2008年1月31日(木)掲載

◎浜のかあさん料理コン、福島吉岡漁協女性部が最優秀賞
 【七飯】漁業に従事する女性を対象にした「浜のかあさん料理コンテスト」(渡島支庁主催)が30日、七飯町の函館大沼プリンスホテル(西大沼温泉)で開かれた。管内の漁協女性部などから、珍しい海産物など地元産品を使った自慢の品々20点が出品され、ホッケのすり身を揚げた特製かまぼこに甘酢あんをかけた福島吉岡漁協女性部・福島地区のメニュー「海のなかまたち」が最優秀賞に選ばれた。料理専門家やホテル関係者も審査や試食に加わっており、渡島支庁は「ホテルのメニューなど商品化につながれば」としている。(新目七恵)

 同コンテストは同支庁の本年度の独自事業「埋もれたお魚発見事業」の一環。共催の渡島地区漁協女性部連絡協議会(小林佳子会長)の主催する幹部研修会に引き続いて行われ、部員や関係者ら約200人が参加した。

 会場にはサメやコンブ、カキなど地元食材をふんだんに盛り込んだ多彩なメニューがバイキング形式で並べられ、「北の料理人」シリーズ(晶文社)の著者で道の食育コーディネーターなども務める貫田桂一審査委員長(ヌキタ・ロフィスド代表)のほか、審査員14人が1品ずつ味を確かめたり、見た目をチェックするなどしていた。貫田委員長は「思った以上に食材など地域性が出ていて楽しい」と話していた。

 約40分の試食審査の後、最優秀賞など受賞作品6点が発表された。今後、同支庁ではレシピ集を作成し、関係機関に配布してアピールし、観光業界の活性化に役立てる予定。

 コンテストに先立ち行われた「第43回渡島地区漁協女性部幹部研修会」では貫田さんが「道南の地魚で客を呼ぶ」と題して講演し、「規格外の魚でも調理して地域で売り出せば収入、雇用につながる。農業者と漁業者が『味のスクラム』を組んで地域の味を伝えて欲しい」などと話した。

 最優秀賞以外の受賞作品は次の通り。

 ▽優秀賞=昆布ゼリーとウニゼリー(福島吉岡漁協女性部吉岡地区)ナガヅカの蒲焼き丼(森漁協女性部)海苔とアワビの佃煮(長万部漁協女性部)▽特別賞=サメのともあえ(上磯郡漁協女性部)どんこのすり身汁(戸井漁協女性部)


◎函館にも「海の駅」 推進会議が発足
 マリンレジャーの拠点となる「海の駅」を道内にも普及させようと、北海道運輸局、第一管区海上保安本部、道マリン事業協会などでつくる「北海道海の駅・マリンロード設置推進会議」(代表・門脇奏同協会会長)がこのほど、札幌市内で発足した。同会議には函館市内でマリーナ施設運営を手掛ける「一映マリーン企画」(港町1、和高弘武社長)をはじめ、小樽、室蘭、苫小牧市内の事業者4社も参加し、道内初の「海の駅」として3月下旬にも登録される予定。同社は「函館でもマリンレジャー振興のきっかけとなってほしい」と話している。(今井正一)

 同社では、陸・海上に約100隻のプレジャーボートなどを預かり、小型船舶などの操縦免許の取得もできる。近年は水上バイクを楽しむ利用者も多いという。

 同社の和高友宏さん(35)は「函館近郊の海は自然環境に恵まれている。敷居が高いイメージがあるが、ボートをレンタルして楽しむこともできる。市民にも魅力を知ってもらいたい」と話し、海の駅登録により、マリンレジャー普及や本州方面からの利用客増加の弾みになることを期待する。

 同会議事務局の道運輸局海事振興部(小樽)によると、道内は施設自体が少ないことや、マリーナ間の距離が離れすぎていることなどもあり、これまで海の駅が登録されていなかったという。同部は「各漁港や自治体、漁業者らにも理解や協力を得ながら、今後、ネットワークを少しずつ拡大していきたい」としている。

 同会議は3月下旬に第2回会合を開く予定で、今後の連携や地域活性事業などを検討する予定。

 海の駅は「道の駅」の海上版で、2000年に地域活性とマリンレジャー振興を目的に広島県内で設置された(国土交通省の登録は2002年)。現在、瀬戸内海や本州の太平洋側を中心に全国99カ所が登録されている。プレジャーボートやヨット利用者の休憩施設として、ビジターパース(一次係留設備)やトイレ、地域情報の提供機能を備えた施設を国交省が登録し、海上から気軽に立ち寄れる場所を提供している。


◎スケトウ漁獲枠汚職初公判、前函館水試長に懲役1年求刑 
 道南のスケトウダラの漁獲枠をめぐる贈収賄事件で、森漁協に便宜を図った見返りに現金120万円を受け取ったとして収賄の罪に問われた函館市日吉町1、前道立函館水産試験場長奥野英治被告(58)=11月21日付で参与に異動=の初公判が30日、函館地裁(岡田龍太郎裁判官)であった。奥野被告は「漁業者を救済するためで不正はしていないが、現金は(これまでの有利な取り計らいの)謝礼という認識で受け取った」と起訴事実を大筋で認めた。検察側は懲役1年を求刑し、即日結審した。判決は2月19日。

