2008年2月2日(土)掲載

◎「平成のビリケン」五稜郭タワーにお目見え
 五稜郭タワー(函館市五稜郭町43)の展望台2階に、大阪・通天閣で幸福の神様として知られる木製の像「平成のビリケン」が1日、お目見えした。足の裏をくすぐると、あらゆる願いがかなうとされ、2月末までの展示期間中、訪れる人たちに開運をもたらしてくれそうだ。

 ビリケンは、1908年に米国の女流美術家が、夢に現れた神様をモデルに制作したと伝えられる。一時は行方不明となったものの、79年に復元され、大阪のシンボルとして親しまれてきた。

 平成のビリケンは一昨年、通天閣の開業50周年を記念して、ビリケンを複製。以来、大阪の観光大使として全国各地のタワーやイベント会場を巡っており、五稜郭タワーには初登場となる。

 像は桂の木を用いている。高さ45センチ、幅26センチ、奥行き29センチで、台座に腰掛けた姿は、浮かべる表情とともに愛らしい印象を与える。祈願の仕方は、正面に向いた足の裏をくすぐるように触り、願い事をとなえる。

 期間中に展望台売店では、ぬいぐるみやお守り、ストラップなど15種類のオリジナルグッズを取り扱う。このほか、同社ではビリケンとの写真を公募し、ユニークな作品に選定されると記念品がもらえる。

 同社は「時節柄、合格祈願や無病息災、恋愛成就といったご利益を受けられるよう、ぜひ会いに来てほしい」と話している。

 写真の応募に関する詳細は、同社企画室TEL0138・51・4785。ホームページアドレスはhttp://www.goryokaku―tower.co.jp(浜田孝輔)


◎新設理事に小柏氏…函館市特別職人事案
 函館市の西尾正範市長は1日、記者会見し、新設する行財政改革担当の理事に小柏忠久総務部長(60)を起用する特別職人事案を発表した。また、3月末で任期満了を迎える木下修一水道局長(64)の後任に、中林重雄財務部長(59)、村上英彦常勤監査委員(62)の後任には、近江茂樹企画部長(59)を起用する方針。常勤監査委員のみ、議会の選任同意が必要となることから、今月末開会の第1回定例市議会に人事案件を提出する。任期はいずれも4月1日から、2012年3月末までの4年間。理事は4年間の時限付き。

 特別職新設に伴い、人件費削減の観点から、理事は総務部長、水道局長は同局管理部長、交通局長は同局管理運輸部長をそれぞれ兼務。部長ポストを3人分削減することで、1年間当たり、1人約1000万円の人件費抑制が可能とした。西尾市長は「行革断行は特別職が率先すべきで、自らの権限と責任で実務にも当たらせたい。新しい理事体制で組織の見直しもあるが当面は、この形でコスト削減を図りたい」と述べた。

 小柏氏について西尾市長は、総務部長として行革に取り組んだ4年間の経験や指導力を高く評価し「若い人の育成など、改革の方向性の考え方も私と近い」とした。中林氏と近江氏についても部下からの厚い信望や、これまでの実績などに期待を寄せた。

 空席となる財務、企画部長のほか、新設する経済部や観光コンベンション部など、各部局の部次長級人事は2月中に固める方針で、西尾市長は「両副市長や総務部長らと議論した上で、適材を異動させることになる」と述べた。

 小柏氏は1971年道教育大函館分校(当時)卒業後、函館市入り。都市建設部長を経て、04年4月から現職。小柏氏は「行革は全職員が取り組まなくてはならず、その土壌をいかにつくるかだけで、淡々粛々と行っていきたい。若い職員の思想は高く、その心に火を付けて後押しをしたい」とした。

 中林氏は、72年北大水産学部卒。農林水産部長、消防長、議会事務局長を歴任し、07年4月から現職。「水道事業は現在、経営が安定しているが、少子高齢化で水の使用も減っている。将来も安定した経営ができるよう頑張りたい」と話した。

 近江氏は、71年日大法学部卒業後、旧亀田町入り。企画部参事1級、福祉部長を経て、06年4月から現職。「市長から指名を頂いたことは、光栄に思う。率直にそういう気持ちだけです」とコメントした。(今井正一)


◎使い込み指摘され凶行…せたな島歌小女性職員刺殺
 【せたな】せたな町立島歌小学校で1月31日朝、同町瀬棚区島歌、同校臨時公務補田村亜衣子さん(24)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された同町瀬棚区本町、同校臨時職員福士昌(しょう)容疑者(21)がせたな署の調べに対し、「学校の金を使い込んだ疑いを指摘され、カッとなって刺した」と犯行動機を供述していることが1日、分かった。同署は福士容疑者が31日朝、職員室の机の引き出しを勝手に開けるなど不審な行動について田村さんから追及され、突発的に犯行に及んだとみて調べている。

 調べによると、福士容疑者は31日午前7時から同8時ごろまでの間、同校のボイラー室で田村さんの胸や脇腹などを刃物で刺して殺害した疑い。同容疑者は同日午前7時35分ごろ、車で同校から出るところを学校関係者に目撃されていて、同署は田村さんが出勤した同6時55分ごろから約30分の間に殺害したとみている。

