2008年4月20日(日)掲載

◎ホテルテトラ・ビアガーデンオープン
 ホテルテトラ(函館市梁川町17、三浦孝司社長)は19日、屋上のビアガーデンをオープンさせた。来店客は夏の到来を待ちきれないとばかりに、次々と冷えたビールを「ゴクゴク」と飲み干していた。

 同ホテルのビアガーデンは、21年前の開始当初は6月からだったが、一部が屋根付きのため常連客から早期開業を望む声が多く、2003年から4月下旬に時期を早めた。ことしのオープン日は昨年より2日早く、これまでで最も早いスタートとなった。

 一番乗りしたのは、北斗市の社会人野球チーム一行20人。監督の福地学さん(32)は「シーズン入りに合わせた景気づけに毎年利用している。これからも、初日の来店にこだわっていきたい」と話し、ジョッキを片手に野球談義に花を咲かせていた。

 ビアガーデンは、午後5時からでラストオーダーは同9時半。9月中旬ごろまで無休で営業する予定。料金は、ジンギスカン食べ放題とビールなどの飲み放題で1人3600円(2時間)。問い合わせは同ホテルTEL0138・55・1818。(浜田孝輔)


◎インサイド 支庁再編…幻の手打ち式
 【江差】支庁制度改革をめぐる道と江差町など支庁廃止に反対する自治体の攻防戦は、道町村会長の寺島光一郎乙部町長らが反旗を翻したことで緊迫した局面を迎えている。舞台裏では道が反対運動の沈静化を狙い猛烈な“情報戦”を展開。なりふり構わない道の対応に地元の不信感は増幅している。(松浦 純)

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 「江差も時間の問題だ」。道議会で3月中旬、存続運動の中核・江差町をはじめ、桧山管内全体が条件闘争に転じるとの観測が流れた。

 同時期、桧山町村会(会長・寺島乙部町長)は、道の強行突破への備えとして、桧山支庁廃止に反対する姿勢は堅持するが、道に産業対策などの交換条件を求める要望案を練り始めていた。検討は2人の町長が手掛けたが「支庁幹部が支庁再編を容認するよう誘導した。情報は道に筒抜けだった」(関係者)。検討状況は道や道議会に逐次報告され“要望案”が札幌で一人歩きを始めていた。

 道の“切り崩し”は、あらゆるチャンネルを通じて、反対運動を担う住民団体や町内の有力者に浸透。濱谷一治江差町長も神経をとがらせていた。

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 ある町長が、道が描いた“手打ち式”のシナリオを明かす。「7人の町長が札幌に集まる23日、高橋はるみ知事とのトップ会談がセットされていた。席上では支庁再編を容認する“要望書”を手渡すセレモニーが用意された」。桧山が条件闘争に転じたことをアピールすることで、支庁再編に反対する地方や道議会を沈静化させる狙いがあったようだ。

 寺島町長は自民党幹部との会談で、生煮えだった要望案が、政治的に利用された事を知りがく然とする。「道はここまでやるのか…」。党幹部も道側への不信感をあらわにした。

 上野晃道市長会長(登別市長)と寺島町長は3日、道の佐藤俊夫副知事と会談。支庁再編への反対姿勢を伝えた。要望案の検討は中断、準備された“手打ち式”も吹き飛んだ。

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 財政難にあえぐ道に対して、徹底した組織の合理化や歳出削減に取り組むべきと訴え続ける寺島町長。道をスリム化する支庁再編には理解を示していただけに「反対に転じる際には逡巡(しゅんじゅん)した」。だが、当初の6支庁案が9支庁案に後退したことで疑問が吹き出した。「道の組織がより複雑化する。改革で恩恵を受ける市町村はどこにも無い」。

 高橋知事は6月の定例道議会で、支庁再編関連の条例提案に踏み切る構えだが、寺島町長は「本庁―総合振興局―振興局の3重行政を解消できなければ反対だ。できなければ14支庁全体の合理化しかない」と語り、道が繰り出す次の一手を注視する。(松浦 純)



◎木古内町長選きょう投票 大森、竹田氏最後の訴え
 【木古内】任期満了に伴う木古内町長選挙は20日、投開票される。無所属の現職で3選を目指す大森伊佐緒氏(54)と、無所属の新人で木古内町前助役の竹田則幸氏(64)=届け出順=は選挙戦最終日の19日、町内をくまなく遊説し、午後7時ごろからJR木古内駅前や商店街を中心に最後の訴え。4年間のかじとり役を決める一騎打ちの選挙は町民の関心も高く、両候補の訴えに耳を傾けた。

 大森氏は2期8年の実績を強調し、財政再建や保健・医療・福祉の充実などを訴えた。19日は北斗市側の釜谷地区から遊説をスタートし、中心部から農村部まで選挙カーを走らせ、「3期目の町政を託してほしい」と声を張り上げた。後援会幹部は「厳しい町財政を健全化に向け軌道に乗せ、福祉の充実を図った8年間の実績は町民に十分伝わり、期待は揺るぎない」と強調する。

 竹田氏は豊富な行政経験から、産業振興や町民の声を反映したまちづくり、住民サービスの向上などを訴えた。19日は知内町側の建川地区からスタートし、しばしば選挙カーを先導する形で歩き、町民と握手を交わした。後援会幹部は「約40年間の豊富な行政経験は、少子高齢化や長引く景気低迷など危機的な町を救う即戦力となる。町民の期待も大きい」と語る。

