2008年3月24日(月)掲載

◎ブロッコリー栽培面積拡大…桧山管内 道内屈指の産地に成長
 【江差】桧山管内では新年度、新興作物として導入が進んでいるブロッコリーの栽培面積が奥尻町を除く管内6町で100ヘクタール規模に拡大する。厚沢部町を中心とする管内南部では約60ヘクタールの栽培計画が始動。2005年度から他町に先駆けて栽培に取り組んでいる乙部町でも栽培面積が増加するほか、管内北部の今金・せたな両町でも22ヘクタールの栽培計画があり、道内有数のブロッコリー生産地に発展することが期待されている。

 道農政部によると、本道のブロッコリーの栽培面積は06年度で約1000ヘクタール。海外産ブロッコリーの人気低迷、道外産地の端境期を狙った出荷が功を奏し、ここ数年で栽培面積が増大。100ヘクタール超と全道トップクラスの栽培面積がある江別市など、石狩管内では大規模な産地育成が進んでいるが、100ヘクタール規模の栽培計画がある檜山管内も道内屈指の産地となる。

 管内南部では本年度、新函館農協(函館市)と厚沢部・江差両町の農家15戸で檜山南部ブロッコリー生産組合(畠山克朗組合長)を組織。ブロッコリーは、価格低迷が続く厚沢部産黒豆の後継作物として導入。栽培面積は約7ヘクタールだったが、本年度は天候に恵まれ約3022万円の販売額があった。新年度は、厚沢部町31戸、江差町18戸、上ノ国町1戸の計50戸が参加。栽培面積は厚沢部28ヘクタール、江差18・3ヘクタール、上ノ国2ヘクタールの計48ヘクタールを確保しており、最終的には目標の60ヘクタール規模に達する見通し。販売額は約2億円を見込んでおり、首都圏や中部・関西方面への出荷を計画している。

 一方、町の農業再生プランに基づき、大手農産物卸売商社・ベジテック(東京)とブロッコリーの栽培契約を結んでいる、乙部町契約野菜生産出荷組合(林義秀組合長)はこのほど開いた総会で、新年度の栽培面積を本年度より2・5ヘクタール多い26・3ヘクタールに決定。新年度は主力のブロッコリーとともに、スイートコーン6ヘクタール、カボチャ4・8ヘクタール、カリフラワー0・2ヘクタールなども栽培。販売額はブロッコリーの8872万円を中心に計1億671万円を見込んだ。

 首都圏などに出荷している乙部町のブロッコリー栽培面積は、初年度の05年度は12・4ヘクタールだったが、06年度は19・1ヘクタール、07年度には23・8ヘクタールと拡大。本年度は天候不良で、全体の出荷額は1億円をわずかに下回ったが、同組合は「3年間の実績と丹念な収穫や選果で、他産地との競争に勝ち抜く高品質を維持して1億円の目標突破を実現したい」としている。

 また、管内北部の今金・せたな両町でも本年度、新興作物として22戸の農家と1農業生産法人がブロッコリー栽培を開始。新年度も両町で計22ヘクタールの栽培を計画している。(松浦 純)


◎説明責任と情報共有 カギ…自治基本条例フォーラム
 函館市が制定を目指す自治基本条例について考えるフォーラム(同条例検討委主催)が23日、市内大森町のホテル函館ロイヤルで開かれた。同検討委の会長で、北海学園大の横山純一教授による基調講演や、西尾正範市長らを招いたパネルディスカッションが行われ、市が目指すべき同条例の在り方を探った。市民約120人が聴講した。

 横山教授は「自治基本条例をまちづくりにどう活かすか」と題して講演し、住民と行政による協働のまちづくりを実現するかぎとして、行政の説明責任と情報共有を指摘。また、条例を制定することによって、一層の施策の成果が期待され、個別条例の整備も進むとし、「策定過程が大切。地域オリジナルをどの程度盛り込むか、市民レベルで議論していくことが必要」と述べた。

 続いて、パネルディスカッションに移り、横山教授を司会に西尾市長と道教育大函館校の大江洋教授、市社会福祉協議会の市居秀敏地域福祉部長、函館商工会議所青年部総合政策室の松木志津香副室長がパネラーを務め、これからのまちづくりについて意見を述べた。

 市は昨年9月に検討委を設置し、同条例制定に向け検討を重ねたほか、市民や団体を対象としたワークショップを行い、機運を高めてきた。新年度から素案づくりを進め、来年4月の施行を目指す。 (鈴木 潤)


◎ドラえもんやって来る!…道立函館美術館で来月5日から展覧会
 ドラえもんの魅力すべて見せます―。道立函館美術館(函館市五稜郭町37)は4月5日から、「みんなのドラえもん展―魅力のひみつ―」(同美術館主催)を開く。年代を問わず人気を集めるドラえもんの漫画原画や海外版コミックなど“ドラえもんの世界″を一挙公開する。開催期間中、ドラえもんとの記念撮影会も予定されている。5月11日まで。

