2008年3月6日(木)掲載

◎洋ラン展きょう開幕
 函館市を中心に洋ラン愛好者で作るクラブ「函館洋蘭倶楽部」(境昭三会長)の「創立40周年記念春の洋蘭展示会」が6日から9日まで、函館市美原1の亀田福祉センターで開かれる。会員60人が丹精込めて育てたコチョウランなど大小さまざまな花約200鉢が並ぶほか、超小型の花をディスプレーで拡大表示するなど、さまざま趣向でランの魅力を伝える。

 同クラブは1968年創立。道内で活動するランの愛好団体では最古。節目を祝うため従来通りの紹介のほか、洋ランの知識を深めてもらおうと、花径数ミリの小さな洋ランの花をデジタルマイクロスコープでとらえ、ディスプレーに映す。同クラブの秋元稔事務局長は「ランといえば大型の花が注目されるが、小さな花も美しいことを知ってもらえれば」と話す。

 会場では、8、9日の午前10時と午後2時半から、園芸研究家江尻光一さんの講演会(先着50人)が行われるほか、市内の華道家が生けたラン、押し花などを展示。また、人気のブルーカトレアなどの販売を行う。入場無料。時間は午前9時から午後5時(9日は同4時半)まで。(山崎純一)


◎市議会定例会/新年度から部局運営方針を導入
 第1回函館市議会定例会は4日、個人質問を続行し、5氏が市側の考えをただした。西尾正範市長は、新年度からの組織機構の見直しに伴い、各部局長が1年間の目標や方針を定める「部局運営方針」を策定させる考えを示した。西尾市長は「目標設定による管理手法は、職員一人ひとりの役割の明確化や意欲向上につながる有効な手法」と述べた。

 井田範行氏(市民クラブ)の質問に答えた。井田氏は、新年度からの大規模な組織機構の見直しや、歳出抑制のためにも効率的な行政運営が必要であるとし、「成果を見極めるためにも、数値目標などを盛り込んだ行動目標を作成し、取り組むことが必要だ」と述べた。

 本年度、試行的に導入した総務部の部局運営方針の事例では、西尾市長のマニフェストや市政執行方針に基づき、小柏忠久総務部長が各職員から意見を交えて、部内の行動指針や施策推進に向けた個別の課題について策定。部長自らの考え方を直接部下に伝えることで、目標の共有を図り、各課ごとに取り組むべき課題や各職員の役割分担を明確にした。

 新年度からは、各部局に同様の手法を導入。年度途中には中間評価を行い、効率よい行政運営につなげるとしている。ただし、業務によっては明確に数値化できない目標もあり、達成の度合いよりも業務遂行の過程に重点を置いた評価をする考え。

 西尾市長は、新設する理事の下で、職員の意欲向上のため、研修制度の充実や人事評価制度の本格的な導入などに取り組む考えを示した。

 このほか、小谷野千代子氏(公明党)、丸尾隆子氏(共産党)、小山直子氏(民主・市民ネット)、浜野幸子氏(新生クラブ)が質問した。(今井正一)


◎七飯町民劇場 8、9日に最後の公演
 【七飯】1990年の初演以来、町民による手作りの脚本と演出、出演者で活動する七飯町民劇場(本宿克幸会長)は8、9日に町文化センターで最後の公演となるミュージカル「大沼伝説II ―時空(とき)を翔(こ)えて―」を上演する。創立から20周年のことし、最後を締めくくる大舞台を前にキャストやスタッフは練習に余念がない。

 同劇場は青年団活動の低迷に悩む町内の青年数人が中心となり、89年夏、当時の町教委職員や文化活動サークルのメンバー、町民ら有志で発足。町おこしと町の文化活動の向上を目指し「キャストはもちろん脚本・演出・作曲・振り付け・衣装・舞台装置などすべて町民手作りで取り組む」を基本方針に、町民に参加を呼び掛け活動してきた。

 初演は1200人、96年の「春らんまん」では最多の1500人が詰め掛け、熱演を楽しんだ。地域文化に貢献したことをたたえ、2001年には道地域文化推奨を受賞。だが、年々、スタッフの高齢化や後継者の不在、小中学生の参加数の減少などが進み、“20年の節目”に最終回を迎えることを決めた。

