2008年5月14日(水)掲載

◎牛100頭 牧草地でのんびり…木古内幸連育成牧場
 【木古内】木古内町幸連地区にある幸連育成牧場で、今シーズンの牛の放牧が始まった。乳牛と褐毛種、黒毛種の肉牛合わせて約100頭が62ヘクタールの牧草地に入り、11月まで過ごす。

 この牧場はJA新はこだてが管理。木古内と知内の酪農家20戸の牛が放牧される。初日の12日は午前7時半に開場し、延べ8台のトラックで運ばれた牛がJA新はこだてや両町職員らの立ち会う中、獣医の検査を受け、さくで囲まれた草地に放たれた。初めて屋外に出る牛も多く、さくの入り口でうろたえる姿も。慣れている牛はロープを手放すと牧場内にすんなり入った。

 JA新はこだて知内基幹支店の宿波英樹さん(34)は「ことしも無事に牧場開放ができて安心した。海も見える素晴らしい自然の中で元気に育ってほしい」と話している。(田中陽介)


◎来年夏、各地の屋台村が函館に集結
 函館市松風町7の屋台村「大門横丁」で来年夏、帯広や小樽、青森など各地の屋台村の名物料理が味わえるイベント「全国屋台村サミット(仮称)」が開かれることが13日までに分かった。全国屋台村連絡協議会(久保裕史会長)に加盟する屋台の店舗が自慢の味を持ち寄り、地域の活性化につなげるのが狙い。来年は函館開港150周年という節目の年でもあり、大門横丁を運営する函館市の第三セクター「はこだてティーエムオー(TMO)」は「市民や観光客に楽しんでもらえるイベントにしたい」としている。

 各屋台村が持ち回りで他都市の店を紹介する「屋台村交流事業」の一環。同協議会は大門横丁のほか、道内では帯広市の「北の屋台」や小樽市の「おたる屋台村レンガ横丁」、道外は青森県青森市、同八戸市、栃木県宇都宮市、福島県福島市の計7屋台村が加盟しており、同交流事業は本年度からスタートする。

 屋台村の交流事業は、はこだてTMOが「開港150周年の記念事業に」と以前から企画しており、昨年5月、函館で開かれた同協議会の総会で提案していた。今回、12日に帯広市で開かれた総会で交流事業が正式決定。本年度は秋ごろに宇都宮市で開催し、2年目は函館で開くことになった。

 北の屋台の専務理事を務める久保会長は「各地の特色あるメニューのPR、店主の経営ノウハウの向上にもつながる場にしたい。この事業で地域の元気を応援できれば」と話している。

 はこだてTMOによると、函館開催は来年7月をめどに準備を進める。今後、開港150周年記念事業に盛り込んでもらうよう函館市に要請する予定で、実行委員会の発足も視野に入れている。開催規模の詳細は今後検討する。宇都宮市でのイベントにも店主の希望を募って参加する計画だ。

 藤谷博之総務部長は「例えば宇都宮ならギョーザ、帯広なら乳製品や豚丼、八戸ならせんべい汁など、各地においしい品々がある。各屋台村の料理が集まるせっかくの機会なので盛大に開きたい。経営者の交流も良い刺激になるのでは」と意気込んでいる。

 大門横丁は2005年10月に開業。現在、アジア料理や炭焼きなど26店舗が並ぶ。外部から店を招いた独自イベントはオープン以来初めて。(新目七恵)


◎市内の留学生ら「心配」…四川省大地震
 中国・四川省を震源として12日に発生した大規模な内陸直下型地震は、時間の経過とともに甚大な被害状況が次々と明らかになっている。函館華僑総会などによると、函館は中国とのかかわりが古くからあるものの、同省のある中国南西部とのつながりは薄く、市内に同省出身者はいないとしている。ただ、中国との交流団体関係者や市内の留学生らからは、遠く離れた被災地の状況に思いをめぐらせ、心配する声が上がっている。

