2008年1月29日(火)掲載

◎企画 冬の光(4)八幡坂 路面包む多彩な輝き
 函館市西部地区の観光スポット「八幡坂」。夜になるとイルミネーションの明かりが坂の路面までも美しく彩り、夜の冷たい空気を暖かくする。

 光りに包まれる坂は、二十間坂や基坂(2月1日から)もあるが、八幡坂は港が一番美しく見える位置にあり、真正面には函館港や摩周丸の明かりが浮かぶ。

 八幡坂独特の輝きは、港町に訪れた観光客を魅了している。


◎17年ぶり200万人割れ…昨年の函館空港乗客数
 昨年の函館空港の乗降客数の利用実績がまとまった。国内線と国際線の合計は前年比5・8%減の190万1532人で、1990年以来17年ぶりの200万人割れとなった。国際線は一昨年6月に就航した大韓航空の函館―ソウル線が安定した実績を残し、全体で同4・8%増の12万9788人を数えたが、国内線が観光客数の落ち込みから、同6・5%減の177万1744人と大きくダウンした。

 函館市空港課によると、国内線の大半を占める東京(羽田)線は日本航空が同6・2%減の54万9173人、全日空が同3・2%減の38万7749人、北海道国際航空(エア・ドゥ)が同4・1%減の30万170人で3社とも減少し、全体では同4・8%減の123万7092人だった。大阪(関西)は全日空、日本航空2社で同4・8%減の22万7453人、道外路線全体では6・0%の減。道内路線は北海道エアシステムなど2社が運航する札幌(丘珠)が4・2%減の13万9167人などで、道内全体で約2万6000人減少した。

 国際線は定期便のあるソウル線が就航2年目を迎え、初めて通年で運航したこともあり、同路線は同114・1%増の3万5315人が利用。利用率も年平均で61・2%と着実に実績を残した。ユジノサハリンスク線は同36・2%減少した。

 国際チャーター便は全体で同11・2%減の9万1029人。大半を占める台湾発着の便が、9・3%減の8万5873人だった。一昨年に就航した中華航空の新千歳空港を結ぶ定期便の影響で台北からの利用者は減少したが、新たにユニ航空が台北、高雄、台中の3空港から運航しているため、高雄からの利用者は約1万人増加した。現地では依然として道内観光の需要があり、健闘を続けている。

 函館空港の利用客数は91年に初めて200万人を突破し、ピークの98年には約249万人が利用。国際線に明るい話題が続く一方で、国内客の落ち込み幅が年々増加し続けている。10年10月に羽田空港に4本目の滑走路が供用開始されると、1日当たり約150便増加し、そのうち7割程度が国内線に振り分けられるとされている。来年秋ごろには路線決定が見込まれていることから、同課は「函館―羽田便が増えるよう、働き掛けていきたい」としている。(今井正一)


◎函中部など4校普通科で1・5倍…公立高校出願状況
 道教委は28日、2008年度の公立高校入試の出願状況を発表した。道南の全日制普通科の倍率は市立函館、函館中部、函館稜北、七飯がいずれも1・5倍の高倍率となった。職業科では大野農業の食品科学科が2・6倍と突出し、函館商業の情報処理科、函館水産の水産食品科が続いている。た桧山管内はすべて定員割れとなり、渡島管内の定時制も軒並み定員を下回った。

 募集定員と出願者数合計は、渡島管内の全日制が2760人に対して3321人、平均倍率は前年度と同じ1・2倍。桧山管内は400人に対して287人、平均倍率は前年度比0・1ポイント減の0・7倍となった。渡島管内の定時制は240人に対して90人で、平均倍率は同0・1ポイント減の0・4倍だった。

 推薦枠が人気だったのは募集64人に対して140人が出願した市立函館と、同40人に75人が出願した函館稜北。市立函館の森武校長は「推薦出願者が多かったのは何が何でも市立函館に入りたいと考える生徒が多い表れ。うれしい半面、たくさん不合格にしなければならないのはつらい。あきらめず再出願で受験してほしい」としている。

 10年度から募集を停止する予定の木古内高校は前年度と同じ倍率を維持。定員が半減して40人となった熊石と上ノ国の倍率は若干上昇したものの、どちらも0・7倍にとどまった。

 職業校は同じ学校でも科ごとに片寄りがあり、大野農業では4科中3科が定員割れで、食品科学科に出願が集中した。米田敏也教頭は「販売実習などで、知名度が高まっているのではないか」とみている。(小泉まや)


◎火災で80代夫婦?死亡
 【乙部】28日午後9時50分ごろ、乙部町元和の無職由利清さん(87)宅から出火、木造平屋の住宅内部を激しく焼いて、同10時50分ごろ鎮火した。住宅内部からは高齢の男女2人が意識不明の状態で発見されたが、同10時半ごろ、搬送先の乙部町国保病院で死亡が確認された。

