が抱える課題も少なくないが、時代を切り開いていく若さと輝きがあった。

 保育士を目指している市内谷地頭町の専門学校生、中野正恵さん(19)は「育ててくれた両親に感謝したい。大人として成長し、みんなに好かれる保育士になるのが夢」と笑顔。さいたま市の大学2年、吉田亜紗子さん(20)は「同級生の女性はみんなきれいに、男性はかっこよくなっていた。これまで幸せな人生だったと思うし、いつ振り返ってもいい人生だったと思えるような生き方をしたい」ときっぱり。

 就職が決まり、今春から茨城県に赴任する市内港町の函館高専5年、福原達仁さん(20)は「まずは仕事を覚えたい。函館を離れても古里を大切に思い続けます」と、心は函館に。札幌市の大学2年、室田恵美さん(20)も「まず、選挙に行ってみたい。人の気持ちを考え行動できる大人になります」と自覚を新たにしていた。

 社会人からは、さらに自分を高めたいという目標も聞かれた。市内深堀町の会社員、端川ひとみさん(20)は「仕事ができる大人になりたい。仕事がつらい時もあるが、負けないで頑張りたい」、同駒場町のフリーター、石川由香さん(19)も「もっと自立し、何でも自分でできる大人になりたい」と理想を掲げた。

 「どんな大人に」との問いに深堀町の函館高専5年、佐藤寿之さん(19)は、表情を引き締めて語った。「大人というより、男になりたい。年を増すごとに渋くてかっこいい男になるのが夢」(高柳 謙、鈴木 潤)


◎「ふっくりんこ飯くらぶ」28日からアンテナショップ事業
 函館市内の米穀店3店でつくる「ふっくりんこ飯(ふぁん)くらぶ」(田中ユサ代表)は28日から、道南の農業加工品や農産物を通年で販売するアンテナショップ事業を始める。渡島管内の農村女性グループネットワーク団体「ウェーブネットおしま」の部会「手づくりくらぶ」(東寺百合子部会長)と連携し、地場産品をPRしていく試みだ。

 手づくりくらぶは、北斗や七飯などの6団体6個人が参加。地場産素材を使った手づくり加工品など、各会員の商品はそれぞれ地元の販売所か年数回の販売イベントでしか手に入らないため、田中代表が「もっと地元商品を大事にして広めたい」と事業化を提案した。

 販売店舗は、田中米穀店(函館市亀田町7)、不京米穀店(同市人見町17)、米の名久井(同市松陰町28)。販売商品は各店舗で異なり、今後詳細を詰めるが、「かりんの会」(北斗)の手作りトマトケチャップやゆずジャム、「わくわく工房」(知内)のみそなどを予定している。

 田中代表は「生産者の“顔”が見える地元の商品を多くの人に愛してもらえるよう、地道に販売していきたい」と話し、東寺部会長も「手塩にかけた地場産加工品の販売所が増えてうれしい。地元の良さを知ってほしい」と話している。

 問い合わせは田中代表TEL090・1382・3720。 (新目七恵)


◎07年函館市、新築住宅着工伸び悩む
 函館市は、2007年の市内新築住宅着工戸数をまとめた。全体の戸数は前年比282件(14・2%)減の1699件で、ほぼ05年並みの低い水準となった。アパートやマンションなどの集合住宅の着工戸数が(1世帯分で1件)が伸び悩み、同216件(18・7%)の減少となった。日本銀行函館支店は「改正建築基準法の影響も少しはあるが、市内では住宅に対する需要自体が伸び悩んでいる」とし、人口減少や長引く地域経済低迷の影響があると指摘している。

 全国的には昨年6月に施行された、耐震構造のチェック強化などを盛り込んだ改正建築基準法による新規着工の落ち込みが指摘されているが、市内では改正法の影響を受ける大型物件はそれほど多くなく、市建築指導課は「法改正の影響は、大都市圏に比べると小さいのではないか」としている。

 同課のまとめによると、建て方別で見ると、一戸建ては同66件(8・0%)減の762件。集合住宅のうち、玄関など共同部分のある共同住宅が263件(25・1%)減の785件で、共同部分のない長屋は同47件(44・8%)増の152件だった。

 利用形態別では、持ち家が同81件(16・6%)減の438件、貸し家が同247件減の824件(23・1%)、分譲が39件(10・1%)増の423件など。

 本州の大手仲介業者が積極的に新規物件着工に動いた06年は、共同住宅が全体の数字を押し上げたが、市内の住宅供給数は数年前から飽和状態にあると指摘されており、07年は伸び悩んだ。また、一戸建ては市内では、桔梗町の日本たばこ産業函館工場跡地や追分町など、ハウスメーカーが宅地分譲を進めている場所もある。

 日銀函館支店は、分譲地開発も全般の住宅需要と結びついてはいないとみており、「08年も様子見の状態が続くのではないか」としている。 (今井正一)


◎桧山管内ナマコ、2年連続で過去最高更新
 【江差】中国への輸出急増から価格高騰が続いている桧山管内産のナマコは、昨年の漁獲量が189トン(前年比52%増)、出荷額も6億2237万円(同84%増)に上り、06年に続き2年連続で過去最高を記録したことが檜山支庁のまとめで分かった。

 管内では05年前後から中国へのナマコ輸出が急増。中国で檜山産ナマコは評価が高く、03年には1?当たり1キロ19円だった管内産ナマコの単価は、05年に1762円、06年は2707円、07年には3285円と急騰した。

 漁獲量は06年に過去最高の125トン(同34%増)を記録し、07年はさらに急増。価格高騰に伴い、出荷額も06年は3億3833万円(同109%増)と大幅な伸び率をみせ、07年も引き続き激増した。

 出荷額の増加に伴い、管内の漁業生産額に占めるナマコの割合も大きくなっており、06年にはウニ・アワビを抜き第4位、07年には秋サケ漁が不漁だったことも影響して、イカ、スケトウダラに次ぐ第3の主要魚種に躍り出た。

 一方、07年の管内全体の漁業生産量は、イカ、スケトウダラなどの不漁で、約1万85967?(前年比24%減)、生産額も約57億8000万円(同22%減)と振るわなかった。

 魚種別では、イカ6946トン(同28%減)、スケトウダラ5131トン(同24%減)、サケ821トン(同58%減)、ウニ339トン(同5%減)、アワビ18トン(同27%増)、エゾバカガイ202トン(同19%減)など。中でもスケトウダラは、漁獲量・出荷額ともに1983年以降では過去最低の水準で、いずれも過去10年平均の5割近くまで落ち込んでいる。 (松浦 純)