 同美術館が、キャラクターを一つにしぼり、公開するのは初めて。地家光二同館学芸課長は「ドラえもんを見て育った大人とその親や子どもの三世代にわたり親しまれる企画です。懐かしさを感じたり、新たなドラえもんの魅力を実感してほしい」と話す。

 会場では、1970年の連載開始以来の漫画や雑誌のカラーや白黒原画を50点ほど紹介(一部完全複製原画)。ヨーロッパやアジアなどで販売される海外版や、ドラえもんのキャラクターをあしらった一人乗り小型電機自動車も展示する。また、“のび太の部屋“を再現したコーナーなど、見どころいっぱいだ。

 展覧会を記念し、キーホルダーや携帯ストラップ、「ドラえもん焼き」など約150種類(300点ほど)のオリジナルグッズも販売する。5月3日には、等身大(129・3センチ)のドラえもんが来場し、握手会や記念撮影会「ドラえもんがやってくる!」を実施。時間は午前11時、午後1時、同3時から。各回先着30組で直接会場で受け付ける(カメラは各自持参)。

 開館時間は午前9時半から午後5時(入場は午後4時半まで)。月曜日と5月7日は休館(5月5日は開館)。観覧料は一般900円、高・大学生600円、小・中学生400円。また、10人以上の団体や前売りは一般700円、高・大学生400円、小・中学生300円。前売り券は同美術館、サンクス各店、チケットぴあなど(前売り券は4月4日まで)で扱っている。問い合わせは同美術館TEL0138・56・6311。(小橋優子)


◎一気に春…厚沢部町鶉16.1度
 本格的な春の陽気が続く道南地方。23日も各地で4―5月の暖かさとなり、松前で5月下旬並みの15・3度、八雲町熊石で同中旬並みの14・2度と3月としては最も高い気温となったほか、厚沢部町鶉16・1度、今金15・2度、函館13・3度、北斗13・1度、江差12・7度とそれぞれ今年最高を記録した。

 一気に春が到来した函館は観光客も多くなっている。市内西部地区のベイエリアでは、卒業旅行などのグループで賑わい、観光シーズンの到来を感じさせていた。横浜から家族旅行で東北、本道を訪れたという男性は「仙台、弘前、函館と来たが、どこも寒くなくてよかった」と話していた。

 同気象台によると24日は低気圧が接近するため、道南の天気は曇りから雨になる見込み。 (山崎純一)


◎ボランティアが電球後片付け…「五稜星の夢」イルミネーション
 国の特別史跡・五稜郭を彩った「五稜星(ほし)の夢」イルミネーションの電球撤去作業が23日、五稜郭公園で行われ、市民ボランティアら約70人が電球の取り外しや土のうを後片付けした。

 このイルミネーションは、市民有志約30人でつくる実行委(宮下俊雄実行委員長)が1989年から毎年企画していて、堀の内周1・8キロに約2000個の電球を取り付け、五稜郭の星形を浮かび上がらせるイベント。今冬は昨年12月1日から2月29日まで電球を点灯させ、市民や観光客を楽しませた。

 撤去作業には、実行委のほか、道南の観光施設で作る「箱館会」など市民団体、一般参加者が参加。晴天の下、2グループに分かれて、木杭、土のうを回収したり、電線のソケットから電球を外すなどの作業に汗を流した。

 作業は1時間ほどで終了。宮下委員長は「皆さんの協力のおかげでここまで続けることができた。来年は20回目ですのでさらに盛り上げていきたい」と話していた。(鈴木 潤)


◎ハンセン病の差別問題考えて…来月14日の映画「新・あつい壁」チケットプレゼント
 ハンセン病患者への差別問題をテーマにした映画「新・あつい壁」(中山節夫監督)の函館上映会(同実行委主催)が4月14日、函館市芸術ホールで開かれる。同実行委は「ハンセン病患者の置かれている実態を多くの人に知ってもらいたい」と来場を呼びかけている。

 映画は、かつてハンセン病患者が殺人罪に問われ無実を訴えながらも死刑になった事件を題材に、今なお根強く残るハンセン病患者への差別や偏見を描いた作品。中山監督は1970年にもハンセン病を題材にした映画「あつい壁」を完成させており、40年近くの時を経てあらためてハンセン病患者を取り巻く問題を提起する。

 上映開始時間は午前11時、午後2時、午後6時半の3回。前売券は一般が1000円、中高大学生が800円(当日券はそれぞれ200円増)。小学生以下は無料。

 また同実行委ではペア10組にチケットをプレゼントする。希望者はチケットの組み合わせ(一般2枚、一般と学生1枚づつ、学生2枚のいずれか)と氏名、住所、電話番号を明記の上、〒041―0853 函館市中道2丁目51―3 函館保健企画内「新・あつい壁」函館上映実行委員会まではがきかファクスで応募すること。締め切りは3月28日必着。応募多数の場合は抽選となる。問い合わせは函館保健企画内 橋本様TEL0138・31・0010、ファクス0138・31・9919。 (小川俊之)