2008年2月3日(日)掲載

◎雪と氷の祭典開幕、ジャンボすべり台に歓声
 【七飯】冬の大沼を彩る第42回「大沼函館雪と氷の祭典」(実行委など主催)が2日、2日間の日程で大沼国定公園広場で開幕した。晴天に恵まれ、朝から多くの家族連れが来場。ジャンボすべり台(高さ7メートル)やかまくら、アニメキャラクターを模した雪像などに歓声を上げていた。

 会場には町民の手で作られた小雪像やミニ雪像、中雪像のほか、美しい氷像やすべり台、かまくらがずらり。中雪像は人気キャラクターや映画にちなんだモチーフが並んだ。また、作家の新井満さんがヒット曲「千の風になって」を大沼で訳詩・作曲したことから、「名曲誕生の地」として大沼を広くPRするモニュメント(夏に完成予定)の原寸大氷製レプリカを設置。ジャンボすべり台には新幹線の絵のレリーフに「千の風にのって 北海道新幹線」の文字を浮かせた。

 同祭典で使われた約4000枚の天然氷(60センチ角、厚さ30センチ)は、大沼から切り出した。厳しい寒さが続き、美しい透明な氷が出来上がった。

 家族と友人6人で訪れた小川亜結さん(函館北昭和小4年)は「初めて来た!」と感激し、毎年来る山田未来さん(同)は「ジャンボすべり台とおしりかじり虫の雪像が気に入った。ことしは雪がきれい」と話していた。(笠原郁実)


◎江差なべまつり開幕 クジラ汁、ゴッコ汁堪能
 【江差】江差観光コンベンション協会(打越東亜夫会長)主催の「第8回冬江差“美味百彩(びみひゃくさい)”なべまつり」が2日夕、江差町本町の旧生涯学習センター体育館で開幕した。この日の江差は終日気温が上がらず、氷点下の厳しい寒さが続いたが、会場では大勢の来場者があつあつの鍋料理を心ゆくまで堪能していた。

 会場には町内外から参加した飲食店、レストラン、農漁協など30グループが和洋中合わせて約40種類の鍋料理を出品。クジラ汁、ゴッコ汁、タラ三平汁など、道南伝統の鍋料理をはじめ、地元産の農産物や魚介類を使ったユニークな鍋がずらり。町内から訪れた30代女性は「3種類の鍋を食べた。寒さの中で体の底から温まった」と話していた。

 昨年まで屋外での開催だったイベントは、会場を同体育館に移したことで、天候を心配せずに鍋を楽しむことができるようになった。打越会長は「新しい会場で大勢の来場をお待ちしています」と話している。

 3日は午前11時から午後2時まで。鍋料理は1杯300円。会場は江差信金本店(本町132)を目印に建物東側の坂道を直進する。周辺には案内板やのぼり旗もある。関連イベントとして午後2時半からは、町文化会館大ホール(茂尻町71)で江差郷土芸能祭(同協会主催)も開かれる。江差追分、江差もちつきばやし、江差沖揚げ音頭、江差鮫(さめ)踊り、江差五勝手鹿子舞(ししまい)などの多彩な郷土芸能を一堂に披露する。入場無料。問い合わせはいずれも同協会TEL0139・52・4815へ。(松浦 純)


◎南渡島の死因6割が生活習慣病
 がんや心臓病などの「生活習慣病」で亡くなる人が、八雲、長万部を除く渡島管内で全体の6割を占めていることが、渡島保健所の調べで分かった。同保健所では健康づくり施策の指針となる「南渡島健康ナビ2010」(01―10年度)で生活習慣病の発症、進行の抑制などを掲げており、自治体などを通じて各種予防対策を進めている。2月1―7日は生活習慣病予防週間―。

 生活習慣病とは、食生活やストレスなど普段の生活習慣によって起こる病気で、脳卒中や肥満、糖尿病などを指す。

 同保健所によると、南渡島における05年の死因別死亡率で最も多いのはがん(悪性新生物)で31%。心臓病(心疾患)が15・2%、脳卒中(脳血管疾患)が12%と続き、全体の約6割を生活習慣病が占めている。割合の傾向は近年変わらないという。

 予防に向けた同保健所などの取り組みについて、健康推進課健康増進係の近江孝典管理栄養士は、(1)受動喫煙防止の普及啓発など(2)ノルディックウオーキングなど運動普及(3)食事バランスガイドなど栄養面のサポート―の3点を挙げる。

 (1)では、肺がんや心臓病などさまざまな病気につながるたばこ対策として、公共施設や職場での禁煙・分煙の推進や小学生向けの健康教育の出前講座(函館市を除く同保健所管内対象)、相談窓口での禁煙支援(毎月1―20日に受け付け)などを実施。(2)のノルディックウオーキングとは、肥満予防につながる運動不足の解消策として道が推進している健康運動。専用のストックを使って歩くスポーツで、07年度には福島や知内で講習会を行うなど普及に力を入れている。(3)は望ましい食生活の目安を示すもので、道が冊子を作成したり、道や農林水産省のホームページで食生活チェックもできる。

