2008年3月15日(土)掲載

◎道南の中学校で卒業式
 道南の多くの公立中学校で14日、卒業式が行われた。卒業生は保護者や教師、在校生らが見守る中、一人ずつが校長から卒業証書を受け取り、新生活への期待を胸に母校に別れを告げた。

 函館市立の公立中学校は、全28校で卒業式を行い、小学校を併設する亀尾と鱒川の2校では小中合同の式が行われた。函館赤川中学校では、高橋英雄校長が176人の卒業生に卒業証書を授与。式辞で高橋校長は「自分の目的をしっかりと持ち、できる限りの努力を続けることが大切。胸を張って堂々と一人一人が充実した人生を送ってほしい」と激励した。

 在校生代表の送辞に対して、卒業生代表の柏谷亮輔君が答辞。「今まで教えて頂いたことを糧にに、これから進む道を決めたい。活躍が恩返しになるという思いで、精いっぱい努力します」と述べた。

 最後は卒業生全員がステージ上で合唱を披露。「旅立ちの日に」などを3年間の思い出を胸に歌い、感動のあまり目頭を押さえる生徒も見られた。(小泉まや)


◎市議会でも「さや当て」…特定財源の暫定税率で函館市
 国会で議論が大詰めを迎えている道路特定財源の暫定税率をめぐり、函館市議会でも自民党と民主党議員による「さや当て」が繰り広げられている。自民党函館支部副支部長の浜野幸子氏と、民主党道南総支部幹事長の板倉一幸氏が、一般質問と予算特別委員会で取り上げ、市は答弁を微調整している。

 道路特定財源は本年度ベースで、約13億円が市に交付されている。このうち暫定税率分は約6億円。暫定税率が切れるとガソリンは1リットル当たり約25円安くなるが、市とすれば道路整備や維持補修、除雪などに充てられる財源が抜け落ちてしまう。民主党は対案を出しているが、政権与党でないため本当に6億円相当の財源が確保されるか、現時点では不透明。

 浜野氏は5日の一般質問で「日切れ法案が成立しなければ、地方自治体の大幅な減収につながる。暫定税率に対する市長の認識は」と質問。西尾正範市長は地方交付税の大幅削減と絡め、「一般財源確保の観点から今後とも続けてほしい」「暫定税率が廃止されると、結果的に福祉や教育関係のサービス低下につながる。必要な制度だが、税制全体の中で議論してほしい」と踏み込んで答えた。

 これに対し板倉氏は13日の予算特別委で「民主党は対案を出している。財源が確保されれば道路特定財源や暫定税率でなくてもいいという考えはないか」と質問。工藤寿樹副市長は一定の理解を示した上で、「道南の道路整備は遅れており、特定財源だけでは足りず一般財源からも道路整備に充てている。道路整備が終わった東京など大都市圏は特定財源で十分足りるだろうが、特定財源を削った場合、北海道のような道路整備が遅れている自治体が一番打撃を受けるのではないか」と答え、理解を求めた。

 予算特別委の答弁のトップは副市長。板倉氏は市長が答弁する総括質疑に持ち込む考えで、今後委員と意見調整をする。板倉氏は言う。「市長は制度が必要などと言わないで、6億円分は維持してもらいたいとだけ言えば良かったんだ」(高柳 謙)


◎連載企画/「障害者に豊かな時間を」(中)専門的なかかわりに期待
 女性の社会進出による夫婦共働きや、ひとり親世帯の増加などを背景に、学童保育所に子供を預ける家庭が増えている。函館市内では公設4カ所、市の委託を受けた民間29カ所が開設し、本年度当初で公設159人、民間954人が在籍する。

 しかし、障害児を受け入れているは民間の10カ所16人にとどまる。

 受け入れが進まない背景として、市学童保育連絡協議会事務局の川股まち子さん(わんぱくクラブ指導員)は「学童保育で預かる子供の数が年々増え続け、施設の狭さや指導員不足が課題になっている」と指摘する。「全体のニーズが高いなら障害児の親のニーズももっとあるはず。でも障害児を受け入れられる施設は少ない」と現状を明かす。

 民間の学童保育所には法人運営もあるが、大半は保護者による運営で、市からの委託料や保護者から徴収する保育料で経費をねん出している。資金が潤沢ではなく、指導員を増やすのは容易ではない。