 検察側は論告で「職務権限のある被告の依頼を断り切れない立場につけ込み、多額の借金を要求するなど公務員の権限を乱用した悪質な犯行。道の水産行政に対する信頼を失わせた結果は重大」とした。

 冒頭陳述では、贈賄側の森漁協組合長(59)=贈賄罪で罰金70万円の略式命令確定=が渡島支庁区選出の元道議に依頼し、奥野被告に口利きを頼んだと指摘。さらに森漁協が豊漁だった2004年度のスケトウダラの漁獲量について、渡島支庁に実際よりも計1600トン余り過小報告していたことも明らかにした。

 弁護側は「再配分枠の調整は正当な職務としての打診だった。借金にわいろ性の認識はなかった」とし、執行猶予付きの判決を求めた。

 起訴状などによると、奥野被告は道漁業管理課長として道の漁獲可能量を定めたTAC制度に基づき道内の漁協を指導、監督する立場を利用し、森漁協のスケトウダラの漁獲枠に関して便宜を図った見返りなどとして、05年4月27日、札幌市内の飲食店で森漁協組合長から現金120万円を借り受けた。


◎国交省「地域いきいき観光まちづくり」滞在力部門に函館を選定
 国土交通省は30日までに、魅力ある観光地づくりに取り組む全国の69地域を「地域いきいき観光まちづくり2008」として選定し、函館市が「滞在力のあるまち」部門の1つに選ばれた。長年にわたる朝市の取り組みや夜景の質的向上など、観光資源を活かした活動で年間約400万人の宿泊者数を維持している点などが評価された。

 「観光まちづくり」の選定は、昨年6月に閣議決定された「観光立国推進基本計画」に基づく事業。有識者による検討会が独自に情報を集め、宿泊数や滞在時間を延ばす事業が成果を上げている地域を「滞在力のあるまち」、外国人来訪者が多く、魅力ある取り組みを行っている地域を「外国人でにぎわうまち」とし、全国でそれぞれ33地域(道内5)、36地域(同5)が選ばれた。

 結果は冊子にまとめると同時に、国交省のホームページで公開している。函館については「『朝』と『夜』の観光資源を生かし、滞在したくなるまちに」と題し、市内の歴史的建築物のライトアップや夜景見学などの事業、冬の観光を盛り上げるイベントに取り組む様子を紹介している。

 同省総合政策局では「函館の場合は『函館ブランド』を観光客に印象づける取り組みが評価された」(観光地域振興課)としている。 (新目七恵)


◎函館市議会新年度予算、議会費要望は4億5500万円
 函館市議会の議会運営委員会(能川邦夫委員長)は30日、2008年度の議会費予算の要望額を決めた。費用弁償の見直しなど経費節減に努めた結果、要望額は本年度当初予算を約4500万円下回る約4億5500万円となった。

 本会議や委員会に出席した議員に1日5000円を支給する費用弁償を、新年度から交通費の実費支給に改める。2月下旬開会予定の第1回定例市議会での条例改正を想定し、1370万円の歳出削減を見込んだ。費用弁償は旅費の項目に含まれ、職員の随行や会議出席などの普通旅費は増額となる。費用弁償の見直し効果額と相殺し、旅費は同1022万円減の2394万円となった。

 旧4町村議員の在任特例が昨年5月で終了し、同10月に白崎憲司郎氏が死去したことから、本年度当初で76人いた議員は37人に減少した。このため議員報酬は本年度当初比1090万円減の2億2848万円、期末手当も1406万円減の1億281万円となる。政務調査費も同450万円減の2220万円となった。

 はこだて市議会だよりの発行費は1268万円。改選に伴う臨時号の発行がなくなり、ページ数も削減することで445万円を削減した。

 能川委員長は「全庁的な取り組みとして、議会も歳出削減を進めてきた。今後も可能な限り、議会運営に支障を来さない中で経費節減に取り組んでいく心構えを持つことが必要」と話している。 (高柳 謙)


◎五勝手屋本舗、きょう「丸ようかん」販売再開
 【江差】五勝手屋本舗(江差町本町38、小笠原隆社長)は、昨年8月に商品の一部からカビが検出されたため製造を休止していた主力商品の「丸缶ようかん」「ミニ丸缶ようかん」の販売を2月1日、全道で一斉に再開する。価格に変更はない。

 カビの発見を受けて同社は、両商品の自主回収を進めるとともに、江差保健所などの助言を受けて製造設備の総点検を実施。殺菌設備を供えたクリーンルームを工場内に新設したほか、従来は紙筒とキャップだけだったようかんの包装も、透明フィルムで気密性を保ち、カビの発生を防ぐ「ピロー包装」を導入。出荷後の衛生管理の徹底を図った上で、今月18日から両商品の製造を再開した。同社では販売再開を控えて、急ピッチで商品の出荷作業を進めている。

 紙筒から押し出して食べる伝統のスタイルが好評の「丸ようかん」は、道南を代表する土産品として人気が高く、販売の早期再開を求める声も根強かった。小笠原社長は「お客様からの多数の励ましに感謝している。問題を真摯(しんし)に受け止め、最善の策を尽くして良い商品作りを心掛ける」と話している。 (松浦 純)