2008年4月22日(火)掲載

◎オオヤマザクラ満開…函館元町ホテル
 連日、夏のような暖かさが続く道内。21日の道南の気温は今金で7月上旬並みの20・8度、厚沢部町鶉で6月下旬並みの20・9度まで上がった。函館市美原は5月下旬並みの17・6度。連日の陽気で同市大町4の函館元町ホテルではオオヤマザクラが満開となった。函館湾やチンチン電車「箱館ハイカラ號」をバックに赤紅色の花が咲き誇るのは、昨年より約1週間早いという。

 渡島地方は5月の気温だが、石狩や上川地方は7―8月の気温が続いている。この暑さで札幌管区気象台は同日、札幌のサクラ(北海道神宮、ソメイヨシノ)の開花を発表した。桜前線が道南を通り越し、先に道央に達した“珍事”は1985年以来23年ぶりという。(山崎純一)


◎函館の観光名所やロケ地 9月5−7日に障害者も安心して参加できるツアー
 障害者や高齢者が健常者と一緒に映画を楽しめるように、オリジナルの字幕と音声ガイドなどを付けた作品を上映する「北海道ユニバーサル上映映画祭」の実行委員会(島信一朗代表)は、9月の第3回映画祭(5―7日、北斗市)に合わせ、障害者でも安心して参加できる函館観光ツアーを企画している。市内の観光名所やロケ地をめぐり、全国でも珍しいユニバーサル上映活動の発信や、“映画の街”函館の魅力を満喫してもらうのが狙い。島代表は「あらゆる環境のユニバーサル化を発信し、誰もが安心して暮らせる社会づくりを広げたい。ツアーもそんな足跡を残せるようなものになれば」と意気込んでいる。

 同映画祭は、聴覚・視覚障害のある人や車いす使用者らのために、手話通訳や要約筆記などの各種サポート環境を整備した上映会。市民有志が実行委を組織し、地元ボランティアの協力を得て2006年から始め、過去2回で延べ1500人が来場した。

 ツアーは、昨年の映画祭の中のシンポジウムで出た提案をきっかけに、実行委が準備を進めてきた。9月5日から2泊3日の日程で、初日は同映画祭の前夜祭参加と函館山からの夜景鑑賞、2日目は映画祭参加、最終日は映画「犬と私の10の約束」の市内ロケ現場をめぐった後に同作品の鑑賞を予定している。

 20日には、実行委メンバーや車いす使用者ら関係者が五稜郭公園など予定コースを実際に移動し、所要時間の確認や利用施設の段差、トイレなどのバリアフリー環境を下見した。

 自身も視覚障害者である島代表(38)は「映画祭はユニバーサル環境普及化の手段の1つ。次は旅行のユニバーサルを実現し、日ごろ旅行をあきらめがちな障害のある人にも無理なく参加してもらい、映画と観光を十分に満喫してほしい」と話している。

 ツアーの売り出しは5月上旬を予定。今後、実行委ではツアーボランティアの募集や研修会も行う計画だ。問い合わせは島代表TEL090・7519・7516。(新目七恵)


◎台湾から初の修学旅行生…来月下旬
 台湾・台中市の高校生が5月下旬、修学旅行で函館市内を訪れることが決まった。台湾からの修学旅行の受け入れは今回が初めてで、市が2006年から進めてきた誘致活動が実を結んだ形だ。函館滞在は5月26日から3日間の予定で、生徒ら約80人が市内観光し、地元高校と交流を図る。市観光コンベンション部は、来函客数増加につながるとして、修学旅行のルート開拓に期待を寄せている。

 今回函館を訪れるのは、台中市内の進学校で国立台中第一高校、台中女子高校の1、2年生約70人と教職員ら7人。5月26日に成田経由で来函し、27、28の両日は市立函館高校と函館白百合高校でそれぞれ書道や音楽、英語などの合同授業に臨む。札幌などを訪れた後、31日に帰国する。

 市によると、台湾の高校が海外で修学旅行を実施する場合、地元の学校との国際交流を組み込むことが多く、誘致は観光地としての魅力だけでなく、交流事業の受け入れ態勢の充実が課題となる。

 こうした課題に対処するため、市は06年に東京で関係者からの情報収集や、台湾教育関係者らの視察団を市内に招くなど、積極的に誘致活動を展開。同11月には市内旅行業者や高校関係者らでつくる「台湾訪日教育旅行受け入れ研究会」を設立した。昨年11月に台中第一高から市に打診があり、地元高校との調整を経て正式に決定した。

 海外からの修学旅行は一定の宿泊数が見込めるほか、国際交流振興など、観光、教育の両面で効果が見込める。市ブランド推進課は今回の来函を契機に、函館の一層の魅力を発信する考えで、「市内他校へのPRや受け皿づくりも課題。来年以降の誘致にもつなげていきたい」としている。(今井正一)


