2008年4月17日(木)掲載

◎函館山登山道清掃活動、園児もお手伝い
 函館山登山道の冬期間通行規制が18日に解除されるのを前に、函館地区バス協会(寺坂伊佐夫会長)会員らは16日、沿道の清掃活動を行った。函館市内の全景を望めるスポットとして人気の高い函館山は、本格的な観光シーズンの到来に向けて準備を整えた。

 清掃活動は函館山を訪れる観光客らを快く出迎えようと、ことしで9回目の実施。今回は同協会の会員をはじめ、函館、北斗両市内の園児や公募した地元住民など約240人が参加した。

 寺坂会長は「毎年清掃を続けてきたことで、函館山はごみの少ないきれいな山になった。景色を楽しみながら、頑張ってごみ拾いをしてほしい」とあいさつ。参加者はロープウエーで山頂に移動した後、徒歩で登山道を下りながら作業に当たった。

 道路脇に散在するごみは、登山者が捨てたと思われる空き缶やペットボトルがほとんど。参加者は眼下に広がる市街地の絶景や、芽吹いたばかりの植物に目を奪われながらも、一生懸命に拾い集め、山麓のゴール地点に到着すると冷たい飲み物でのどを潤していた。

 なお、登山道は18日午前11時に開通する。 (浜田孝輔)


◎もうすぐ大型連休、“飛び石”で近場が人気
 4月下旬から始まる大型連休(ゴールデンウイーク)まで2週間を切った。ことしは26、27日の土、日曜日から平日1日を挟んで29日の祝日、さらに平日が3日間続き、5月3―6日の4連休につながる“飛び石”。函館市内の旅行会社によると、近年の9、10連休とは異なり、行き先はハワイなどの定番を除いて近場にシフトする傾向にあるという。東北や道南でのサクラの開花時期が連休期間と重なると見込まれるため、陸・海の輸送機関は桜見物ツアーを組み、例年以上の集客にしのぎを削っている。(浜田孝輔)

 JTB北海道函館支店によると、海外では定番のハワイは例年並みながら、ことしは連休が短いためか香港やグアム、サイパンなどが例年にないほど好評。国内では、開園25周年を迎えた「東京ディズニーランド」、道内では旭川市の旭山動物園とプールを備えるホテルなどを組み合わせたプランが、家族連れを中心に人気を集めている。

 定山渓(札幌)や登別など道内の温泉地への予約はこれからが本番。5月3、4日がピークとなっているものの、同支店は「キャンセルの出る場合があるので、その都度問い合わせてほしい」と話す。

 東日本フェリーは、高速船「ナッチャンRera(レラ)」と、同2日に就航する「ナッチャンWorld(ワールド)」に、青森港と弘前城を結ぶ直行バスを組み合わせた「弘前桜きっぷ」を大人1万700円で販売。同社は「高速フェリーに乗船してもらい、日帰りで遊びに行ける気軽さをPRしたい」と意気込む。

 昨年は開花時期が遅れ、函館バスは特急バス「松前さくら号」の運行期間を1週間延長したが、ことしは例年を上回る13日間の運行を予定。「開花と運行時期がピタリと合うので、多くの人に利用してもらえれば」と期待する。

 JR北海道函館支社の函館―弘前間を結ぶ「特急さくらエクスプレス」は26―29日、すでに定員250人に達しているが、それ以降は席に余裕があり、JR利用者専用の松前、弘前への直行バスはいずれの日もこれからの予約で間に合うという。


◎「イカゴロ試験」乙部町と道の主張対立 漁業者が知事に直訴へ
 【乙部】道が乙部町の漁業者によるイカ内臓(イカゴロ)の海中還元試験の中止を求めた問題で、イカゴロを資源として有効活用を訴える乙部町と、廃棄物として海中投入に一定の歯止めが必要とする道の主張が対立している。町は海中還元を認める国の見解に沿った形で廃棄物政策の転換を道に迫る方針。町内の漁業者も23日、道庁の高橋はるみ知事を訪ねて、磯焼けの被害の実態や規制緩和を直接訴える予定だ。(松浦 純)

 イカゴロの投入をめぐっては2005年、国が「廃棄物の排出ではなく漁業生産のための行為であれば規制は受けない」とし、道と地元が環境への影響を考慮した試験方法を検討するよう求めた。水産庁も06年に海中投入が「廃棄物排出に該当しない」と国会で答弁した。町も4月以降、独自ルートで政府与党に再度見解を求めたが「政府首脳や関係省庁も見解に変更は無く、道の対応を疑問視している」(同町)という。

 道は15日、試験中止を求める指導を撤回。許可制だった海中投入を届け出制に改め、これまでの町単位による試験事業を、檜山全域を管轄するひやま漁協中心の本格的事業に格上げすることを支援するなど大幅譲歩した。しかし、「無秩序な投入を避ける歯止めは必要」と慎重姿勢も崩していない。

 道町村会長の寺島光一郎乙部町長が3日、道に支庁再編の見直しを求めた際、佐藤俊夫副知事が海中投入を「違法」と明言したことも波紋を広げている。

 寺島町長は「漁業者はモラルを持ち、自ら費用負担して試験を行っている。国が適法と認めた試験を道が規制するのは問題。国の見解に従ってイカゴロを“資源”と認め、政策転換を図らなければ不毛な議論を繰り返して漁業者を苦しめるだけだ」と厳しく指摘する。

