2008年3月3日(月)掲載

◎「町会、学校…どんどん呼んで」…北大水産学部応援団
 部員減少による廃部の危機を脱した北大水産学部の応援団(山東龍団長、団員9人)はことし、「地域とのふれ合い」をテーマにした活動を展開することを決めた。これまでの学内での応援活動に加え、市内の学校や福祉施設などを訪問して応援を披露したり、函館港まつりのパレードに出場する計画。山東団長は「たくさんの人を応援するなかで、応援団や水産学部のことを知ってもらえたら」と期待している。

 「フレー、フレー」―。練習は月―金曜日の昼に30分と、週に2回は2時間。敷地内の講堂前の屋外で、季節に関係なく声を出す。辺りに響く腹の底からの声や、巨大な団旗を支える様子が力強い。

 同学部応援団は函館市内の大学では唯一の存在。2006年には部員1人にまで減少し、一時は存続さえも危ぶまれたが、昨年一気に部員数を増やし、復活した。その後は同学部の創期100周年記念式典の晴れ舞台をはじめ、練習船の出港時などの応援で、存在感を増してきた。

 現在36代目で、2月中旬からこの体制となった。山東団長はこのとき新団長に就任。「勢いに乗るようにして、団を発展させたい」と考え、学外での活動にも着手することに。「若者には元気な応援振りを知ってもらい、高齢者には昔を懐かしんでほしい。また今の学生は元気でないとよく言われるが、実はそうではない所を見せたい」と意気込む。

 応援を披露する場は今後、団員の人脈などから探していくが、さまざまな団体からの招請にも柔軟に応じる。「町会のお祭りや学校の勉強の場でも大歓迎。どんどん呼んでください」と話している。

 さらに、以前は応援に使われていたはかまの復活も狙う。応援するときの服装は現在、つめ襟の学生服を使用しているが、最近のOBとの対話で、役割などによってはかまも使い分けていたことが分かったためだ。しかし資金面などで苦労している。このため使わなくなったはかまの寄付も募っている。

 同団への問い合わせは北大水産学部TEL0138・40・5604。(小泉まや)


◎津波の危険地図作製へ…函館市が新年度
 函館市は新年度、津波の予想浸水区域や危険個所を図面で記すハザードマップの作製を予定している。新年度予算案に経費92万円を計上した。標高が低い函館湾の被害が懸念され、旧4町村地域も河川からの遡上(そじょう)などによる被害が予測される。こうした地域の住民の安全確保と防災意識を高める目的で作製する。

 市総務部によると、2005年に中央防災会議が公表した日本海溝・千島海溝周辺の8地震のうち、道の調査で函館は「500年間隔地震」「十勝沖・釧路沖の地震」「三陸沖北部の地震」の3つによる津波の被害が予測されている。

 1896年の明治三陸地震では岩手県を中心に2万人以上の死者を出したほか、1960年のチリ地震では1日かけて津波が到来し、函館はJR函館駅周辺や豊川町など一帯で浸水被害があったという。

 日本海溝・千島海溝のプレート(岩盤)周辺で起きる巨大地震でも、函館湾は港町―駅前―豊川町―函館ドック―入舟町方面までの一帯で浸水が予想されている。ハザードマップでは、予想される浸水区域や浸水の深さを色分けして表示するほか、避難所とその標高なども記す予定。

 旧4町村地域は函館湾に比べ標高があり、河川からの遡上ほか、斜路状になった海浜地で被害が懸念されている。どのような表示が効果的か検討を進める。

 津波ハザードマップは、東海地震や東南海地震による被害が予測される本州で作製が進んでいる。

 同部は「本年度内に作製、配布する避難所マップと合わせ、非常時に活用してもらうとともに、日ごろから防災意識を高めてほしい」と話している。(高柳 謙)


◎若いパワーさく裂…子供だけの江差追分発表会
 【江差】江差追分に情熱を傾ける地元の子供たちや若者に発表の舞台を提供して上達の励みにしてもらおうと2日、江差追分会館が主催する初めての「こどもとヤングの江差追分・民謡発表会」が開かれた。

