2008年1月25日(金)掲載

◎海を 漁業を知る3年間…乙部中の体験学習 スルメイカや漁や「棒ダラ」加工
 函館市病院局は、市立函館、恵山、南茅部3病院の経営健全化に向け、2008年度以降の収支見通しを試算した。この中で、恵山は一般病床、南茅部は療養病床を休止し、それぞれ1病棟として病床数を削減するとともに、函館病院では診療報酬の高くなる「7対1看護」体制の早期確立などを重点事項として掲げている。この結果、08年度試算では3病院合計で1億4200万円の単年度黒字を見込んでいる。28日の市議会民生常任委委員会の委員協議会で報告する。

 総務省は「公立病院改革ガイドライン」を昨年12月に示し、経営効率化に向けた具体的数値目標の設定などを含めた「改革プラン」を08年度中に策定するよう各自治体に求めている。関連の財政支援措置として「公立病院特例債」が同年度中に創設される見通し。これらの動きを踏まえ、07―08年度に3病院で重点的に取り組む改善策を示し、収支を試算した。

 函館病院では、4月に採用予定の看護師を含めると、6月には「7対1看護」体制が整う見通し。新年度からは、院内保育園を24時間化するなど就労環境を整備し、引き続き、看護師確保に努める。精神病床縮小(実施済み)や、診断群分類別包括評価の導入や脳血管疾患などのリハビリテーション体制強化などで黒字化を図る。

 また、恵山病院は現行の一般病床26、療養病床40の2病棟66床を療養病床のみの60床に、南茅部病院は一般37、療養59の体制を一般病床のみの37床にすることを示したが、両病院の赤字は解消できない。

 3病院の本年度決算見込み額は、約13億円の赤字で、累積財源不足額は約23億7000万円となり、不良債務比率は17・6%となっている。これらの健全化に向けた取り組みを実現することで、函館病院は08年度単年度で4億4900万円、3病院合計で1億4200円の黒字と試算し、不良債務比率も10年度までに10%未満まで圧縮できるとした。

 しかし、年内にも策定される改革プランには、収益の黒字化を盛り込まなくてはならず、収益的収支のみでは3病院で10億円の赤字(08年度)と試算されていることから、今回以上の取り組みが求められている。(今井正一)


◎返送・相談 1割足らず…ねんきん特別便
 公的年金の加入記録を確認してもらう「ねんきん特別便」の渡島・檜山管内の郵送分は約2800件(21日現在)に上るが、うち回答を返送したり、窓口に相談に訪れたのは214人と全体の1割に満たないことが、函館社会保険事務所(函館市千代台町26)の24日までの調べで分かった。特別便は記録漏れの可能性の高い人を優先して送っており、記録訂正には自主的な申請が必要。同事務所は「内容を点検して返送するか、不明な点や修正は相談してほしい」と呼び掛けている。

 特別便は基礎年金番号に結びつかず、「宙に浮いた」状態の年金記録約5000万件の持ち主を探す目的で社会保険庁が実施。郵送された加入記録を確認し、間違いがなければ「確認はがき」、あれば「照会票」などを返送するか保険事務所に持参して手続きすることになる。昨年12月から3月までは持ち主の可能性が極めて高い約850万人を対象としている。

 同事務所によると、両管内で訂正を申し込む「照会票」を返送したのは10人、窓口を訪れたのは204人。窓口相談のうち、確認はがきの持参は34人、照会票の持参は155人、何も持たずに訪れたのは15人だった。

 同事務所では特別便の郵送後、専用相談ブースを2つ設け、第2のみだった土曜日の開庁を毎週に増やして対応。新栄收所長は「間違いがなくても回答を返送し、訂正の場合は空白期間の職歴などを確認して申請してほしい」と話している。特別便に関する問い合わせなどは専用ダイヤルTEL0570・058・555。


◎支庁統廃合に断固反対 意見書を全会一致で議決…江差町議会
 【江差】江差町議会は24日の第1回臨時会で、道の支庁制度改革は地域の崩壊をもたらすとして、道が昨年公表した「新しい支庁の姿(原案)」に断固反対するとした意見書を全会一致で議決した。意見書は高橋はるみ知事、釣部勲道議会議長らに提出する。

 意見書は(1)桧山支庁存続と権限機能強化を求める(2)市町村合併や道州制が進んでいない状況での支庁制度改革は時期尚早だ(3)桧山管内の基幹産業である農林水産業の振興に向けて、支庁の関係部署の堅持と充実を図るべき―などの内容。臨時会では、同趣旨の決議も全会一致で可決した。

 支庁再編への反対理由については「支庁再編は地域間格差の是正に逆行し、都市偏重型社会を目指すもの。経済基盤が脆弱(ぜいじゃく)な檜山地域にとって、光明を与えるものは何も無い。拙速な改革には断固反対する」としている。

 町議会は今後、支庁廃止が予定されている日高管内浦河町など3市町議会と連携して、2月4日に行われる道議会道州制・地方分権改革等推進調査特別委員会の支庁再編をめぐる集中審議に議員団を派遣するなどして、道側に徹底抗戦の意志をアピールする考えだ。

 議事では、道路特定財源の維持と現行税率の維持を求める意見書も可決した。臨時会は、根室市で開かれた支庁再編をめぐる道の地域意見交換会に町議4人を派遣したため、8人の出席で行われた。 (松浦 純)


