2008年1月24日(木)掲載

◎市3病院 単年度黒字に…函館市病院局
 函館市病院局は、市立函館、恵山、南茅部3病院の経営健全化に向け、2008年度以降の収支見通しを試算した。この中で、恵山は一般病床、南茅部は療養病床を休止し、それぞれ1病棟として病床数を削減するとともに、函館病院では診療報酬の高くなる「7対1看護」体制の早期確立などを重点事項として掲げている。この結果、08年度試算では3病院合計で1億4200万円の単年度黒字を見込んでいる。28日の市議会民生常任委委員会の委員協議会で報告する。

 総務省は「公立病院改革ガイドライン」を昨年12月に示し、経営効率化に向けた具体的数値目標の設定などを含めた「改革プラン」を08年度中に策定するよう各自治体に求めている。関連の財政支援措置として「公立病院特例債」が同年度中に創設される見通し。これらの動きを踏まえ、07―08年度に3病院で重点的に取り組む改善策を示し、収支を試算した。

 函館病院では、4月に採用予定の看護師を含めると、6月には「7対1看護」体制が整う見通し。新年度からは、院内保育園を24時間化するなど就労環境を整備し、引き続き、看護師確保に努める。精神病床縮小(実施済み)や、診断群分類別包括評価の導入や脳血管疾患などのリハビリテーション体制強化などで黒字化を図る。

 また、恵山病院は現行の一般病床26、療養病床40の2病棟66床を療養病床のみの60床に、南茅部病院は一般37、療養59の体制を一般病床のみの37床にすることを示したが、両病院の赤字は解消できない。

 3病院の本年度決算見込み額は、約13億円の赤字で、累積財源不足額は約23億7000万円となり、不良債務比率は17・6%となっている。これらの健全化に向けた取り組みを実現することで、函館病院は08年度単年度で4億4900万円、3病院合計で1億4200円の黒字と試算し、不良債務比率も10年度までに10%未満まで圧縮できるとした。

 しかし、年内にも策定される改革プランには、収益の黒字化を盛り込まなくてはならず、収益的収支のみでは3病院で10億円の赤字(08年度)と試算されていることから、今回以上の取り組みが求められている。(今井正一)


◎総務部長が理事になるかも…西尾市長がポロリ
 函館市の西尾正範市長は23日、道教育大函館校で開かれた講演で「函館市の総務部長は教育大出身。理事になるかもしれません」と述べた。4月から4年間の時限付きで設置する行革担当の特別職「理事」について、市長が具体名を挙げたのは初めて。

 市議会や世論で賛否両論があり、論議を経て新設が決まった理事。関係者の間でも小柏忠久総務部長(60)の起用が有力視されている。講演後、西尾市長は「これから教育大の学生たちにも市職員を目指して積極的に応募してもらいたく、OBの活躍を伝えたかった」と意図を述べた。

 市の特別職は3月末で水道局長と常勤監査委員が任期満了となる。2月初めには理事を含めた3人の特別職人事について発表する考えという。自身のふとした発言が報道陣を刺激する結果に、「子供たちへのサービス。そんなに騒がないで」と、いつもの“西尾節”―。(高柳 謙)


◎薬害肝炎問題受けウイルス検査希望が殺到…道南の各保健所
 薬害肝炎問題で、厚生労働省が血液製剤納入先の医療機関名を新聞の折り込み広告にあらためて掲載した17日以降、市立函館保健所をはじめ渡島、桧山管内の各保健所にウイルス検査の予約や問い合わせが殺到している。各保健所ではウイルス検査を無料で実施しているが、検査希望者の激増で1、2カ月先まで予約が埋まる状況となり、検査の実施機会を増やすなどの対応に追われている。

 広告では、C型肝炎感染の危険性のある血液製剤「フィブリノゲン」の納入先となった医療機関、非加熱血液凝固因子製剤を血友病患者に投与した可能性のある医療機関を公表するとともに、両製剤の投与を受けた可能性のある人にウィルス検査を呼び掛けている。

