2008年4月4日(金)掲載

◎ミスはこだて 春物制服披露
 4月から1年間にわたって第29代「ミスはこだて」を務める藤田真可さん(27)、明本吏紗さん(22)、村本あゆみさん(24)の3人が3日、函館市役所で春物の制服を披露した。

 制服は、函館物産協会(石黒義男会長)がミスはこだての活動に役立ててもらおうと、2003年から毎年寄贈している。スーツとカットソー、帽子、靴の1式で1人当たり10万円相当。白色を基調とし、さわやかな印象や伸縮性に富んだ素材などを特徴としている。

 西尾正範市長は「函館の顔として各種イベントに出向き、忙しい思いをすると思うが、楽しみながら函館を売り込んでほしい」と激励。藤田さんは「函館の良いところをPRしていきたい」、明本さんは「大好きな函館のために役立ちたい」、村本さんは「多くの人に函館を知ってもらえるよう努力したい」とそれぞれ抱負を語っていた。

 3人の初仕事は、5月7日に青森の百貨店で開かれる北海道物産展を予定している。 (浜田孝輔)


◎後期高齢者医療制度スタート、市役所窓口に相談殺到
 75歳以上などを対象とした後期高齢者医療制度が1日にスタートしたが、各自治体の窓口には、制度に対する問い合わせや相談が殺到している。函館市役所の医療助成課には、窓口だけでも3日まで連日約100人が訪れ、職員が対応に追われている。問い合わせの多くは「年金からいくら保険料が引かれるのか」「保険証が届いていない」といった内容。特に保険料の通知の遅れが、混乱に拍車を掛けている格好だ。(鈴木 潤)

 対象者は所得に応じて保険料を支払う。これまで被扶養者として保険料負担がなかった高齢者も支払うことになる。保険料は原則、年金から天引きされ、1回目の徴収が15日にも始まる。

 保険料は昨年度の所得に応じて算定。所得が確定するのは7月ごろになるため、個々の年間の保険料はまだ確定していない。そのため、年金が支給される4、6、8月については仮徴収とし、10月以降は仮徴収との差額分を調整しながら徴収する。

 対象者にとっては保険料負担がどの程度になるのかが一番の気掛かり。そのため、保険料が確定しないまま先取りする形で徴収が始まってしまうことに、不満や不安の声が噴出している。

 函館市は4月に年金から天引きする仮徴収額を7日、対象の約2万6000人に通知することにしている。こうした通知の遅れに伴い、当面は同課への問い合わせが続きそうな情勢だ。同課は「課の職員で何とか対応していきたい」としている。

 3月下旬に対象者約3万6000人に送付した保険証が届いていないという問い合わせも多く、申し出に対しては再発行するなどして対応している。

 同制度の実施に係わる関連法案が可決されたのは2006年6月で、保険料の算定方法など国の方針が固まったのは昨年11月。各自治体への説明会が開かれたのは2月に入ってからで、国の対応の遅れが、結果的に各自治体の対応の遅れを招いた状況になっている。


◎【キラリ!道南】(4)手回しオルガン職人・谷目基さん(41)
 風が吹き抜けると木笛から素朴で温かな音色が流れる。「風の楽器」と呼ぶにふさわしい手回しオルガン。童謡、シャンソン、クラシック…。ハンドルを回せば誰もが“おとぎの世界”を創造できる。

 19歳の時、東京の街角で見かけた大道芸の手回しオルガンに魅せられた。それはものづくりや空想が好きだった少年時代の夢が詰まった一つの箱に見えた。「演奏が始まると、いつもの路上が非日常の劇場に変わった」。その場で職人になろうと決意した。

 道外で木工やパイプオルガン製作を学び、独学で始めた。今は国内に2人しかいない職人のうちの1人だ。4年前に厚沢部町から生家に近い函館市船見町に工房を移し、作業に打ち込む。受注生産で同じものはなく、一つ一つが手作業。納品まで半年から1年ぐらい掛かる。

 「子供たちが触れて、自然に演奏会を始めるのをそっと見ているのが楽しい」。ハンドルを回すと「ふいご」から風が送られ、楽譜の穴を通り抜け、木笛を鳴らす。風の力でからくり人形が動き、シャボン玉も出せる。その優しい音色は子供たちをとりこにし、人の心を癒やす。

 「街角に手回しオルガンの音色が流れる文化が根づいてほしい」。函館山ふもとの工房から新たな風を送る。 (宮木佳奈美)