 福士容疑者は取り調べに素直に応じており、「申し訳なかった」と犯行を悔いる様子も見せているという。同署は2日午前にも殺人容疑で函館地検に送致する方針。

 これまでの調べで、福士容疑者の供述通り、現場近くの港で凶器とみられるナイフや、血痕の付いたジャンパーなどの衣類が入ったごみ袋を発見。ナイフは同校内にあったものとみられる。このほか、同容疑者の車からは田村さんのものとみられる血痕も見つかっており、同署は鑑定を急いでいる。

 同署は、外部から侵入した形跡がなく、校内も荒らされた様子がないことなどから、同校の内部事情に詳しい者による犯行との見方を強めて捜査していた。同署は1日朝から、福士容疑者の自宅など同町内の関係先数カ所を家宅捜索した。

 また、同日札幌で行われた遺体の司法解剖の結果、田村さんの死因は頭部挫創などによる失血死と判明した。


◎中国製ギョーザ…函館の女性 健康被害か
 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件が発生した問題に絡み、函館市内では1日、40代の女性が健康被害に当たるかどうか市立函館保健所に届け出た。同保健所は同日、厚生労働省に報告し、女性が食べた商品が残っていることから、検査する方向で道と調整している。同市内の一連の問題に関わる健康被害相談は31日の男性に続き2人目。

 女性は1月26日に中国製冷凍ギョーザを食べた後、腹痛を起こしたが、医療機関での治療を受けずに回復した。一連の問題が起きたことから同保健所に相談した。

 道の方針では、残っている食品は検査する方針で、女性の案件については、商品が残っていたことから、同保健所は道と協議しながら今後の対応を決める。

 1月31日には、30代の男性が中国製冷凍ギョーザを食べて下痢などの症状を起こしたとして同保健所に相談。同保健所の報告を受け、道も1日に公表した。

 道や札幌市などによると、冷凍ギョーザなど中国製の冷凍食品による健康被害を訴える道内の消費者は1日現在、函館の2人を含め20人に上る模様。

 また、渡島保健所には同日、以前ギョーザを食べて体調不良になったなどの問い合わせが2件寄せられている。

 道教委が指示した、学校給食で該当食品が使われたどうかの調査については、北斗市を除く渡島・檜山管内の各自治体で終了しており、いずれも「納入した事例はない」という。北斗市は調査中としている。(鈴木 潤、新目七恵)


◎道南「足踏み感続く」…日銀函館支店金融経済動向
 日本銀行函館支店(服部誠弘支店長)は1日、昨年12月の道南地方の金融経済動向を発表した。電子部品や造船などの生産面が堅調に推移し、観光客の入り込み数が持ち直しているものの、民間建設需要の低迷だけでなく、石油製品価格の高騰で個人消費がさらに落ち込んでいることから、道南の景気に関する概況判断を「足踏み感が強い状況が続いている」と据え置いた。

 生産は、国内外の需要好調に伴って電子部品や造船で高操業が続いており、水産加工や飼料・魚油などの食料品は、食の安全に対する意識の高まりで国産品に目が向いているためか、持ち直しの動きを見せる。

 観光は、五稜郭タワーが前年同月比6・7%減の5万500人と9カ月連続のマイナス。函館空港の乗降客数は、国内便は同4%減、国際便は同60・6%増で、全体では同0・2%減の14万4400人にとどまった。一方、函館山ロープウェイが同11・2%増の16万3900人と2カ月ぶりに好転し、ホテル(主要17社)の宿泊客数は同8・1%増の12万8700人で、4カ月連続のプラスとなった。

 設備投資は、非住宅着工(函館市内のみ)の棟数が横ばいの12棟、床面積が同23・7%減の6893平方?。新設住宅着工(同)は、貸家が低下したが、持ち家や分譲が伸びを見せ、全体では同0・8%増の130戸と、2カ月ぶりに上向いた。

 公共投資は、渡島・檜山管内の公共工事請負額が同8・4%増の28億6400万円と、2カ月ぶりに好転。しかし、4月からの累計では前年同期を15・5%下回っている。

 個人消費は、食料品が安定した売れ行きを保っているが、冬物衣料品や身の回り品などが低調で、小売店(主要10社)の売上高は、同5・5%減の77億円と10カ月連続の前年割れ。薄型テレビやゲーム関連商品などは、引き続き好調だった。(浜田孝輔)


◎五勝手屋ようかん販売再開
 【江差】昨年8月に商品の一部からカビが見付かり、製造・販売を休止していた、五勝手屋本舗(江差町本町38、小笠原隆社長)の主力商品「丸缶ようかん」と「ミニ丸缶ようかん」の販売が1日、江差町にある本店をはじめ、函館や札幌など全道で一斉に再開された。

 これまでほかの和菓子が置かれていた店頭のショーケースには、同社の顔である「丸缶ようかん」が約5カ月ぶりに復活。透明フィルムで包装し、保存性を高めた商品を、女性社員が丁寧に並べていた。

 開店後から、販売再開を待ち望んでいた人たちが、装いを新たにした商品を買い求めた。同社は「例年の同じシーズンより売れ行きは好調」としており、再開初日は順調な滑り出しとなった。

 商品の販売は同日、函館や札幌でも一斉に再開。本店では全道に向けた出荷作業も大忙しの様子だった。町内では2、3の両日、第8回冬江差“美味百彩”なべまつり(江差観光コンベンション協会主催)も開かれる。観光関係者は「丸缶ようかんを求めて江差を訪れる人も多い」と話し、本格的な観光シーズンを前に、道南を代表する土産品の復活を歓迎する声が上がっている。(松浦 純)