2008年3月25日(火)掲載

◎ハンドボール講習会、宮崎選手らが指導
 ハンドボール日本リーグの大崎電気の選手が技術指導する講習会(函館大学主催)が24日、函大体育館で行われた。男子日本代表として注目を集める宮崎大輔選手ら国内トップ選手から丁寧なアドバイスを受け、参加した子どもたちは伸び伸びと取り組んでいた。

 大崎電気に所属する宮崎選手を間近で見ようと、多くのファンが足を運んだ。講習会は小学生が対象で、市内の3クラブから約70人が参加。各中学、高校の指導者や父母らも駆け付けた。

 子どもたちは目を輝かせながら、パスやシュートなどの基本を学んでいた。選手を間近に見た川村享平君(鍛神小6年)は「宮崎選手のシュートは、迫力があってすごかった」と驚いていた。


◎渡島、桧山管内の公示地価、函館市商業地16年ぶり上昇
 国土交通省は24日、1月1日現在の公示地価を発表した。渡島管内の1平方メートル当たりの平均地価は5万2700円と17年連続で下がったが、下落率は2・4%と前年比0・2ポイント縮小した。函館市では商業地が16年ぶりに上昇した一方、住宅地は10年連続で下落した。桧山管内の平均価格は2万6300円で8年連続で下がり、下落率は前年比0・1ポイント縮小の3・8%だった。調査は渡島管内2市6町計99地点、桧山管内3町計9地点を対象に実施した。(新目七恵)

 ■渡島の住宅地

 平均地価は4万600円で、9年連続で下落。下落率は前年同様の3・5%だった。地価1位は函館市本町29―11で、前年と同じ8万3500円だった。

 函館市3地点、北斗市1地点を除く地域は前年を下回った。函館市の平均価格は5万3800円。下落率は3・7%で前年比0・1ポイント拡大した。利便性が高い本町商店街など、市中心市街地では下落幅は横ばいか縮小傾向だが、郊外などは下落率が上昇している。

 渡島支庁では、不透明な経済動向や特に土地需要が高まる要因もないことなどから、全体的な下落傾向は続くと分析。北斗市は利便性の高い旧上磯町地域の下落率が1・5%なのに対し、旧大野町地域は同3・5%と格差が広がっている。

 ■渡島の商業地

 平均地価は8万3500円。下落率は0・5%と17年連続のマイナス。地価1位は函館市本町32―13・ピア21で、上昇率は4・9%で36万4000円だった。

 函館市は9万6100円で1992年以来の上昇に転じた。上昇率は0・7%で前年比0・9ポイント増だった。渡島支庁では、既存商業地の下落基調は続いているものの、ホテル需要が高まった本町、大門地区や商業的メリットが大きい美原地区での上昇、長期的な地価下落で商業地の地価が背後の住宅地の地価に接近していること―などが下落幅の縮小につながったと分析している。

 ■桧山の住宅地

 平均地価は2万2400円で、6年連続で下がった。下落率は3・2%で、前年より0・2ポイント拡大した。地価1位は江差町上野町35―5。3万7300円で下落率は3・9%だった。

 ■桧山の商業地

 平均地価は3万4100円で、8年連続のマイナス。下落率は4・9%で前年より0・7ポイント縮小した。地価1位は江差町新地町50―1。5万4500円で下落率は7・6%だった。

 桧山管内は住宅地、商業地ともに前年と比べて上昇した地点はなかった。桧山支庁は、1次産業を取り巻く経済環境の悪化や人口減少によって、経済基盤が弱体化していることが下落が続く要因としている。


 公示地価 地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が年1回公示する標準地1平方メートル当たりの価格。公共事業用地の取得価格算定の基準、一般の土地取引や相続税、国定資産税評価などの指標として使われる。


◎公示地価、新幹線効果 数字に
 函館市の公示地価は商業地が16年ぶりに上昇に転じた一方、住宅地は下落が続いた。商業地の上昇傾向は継続するのか、住宅地の下落の背景は―。森元不動産鑑定事務所(市内若松町2)の不動産鑑定士、森元浩さんに市内の地価動向について聞いた。

 ■商業地

 7地点で上昇。特に本町11―12・キングスランド行啓ビルは上昇率10・4%、若松町20―1・和光デパートは同7・7%と大幅なアップ。森元さんは「これまでの北海道新幹線の開業を見越した地元以外の投資ファンドの動きなどが、具体的な数字として表れた」と説明。しかし、「郊外部の新しい商店の展開で既存商店街から客が流出する中、米国のサブプライム問題など投資環境は慎重。地価の下落基調に変わりはなく、上昇傾向が続くかは疑問」とする。今後については「新しいホテルなどのハコモノを地元経済界がどう受け止め、ビジネスチャンスを活用できるかに掛かっている」としている。

 ■住宅地

 全体的に下落地点は多いが、本町や松陰町、柏木町など、上昇傾向にある商業地の近くでは横ばい傾向が見られる。森元さんは「石川町や桔梗町周辺の大規模な宅地造成が供給圧力になり、中間部から郊外の地価下落につながった。今後も店舗展開が続く郊外部に人口が流出する二極化傾向は続くだろう」とみる。

