2008年2月17日(日)掲載

◎温暖化防止訴えサンドメッセージ…NPO法人とラ・サール高
 7月に開かれる北海道洞爺湖サミット(G8)に向け、環境問題に取り組むNPO法人(特定非営利活動法人)「南北海道自然エネルギープロジェクト」(ピーター・ハウレット代表)と函館ラ・サール高校環境問題研究会(田中信洋会長)は16日、函館市湯川町の市営熱帯植物園裏の大森浜にサンドメッセージ「G8KYOTO20/20」を制作。地球温暖化防止を訴えた。

 同研究会は例年この活動を続けており、ことしは一般市民の参加も募った。浜には全会員と市民ら合わせて約25人が集まり、午後1時ごろから2時間半ほど作業。直径45センチのざるにスコップなどを使って海水を含んだ海辺の砂を入れ、約200杯分で文字を作った。

 20/20は、2020年に国内全電力の20%を太陽光など自然エネルギーに転換することを目標にした「自然エネルギー20/20キャンペーン」(実行委主催)をG8関係者にPRする狙いがある。砂文字は雪が積もった浜にきれいに浮かび上がり、参加者は作業用具を頭上高く掲げて完成を喜び合った。田中会長は「一人でも多くの人にこのメッセージを見てもらい、アイドリングストップなど、自分の身の回りでできることから温暖化防止に取り組んでほしい」と話していた。

 さらに同プロジェクトは27日午後6時半から、同市大森町のサン・リフレ函館でフォーラム「G8環境サミットに向けて私たちのできること!」を開催する。参加費500円。問い合わせは同プロジェクト事務局TEL080・5590・4117。(小泉まや)


◎連載企画「再生の糸口」3 雇用状況 ミスマッチ依然絶えず
 求職者1人に対する求人数を示す有効求人倍率。バブル崩壊による景気の悪化で底を打った後、順調に回復してきたようにも見えるが、2006年度から本年度にかけては一服感がうかがえる。先行指標となる新規求人倍率も同様の傾向で、中身をひもとくと、管外企業の求人や非正規雇用の増加など、求職者との間にミスマッチが生じている。

 函館公共職業安定所がまとめている渡島・桧山管内の雇用状況によると、年間平均の有効求人倍率は、拓銀破たんの影響で1998年度に0・32倍にまで落ち込んだ。2000年度からほぼ右肩上がりで推移し、05年度は0・55倍まで回復したものの、06年度には3年ぶりの前年割れ。07年度も厳しい状況下にあり、7―12月には、03年4―9月以来となる6カ月連続のマイナスを記録し、4―12月では0・53倍。

 一方の新規求人倍率は、99年度の0・58倍を底に一進一退ながらも数字を伸ばし、05年度に0・85倍に達した。06年度は0・1ポイント下げ、07年度4―12月で再び0・85倍に戻し、今後も上向くかどうかが注目される。

 新規求人の産業別では近年、医療・福祉分野の伸びが目立つ。高齢化や介護保険制度のスタートにより、03年度と06年度を比べると23・1%も数字を伸ばしている。逆に、建設業は同比較で15・6%減少し、公共事業の削減で業界は冷え込み、経営の危機に直面している。総合的に判断すると、慢性的な人員不足にある医療・福祉分野が全体を下支えする形で、低迷する業界の立て直しが急務となっている。

 有効求職者を年齢別で見た場合、年配者の増加が目に付く。07年度第1―3四半期(4―12月)を前年度同期と比較すると、45歳以上は5・2%のプラス。一方で、29歳以下は4・5%のマイナスで少子化の影響だけでなく、就職地を求めてさらに若年層が管外へ流出することが懸念される。新規高卒者も、近年は管外からの求人が増加の一途をたどっている。

 同職安の伊藤政行雇用開発部長は、現状について「企業側も生き残りに必死で、経費削減のために、人員整理や非正規社員採用などを図っている結果」と説明。

 また、「関係機関との連携を深めながら、労使間のミスマッチ感を解消していくことが行政の大きなテーマ」とした上で、求職者に対しては「ひとつの職種に固執することなく、選択肢の幅を広げて就職活動に臨んでほしい」と意識改革を促している。

 同職安が過去に実施した道南の高卒者の離職状況調査では、就職後2年以内に約半数が会社を辞めている。自分の希望に合う仕事を見つけるのはなかなか難しいが、広い視野を持ち、入社後は互いに協調して労働環境を改善していくことも求められている。(浜田孝輔)


◎学生パワーで元気な街に…函館学生イベント連絡会設立総会
 函館市内の高等教育機関の学生が、各種イベントのボランティア活動などを通じ函館の活性化を目指す「函館学生イベント連絡会(略称=ゆにnet)」の設立総会が16日、TMOビル(同市若松町18)で行われた。相互の大学祭への模擬店出店や、大門祭や港まつりなどの大型イベントへボランティア参加を予定しており、学生パワーで函館の街を盛り上げる。