 漁業者は23日、高橋知事、山本邦彦副知事、武内良雄水産林務部長を訪ね、深刻な磯焼けに苦しむ漁業者の実情、道による厳しい規制の改善などを“直訴”する方針だ。


◎サクラ開花 どっち? 気象協会23日、気象庁は25日予想
 札幌管区気象台は16日、道内のサクラの開花予想の2回目を発表した。函館市は標本木のある五稜郭公園で、平年より8日、昨年より5日早い25日で、1回目の発表(9日)より3日早まった。一方、15日に日本気象協会北海道支部が独自に発表した開花予想日は23日。平年より早い開花予想に加え、双方が異なる日を発表していることに、市内の反応はさまざまだ。

 サクラの開花予想日は気象庁、気象協会とも過去の開花日と気温のデータから予想式を作成。この式に昨年秋からの気温の経過と今後の予想気温を当てはめているが、予想式、今後の予想気温がそれぞれ違うため、予想日が異なっている。

 五稜郭公園管理事務所では4月に入り、全国から開花日を問い合わせる電話が殺到する中、双方の開花予想日を答えている。「大型連休後半の咲き具合を聞かれると、23日開花なら散り始め、25日ならまだ見ごろと案内しなければならない。答えが複数あると応対が大変」と話す。

 「商品数を調整したり、売り場の雰囲気作りのタイミングをみるのに開花予想は気になる」と話すのは同市石川町の「ホーマックスーパーデポ石川店」。コップや割りばしなど花見の関連商品はすでに並べているが、最も需要が増えそうな時期を予測しなければならないためだ。

 同市昭和のホクレンショップ函館昭和店では開花予想日に左右されず、21日ごろから連休明けまで花見や行楽商品の展開に力を入れる。「できれば連休と花見シーズンが重ならないほうが商品展開が多彩になる」と話す。

 五稜郭タワーでは大型連休中の展望台営業時間延長を当初、5月3―5日に予定していたが、サクラの開花が早いと予想されるため26日から5月5日にした。 (山崎純一)


◎8月開催「はこだて国際民俗芸術祭」初のスタッフミーティング
 函館市内で8月19―24日に初めて開かれる「2008はこだて国際民俗芸術祭」(組織委主催)の第1回スタッフミーティングが15日、市地域交流まちづくりセンター(市内末広町)で行われた。市民約30人が集まり、イベントの成功を目指して今後の活動内容などを確認した。(新目七恵)

 同芸術祭は海外8カ国から民族舞踊団などを招き、各地の伝統音楽やパフォーマンスを紹介する。函館を拠点に活動する音楽バンド「ひのき屋」のソガ直人代表(36)が呼び掛け人となり、市民有志による組織委(委員長・イアン・フランクはこだて未来大教授)を立ち上げて準備を進めている。

 この日はイベントスタッフを希望する学生や主婦、会社員らが参加。イアン委員長が「フェスティバルに参加する民族舞踊団が函館を歩くだけで注目を集めるはず。市民にイベントの面白さを伝えることがわれわれの役割」とあいさつし、参加者が一人一人自己紹介した後、現在参加を予定している海外の舞踊団の演舞映像を鑑賞した。ソガ代表は「リズムやダンス、衣装もさまざま。地球の面白さを多くの人に函館で感じてもらいたい。市内全体に盛り上げる機運を醸成したい」と意気込みを語った。

 次回のミーティングは5月1日を予定。同組織委では市民スタッフや企業・個人からの協賛金(1口1万円から)を募集中。問い合わせ、申し込みは事務局のヒトココチTEL0138・51・5727。


◎「函館版」環境サミットの概要固まる
 「環境問題」を主要な課題にする北海道洞爺湖サミット(7月7―9日)を前に、函館市が開催を計画している「環境サミット2008in函館」の概要が固まった。6月28日午後1時から、函館国際ホテル(大手町5)で開き、市内で環境に配慮した取り組みを進める団体、企業の代表者らのパネルディスカッションなどが行われる。準備、運営を進める市環境部は「地球温暖化防止や自然環境の保全の啓発につなげていきたい」としている。

 当日は明治学院大教授で、環境活動家として活躍する辻信一氏(横浜市在住)が基調講演する。辻氏は家の電気を消し、ろうそくの灯で過ごすイベント「100万人のキャンドルナイト」や、スローライフを推奨するNGOに参画しており、講演では取り組みの状況や意義などについて語ってもらう。

 パネリストは、NPO法人(特定非営利活動法人)NATURAS(ナチュラス)の赤石哲明代表とラッキーピエログループの王未来専務、函館青年会議所の寺井慎一郎理事長、NPO法人南北海道自然エネルギープロジェクトのピーターハウレット代表の4人で、「地球環境に配慮した地域の取り組み」をテーマに意見を交わす。手回しオルガン職人の谷目基さんのオルガン演奏も予定している。

 前日の27日午後8時から旧シーポートプラザ(若松町)で、市民から公募したメッセージを、ろうそくの灯で表す「キャンドルメッセージ」も行う。メッセージは5月1日から16日まで受け付け、最優秀賞をキャンドルメッセージに採用する。サミットは入場無料。定員300人。問い合わせは同部環境保全課TEL0138・51・3348。 (鈴木 潤)


◎ナイター競輪開幕
ナイター競輪の「スターライトレース」が16日、市営函館競輪場で始まった。日が沈みかけた午後6時前の第7レースに、ことし初めての照明が点灯。バンクで熱戦を繰り広げる選手たちを鮮やかに照らした。

 ナイター競輪は1998年7月に、同競輪場が全国で初めて導入。仕事終わりに競輪を楽しめることで人気を集めている。函館を含め全国7カ所で行われる。

 この日は通常のレース開始時刻より4時間半遅い、午後3時15分に第1レースがスタートした。今季は10月中旬まで48日間の開催を予定している。(小林省悟)