2008年2月22日(金)掲載

◎函新杯ホッケー、フューチャーズ初V
 アイスホッケーの第11回函館新聞社杯函館リーグは21日、函館市民スケート場で開かれ、函館フューチャーズが北水ブルーマーリンズを相手に終始リードし、初優勝を果たした。

年々レベルが上がっている函館リーグは、8チームが参加して1月22日に開幕。例年にない小差の激戦が続き、上位争いは混沌としていた。

前回のリーグから力をつけていた函館フューチャーズは4勝2分、北水ブルーマーリンズは開幕から6連勝とともに負けなしで最終戦へ。この試合が事実上の優勝決定戦となった。

今リーグは残り2試合。23日のアイスクラッシャー―土現フェニックス戦で全日程が終了する。


◎サラキ岬に「風車型休憩所」設置へ
 【木古内】幕末から明治初頭に輸送船などとして活躍した「咸臨丸(かんりんまる)」が座礁、沈没したとされる木古内町サラキ岬の広場の一角(国道228号沿い)に5月にも、民間団体などの手で「風車型休憩所」が設置されることになった。同岬は毎年春、一帯に約5万株のチューリップが咲くことでも知られ、昨年は約1万人の来場者を記録した「サラキ岬チューリップフェア」も同月に行われる。チューリップにマッチした風車型の休憩所が完成すれば、新名所としてさらに人気が高まりそうだ。(田中陽介)

 町内の有志が集い、咸臨丸をまちおこしに生かそうと活動する民間団体「咸臨丸とサラキ岬に夢みる会」(久保義則会長、会員550人)が手掛ける。同会は「美しい花でまちを明るく」と、咸臨丸が造船されたオランダにちなみチューリップを植え、草刈りなど年間を通じて手入れに励んでいる。

 休憩所については、道内の地域活性化を目指す団体などに助成金を拠出する太陽北海道地域づくり財団(札幌)の社会福祉貢献事業にも応募。同会は昨年も同財団の同事業対象に採択され、5月のチューリップフェアに合わせて、「咸臨丸が眠るサラキ岬」と書かれた看板(地上7・5メートル)を設置した。

 この設置費用は同財団から100万円、町民有志らから50万円を募った。さらに、広場中央には町内外の有志の手によって咸臨丸の木製のモニュメントも置いた。

 本年度の助成対象事業の最終発表は3月上旬の予定だが、同会は看板設置後も継続した活動が高い評価を得ていることなどから、2年連続で対象に選ばれる可能性が高いとみている。同時に昨年同様、有志の協力も求め、設置を実現させる考えだ。費用は150万円から200万円程度を見込んでいる。

 休憩所の設計は、元町建設水道課長で会員の東出文雄さん(木古内観光協会長)が担当。高さ約7メートル、幅約4メートル。風車自体は回らない予定だが、黄色い模様で愛らしくデザイン。展望室も備え、その下には雨などをしのぐベンチを置くという。

 同会の多田賢淳事務局長は「雪が解けるころチューリップも咲き始める。美しい景色をゆっくり楽しめる休憩所の設置は、会員はもちろん町内外の多くの人に喜んでもらえるはず」と話している。

 同会は活動に賛同するボランティアを募集している。問い合わせは事務局(町観光協会内) TEL01392・2・2046。


◎農水省「むらの伝統文化顕彰」で函館だんづけ保存会2位
 農林水産省は21日、農山漁村の伝統文化の維持、継承などに積極的に取り組む団体などに贈る「第7回むらの伝統文化顕彰」の受賞団体を発表、2位に当たる農水省農村振興局長賞に函館市の市民団体「函館だんづけ保存会」(土谷進会長)が選ばれた。北海道の伝統文化である北海道和種馬(通称・どさんこ)の背中に、大量に荷物を乗せて運ぶ「駄載(だんづけ)技術」など馬文化の実践的な保存、伝承活動が評価された。同顕彰の受賞は道内で初めて。(新目七恵)

 同顕彰は、地方の風俗・慣習、芸能などの文化を魅力ある資源として全国に情報発信する目的で2001年度から実施。本年度は全国83団体から応募があり、審査を経て6団体の受賞が決まった。最高賞に当たる農林水産大臣賞は香川県の「肥土山農村歌舞伎保存会」が選ばれた。

 函館だんづけ保存会は、物資運搬や移動など、北海道の開拓を支えたどさんこの駄載技術や馬道具を後世に残そうと、市内でどさんこを飼う人たちが集まり2005年に発足した。現在メンバーは10人。ロープを使った独特の荷積みの仕方や鞍(くら)の作り方など、自らの技術の鍛錬と継承に努めているほか、市営熱帯植物園で一般市民らに鞍作りを披露したり、小学生対象の乗馬体験を行うなどの普及活動にも取り組んでいる。

 農水省によると、駄載技術は以前は本州にもあったが、現在、技術と馬がともに保存されているのは函館方面だけだという。「今後の技術伝承は困難が予想されるが、今ここで保存・継承を行わなければ消えてしまう文化」として活動を高く評価した。