 市立函館保健所では広告掲載翌日の18日から、検査予約や問い合わせが相次いでいる。18日の検査予約が約200件に達し、21日には3月中旬まで検査予約がいっぱいになった。本年度は1月17日までの検査累計が210人だったが、この状況で推移すると本年度に見込んだ人数(240人)を大幅に上回る見通し。

 同保健所の肝炎ウイルス検査は通常、月・水・金の週3回と、毎月第1・第3月曜、毎月第2火曜(いずれも要予約)だが、検査日程や予約の受け入れを増やし対応している。同保険所は「希望の日時に検査が受けられるようできるかぎり配慮していきたい」としている。

 このほか、渡島保健所でも、50件以上の問い合わせや予約の申し出があり、月1回の予約が一杯。3月は月2回に増やす予定。八雲保健所は年度内は月2回の検査が予約で埋まり、今後早朝、夕方の時間帯に行うなど体制の見直しも検討している。江差保健所は、通常、第2、第4火曜の検査だが、今月は急きょ第5火曜の検査も実施する。(鈴木 潤)


◎漁獲高増 479億円…07年渡島海域速報値
 渡島支庁水産課は23日、2007年の渡島海域における漁業生産高(速報値)を発表した。八雲町熊石地区を除く2市9町海域の漁獲量は前年比12%(2万3000トン)増の21万8000トンで、漁獲高は同5%(21億円)増の479億円。ホタテやスルメイカの好漁が全体を押し上げたが、天然コンブの不漁などにより漁獲高500億円の大台には及ばなかった。

 速報値は渡島管内の各漁協からの聞き取り調査で同課が集計した。

 魚種別でみると、噴火湾が主産地のホタテは好漁が続き、漁獲量は同9%(8000トン)増の9万6300トン、漁獲高は同10%(約14億円)増の約140億円。スルメイカは11月ころから漁獲が上向きになり漁獲量は同58%(1万7500トン)増の4万7900トンと豊漁となったが、魚価(1キロ当たりの単価)は前年より低く、漁獲高は同25%(約18億円)増の約89億円にとどまった。

 一方、南茅部が主要漁場となるコンブは天然が不漁で、養殖も合わせた全体の漁獲量は同20%(1300トン)減の5200トン、漁獲高は同9%(約9億円)減の約87億円。スケトウダラの漁獲量は同19%(6100トン)減の2万5500トン、漁獲高は同19%(約7億円)減の約30億円だった。また、近年中国などの需要増で魚価が上がっているナマコの漁獲量は同12%(50トン)増の480トン、漁獲高は同17%(約2億円)増の約13億円だった。

 近年の渡島海域の漁獲量と漁獲高の推移は、04年が19万8700トン、約435億円、05年が17万6500トン、約472億円、06年が19万5000トン、約458億円。(新目七恵)


◎開陽丸青少年センターなど入場料半額に…来月から
 【江差】江差町は、観光オフシーズンとなり、年間を通じて観光客が少ない2月1日から29日までの期間中、開陽丸青少年センター(姥神町1の10)、江差追分会館(中歌町193の3)、旧中村家住宅(同22)、旧桧山爾志郡役所・江差町郷土資料館(同112)の4観光施設で初めての入場料半額サービスを行う。

 町内では昨年2月、開陽丸青少年センターで、試験的に入館料の半額サービスを行ったところ「例年の4倍近い来館者がありサービスの効果が現れた」(江差観光コンベンション協会事務局)という。このため町は、第8回冬江差“美味百彩”なべまつり(同協会主催)など、集客効果を持つ観光イベントが行われる2月に合わせて、観光客により多くの観光施設を訪れてもらおうと、町が管理する4施設で、入場料の半額サービスを実施することを決めた。

 期間中の入場料は、開陽丸青少年センターが大人350円、高校生以下150円、江差追分会館は大人250円、高校生以下150円、旧中村家住宅と旧桧山爾志郡役所は大人150円、高校生以下50円。いずれも団体割引料金には適用しない。

 また、開陽丸青少年センターは、同16日午後1時半から「開陽丸と榎本武揚」をテーマに歴史入門講座を開く。受講料500円。高校生以下無料。定員30人。希望者は同8日までに電話で申し込む。申し込みは同センターTEL0139・52・5522。(松浦 純)