2008年1月21日(月)掲載

◎熱帯植物園で鞍作り見学会や凧づくり
 北海道和種馬(通称どさんこ)の背に荷物を載せて運ぶ「だんづけ」技術の伝統文化を広めようと、函館市内のどさんこ所有者でつくる「函館だんづけ保存会」(土谷進会長)は20日、市営熱帯植物園(湯川町3)で、鞍(くら)作りの様子を披露した。

 だんづけはどさんこが多量の荷物を一度に運べるように編み出された、函館地方だけに残る伝統技術。保存会はだんづけや鞍作りの技術を後世に伝えるため、毎月勉強会を開いている。

 この日は同会メンバーが麦わらなどを使って鞍を作る過程を公開し、どさんこやだんづけの歴史を紹介した。見学者は鞍に触れるなどして技術に理解を深め、市内神山3の土岐洋一さん(70)は「昔の人の知恵はたいしたもんだ」と感心していた。2月10日、3月16日の午後1時からも実施する。

 また同日午前には、2月3日に同園で開かれる催し「第4回春節祭」で来場した子どもにプレゼントする凧(たこ)の準備作業が行われた。

 同園を管理・運営するNPO法人(特定非営利活動法人)函館エコロジークラブの呼び掛けで、市民ボランティア20人が参加。日本の凧の会函館支部長の秋山修世さんらメンバーの指導の下、1人10個を目標にビニール製シートに糸とセロハンテープで竹ひごを固定し、縦50センチ、横45センチほどのダイヤ凧を仕上げた。参加した市内根崎町の黒島久美子さん(66)は「子どもたちの喜ぶ顔を思い浮かべて心を込めて作りました」と話していた。

 同祭では午前11時から先着200人に凧を配り、午後1時から同園裏の海岸で凧揚げをする。(宮木佳奈美)


◎まなびっと体験講座/バッグハンガーづくりに挑戦
 函館市教委が主催する「まなびっと2007体験講座」の「押し花とUV樹脂のバッグハンガーを作ろう」が20日、市亀田福祉センター(美原1)で開かれた。児童とその保護者ら約20人が参加し、色とりどりの花びらを用いて、きらびやかなアクセサリーを仕上げていった。

 同講座は本年度、ものづくりを中心に9回予定され、今回が7講座目。「函館手工芸の会」の坂下みどり代表が指導し、テーブルの角に置いて、フック部分にポーチなどをつるすことができる携行用のアクセサリー「バッグハンガー」の製作に挑んだ。

 参加者は、あらかじめ押し花にしてあったバーベナやアジサイ、レースフラワーなどから好みの花びらを選択。ブローチ部分に装飾した後、表面に光沢をもたせるためのUV(紫外線硬化性)樹脂を平らになるように、慎重に塗っていった。

 専用の機械で乾燥させ、出来上がりを見た参加者からは「きれい」「宇宙みたい」など歓声とため息がこぼれた。

 徳永真央さん(函館千代田小1年)は「液が縁につかないように、とても気を遣った。きれいなデザインに仕上がったので、おじいちゃんにプレゼントしたい」と話していた。(浜田孝輔)


◎函館出身の岩田さん、市などに油絵56点寄贈
 函館市出身で東京在住の岩田治子さん(80)が、これまでに自身が描きためた油絵作品56点を、函館市や同市内の病院、福祉施設などに寄贈する。函館の画壇で活躍した父の故佐野忠吉氏の作品を、同市や道立美術館に寄贈する作業に尽力した元函館文化会会長の関輝夫さん(82)への感謝の気持ちを表そうと決意した。24日までは寄贈を前にした個展を、丸井今井函館店(同市本町)で開催している。

 岩田さんは函館市生まれ。洋裁業のかたわら、服飾デザインを学ぶために始めた美術の世界に触れるうちにのめり込み、40代から本格的に作品を描くようになった。父は66年に亡くなったが、函館市民会館の館長だった関さんの協力で同館で遺作展を開き、その後市などに作品を寄贈することができた。

 岩田さんは「関さんには本当に長い間お世話になり、この感謝の気持ちを表したいと思った」と言う。しかし関さんは自分で受け取ることはせず、市など公の施設などに寄贈することを提案。「病院に寄贈するのはたくさんの人に見てもらって元気になってほしいから。その力が岩田さんの絵にはある」と話す。

 個展は「心を癒やす静物画・岩田治子油絵展」(道南・生と死を考える会主催)とした。会場に並ぶ絵はすべて静物画で、果物と生花には独特のみずみずしさとすがすがしさがあふれている。

「派手な絵ではないが意識して明るく描いている」と岩田さん。果物の一番おいしそうに見える時期をキャンバスに閉じ込めた絵を前に、来場者の口からは「おいしそうだねー」の言葉が自然と出ていた。(小泉まや)


◎学習机商戦が本格化
 小学校の新入学生を対象にした学習机商戦が早くも本格化している。3万円台のシンプルな低価格商品から10万円を超える高級品まで多種多様な商品をそろえた特設売り場は、休日ともなると大勢の家族連れでにぎわっている。

 家具の菱乃実(石川町2、及川邦夫店長)では昨年12月から学習机の展示を始め、早くも完売した製品もある。ただ例年より客足が遅く、1月下旬にかけてピークを迎えるとみている。

 店頭には学習机メーカー2社、家具メーカー4社の約40種類が並び、価格は5―20万円台と幅広い。売れ筋の価格帯はいすとセットで10万円台。子どもの成長や部屋の広さに合わせて机と書棚を多様に組み替えられるセパレートタイプが主流。年代に応じてスタイルを変化させ、長期間に使用できることが人気の理由となっている。ナラ材など天然木の温もりを生かした高級品も好評。「完売や納期が遅くなる製品もあるので、品薄になる前の1月中に購入することをお薦めします」と同店。

 ハコモク・ファニチャー・アゴラ(同美原1)では、いす無しで3―5万円台のシンプルなタイプと、書棚と分離する7―10万円台のユニットタイプの2つの価格帯に人気が分散。昨年12月から本格的に売り場を展開しているが、年明けから順調に売り上げを伸ばしているという。同店では「不況の影響で安くてシンプルなタイプに人気が集まる一方、祖父母が孫にプレゼントする場合など10万円以上の高級品を購入するケースも少なくない」と2極化を指摘する。

 また、イトーヨーカドー函館店(同美原1)では複合店舗の利点を生かし、文房具やランドセル、衣料品などと売り場を一体化した「入学応援キャンペーン」を展開。こちらもデスクと書棚が分離するユニットタイプが人気を集めているほか、デスクの高さや奥域が調節可能で、大人になっても使用できる種類が注目を集めている。同店では「シンプルな木目調の飽きのこないデザインで、耐久性にすぐれた実用的な学習机が好まれているようだ」と話している。(宮木佳奈美・小川俊之)