◎たつみ食堂本店、きょう連続無休5000日達成
 函館市東川町6の「たつみ食堂本店」(山田征勝店主)が4日、連続無休営業5000日に到達する。当日はこれまでの感謝を込めて、通常500円の塩ラーメンを50円で提供するほか、350ミリリットル入りの缶ビールを進呈し、記念の日を迎えた喜びを来店者と分かち合う。

 同店は1973年7月に開業。山田店主が93年に腰痛を患って半年間ほどの休業を余儀なくされたが、94年7月下旬に営業を再開して以来、地元の学生やサラリーマン、道内外からの観光客に愛され続けてきた。

 「店の電気が消え、のれんが下がっていないという思いを客にさせないように、と心掛けてきた1日1日の積み重ね」と、山田店主は13年余の長い年月を振り返る。今後については「これを区切りに休もうかと思うが、自然に体が動いてしまうんだろうね」と話しており、記録更新はさらに続きそうだ。

 塩ラーメンの50円での提供は4日午前11時―午後2時。200食分の販売を目標に掲げる。問い合わせは同店TEL0138・22・1310。 (浜田孝輔)


◎ヒグマにご用心 5日から注意月間
 春の山菜採りシーズンを迎え、山林などで冬眠明けのヒグマと出合う危険が高まるため、道は5日から5月11日までを「ヒグマ注意特別月間」としている。渡島半島は道内でも特に人とヒグマの接触率が高いとされ、渡島支庁によると、過去5年間の渡島管内の捕獲数は平均60頭を超える。同支庁は「野山ではごみを絶対に残さないなど、遭遇しないための配慮を」と注意を呼び掛けている。(新目七恵)

 同月間はヒグマとの遭遇が増える春と秋に設けている。渡島半島は特に、人の生活圏とヒグマの生息圏が一部重なるなど危険性も高く、道は同半島をモデル地区に指定し、保護管理計画を策定して対策を進めている。

 渡島支庁によると、管内の捕獲数は2003年度57頭、04年度68頭、05年度98頭、06年度59頭、07年度50頭。多くは農林水産物や人に被害を及ぼす恐れがある場合に行う「有害捕獲」で、残りは捕獲技術者の人材育成を目的として春に行う「管理捕獲」など。捕獲地域は八雲町が多いが、出没は管内各地で確認されている。

 対策として、入山の際は▽音を出す▽見通しの悪い場所、朝夕の行動は避ける▽明るい色など目立つ服装にする―などが必要。人に近づく危険なクマにならないようにするため、同支庁環境生活課は「生ごみや空き缶を山に捨てない、農作物の残さやイカゴロなどを放置しないように」としている。特に、母グマは神経質なため、子グマを見つけたらすぐにその場を離れることも大事という。

 同支庁ではホームページでの情報発信も行っているほか、期間中はパトロールしながら入山者にチラシを配布して注意を喚起する。


◎避難所マップ、6年ぶり全面改訂
 函館市は、大地震や風水害などの災害時に住民の避難先を記した「避難所マップ」を6年ぶりに全面改訂し発行した。原則として各小学校を校区の拠点避難所とした点が特徴で、各家庭で災害に備えたチェック項目も添えている。市総務課は「日ごろから防災意識を持つとともに、家庭の目立つところにマップを備えて役立てて」と話している。

 旧4町村と合併後、初めての発行。大地震などで壊滅的な被害を受けた際に身を寄せる拠点避難所を50カ所、拠点で収容しきれなくなった場合に開設する準拠点避難所を中学校や高校を中心に46カ所、台風や大雨などで自主的に避難する際の一時避難所を112カ所、避難地46カ所を地図上に明記している。

 従来の避難所は小中学校や公共施設などが同列にあり、有事の際の安否確認がしずらい恐れがあった。校区ごとに小学校を拠点とすることで、地域住民に分かりやすく、児童が高齢者を避難誘導することもできる。

 家族で「防災会議」を開くチェック項目も備えた。避難所や避難地、親類や知人などの連絡先を記す防災メモ、懐中電灯や非常食、生活用品などの準備を確認する非常持ち出し品リスト、災害が起きた場合の家族の役割分担や災害時の行動をそれぞれチェックして迅速・的確な行動に結び付けてもらう。

 高齢者にも見やすいように大きな活字を心掛け、避難所で生活する際は「ラジオやテレビの情報をよく聞き、落ち着いて行動する」「最小限の荷物にとどめる」などの心得も記している。

 A2判カラーで、折り畳むとA4判になる。16万部を作製し、町会の回覧版を通して配布している。町会に加入していない世帯には4月中旬から市役所や各支所、市の公共施設、渡島支庁などで配布を始める。問い合わせは同課TEL0138・21・3648。 (高柳 謙)