2008年4月19日(土)掲載

◎「ナッチャンWorld」初入港
 東日本フェリー(函館市港町3、古閑伸二社長)にとって2隻目となる高速フェリー「ナッチャンWorld(ワールド)」が18日、函館に初入港した。同船は5月2日に函館―青森間で就航し、同型の「ナッチャンRera(レラ)」との2隻体制で、一日あたり6、7往復の運航を計画する。

 「ナッチャンWorld」は、オーストラリア・インキャット社製の波浪貫通型双胴船で、大きさは全長112メートル、幅30・5メートル、総トン数は1万700トン。最高時速は約67キロで、同区間を約2時間で結ぶ。

 船体には「パレード」をテーマに、全国の小学生から公募した動物や子どもなどのイラストが描かれている。船内は、ブーススタイルのエグゼクティブクラスシートを就航から約1カ月間は設けずに、展望スペースとして活用。また、船体後部のデッキを乗客に開放する。

 建造費は約90億円で、今月8日のしゅん工までに約1年を要し、13日にオーストラリア・ブリスベンで給油をしてから出発。18日朝に函館港入りし、東日本フェリーの社員らの出迎えを受けた。

 古閑社長は「地域活性化や広域観光化の実現に向けて、しっかりやらなければならない、これからが本番という充実した気持ち。2隻体制になって便宜性も上がるので、多くの人に海のすばらしさをアピールしていきたい」と話していた。

 なお、同船は今後、訓練航海や点検などを済ませ、2日の初便は午前8時の青森発で、函館からは同10時45分発が第1便となる。(浜田孝輔)


◎お待たせ!車の列…函館山登山道開通
 冬季間通行止めとなっていた函館山登山道(道道立待岬函館停車場線、5・8キロ)が18日午前11時、約5カ月ぶりに開通した。

 今年は雪解けが早く、昨年より2日早く開通。函館市青柳町5の登山道ゲート前では、開門前から約15台の車両が列をつくった。地元の青柳町会は交通安全のマスコットやペチュニアの鉢植えをドライバーに配布。同市北消防署の職員や元町婦人防火クラブのメンバーら約15人も、パンジーなどの鉢植えや山火事予防のポストカードなどを手渡し、火の用心を呼び掛けた。

 毎年注目を集める一番乗りは北斗市の会社員、山本博幸さん(34)。「今朝は6時半に到着した。1番乗りは気分がいい」と笑顔を見せていた。

 同登山道は夜景見物の渋滞防止のため、25日から10月15日までの間、午後5時から同10時まではバスとタクシーを除く一般車両は通行禁止となっている。(鳴海麻由)


◎3000人飲み歩き満喫…バル街
 函館市西部地区をスペインの飲食店「バル」街に見立てた催し「函館西部地区2008春のバル街」(実行委主催)が18日開かれ、市民ら約3000人が、飲み歩きを楽しんだ。

 9回目となる今回は前回(昨年9月9日)と同規模の60店が参加。4月に開業した自転車タクシー「ベロタクシー」会社のトライワッカ北海道がチケットと交換で体験乗車を実施した。

 アクロス十字街前では、市内のフラメンコ教室「フラメンコ・ロルカ」による演舞が行われ、深谷宏治実行委員長らが1年6カ月熟成させた生ハム、ワイン、パンなどを振る舞うと長蛇の列ができた。友人3人と参加した同市松陰町の山本道子さん(53)は「今回で参加するのは4回目。やっぱり街が活気づくのがバル街の魅力ですね」と満喫していた。(宮木佳奈美)


◎予算執行留保は15億円…暫定税率失効で函館市
 ガソリン税などの暫定税率が失効した中、全国の自治体は国から交付金や補助金を受ける道路事業の予算執行を留保している。函館市の場合、本年度全体で約15億7000万円分の事業着手ができないでいる。一方、暫定税率を含む道路特定財源の歳入約11億9000万円分は道路の維持補修や除雪などの経費に充てており、市民生活に直結することから通常通り発注している。

 最短の場合、衆院で29日と5月12日に関連法案を採決することで、暫定税率や道路特定財源の確保が想定されている。ただ、一度下がった税金を戻すことに対する国民の反発や特定財源の一般財源化の方針との矛盾などがある。対応次第で政局に発展することも想定され、関係者は行方を注視している。

 市土木部によると、予算執行が留保されているのは道路の交付金事業と街路の補助事業。15億7000万円のうち、国からの交付分は8億1600万円といい、残りの市の負担分は一般財源で賄う。