 ■全道

 道内全体の平均地価は5万6700円で17年連続の下落。下落率は前年比0・3ポイント縮小の0・7%。札幌市では住宅地が6万8700円で上昇率は2・4%(前年比0・7ポイント縮小)、商業地が23万3700円で同9・0%(同0・3ポイント縮小)といずれも3年連続の上昇。一方、札幌以外の人口10万人以上の8都市はすべて下落し、道内の札幌一極集中化が顕著となっている。


◎函館市議会閉会、常勤監査に近江氏
 函館市議会の第1回定例会は24日、総額1224億1000万円とする新年度一般会計予算案など議案58件を可決し閉会した。西尾正範市長は、31日で任期満了となる村上英彦常勤監査委員の後任に、近江茂樹企画部長を充てる人事案件を追加提案し、満場一致で同意された。

 予算特別委の吉田崇仁委員長が審議経過を報告。共産党の市戸ゆたか氏は「公立保育園の民営化は保育士の配置を低くすることだ」などとし、一般会計予算案、後期高齢者医療制度にかかわる特別会計予算案など11件について反対討論し、公明党の瀬尾保雄氏が賛成討論した。

 このほか可決されたのは総額790億6111万円とする各特別会計予算案、総額480億6008万円の各企業会計予算案、条例改正案として行革担当の特別職理事の給与等に関する条例、屋外広告物条例の一部改正など。意見書案は公明党が提出した「地方自治体の安定的財政運営と道路特定財源の確保を求める意見書」や「北海道における地域医療の確保に関する意見書」など15件を採択した。

 村上常勤監査委員は「監査機能充実が求められるなど監査委員制度の課題も多くあった」とあいさつ。近江氏は「責任の重さに身の引き締まる思い。市役所生活37年で得た知識、経験を生かしたい」と述べた。

 このほか、追加提出された人事案件として、公平委員会委員に札内征男氏、固定資産評価審査委員会委員に高田健二氏、堀内博志氏、塩原卓二氏の選任を決めたほか、人権擁護委員には佐藤紀子氏、吉田幸子氏、寺西浩氏、渡会元康氏、小林康子氏を推薦することに同意した。(今井正一)


◎公明・瀬尾氏が西尾市長の政治姿勢に苦言
 「市長自身の思い込みの強い、つまみ食いのような施策を行うことは避けていただきたい」―。

 24日の市議会定例会で、新年度予算案などについて討論した瀬尾保雄氏(公明党)は、西尾正範市長の市政執行や政治姿勢に苦言を呈した。討論は賛成の立場だったが、「全面的な賛意ではない。全面的に支持を受けたものと誤解される恐れがある」として、党としての立場を明確にした。

 瀬尾氏は、行財政改革担当理事が総務部長を兼任することについて「片手間で行革が進むのかという疑念がある」と指摘。商工観光部を観光コンベンション部と経済部に分割することは行革の基本理念に反するとの認識を示し、「商工会議所との関係、連携がうまくいくのか不安がある」と述べた。

 西尾市長が強い意向を示しているロシア極東大函館校の市立化には、「市内の各私立大学や専門学校は必死の経営努力をしている。公平性の観点、財政上の観点からも慎重に検討を」と注文を付けた。「公約だから何を言っても良い、何を行っても良いということにはならない」とくぎを刺し、「優秀な市職員や民間事業者の話を良く聞き、提案を受け入れ、落ち着いて函館が元気になる市政執行を着実に行って欲しい」と求めた。

 議会閉会に伴うあいさつで、西尾市長は「審議過程のご意見、ご要望には市政執行の中で十分尊重し配慮させていただきたい」と述べた。(今井正一)


◎南茅部病院説明会、来月からの1病棟化見送り
 函館市病院局(井上芳郎局長)は24日夜、南茅部公民館で、先に示した南茅部病院の改善策について住民説明会を開いた。同局は4月1日からの実施を目指していた恵山、南茅部両病院の1病棟化について、いったん見送る考えを示した。同局の斉藤真博部長は「地域の方々の不安、心配がある中で4月1日からの1病棟化は難しい状況」と述べた。

 病院運営の改善策に関わる説明会は2月から恵山、南茅部地区でそれぞれ開いていて、南茅部地区では2月21日に続き2回目。約30人が出席した。

 南茅部病院の改善策については、長期療養を必要とする療養病床22床を休止し、急性期患者を受け入れる一般病床のみ37床とする1病棟化の方針。1病棟化による看護師の配置見直しで15対1看護体制が確立され、年額約7400万円の財政効果が期待されている。

 出席者からは「療養が必要な人、交通手段がなく旧市内の病院へ自力で行けない人が潜在的に多い。療養病床を無くさないで欲しい」などと現状の医療体制維持を求める声が相次いだ。同局の斉藤部長は4月1日の1病棟化は見送るとしながらも、「地域医療に支障が出ないよう体制づくりをさせていただき、早い時期に1病棟化を進めていきたい」と理解を求めた。

 同局は病院運営の改善策について、26、28日に開かれる恵山、南茅部の地域審議会にも諮り、今後の対応を検討する。(鈴木 潤)