 ゆにnetの立ち上げには道教育大函館校、函大、北大水産学部、未来大の4大学から合わせて23人が参加し、代表に山田奈央さん(道教育大函館校2年)が就任した。函館出身の山田代表は、ゆにnetを立ち上げた理由として「函館には全国各地から多くの学生が集まるが、それぞれの活動範囲が限られ、本当の函館の良さを知らないまま函館から出て行ってしまう人が多い。イベント活動などを通じ、学校の枠を超えた交流を深めるとともに、函館の魅力を知るきっかけにしてほしい」と話す。

 当面の活動予定としては、各学校祭への模擬店出店と、イベントへのボランティア参加が主体となるが、将来的にはゆにnet単独の催しも視野に入れている。今年の4月には新入学生を対象に、函館市内の飲食店や洋服店、観光名所などを案内する企画も予定しており、山田代表は「観光案内などでは分からない、学生ならではのきめ細かな情報を伝え、新入生が早く函館になじむように手助けしたい」と話す。

 この日は、発足メンバーが考案した、ゆにnetのロゴマークも発表。ローマ字による「HAKODATE」のHの部分が函館の街の形を表しており、現在加入している4大学の所在地に星型マークが輝いている。函館短大、函館大谷短大、ロシア極東大函館校、函館高専からの加入者があるごとに星を増やしていきたい考え。

 山田代表は「活動内容についてはまだ手探り状態の部分も多いが、将来的には函館市内の学生全員が参加し、さまざまな情報を共有できることを目指したい。イベントへの参加を強要するものではないので、一人でも多くの人たちに参加してほりい」と呼びかけている。

 ゆにnetの問い合わせは山田代表TEL090・5980・8999。(小川俊之)


◎「大澗」「のばら」統合…函館市、10年度の開園目指す
 函館市は新年度から、恵山地区の「大澗保育園」(定員90人)と椴法華地区の「のばら保育園」(同60人)を統合する整備事業に着手する。統合園の建設場所は、両保育園のほぼ中間点となる市営日の浜第2団地敷地内(日の浜町172)の市有地を予定。総事業費は約2億7600万円で、2008年度から2年間で整備し、10年4月の開園を目指す。新年度予算案に設計費など1190万円を盛り込んだ。

 大澗、のばら両保育園はともに木造平屋で、築35年ほど経過。老朽化が著しく、両保育園の建て替えは、合併前の旧町村時からの懸案事項だった。合併建設計画にはそれぞれの整備費用を計上し、新市誕生後に対応を検討していた。

 大澗保育園については、当初、閉校した小学校の空き校舎に移転する方向で検討を進めていたが、校舎が保育園の活用になじまず新築を再検討。のばら保育園についても、園児の定員割れが続いていたこともあり、庁内で協議した結果、両保育園を統合し、新築することでまとまった。

 両地区とも過疎化が進み、子どもの増加が将来的に見込まれない状況。市は統合後の新保育園を「認定子ども園」として運営していく方針で、地域子育て支援センター(子育てサロン)を併設し、就学前の幼児の教育・保育環境の維持に努めていく考えだ。

 統合後の園児の定数は60人。園児の通園については、大澗保育園で運行している送迎バスを活用し、運行区間を椴法華地区まで延長するなどして対応していく。

 市福祉部は「整備については、地域住民の意見、要望を踏まえながら具体的な内容を協議していきたい」としている。(鈴木 潤)


◎東部地区に総合地域スポーツク…深堀と花園
 地域住民が自主運営する総合型地域スポーツクラブ「函館東部地区ふれあいスポーツクラブ」が16日、函館深堀小学校で設立総会を開き、正式に発足した。設立準備委員会会長を務めた奥野秀雄さんが代表に就任。「ニュースポーツ大会」(6月22日)や「ふれあいグラウンドゴルフ大会」(7月6日)などの開催を盛り込んだ事業計画案が承認された。

 同スポーツクラブは、2001年に結成された地域組織「ふかぼり・はなぞの地区町会ふれあいスポーツ」が前身。文部科学省が目指す「総合型スポーツクラブ」(生涯にわたってスポーツを楽しむ社会づくり)の育成指定クラブの認定を受けたのを機に、2006年から準備委員会を立ち上げ、組織づくりを進めてきた。

 今後、学校の体育館や公共スポーツ施設などを拠点に子供から高齢者まで参加可能なスポーツ活動を企画、運営していく。

 総会には地域住民、来賓ら約70人が出席。奥野代表は「町会の垣根を超え、多くの人たちが交流する社会融和の場となるスポーツクラブにしていきたい」とあいさつした。議事の審議では、運営組織案や事業計画、規約など7件が原案通り承認された。

 総会終了後、大村病院の大村和久院長が「健康とスポーツ」と題して講演した。(鈴木 潤)