◎「ツリー友情の証し」…ハリファクス市長が初来函
 函館市との姉妹都市提携25周年を記念し、カナダ・ハリファクス市のピーター・ケリー市長(50)が24日、初めて来函し、息子のブレイク君(13)とともに西尾正範市長を訪問した。ケリー市長は「25年間の友情と今後も続く友好の証しとして、クリスマスツリーのプレゼントを続けたい」と述べた。

 ハリファクス市から毎年、はこだてクリスマスファンタジーに使用するモミの木の寄贈を受けていることから、市や函館ハリファックス協会(山崎文雄会長)、同ファンタジー実行委員会(沼崎弥太郎委員長)などがかねてから訪問を要請していた。両市は1982年に姉妹都市となり昨年、提携25周年を迎えた。

 西尾市長が熱烈に歓迎し、ツリー寄贈の謝辞を述べるとともに、ハリファクスを訪れた函館市民は皆、素晴らしい街と絶賛していることを紹介。ケリー市長は「函館市には年間約500万人の観光客が訪れると聞き、私たちも目標にしたい」と述べた。

 両国の政治活動などに話が及び、ケリー市長は「市民が大事で、市民は市の誇り。その人たちのために働き、生活を支えていくという現在の仕事が世界で一番素晴らしい」と語った。

 ケリー市長とブレイク君は同日夜、市内のホテルで開かれた市と同協会主催の歓迎夕食会に出席。山崎会長が「両市の異質な文化が共生し、姉妹都市相互が繁栄していくことを願っている」と述べた。25日は道教育大付属小学校などを訪れ、児童たちと交流する。27日に離函する。(高柳 謙)


◎低気圧で強風・大雪…交通機関に大きな乱れ
 発達した低気圧の影響で、24日の道内は強風や大雪に見舞われ、陸と空、海の交通ダイヤに大きな乱れが生じた。荒天に伴う人的被害などは報告されていない。

 函館海洋気象台によると、風は同日午前中、渡島、桧山の広い範囲で風速10メートル以上を観測。雪は降り始めから午後7時までの降雪量が今金町で39センチ、厚沢部町鶉23センチ、八雲町八雲30センチ、七飯町大沼35センチなど。各地で気温がプラスになり、湿った雪が多く降った。

 JRは同日朝から強風による信号ケーブルの断線や運行管理システムのトラブルで、函館線の長万部―八雲間と、長万部―森間が正午すぎまで一時運転を見合わせた。長万部町内では倶知安発長万部行きの普通列車が線路上の倒木(長さ20メートル、直径30センチ)と接触するなどし、特急計9本が運休したほか、普通列車も函館―長万部間の計7本が部分運休し、約1600人に影響が出た。

 空の便では、道内各空港の降雪の影響で、丘珠線の12便のほか、旭川、釧路などを結ぶ函館空港の全発着便の半数以上の計20便が欠航、約700人に影響した。このほか、函館空港では除雪作業のため、午前と午後の計3回、滑走路を一時的に閉鎖し、関西便などの一部に2時間以上の遅れが出た。

 フェリーは東日本フェリーの函館―大間航路の3便のほか、ハートランドフェリーの江差―奥尻航路の全2便が欠航。函館山ロープウェイも早朝から山頂付近で20メートル以上の強風が吹き、終日運行を見合わせた。

 道路では、高波が打ち寄せたため、函館市内とせたな町内の道道2路線の一部区間が通行止め。道央道の八雲―札幌南間も吹雪のため、午前6時50分から午後6時半まで通行止めとなった。

 また、渡島支庁によると、長万部町の個人所有の牛舎の屋根が雪の重みなどで倒壊したが、牛は無事だった。被害額は約100万円と推定される。


◎「南国」で名演技披露…函館子ども歌舞伎・沖縄へ出発
 沖縄県宜野湾市で26、27の両日開かれる「第108回杜(もり)の賑わい・沖縄」(JTB主催)にゲスト出演する「函館子ども歌舞伎」(市川団四郎さん主宰)のメンバーが24日、函館空港から現地に向かった。市川さんは「子供たちはけい古も十分でベストな状態。公演で成功し、大きな自信につながると思う」と期待を寄せた。

 「杜の賑い」公演は、JTB創業70周年などの記念として1981年から毎年全国数カ所で開催しており、沖縄では25年連続開かれる。一昨年に函館で開かれた同公演に出演した「函館子ども歌舞伎」を見た演出家鷹の羽辰昭さんらが、子供たちの名演技にほれ込み、沖縄に招かれることになった。会場では「白浪五人男」を演ずる。

 この日は午前9時から同空港で結団式を行った。出演する子どもたちやスタッフ計24人のほか、見送りに来た親ら計約40人が参加。市川さんは「沖縄の人に喜んでもらえるような演技をしてくれると思う」とあいさつ。後援会の小玉陽造会長は「やりがいのある舞台。頑張ってほしい」と激励した。

 会場の舞台は普段のステージより広く、円形のため、子供たちにとっては初めての経験となる。出演する沼田彩香さん(函館鍛神小4年)は「沖縄は初めてで、丸い舞台も初めてだけど、練習はしっかりしてきた。本番が楽しみ」と話していた。同公演には応援ツアーとして市民ら約25人も会場に向かう。(山崎純一)