2008年1月20日(日)掲載

◎スズメも…ぶるっ/厚沢部で氷点下19・9度
 冷え込みが続く本道では19日、旭川で最低気温が7年ぶりに氷点下25度以下となる同25・7度、岩見沢では8年ぶりに同20度以下となる同20・3度を記録。道南では厚沢部町鶉で同19・9度、函館空港近くの函館市高松町で同15・2度、同市美原は同12・1度と厳しく冷え込んだ。

 函館市内では、マフラーや手袋、帽子といった防寒具をしっかり身に付けて歩く人の姿が見られる一方で、雪のない地面や木の枝などでは、体を丸くしたスズメの群れも見られる。

 この季節のスズメは、厳しい冬を乗り切るため、羽の中に空気を蓄えるため膨んで見える。そのふっくらした姿は「寒スズメ」と呼ばれ、俳句では冬の季語にもなっており、見るだけでも寒さを感じさせる。

 同市豊川町の豊川稲荷神社の境内に居たスズメを見た同市東川町の主婦(71)は「スズメは以前、電線に音符の模様を描くほどたくさんいたが、餌不足なのか最近は減っている」とし、「ハトも減ったが、カラスは減らない」と話していた。(山崎純一)


◎道南地域医療連携協が発足
 患者の診療情報を地域の医療機関で共有するネットワークシステムを運営する「道南地域医療連携協議会」が19日、発足した。設立総会が函館市大森町のサン・リフレ函館で開かれ、理事長に高橋病院(函館市元町)の長谷川正院長を選任した。今後、NPO法人(特定非営利活動法人)を目指し、組織の拡充を図るとともに、システムを生かした地域の医療連携を推進する。(鈴木 潤)

 同システムはインターネットを使い、検査や薬の処方歴、レントゲン撮影の画像など、患者の同意を得て情報を共有する。不要な検査や薬の重複投与の防止につながるほか、質の高い医療が期待される。

 各医療機関に認証された端末を接続し、IT(情報技術)関連企業に設けた電子センターを通して情報の入手、提供が行われる双方向型システムで、全国的にも実施している地域は少ない。4月から本格稼動する予定。

 昨年4月に市立函館病院や高橋病院、稜北病院、おしま病院、北美原クリニック、ごとう内科(いずれも函館市内)で準備委員会を立ち上げてシステムを試行。特に市立函館病院と高橋病院との間で約300人の患者に対し、システムを活用した診療を行った。

 市内、近隣市町の40医療機関が協議会に加入する意向を示し、この日の設立総会には医師ら約70人が出席した。

 役員の選任では、準備委員会のメンバー8人がそのまま理事に選ばれ、長谷川院長を理事長とする理事の互選案が満場一致で承認された。副理事長は、市立函館病院の下山則彦副院長と北美原クリニックの岡田晋吾理事長が選ばれた。総会後にはシステムの説明や課題をテーマにした設立講演会も行われた。

 長谷川院長は「地域全体で取り組む医療が求められている。情報共有は患者のメリットにつながるはず。よりよいシステムを構築していきたい」と語った。


◎木古内観光協会/7年ぶり観光案内看板を新しく
 【木古内】木古内観光協会(東出文雄会長)はこのほど、JR木古内駅前のロータリーに設置されている町内の「観光案内板」を約7年ぶりに刷新した。自然豊かな美しい景色のパノラマ写真や2015年度までに町内を走る北海道新幹線のルート地図なども記され、観光客らにまちの魅力をPR。経費削減のため、デザイン原稿は業者に依頼せず、同協会役員がパソコンを駆使して制作した。同協会では「互いに知恵を出し合い、手づくりならではの温かさが伝わる魅力的な看板に仕上がったと思う」としている。(田中陽介)

 旧看板は2001年4月に設置。風雨にさらされて劣化が進み、印刷された文字などが見づらくなってきたことから、新しい看板を設置することにした。

 当初は雪解けの4月ごろに設置の予定だったが、「なるべく早い時期に新しくし、観光サービスの向上を図りたい」という関係者からの声が寄せられ、計画を前倒して設置作業を実施した。新看板の大きさは縦2・4メートル、横3・5メートルで全面カラー。

 デザインは、同協会役員が各観光施設などで配布中の「木古内観光パンフレット」の内容に加え、例年5月の連休時期に紫のシバザクラが満開となる薬師山から市街地を眼下に、津軽海峡が広がる眺望を写真で上部に配し、下部右側半分には初夏のサラキ岬で咲くチューリップ畑の鮮やかな様子を添えた。

 さらに、まちを走る道新幹線のイメージイラストや戊辰戦争(1868―69)の激戦地とされる跡地も記され、木古内の「未来と歴史」を垣間見ることができる。

 同協会では「冬の一大行事『寒中みそぎ祭り』は先日終わったが、これから春にかけてもチューリップ祭りなど各種イベントは目白押し」と木古内観光の魅力をアピールしている。問い合わせは同観光協会TEL01392・2・2046。


◎冬の味覚ゴッコが鮮魚店に並ぶ
 「ゴッコ汁」など道南の冬の味覚として知られる魚ゴッコ(ホテイウオ)が、函館市内の鮮魚店などに並び始めた。中島町の商店街「中島廉売」でも、旬の魚を味わおうと買い求める市民の姿が見られた。現在は比較的高値だが、2月に入って水揚げのピークを迎えると現在より手ごろな値段になりそうだ。

 ゴッコはゼラチン状の身や卵のおいしさが親しまれ、主に鍋料理に使われる。普段は深海に生息するが、産卵期の冬場は浅瀬に移動する。函館は恵山、戸井、南茅部が主な漁場で、えさん漁協では昨年末から漁が始まった。

 中島廉売の丹羽鮮魚店(丹羽正一社長)では19日、900グラム―2キロの雌と雄が1匹500―2000円で販売され、従業員の成田貴之さんは「特に寒いこの冬、熱々のゴッコ汁を味わって」と威勢の良い掛け声でアピールしていた。市内の男性(70)は「炒(い)った身と肝をしょうゆで味付けして食べたい」と雄1匹を買っていた。(新目七恵)


◎難関突破だ/センター試験始まる
 2008年度の大学入試センター試験が19日、全国で一斉に始まった。道南では函館市内の北大水産学部(港町)、道教育大函館校(八幡町)、公立はこだて未来大(亀田中野町)の3会場で実施され、受験生は志望校の合格を目指して試験に挑んだ。

 3会場のうち最も多い受験者が集まった道教大函館校には、厳しい寒さの中、午前8時ごろから受験生が保護者の運転する自家用車や徒歩などで会場入り。9つの試験室に分かれて席に着いた。

 試験は午前9時半に「公民」から始まり、同会場の志願者458人のうち65・5%に当たる300人が臨んだ。その後、「地理歴史」、「国語」、「外国語」の試験が行われた。英語のリスニング試験で、函館の水産学部を含む北大会場全体で2人の受験生が、不具合を申し出て再試験となったほかは、3会場ともに大きなトラブルもなく初日の日程を終了した。

 大学入試センターによると、本年度の志願者は全国で54万3385人、道南では1163人。20日は「理科」と「数学」の試験を行い、全日程が終わる。(小泉まや)