 投票は午前7時から午後7時まで町内11カ所で行い、午後8時から木古内町中央公民館で開票する。大勢の判明は午後10時ごろとなる見通し。

 14日現在の選挙人名簿登録者数は男性2308人、女性2640人の計4948人。(田中陽介)


◎函館市芸術ホール開館10周年で6、7月に記念公演
 函館市五稜郭町の市芸術ホール(中原憲館長)は開館10周年を記念し、クラシック、ジャズで多彩な公演を展開する「ミュージック・フェスティバル」を6、7月に開く。国内のトップ演奏家の初登場や、ユニットとして初出演する人気アーチストなど、盛りだくさんのステージを紹介する。

 同ホールは1998年に開館。国内外のクラシック音楽演奏家を招く「リサイタル・シリーズ」やジャズ、同ホール管弦楽団の公演を主催するほか、舞台セミナーなど、市民を対象とした舞台芸術育成事業を展開。地域の音楽、舞台芸術の発展に寄与している。

 節目を祝うシリーズ公演のうち、ジャズは、6月29日午後2時から「ジャズ・フェスティバル」が開かれる。地元プレーヤーの演奏やゲストの川村裕司カルテットとの共演が行われる。入場料は一般3000円など。

 また、7月16日午後6時45分からは「矢野沙織JAZZ LIVE2008」が開かれる。矢野さんはアルトサクソホン奏者で、ジャスの未来を担う奏者として注目されている。モダン・ジャズの起源「ビバップ」に取り組み、国内外で高い評価を得ている。同ホール初登場。入場料は一般5000円など。

 クラシックは、7月8日午後6時45分から「高嶋ちさ子 12人のバイオリニスト」からスタート。人気バイオリニストの高嶋さんが「観ても、聴いても、美しく、楽しいバイオリンアンサンブル」をテーマに演奏。クラシックを身近に感じさせてくれる。入場料は一般6000円など。

 同12日午後6時半からは、地元演奏家と札幌交響楽団による「モーツアルトの室内楽の夕べ」を開催。ピアノの伊藤亜希子さん、クラリネットの岩平尚子さんらが出演する。入場料は一般2000円など。

 同27日午後2時からは「村治奏一ギター・リサイタル」が開かれる。村治さんはニューヨーク在往で若手ナンバー1のクラシックギタリストとして注目を浴びている。同じギタリストの村治佳織さんの実弟。入場料は一般で4000円。なお、高嶋さんと村治さんの公演はセット券7500円もある。

 入場券はすべて同ホール、市民会館、松柏堂プレイガイドで発売中。問い合わせは同ホールTEL0138・55・3521。(山崎純一)


◎ハーレー警ら隊が発隊式
 好きなオートバイで社会貢献活動を!――。米国・ハーレーダビッドソン社製オートバイの愛好者で作る自主防犯ボランティア団体「北海道ハーレー警ら隊・函館方面警ら隊」が19日、発足した。函館市五稜郭町の道警函館方面本部分庁舎駐車場で発隊式が開かれた。

 同隊は、ハーレーを活用して地域パトロールなどに取り組もうと、愛好者の有志が、同本部生活安全課などの助言を受けて立ち上げた。道内では札幌に続き2番目の警ら隊で、現在、市内、近隣市町の20代―60代の隊員9人と顧問3人の計12人が在籍。今後、交通安全運動や青少年健全育成、犯罪抑止の啓発に協力していく。

 発隊式では、隊員のほか、同本部の警察署員、町会役員らが出席。函館中央署の谷口茂樹署長が「自主防犯組織発足の機運が高まる中、新たにに警ら隊が結成されたことは地域住民にとってうれしいこと。地域の安全、安心のためにいっそうの活躍を期待しています」とあいさつを述べた後、同隊の田山博幸隊長(51)が「警察、行政、地域と連携し、安全で安心なまちづくりに貢献することを誓う」と発隊宣言をした。

 式後、隊員は愛用のハーレーに乗って市内をパトロールした。(鈴木 潤)


◎ふるる函館で四季のつどい
 函館市青少年研修センター(ふるる函館)=函館市谷地頭町5=で19、20の両日、子どもたちがレクリエーションなどを通じて交流を深める、「四季のつどい〜春のフレンドシップ・パック」(同センター主催)が行われている。

 同センターでは春、夏、秋、冬の年4回、市内の小学3年生から中学3年生までを対象にした1泊2日の四季のつどいを開催。ボランティアの指導によりレクリエーションや物作りなど様々なイベントに挑戦し、宿泊体験を通して学年や地域の枠を越えた友だち作りを楽しんでいる。

 今回は47人が参加。初日の19日は、教育大函館校と函館臨床福祉専門学校、函館高専の学生ボランティアによるレクリエーションで幕開け。参加者同士が打ち解けるためのアイスブレイクというゲームでは、子供たちが決められた言葉を元気いっぱいに叫ぶ姿が見られた。ボランティアとして3回目の参加となる工藤友也さん(函高専3年)は「自分も以前四季のつどいに参加し、ボランティアの学生に憧れを持っていた。将来この中から同じようにボランティアをやってくれる人が現れるとうれしい」と話していた。

 この日はたこづくりや短歌作りなどにも挑戦。最終日の20日は立待岬でのたこ揚げや、短歌の発表会などを予定している。(小川俊之)