 土谷会長(65)は「活動が認められ大変ありがたい。今後も継承に向け頑張りたい」と話していた。来月12日には東京で表彰式が行われる予定。


◎せたな殺人 福士容疑者を起訴
【せたな】せたな町立島歌小で、同町瀬棚区島歌、同校臨時公務補田村亜衣子さん(24)が刺殺された事件で、函館地検は21日、殺人容疑で逮捕、送検された同瀬棚区本町、同僚の臨時事務職員福士昌容疑者(21)を殺人と殺人予備の罪で函館地裁に起訴した。追送検されていた詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑いについて、同地検は「捜査を継続中」としており、容疑が固まり次第、追起訴する方針。

 起訴状によると、福士容疑者は1月31日午前1時半から同6時10分ごろまでの間、同校の校長(54)を自殺に見せかけ絞殺する目的で、校長室のパソコンで校長が書いたような遺書を作成した上、校内にあったロープを輪状に結束したり、校内で待ち伏せする場所を下見したりして殺害を準備。さらに同7時半ごろ、同校ボイラー室で田村さんの頭部をまさかりや金づちで繰り返し殴打、胸や背中を包丁(刃渡り約18センチ)で複数回突き刺すなどし、失血死させた。

 同地検によると、福士容疑者は昨年秋ごろから教職員の出張旅費を着服。犯行前日の同30日に教頭らに未払い分の指摘を受けたことで発覚を恐れ、一連の犯行を通帳を管理する校長の仕業に見せかけようと2人の殺害を決意したという。

 調べに対し、福士容疑者は「取り返しのつかないことをしてしまった」と起訴事実を認めているという。


◎医療ルネサンスフォーラム、「メタボ」テーマに
 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)をテーマにした「医療ルネサンス北海道フォーラム」(道国民健康保険団体連合会、読売新聞北海道支社主催)が21日、函館ハーバービューホテルで開かれた。道南各地から主婦を中心に約180人が参加。特定医療法人社団高橋病院(函館)の筒井理裕副院長が「メタボリックシンドローム―生活習慣をちょっと変えよう」と題し基調講演したほか、パネルディスカッションで筒井さんのほか、八雲総合病院の成田征司さん、道渡島保健所の近江孝典さんが予防や対策について語り合った。(山崎純一)

 基調講演で筒井さんは、体脂肪の蓄積には内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満の2つがあり、内臓脂肪型が同症候群に通じ、命にかかわる心疾患や脳卒中の発生率が高くなると指摘。生活習慣の改善で内臓脂肪を減らすことができるとし、生活の見直しが必要と説いた。

 生活面では食事・栄養、運動・生活活動、ストレス、喫煙、禁酒について説明。「早食いは大食いにつながる」などと話し、カロリーや塩分に気を配った食事を勧め、「すべてを変えるのではなく、一つからでも取り組んでもらえれば」とした。

 パネルディスカッションでは、成田さんが生活活動について「孫と遊ぶことも一つ。元気な自分を想像し、仲間を増やしながら続けてほしい」と話した。近江さんは栄養について「肥満は一日にしてならず。食事は主食、副食などでバランスを考えて」と、バランスを紹介したガイド表を説明した。

 参加者は家庭で取り組もうと、メモを取るなどしていた。八雲町の主婦は「体脂肪蓄積で違う認識を持っていたので正しいことが分かった」とし、木古内町の主婦は「外食が多い主人のため弁当を作るようにする」、函館市川原町の主婦は「食事、運動とも継続できることから取り組みたい」と話していた。


◎函館市学童保育所、新年度6カ所開設見込み
 函館市の学童保育所が新年度、新たに6カ所開設され、計39カ所となる見込みとなった。市教委は「旧4町村地域と小規模校を除き、旧市内では必要な全校区に学童保育所がそろう見通し」としている。21日の市議会総務常任委員会(井田範行委員長)に、市教委生涯学習部が説明した。

 市民団体が提出している「函館の保育・学童保育、子育て支援の充実を求める陳情」の審議にあたり、市教委から函館の現状について、説明を受けた。 同部によると、2003年度に22カ所(公設4、民営18)

 本年度は33カ所(公設4、民営29)、利用児童も1113人まで増えた。民間保育所への委託料は03年度が18カ所に約5400万円、本年度は29カ所に約1億円。4年間で利用児童数は約1・5倍となり、市の委託料も約2倍となっている。

 陳情は8項目からなり、民生常任委員会と審議している。総務委員会所管分は(1)学童保育所の安定運営と指導員の待遇改善(2)障害児の受け入れ人数に見合った指導員の配置ができるよう手当を加算する―の2点。願意が理解でき採択したいとする会派と、児童全員の支援の中で学童保育の在り方を考えるべき、とする意見に分かれ、採決の結果、継続審査となった。 (高柳 謙)