 これらの事業は用地の拡幅や買収など、幹線道路整備にかかる内容で、国は予算の担保がないため交付決定を出せない。仮に暫定税率が復活したとしても、4月分の歳入が不足するため、同部は「国が新たな財源措置をしなければ、市の事業に影響が出ることが考えられる」という。

 一方、道路特定財源11億9000万円分は、予定通り発注している。道路の維持補修、清掃、除雪、ロードヒーティングなどに充て、道路パトロールや住民からの通報などで道路の損傷などがあれば適宜、発注している。

 ただ、特定財源の中に暫定税率分が5億5000万円見込まれており、暫定税率が仮に最短で戻っても4月分の歳入は穴が開く。同部は「予算がないからといって、除雪など必要な対応をしないわけにはいかない。住民に著しい不利益を及ぼしてはならず、財政と相談し、全庁的に財源確保をしていく必要がある」と話している。(高柳 謙)


◎来月からチャイルドラインはこだて「受け手」養成講座
 子供の話や悩み相談を専用電話で受け止める「チャイルドラインはこだて」(小林恵美子代表)は、電話応対のボランティアを確保するため、第6期「受け手」養成講座の受講者を募集している。

 チャイルドラインは、18歳までの子供たちの声をありのまま受け止める電話。全国で61団体が活動し、函館圏は毎週木曜の午後4時から同8時まで開設している。友人関係やいじめなど学校生活での悩み、日常の出来事などさまざまな内容が寄せられる。

 電話で子供たちの話し相手となる「受け手」は無償ボランティア。電話を受けたら聞き役に徹し、説教やアドバイスはせず相談を一緒に考える姿勢で子供たちと接するのが基本だ。

 講座は5月31日から8月30日まで。子供の心理や現状などの講義で知識を深め、ロールプレー(役割演技)で電話での対応方法を学ぶ。講義7回、ロールプレー6回の計13回で、受け手になるには全13回のうち9回以上、特にロールプレーに3回以上出席することが条件。7月12日まで申し込みを受け付ける。

 19歳以上の男女が対象で、受講料は1万2000円(学生1万円)。希望者は市役所や各支所、市中央図書館など公共施設に置いてある申し込み用紙に顔写真を添付して必要事項を記入。「自分の子供時代に影響を受けた人や出来事」をテーマに800字程度の作文を書いて一緒に郵送する。ホームページ(http://www.h−maneki.net/childline/)からも申し込める。

 講座に関する問い合わせはチャイルドラインはこだて(泉沢さん)TEL0138・54・7037 (宮木佳奈美)


◎花に人に支えられ40年…小林フラワーデザイン教室
 花の魅力を追求し、創作を楽しむ「小林フラワーデザイン教室」(小林幸子主宰、函館市栄町)の創立40周年記念作品展(藪下フラワー教室協賛)が18日、棒二森屋本館7階(同市若松町)で始まった。小林主宰は「皆に支えられて40年を迎えることができた。一人でも多く会場を訪れ、花のある生活に親しみ、心にゆとりを感じてほしい」と来場を呼び掛けている。20日まで。

 教室は同市栄町の「アートフラワー教室」と「フレッシュフラワー(アレンジフラワー)」、「藪下フラワー教室」(同市谷地頭町)の市内3カ所で行われている。今展では生徒約25人が、生花をはじめ、絹や綿素材の造花など50種類以上の草花を使いアレンジした約60点を出品した。

 40年間多くの人、花との出会いに感謝し、今回のテーマは「花・人・出会い」。会場中央には多彩な色合いのアジサイ(造花)を装飾した小林主宰の作品を展示。そのほか、各教室ごとに「ガーデンコンサート」「ミラーフラワー」などブースを設けている。純白のドレスを展示している「ガーデンウエディング」には、白や黄色のバラで仕上げたブーケやウエディングケーキが来場者の目を引く。

 40年間を振り返り小林主宰は、「生活様式が和風から洋風へと変化しているためか、花びんに花を生ける時代から華やかにアレンジするスタイルへ変わってきている」と語る。同教室が花を仕入れている「やぶした生花店」の藪下容子代表は、「外国からの輸入花が増えており、花の種類や色、形などは40年前と比較すると3倍ほどに増加。種類が豊富になった分、創作する視野も広がっている」と話している。

 時間は午前10時から午後7時(最終日は同6時まで)。(小橋優子)