 函館日中友好協会(東出隆司会長)は13日のブログ(日記風サイト)でも地震の話題を取りあげた。東出会長(58)は「地震は多い地域だが、あんなに大きな地震は初めてだろう。被害も甚大で大変気の毒。土砂崩れなどの二次災害も心配だ。中国政府も全力で取り組んでいるだろうが、一日も早い復旧を願いたい」と心配そうに話した。

 中国国内に5校の姉妹校がある清尚学院高校(土家康宏校長)には、現在13人の中国人留学生が在学している。鈴木健宏教頭は「四川省出身者はいなかったので、ひとまずほっとしている」と胸をなで下ろした。同校で中国語を教える李磊さん(45)=山東省出身=は「実家では大きな被害はないと思うが、念のため連絡を取ってみたい」と話していた。

 また、市内で学ぶ中国人留学生でつくる交流団体「函館地区中国人留学人員友好聯誼(れんぎ)会」会長の北大生、田元勇さん(29)によると、北大水産学部と道教育大函館校の留学生約40人の中に、同省出身者はいないという。田さんは「中国の首相や政府の素早い対応は良かったが、ニュースを見て被害の大きさを知り、大変だと思った。わたしたちも(募金などを)呼び掛けるなど、できることがあれば考えたい」と話していた。(今井正一、小泉まや)


◎支庁再編案見直し迫る…道町村会など 知事と会談
 【札幌】道町村会、道市長会、道市議会議長会、道町村議会議長会の4団体は13日、高橋はるみ知事に対し、14支庁全体のスリム化を進めた上で、1次産業の振興や地域間格差の解消など、地域事情に合った支庁制度の再構築が必要として、道の支庁再編案を見直すよう要請した。高橋知事は「100年続く支庁制度を見直すことは不可欠」との持論を展開し、改革への意欲を強調。再編案の見直しを迫る4団体との会談は終始かみ合わなかった。

 4団体は同日、高橋知事とともに、道議会の釣部勲議長と全5会派を訪れ、拙速な改革を行わず、再編案を慎重に見直すべきとする要望書を提出した。

 4団体が足並みをそろえて、道の重要政策に異を唱えるのは異例。道町村会は全道14の町村会長らが要請行動のため集結し、道市長会など3団体も正副会長が参加、総勢24人で見直しを訴えた。

 高橋知事との会談で、道町村会長の寺島光一郎乙部町長は「全道145町村の総意。改革が成って、地域が無くなるような事態は避けるべきだ」と述べた。日高支庁の存続運動に取り組む谷川弘一郎浦河町長も「14支庁全体のスリム化は覚悟している。総合振興局と振興局という形で地域格差を助長すべきではない」と訴えた。

 4団体の強い反発に、高橋知事は「説明が不十分だった」と認めた上で、「振興局の組織は一律ではなく地域課題に対応できるようにする。新体制移行後も変化に対応できるよう条例に見直し規定を盛り込む」と、従来通りの回答に終始した。道議会への条例提案に時期には言及しなかった。

 要請後に道庁内で記者会見した寺島会長は「当初の6支庁案が、突然のように9総合振興局案に変わった経緯について、道は全く回答していない。道民の理解は得られない」と不満を漏らした。道市議会議長会長の畑瀬幸二札幌市議会議長も「市町村がこれだけ懸念している事実を道に受け止めてほしい。一方的な提案は控えるべきだ」と述べた。(松浦 純)


◎江差高 4学級確保を要請…道教委訪問
【札幌】濱谷一治江差町長と寺島光一郎乙部町長は13日、道教委の吉田洋一教育長を訪ね、本年度から1学級削減となった道立江差高校(江差町)について、中学校卒業予定者が増える2009年度に限り、従来通りの4学級を確保できるよう求める要望書を提出した。

 要望書は江差、厚沢部、乙部の3町長の連名。江差町によると、同高では本年度、少子化に伴う中学生の減少のほか、函館市をはじめ檜山管内以外の高校への進学希望者が増加している影響で、定員160人に対して入学者が118人にとどまった。このため学級数は4学級から3学級に削減された。