 2歳から20代までの約60人が出演した。子供たちの家族や大勢の民謡ファンら約300人の観客が詰め掛け、立ち見が出るほどの盛況だった。

 発表会は、町立五勝手保育園の園児ら出演者40人による江差追分の合唱で開幕。町立豊川保育園の子供たちは道南発祥のソーラン節の踊り、町内の女子児童らでつくる「Hamanasu(はまなす)会」のメンバーは、町指定無形民俗文化財の江差追分踊りを発表した。

 昨年の第45回江差追分全国大会の記念アトラクションでは最年少の出演者となった川口美海ちゃん(3)をはじめ、幼児やきょうだいによる江差追分の発表も大好評。東美羽音ちゃん(4)は、弟の来希君(2)が務める江差追分独特の合いの手「ソイがけ」に合わせて大人顔負けの歌声を披露した。

 発表会は、過疎化や若年層の民謡離れに伴う愛好家の減少が進み、江差追分の伝承が危ぶまれる中、保育園や学校で江差追分を歌い継ぐ“新たな芽”が育っていることを応援しようと町が主催。濱谷一治町長は「江差追分は財産。地域一丸となって守り育てる環境ができれば」と話す。五勝手保育園をはじめ、子供たちの指導に携わる杉山由夫師匠も「子供たちにとって発表会は大きな励み。まだ江差追分を体験していない子供たちにも、追分の魅力をアピールする絶好の機会」と語り、こうした取り組みの拡大に期待を寄せる。(松浦 純)


◎函館観光のPR まかせて…ミスはこだて 3人決定
 函館の観光PRに“華”を添える「ミスはこだて」のコンテスト(函館国際観光コンベンション協会主催)が2日、函館市若松町の函館ハーバービューホテルで開かれ、第29代のミスにいずれも市内在住で、大学生の藤田真可(まなか)さん(27)、洋服店店員の村本あゆみさん(24)、会社員の明本吏紗さん(22)の3人が選ばれた。

 今年は応募者数が伸び悩み、過去最低だった2005年(第26回)を下回る13人の中から12人が出場。4人ずつのグループ審査に続き、一人一人がステージ上で30秒の自己PRや質疑応答に臨む最終審査を経て、3人が選出された。

 審査委員長の沼崎弥太郎同協会会長は「昨年の半数以下の応募だったが、少数精鋭でいずれも優劣つけがたかった」と講評。審査結果が発表されると、3人は感激の表情を見せ、認定書や副賞のほか、第28代のミスから髪に飾るティアラなどが引き継がれた。

 3人は「函館のことをもっと勉強してPRしたい」(藤田さん)、「笑顔を絶やさず、函館の歴史や海産物を多くの人に知ってもらいたい」(村本さん)、「大好きな函館を活気づけられれば」(明本さん)と抱負を語った。

 任期は4月1日から来年3月31日までの1年間。4月に山形県で開かれる物産展がデビュー予定で、“観光大使”として函館の魅力をPRする。(森健太郎)


◎合格目指し真剣演技…野外劇オーディション
 7月から始まる市民創作「函館野外劇」の第21回公演に向け、メーンキャストを選考するオーディションが2日、函館千代田小学校で開かれた。

 同劇は、NPO法人市民創作「函館野外劇」の会(フィリップ・グロード理事長)の主催で、国の特別史跡・五稜郭を舞台に繰り広げられる函館の歴史絵巻。毎年、多くの市民ボランティアが参加している。

 募集した役柄は、土方歳三や高田屋嘉兵衛、ペリー提督など15役。小学生から70代まで過去最多の51人がオーディションに挑んだ。

 制作スーパーバイザー鈴木均さんら東京のプロジェクトチームメンバー3人、演出部長の松本啓さんの4人が審査に当たった。土方役では刀の振り方、そのほかの役ではせりふの発声などが試され、応募動機なども聞かれていた。

 劇のナレーションを担う妖精「コロポックル」役に応募した高橋香乃さん(函館柏野小6年)は「前に劇団に入っていたので興味があって受けた」と思い入れを語った。札幌市からオーディションに駆け付けた会社員の立成佳子さん(30)は「市民の力で続いている野外劇に感動して受けに来た。出演できなくても何らかの形でかかわりたい」と話していた。

 結果は1週間後に通知される。今年の公演は7月4日に開幕し、8月10日までの全12回を予定している。