 江差署などの調べで、死亡したのは由利さんと妻カツヱさん(86)と分かった。この住宅には由利さん夫婦が2人だけで住んでいた。同署と乙部消防署は29日午前から現場検証を行い、出火原因を詳しく調べる。

 現場はドライブインなどがある元和台公園に近く、出火した住宅は国道228号に面している。消火作業に伴い、国道が一時通行止めになった。


◎功労者部門にハンドボール協会会長吉岡さん…函館市スポーツ賞発表
 函館市教委は28日、市内スポーツの普及、発展に尽力した人や全国規模の大会で優秀な成績を収めた個人、団体をたたえる2007年度の市スポーツ賞の受賞者を発表した。功労者部門は函館ハンドボール協会会長の吉岡隆さん(70)が受賞した。全国大会で2年連続優勝、3年連続の3位以内に入った個人・団体を表彰する特別表彰は、水泳の小野寺未来さん(函館鍛神小5年)が選ばれた。贈呈式は2月15日午後3時半から函館国際ホテルで行われる。(鈴木 潤)

 全国的な大会で3位以内の成績を収めた個人、団体に贈られる成績部門では、エアロビクス競技の中野渡快人さん(函館短大2年)ら8個人・3団体が選出された。

 吉岡さんは1963年から函館ハンドボール協会の理事を務め、97年に会長に就任。道ハンドボール協会でも86年から副会長を務め、米ロサンゼルス五輪のアジアハンドボール予選会(83年)をはじめ、全日本学生ハンドボール選手権大会など数々の国際、全国大会の誘致に尽力した。

 小野寺さんは、昨年3月の全国JOCジュニアオリンピックカップ春季水泳競技大会の10歳以下女子50メートルバタフライで優勝。2006年8月の同カップ夏季大会に続く連続優勝が受賞の決め手となった。

 成績部門で受賞したのは、個人が中野渡さんのほか、卓球の三浦隼加さん(南茅部高3年)、柔道の遠藤太郎君(函館中部高定時制3年)、少林寺拳法の鈴木亜依さん(函館西高3年)、スキーの向美乃里さん(道教大附属函館中1年)、陸上の金井大旺君(函館南本通6年)、水泳の早田悠馬君(函館柏野小5年)、バドミントンの三上夏世さん(函館青柳小4年)。団体が函館大少林寺拳法部、函館スプレッド・イーグルFC(フットサル)、函館イトマン女子200メートルメドレーリレーチーム(水泳)。

 同スポーツ賞は93年に創設。昨年度までの受賞者数は功労者部門が16団体、27個人、成績部門が14団体、42個人、特別表彰が1個人。


◎企画 原油高の影響(4)防寒、節約…環境にも優しい
 一般家計を直撃している原油価格の高騰だが、これに対抗するための防寒グッズなども数多く登場している。

 今冬、爆発的な売れ行きを記録したのが日本の伝統的防寒グッズの「湯たんぽ」。経済的で環境に優しい点が注目され、幅広い年代に受け入れられた。ジャンボイエロー港店(函館市港町3)では昨年の10倍以上の売れ行きを記録し、一時はメーカーが在庫切れを起こすほどだった。金属製とプラスチック製の2種類が置かれているが、「手軽に扱えるプラスチック製が人気」という。

 自動車の燃費節約グッズでは、スーパーオートバックス函館店(同昭和3)によると、バッテリーの静電気を除去して燃費を向上させる機器が注目を集めている。「値段は2万円以上と高価だが、昨年の2倍以上の人気」と話す。

 衣料品にも防寒の波が寄せ、長崎屋函館店(同美原1)では、肌着全体が昨年の2倍近い売り上げ。特にカシミヤ混やウール混など肌触りがよく、薄くて温かい商品が好調。「ちゃんちゃんこ」「くつ下カバー」も1・5倍に達する。同店では「温かい肌着などを着用し、室内温度を2―3度下げているようだ」としている。

 室内そのものの保温を高める商品も人気。ジャンボイエロー港店によると、窓の下の設置し、暖気を逃がさない断熱ボードが昨年の3倍近い売り上げを記録している。窓そのものに張り付ける断熱フィルムや、床下に敷く断熱シートも2倍以上の売り上げだ。

 暖房機器の売れ筋も新しい傾向が見える。マックスデンコードー函館店(同石川町320)によると、電気カーペットや電気毛布、電気こたつなどの売り上げが伸びており、部屋の隅々まで暖めることが当たり前だった本道のスタイルに変化の兆しが見える。

 各家庭でも工夫を凝らし、日吉町の主婦須藤文代さん(77)は「昨年までは5つの部屋でそれぞれストーブを使用していたが、ことしは1部屋のみ使用して家族がそこに集まるようにしている」と話す。燃料の節約に知恵を絞ることが結果的に、環境対策などにつながっている側面も垣間見える。(小川俊之、小橋優子)