◎医療相談74―131件に…07年度函館市保健所
 市立函館保健所はこのほど、2007年度の医療相談窓口(市医療安全支援センター)の相談件数、内容などをまとめた。件数は前年度に比べて57件増の131件に上り、診療時の説明不足など医療従事者に対する苦情が最も多かった。窓口開設以来、件数は最高。同保健所医務薬事課は相談が激増した背景について「医療事故などの問題が次々に報道される中、市民の診療行為などへの関心が高まってきているためではないか」と分析している。

 相談窓口は患者の相談、苦情を医療機関側に伝え、医療関係者側に実情を知ってもらおうと、2004年度から市総合保健センター3階の同課に開設されている。相談件数04年度26件、05年度31件、06年度74件と増加し続けている。07年度は前年度の1・7倍に達した。

 相談は来所か電話で受け付けている。内容の内訳をみると、診療時の説明不足、接遇など医療従事者に対する苦情、相談が34件(前年度比10件増)と最多で、全体の26%を占めた。次いで、処置や手術など医療行為・内容に対する相談が32件(24%、同16件増)、医療従事者の資格など医療法に関連する問い合わせ21件(16%、同5件増)と続いた。その他は相談の趣旨とは異なる内容で、「医師の紹介依頼」「健康相談」「誹ぼう、中傷の類(たぐい)」など。相談者の大半が本人やその家族だった。

 同課は「これまでの相談内容を分析しながら、市民が安心して診療を受けられる環境づくりを進めていきたい」としている。

 窓口で受け付ける相談は医療に関する疑問、不安や医療法など法令にかかわる内容のほか、相談に対応する関係機関、団体も紹介している。相談者の苦情を医療機関に伝え、改善も図っていく。

 相談は午前9時から午後5時。面談か電話で保健師、看護師など専門職の職員が対応する。相談専用電話TEL0138・32・1528、ファクス同32・1505。(鈴木 潤)


◎元気なまちづくり目指す…3期目・大森町長に聞く
 【木古内】8年ぶりの一騎打ちとなった木古内町長選。町民の関心を集め、投票率も85・56%と高くなる中、現職の大森伊佐緒氏(54)は1140票差で圧倒的に勝利した。当選から一夜明けた21日、大森町長に3期目にかける思いを聞いた。(田中陽介)

 ――大差での当選ですが、現在の気持ちは。

 後援会立ち上げなどが遅れたため、厳しい選挙戦だったが、スタッフの団結力と町民からの温かな声援が励みになった。大差は有権者の判断と受け止め、政治信条である「一生懸命」「公平、平等」の姿勢を貫きたい。

 ――当選証書を手にしての感想は。

 初当選のときは無我夢中で、無投票の前回は心落ち着かせて授与式に臨んだのを思い出す。今回は厳しい選挙戦だったこともあり、当選証書の感触もひとしお。これまで以上に責任の重さを感じ、「よし、頑張るぞ」とやる気も沸いた。

 ――3期目の抱負は。

 まずは昨秋に立てた財政収支計画を着実に進め、国保病院を核とした社会福祉の充実で「誰もが安心して暮らせる元気なまちづくり」の公約実現を目指す。新幹線も来る。古里の一営業マンとして、「ここは素晴らしい景色とおいしい食べ物があり、最高の場所」と、町内外の関係業者に引き続きPRしていく。

 ――木古内高校存続の問題については。

 まちが抱える主要課題の一つ。優秀な教職員に恵まれている強みと地域住民のきめ細かな協力姿勢などを生かし、子どもたちの健全な成長を見守りたい。まちには高校は何としても必要。最後の最後まで存続を求めていく。

 ――前助役との選挙戦。まちにしこりが残るのでは。

 心配は全くしていない。お互いにまちを思う気持ちがあったからこそ選挙選という形になったはず。町民の融和がなければ、地域の発展も見込めない。そこはしっかり見極めて、皆で協力しながら頑張るだけ。


◎函館朝市どんぶり横丁 25日から感謝祭
 函館朝市どんぶり横丁市場(函館市若松町9)で25日から3日間、新装開店3周年を記念した感謝祭が開かれる。期間中に同市場内の各店で1000円以上の買い物をするごとに、抽選で沖縄旅行などの景品が当たる。カニ汁の無料提供や海鮮丼の早食い大会なども行われる。

 抽選会は25―27日に同市場内の飲食店を利用した人に応募券が配られ、1等として沖縄旅行4日間をペアで2組に進呈。2等は電化製品を5人、3等は朝市オリジナルカニセット(1万5000円相当)を4人、4等は同市場の食事・買い物券3000円分を30人に贈る。抽選日は30日。

 25日午前9時からは、同市場内中央広場で特製カニ汁約200杯を無料で振る舞い、25、26の両日は同9時から卵10個入り1パックを10円で販売(限定100パック、1人1パック)。27日午前10時半からは「第3回どんぶラー王選手権」と題し、事前に募った参加者8人が制限時間30分以内に、各店の丼を何杯食べられるかを競う。見学自由。

 問い合わせは函館朝市第一商業協同組合TEL0138・22・6034。(浜田孝輔)