 開設23年目のわんぱくクラブ(柏木町)では5年前から障害児を受け入れ、本年度は自閉症や知的障害のある児童4人が在籍する。指導員の確保が難しい現状にあるため、指導員が下校に付き添うことができない場合もあり、ボランティアの手を借りている。こうした事態を踏まえ、市教委は本年度からボランティア派遣制度を導入した。

 障害児を受け入れた場合、市は国が定める基準で受け入れ人数に関係なく一定額の68万7000円を年間の委託料に上乗せし、支給している。しかし川股さんは「パニックを起こした場合などに、適切な対応を取れるような指導員の配置と落ち着けるスペースを確保する必要がある。何人受け入れても補助金が一定額では受け入れたくても受け入れられないケースも出てくる」と漏らす。

 函館市内のNPO法人(特定非営利活動法人)「みんなのさぽーたーわっとな」(山口照美代表)のメンバーには障害児の親たちがいる。4月には函館亀田小学校内に障害児を対象とした学童保育所「らるご」を開設する予定だ。川股さんは「『わっとな』は障害を理解しているので専門的なかかわりを持ちながら、ニーズに応えられると思う。頑張ってもらいたい」とエールを送る。(宮木佳奈美)


◎ピンク車見つけたらパチリ…函館モーモータクシーがプレゼントキャンペーン
 白地に黒ぶちのホルスタイン柄の車両で知られる「北海道・函館モーモータクシー」(函館市豊川町22、小川司社長)は、黒い部分をピンクに塗り変えた特別仕様のタクシー「ラッキーモーモー」の走行中の写真を撮影した人に、もれなく牛にちなんだグッズをプレゼントするキャンペーンを5月のゴールデンウイークのころまで行っている。

 ピンク色のタクシーは22台中ある車両中1台のみ。内装も牛柄模様で、同社のドライバー山田国貴さん(58)が牛柄の着ぐるみを着て連日運転している。キャンペーンは「楽しい話題を観光客や市内の人たちに提供したい」(小川社長)との趣旨で実施。写真は携帯メールでも可。同社に持参するか、moomoo-taxi@cbiz.co.jpにメールで送る。

 同社では乗車1回につき1ポイントが付き、10ポイントたまると減農薬米1キロもらえるキャンペーンも好評開催中。問い合わせは同社TEL0138・22・5566。(新目七恵)


◎声楽ユニット「デュオあまうり」が30日に初のコンサート
 ソプラノの福田尚子さん(函館市)とアルトの秋山理架子さん(知内町)による声楽ユニット「デュオあまうり」が、30日午後2時半からセブンスデーアトベンチスト函館キリスト教会(函館市五稜郭町7)で初のボーカルコンサートを開く。2005年、全国童謡歌唱コンクールの道ブロック大会で最優秀賞を受賞した実力派コンビが、童謡や唱歌、オペラ作品まで幅広いレパートリーを歌う。二人は「幅広い年代に歌の素晴らしさを知ってもらいたい」と来場を呼び掛けている。

 2人の出会いは05年に函館市民オペラの会研究室で上演された「あまんじゃくとうりこひめ」。主役のあまんじゃくを演じた秋山さんと、うりこひめを歌った福田さんは初対面ながらすぐに意気投合。デュオ名も役にちなんで「あまうり」とし、この年の全国童謡歌唱コンクールに「鞠(まり)と殿様」で出場すると見事に全道優勝を飾り、全国大会の舞台も踏んだ。

 プログラムは3部形式で、第1部冒頭に鞠と殿様を、同コンクールでも評判となったミニ浴衣の衣装に身を包む個性的なパフォーマンスで披露する。福田さんは「観客が驚くような面白いステージになるので期待してほしい」と話す。

 また第3部では、世界各国の子どもたちの手紙を谷川俊太郎氏が訳した「かみさまのてがみ」を演奏する。秋山さんは「子どもたちの純粋な心が伝わる素晴らしい作品。心を込めて歌いたい」と話している。

 入場料は1000円で小学生以下は無料。駐車場が狭いため公共交通機関の利用を呼び掛けている。問い合わせは秋山さんTEL090・8370・6699、福田さんTEL090・2052・8413。(小川俊之)