 近江管理栄養士は「生活習慣の悪さは外見でわからず、自分の健康は自分で守るという意識が大切。この機会に自分の生活を見直し、自治体のサポート事業も活用してほしい」と話している。(新目七恵)


◎函館市、定住促進へ旧4町村のPR強化
 首都圏などからの定住促進を進める函館市は、合併で広がった旧4町村地域のPRや情報発信を強化する。同じ函館市の中にも都市部と自然豊かな漁村部があり、双方の魅力を感じられるような定住体験メニューを企画し、定住促進に結び付ける。

 市の事業を受託し、移住を総合的にサポートしている民間企業の北海道コンシェルジュと共同で作業を進める。

 旧4町村の魅力については、昨年11月に作製した定住促進パンフレット「函館暮らしがいど」の中でも紹介している。戸井のマグロや恵山のガゴメ、ゴッコなど、各地域の海産物のほか、南茅部の中空土偶やひろめ舟まつりなどもPRし、海辺で暮らす生活を提案している。

 ただ、用意している移住体験の滞在物件は市街地のマンションやアパート、下宿などで、漁村地域で本格的な生活を体験するのは難しい。道内では釧路市などがホテル、森町はグリーンピア大沼のコテージを滞在物件にしていることから、函館も旧4町村の宿泊施設などで割安に提供できないか、検討している。

 定住事業を担当する市企画部は「今までの函館のイメージは西部地区や異国情緒など“都市”の魅力が大きかったが、ちょっと足を延ばすと自然に恵まれた地域がある。都市や西部地区だけが函館の魅力ではないことを伝えたい」と説明する。

 例えば西部地区に1カ月滞在するうち、1週間を自然豊かな旧4町村地域で過ごせるような体験移住ができれば、合併で広がった新市の多様な魅力を感じることができるという。

 同部は「南茅部には縄文遺跡や国宝の中空土偶などの魅力がある。団塊世代は縄文遺跡や発掘、海釣りなどに興味を持つ人も多く、旧4町村の魅力を広げる新しい体験プログラムを北海道コンシェルジュと企画していきたい」と話している。(高柳 謙)


◎ビジネスフロンティアカップ/桜庭さん最優秀賞
 新規起業や地域振興につながるビジネスアイデアを競う「第3回ビジネスフロンティアカップ」(函館市主催)が2日、市地域交流まちづくりセンターで開かれた。本年度は29件の応募があり、書類による1次審査を通過した学生ら8人が公開プレゼンテーション(発表)を行った。審査の結果、街路灯にカモメが止まるのを防ぐ「飾防鳥針」の開発アイデアを披露した桜庭明雄さん(一般参加)が最優秀賞を受賞した。

 桜庭さんは、港などに設置されている街路灯がカモメのふんで汚れていることに着目。街路灯の上部に、くま手状のカバーを取り付けることで、カモメが止まることができないようにする。既存の街路灯に後付けすることも可能で、鳥を傷つけないようにも配慮。実用化に向け設置実験も行っている。審査では、身近にある問題から得た実用性のある発想が評価された。

 このほか、パソコンなどを用いた学習支援システム「イーランニング」の導入を支援する事業で起業を目指すアイデアを披露した公立はこだて未来大の不破崇行さんと、北大水産学部の茂呂信哉さんが披露した温泉熱を利用したワニ養殖のビジネスプランが優秀賞に選ばれた。茂呂さんは、ワニの食肉や革の利用が優れている点を強調し、温泉の地熱や水産物残さを餌と利用した場合、「循環型の飼育が可能」などと話していた。

 このほかにも市内観光地をすごろくに見立て、携帯電話を利用しながら観光地をめぐるアイデアや、電車やバスなど公共交通機関とレンタル方式の自転車を利用した地域活性化策など、柔軟な発想が参加者の関心を集めていた。(今井正一)


◎せたな職員殺害 福士容疑者を送検
 【せたな】せたな町立島歌小で、同町瀬棚区島歌、同校臨時公務補田村亜衣子さん(24)が殺害された事件で、せたな署は2日、同町瀬棚区本町、同校臨時職員福士昌容疑者(21)を殺人容疑で函館地検に送致した。

 調べによると、福士容疑者は1月31日午前7時ごろから同8時ごろまでの間、同校のボイラー室で田村さんの頭をおのや金づちで殴り、胸などを包丁で刺して殺害した疑い。

 司法解剖の結果、田村さんの遺体には数十カ所に上る刺し傷があり、一部は肺に達するほどの深い傷もあったという。凶器として校内にあった包丁のほか、おのや金づちも使用したとみられ、同署は福士容疑者に明確な殺意があったとみて、事件の全容解明を進めている。