 ところが、本年度の中学校卒業予定者は今春を35人も上回る254人。例年の同高への進学率から推計すると、入学希望者は140人程度となり「3学級では20人強の中学生が地元での進学を断念せざるを得ない状況」(江差町)になっている。3町は09年度に限定して4学級を確保することで、地元進学を目指す中学生の希望に合った定員を確保することが必要とする。

 道教委を訪れた濱谷、寺島両町長は「新年度の特例的な措置として4学級の確保をお願いしたい」と要望。吉田教育長は「学級数を削減した学校は、翌年度以降も同じ学級数とするのが通例だが、子供たちの状況を踏まえて十分に検討したい。地域でも地元進学率の向上に協力してほしい」と述べ、対応に前向きな意向を示した。(松浦 純)


◎土方コンテストや維新行列…17、18日に箱館五稜郭祭
 戊辰(ぼしん)戦争最後の地・五稜郭をテーマにしたイベント「第39回箱館五稜郭祭」(同祭協賛会主催)が17、18の両日、函館市内で開かれる。新撰組副長の土方歳三を演じるコンテストや、官軍との戦闘シーンを披露する維新行列などが見物客の目を楽しませる。

 17日は午前10時から官軍に扮(ふん)した一行が、箱館戦争にゆかりのある中島三郎助父子最後の地碑(中島町)を起点に、旧幕府軍の墓「碧血碑」(谷地頭町1)、土方歳三最期の地碑(若松町33)、「開城会見の地」となった亀田八幡宮(八幡町3)、五稜郭タワー(五稜郭町43)前の箱館戦争供養塔を巡る。

 午後1時からは同タワーアトリウムで記念式典を行った後、道内外から18人が出場する「土方歳三コンテスト全国大会」が開催される。園児による「ちびっ子土方」も登場する。

 18日は午後1時に、地元の中学・高校8校による音楽パレードが千代台公園(千代台町)を、維新行列が中島町廉売通(中島町)をそれぞれ出発。同パレードと同行列の参加者は総勢約1000人に達する。両軍による戦闘シーンのパフォーマンスは行啓通(本町)で繰り広げられ、同3時ごろからは五稜郭公園内で開城セレモニーを行い、2日間の幕を閉じる。

 問い合わせは同祭協賛会事務局(同タワー内)TEL0138・51・4785。(浜田孝輔)


◎ガソリン、軽油急騰…5月の石油製品価格
 函館市は13日までに、5月の石油製品小売価格調査結果をまとめた。ガソリン税などの暫定税率が復活したことに伴い、ガソリン(1リットルレギュラー)の平均価格が前月よりも28・60円高の162・12円と急騰した。160円台の高値に達したのは1983年3月以来25年ぶり。軽油も大幅に値上がりし、82年の調査開始以来の最高値となる142・02円となった。家庭用灯油(1リットルホームタンク用)、重油も値上がりし、同様に調査開始以来の最高値を更新した。

 まとめによると、ガソリンの最高価格は前月比29円高の167円、最低価格は同23円高の148円となった。家庭用灯油の平均価格は105・28円で、前月に比べ3・67円値上がりし、6カ月連続で100円台の高値で推移。最高価格は同5円高の115円、最低価格は前月と同じ96円。

 軽油(1リットル)の平均価格は前月比20・69円高の142・02円。最高価格は同20円高の146円、最低価格は同18円高の133円。

 重油(1リットル)の平均価格は同4・48円高の103・64円。最高価格は同6円高の110円、最低価格は同4円高の96円だった。

 プロパンガスの平均価格は5立方メートル、10立方メートルとも前月と同じで、5立法メートルが5449・05円、10立方メートルが8762・00円。最高価格、最低価格も変わらず、5立方メートルはそれぞれ6510円、4750円。10立方メートルは1万500円、7540円だった。

 調査は卸、小売を兼ねる店、小売販売店合わせて30店で12日に実施した。(鈴木 潤)