2008年2月25日(月)掲載

◎スケート場、今季最後の日曜 家族連れでにぎわう
 24日の函館市内は、上空に停滞していた低気圧が移動した影響で、引き続き強い風に見舞われたものの、日中は晴れ間が広がった。今季最後の日曜の営業となった函館市民スケート場(同市金堀町10)では終日、銀盤の感触を惜しむように子どもたちや家族連れの歓声が響いていた。

 同スケート場によると、今季の入場者数は23日現在3万3722人で、前年比で約4800人減と落ち込んでいる。少子化に加え、今季は気温の低い日が続き、降雪も多かったのが影響しているという。この日は前日の暴風雪から一転して晴天に恵まれ、リンクの状態は上々。午前11時のオープンと同時に家族連れや小中学生らでにぎわいを見せた。

 友達と訪れた函館鍛神小5年の藤倉佳奈さん(10)は「今シーズンは寒くて5回しか来られなかった。きょうは『滑り納め』と思って楽しみたい」と話していた。今季の営業は29日まで。時間は正午から午後7時。


◎企画(3)ハード事業・公共事業の端境期、ソフトと両立今後の課題
 一般会計1224億円のうち、事業費の総額は93億8000万円と、前年度比で11億8600万円(11・2%)減少した。ピーク時の1993年度には262億円もあったことを考えると、事業費の割合が少ない印象も受けるが、市内の主だった社会資本整備はすでに終わっているためだ。新年度からの着手が決定した事業には、単年度で1億円を越す大型の建設事業がなく、基本設計や実施設計のみの事業が目立つ。

 新規事業の内訳を見ると、臼尻町に建設する予定の縄文文化交流センターには、基本設計費や用地購入で5048万円を計上。義務教育施設整備費では、函館西と弥生小学校統合のための弥生小改築基本設計費を1800万円、椴法華中に設置する学校給食共同調理場の基本・実施設計費に2160万円を配分した。このほか、恵山コミュニティーセンター整備や大澗・のばら統合保育園、東消防署戸井出張所庁舎整備を含め6件の設計費総額は1億3000万円となった。

 しかし、09年度にこれらの建設工事が始まると、事業費は19億円に膨らむ見込みだ。弥生小改築を除き、これらの事業費には合併特例債や過疎債を充てる予定。7割ほどが普通交付税で戻るため、最終的に市の財政負担は総事業費の3分の1程度で済む。市財政課では「中期財政試算の新規事業費20億円の枠内で収まっている」とする。

 西尾正範市長は、08年度を「公共事業の端境期」としたが、選挙時から「大型事業より今ある施設の維持改修を行う方が業者のため」と述べていたように、夜間急病センターの健康保健センター内への移転事業費に8500万円、本通と北美原小学校のトイレ改修費に9060万円などを計上。これらは、地元建設事業者の発注機会を増やすための措置でもある。西尾市長は「(施設の改修で)2億8000万円ほど付けた。ささやかだが中小企業対策」とする。

 事業費には、道路橋りょう整備や公園施設整備、4町村地区の防災無線整備、漁港の基盤整備なども含まれ、市民生活の安全や安定確保、産業基盤の強化の面から見てもある程度の予算付けは必要不可欠で、公共事業が地域経済を支えている側面もある。新年度予算は、子育て支援や教育対策など、ソフト施策の充実が目立った。市財政課は「他の自治体でも福祉、教育費と、公共事業費は相反する。両立はやはり難しい面がある」とする。

 今後、予想される大型の建設事業自体は多くはないが、今回、組み入れられなかった旧ロシア領事館や青柳町の公民館改修なども、西尾市長は意欲を示している。収入の見通しが難しくなる中、市民が求めるソフト事業拡充と、ハード事業をどのように両立させていくか。09年度以降に大きな課題を残した。(今井正一)


◎函館高専で入学試験、応援団がエール
 函館工業高等専門学校(長谷川淳校長)の2008年度入学試験が24日、行われた。全5学科の受験者は309人で40人が欠席。実質倍率約2・7倍の狭き門の突破を目指し、答案用紙に鉛筆を走らせていた。

 函館高専の試験は函館と札幌の2会場で実施。このうち函館会場では受付開始の午前8時半前から同校玄関前に集まった受験生の前に同校応援団(高田健司団長、14人)が登場。受験生にエールを送るとともに、少しでもリラックスしてもらおうと厳しい寒さの中、学生服に裸足の姿で力強い応援を披露。受験生は先輩たちの気合十分の励ましに気持ちを引き締めて校内に入っていった。一方札幌会場では悪天候による交通の乱れなどの影響で試験開始が50分遅れたが、大きな混乱はなかった。

 試験はこの日で終了。合格発表は29日午前10時から、同校学生玄関前に合格者の受験番号を掲示するほか、同校ホームページに掲載される。

 なおこの日行われる予定だった苫小牧高専の試験は悪天候の影響で延期となり、25日中に新たな試験日を決定する。(小川俊之)


◎来月1日に世界のCMフェス
 世界各国のテレビコマーシャル(CM)を集めた「世界のCMフェスティバル2008in函館」が3月1日午後7時から、函館国際ホテルで開かれる。函館開催は大盛況だった昨年に続いて2回目で、同フェスの仕掛け人で司会を務めるジャンクリスチャン・ブーヴィエさん(福岡県在住)も来函。約300本のCMが観客を未知なる映像の世界へといざなう。

 同フェスは、1981年にフランス・パリで始まった、オールナイトイベント「CM食らい放題の夜」の日本版で、ブーヴィエさんが99年に福岡で初開催した。以来、毎年、大都市圏を中心に全国各地で開催。昨年、函館では、金森ホールで開かれ、超満員となる150人を動員し、終了直後から継続を望む声が数多く寄せられていた。

 函館開催をプロデュースする、クランクイン函館(元町)の村上義健さんは「海外のCMは、日本よりも制作の自由度やクオリティーが高い。単なる商品の宣伝に終わらず、ショートムービー作品として楽しむことができる」と魅力を話す。

 今回も、カンヌ広告祭の受賞作品や、米国の女優ニコール・キッドマンが出演したシャネルのCM、賛否両論の立場から集めたタバコ特集など、必見の作品が集まった。また、ブーヴィエさんの友人のマジシャンも来函し、休憩時間にパフォーマンスを披露する予定。

 村上さんは「ことしもクオリティーの高い作品が集まった。函館でもこの時期の目玉イベントとして定着させ、いずれはオールナイトで開催したい」と来場を呼び掛けている。

 チケットは前売り2500円(当日券3000円)。ローソンチケットで販売(Lコード13536)。入場者には同フェスの必需品「パチパチ」(手のひら形のおもちゃ)が配られる。問い合わせはクランクイン函館TEL0138・26・2661。(今井正一)