 「子どもたちと世代を超えた取り組みで、多くのことを学んだ。登校拒否や学校に居場所のない子、引っ込み思案の子が舞台を通じ、自信をつけてくれたことが何よりうれしい」と事務局長の田本慶子さん(65)。20年間、出演する子どもたちの変化を見つめ続けた。

 90年の初公演「鳴川物語」以降、「晴々峠下」(91年)「にんにく沢物語」(2004年)と町内を舞台に物語を展開。今回の舞台は01年公演の「2001年大沼伝説」の続編で、1000年以上前の大沼伝説の世界へタイムスリップした主人公の小学生の10年後を描く。キャストには小学生から短大生まで21人、大人25人が出演し、昨年から本格的に練習を行ってきた。当日はボランティアスタッフを含め、総勢130人の町民が舞台を盛り上げる。

 田本さんは最後の公演に寂しさをにじませながらも「登場人物の心の葛藤(かっとう)や心の変化が見所。ぜひご覧下さい」と来場を呼び掛ける。

 8日は午後6時半、9日は午後1時半開演。前売り券は大人500円、小・中学生300円で当日は200円増。前売り券は町文化センターや大中山コモン、大沼婦人会館などで取り扱っている。

 問い合わせは事務局(田本さん)TEL0138・65・4851。(笠原郁実)


◎道内公立高校で一般入試
 公立高校の2008年度一般入試が5日、全道一斉に行われた。全日制は学力検査を、定時制は面接を実施。渡島管内で2464人、桧山管内では241人が試験に臨んだ。

 函館稜北高校(函館市石川町)では、231人が受験。受験生は午前8時の開場に併せて会場に入り、各自の席に着いた。試験は午前9時25分に開始。国語から行われ、午後3時半までに数学、社会、理科、英語の5教科の問題に取り組んだ。

 社会の試験問題に一部訂正カ所があったが、道南では各校とも大きなトラブルなく試験を終えた。合格発表は17日午前10時に、各校一斉に玄関前などに張り出す。(小泉まや)


◎15日に東家夢助さんと三遊亭洋楽さんが初共演
 函館市に住む2人の落語家の初共演が実現する。函館に移住し40年以上の東家夢助さん(67)と、2006年に両親の介護のため実家に戻った三遊亭洋楽さん(49)が出演する「はこだて寄席」(実行委主催)が、15日午後2時から函館市芸術ホール(五稜郭町37)ギャラリーで開かれる。30万人都市に2人のプロの落語家を抱える函館ならではの伝統芸能の醍醐味(だいごみ)を味わえる。

 2人は昨年8月、同ホールで開かれた「港まつりはこだて寄席」に出演。この時は、洋楽さんは高座を務めたが、夢助さんは出演していた三遊亭好楽さん(61)との対談のみで、落語はなかった。今回は夢助さん側で作る実行委が洋楽さんに打診し、快諾を得て開催が実現。当日は夢助さんに続き洋楽さん、中入り後、再び夢助さんが登場する。

 夢助さんは、「同じまちで落語をする2人が励まし合う気持ちを持ち合う出発点」と話す。人情話を得意とする夢助さんは「井戸の茶碗」などを演じる予定。対して、洋楽さんはこっけい話を予定。「洋楽さんは私を引き立ててくれる演目を選んでくれた。お互いが助け合い、人間として、また落語の素晴らしさを引き立て合う気持ちの表れ」と夢助さん。

 洋楽さんは「函館に戻り、一人で活動が多い中、共演に呼んでいただき感謝の気持ち。でもほかの高座にはないプレッシャーはあるかも」と笑顔。

 会場は前側は座布団席で、後ろにいす席を設ける。実行委は「演者と同じ目線で楽しめる。地方都市に2人の落語家が居ることの素晴らしさを感じてもらえれば」と来場を呼び掛ける。

 開口一番は道南落語倶楽部の東家えい生さんが務める。前売り券は1000円で、同市高盛町22の夢助事務所、同所の函館音楽鑑賞協会で発売中。当日券は1500円。問い合わせは同事務所TEL0138・55・0128。(山崎純一)