2008年5月17日(土)掲載

◎七飯町でリンゴの花満開
 【七飯】町内の果樹農家でリンゴの花が満開となっている。畑では白や淡いピンク色の花が春の日差しを浴びて気持ちよさそうに咲き誇り、農家の人たちは摘花作業などに追われている。

 町内鳴川町の宮田宏之さん(45)方では約2万平方?に「ふじ」や「レッド」「王林」など十種類、約1500本を栽培。5月前半までの好天で花は例年より早く咲き始めたが、連休後半の低温の影響で咲き具合が狂い、晴れた16日から急きょ花粉の交配作業を始めた。

 交配はリンゴの花粉を混ぜた色付きの花粉を専用の道具で中心花に付けていく。他品種の花粉を人工的に多く付けることで、実りをよくするのが目的だ。

 この日は家族やパートの主婦ら計5人が、色付き花粉を花1つずつにポンポンと付けていき、摘花作業も行った。

 宮田さんは「これから摘果、摘葉を行い、収穫は9月中旬になる。順調に育ってほしい」と話していた。

 JA新はこだて七飯基幹支店(本町)によると、七飯町果樹組合には36人が加入。昨年度のリンゴの収穫量は約300?、販売額は約5020万円だった。 (新目七恵)


◎支庁再編…揺れる道議会自民党
 【江差】道の支庁制度改革をめぐり、知事与党の道議会自民党は、6月10日開会予定の第2回定例道議会への条例提案を容認する方向で会派内の取りまとめを進めている。しかし党内では、廃止対象の支庁区選出の道議が会派離脱も辞さない姿勢を示すなど、調整は難航している。桧山支庁の存続を求める管内の自民党員も、知事のかたくなな態度を懸念。衆院選も見据え、有権者の離反が加速することを恐れている。

 「地方を敵に回して選挙に勝てると思うな」―。ある首長がつぶやいた。道町村会、道市長会などの4団体は13日、道と道議会5会派に再編案の見直しを要請した。ところが足並みをそろえた要請行動に対し、高橋知事は主張を変えず、地方側の不信感を増幅させた。

 矛先は、知事与党として、条例提案を容認する方向で調整している道議会自民党にも向く。原田裕議員会長らと会談した、泉亭俊彦石狩管内当別町長は、後期高齢者医療制度をめぐる政府の混乱を引き合いに「知事側近だけで話を進めてはいないか。支持者として懸念する」とクギを差した。

 自民党は14日、高橋知事に(1)道庁組織全体の徹底的見直し(2)支庁長への予算や組織編成権の付与(3)9総合振興局案と14支庁体制による行財政改革の効果比較(4)市町村との早急な意見交換―などを要望。条例提案を了承する前提で、道側の回答を待って会派の方針を最終決定するが、調整は容易ではない。

 道議会の議席数は106(欠員1)。自民党(51人)と公明党(7人)で過半数を上回る58議席を確保。支庁再編に反対する民主党(40人)、共産党(2人)、フロンティア(5人)は47議席だ。

 過半数を確保する与党会派だが、足元は盤石ではない。「議長を除き6人が造反すれば与野党が逆転する」(関係者)。自民党では、廃止対象の支庁区選出の道議が会派離脱や造反を示唆。再編に慎重な姿勢を示す道議も10人前後に達し、会派分裂の事態を避けたい幹部が説得を続けている。

 だが、衆院の解散が現実味を帯びる中、自民党関係者は「条例提案を契機に地方の反対運動が激化するのは必至だ。本当に可決に持ち込むことができるのか。会派分裂や採決強行のマイナスイメージは地方の自民党にとって痛手」と懸念する。桧山管内の自民党支持者からも「民主党の格好の攻撃材料。地方の1票でも取りこぼすことができない選挙情勢を理解しているのか」との声が聞かれる。 (松浦 純)


◎道立函館美術館 あすから「遠き道展」
 道立函館美術館(五稜郭町37)は18日から現代日本画を紹介する「遠き道展―はて無き清進の道程―」を開く。6月15日までを第1期、同21日から7月13日までを第2期とし、大作を中心に計約100点を紹介する。視覚にハンディキャップのある人にも楽しんでもらえるように企画も用意されている。

 出展作家は、日展、院展、創画会など、公募展を中心に発表する約40人。活躍のめざましい若手から、中堅の日本画家の作品は、伝統の中に自身の表現を追求するものや、ざん新な創作などさまざま。所属団体や出身校の垣根を越えており、現代の日本画の状況、今後の展開を楽しむことができる。

 この展覧会では、視覚にハンディキャップのある人のため、触れて鑑賞できる作品や複製レリーフも数点展示される。このほか樹脂を使い点字が添えられた図録、立体コピー、点図を使用した鑑賞補助ガイドも用意される。また、18日午後1時半からは鑑賞ツアーを実施。視覚にハンディキャップのある人がボランティアと共に鑑賞する。ツアー参加は無料だが、事前予約が必要。

 時間は午前9時半から午後5時(入場は同4時半)まで。月曜休館。入場料は17日までの前売りで一般750円、高校大学生450円、小中学生250円。当日は一般1000円、高校大学生600円、小中学生300円。

 鑑賞ツアーの申し込み、展覧会の問い合わせは同館TEL0138・56・6311。 (山崎純一)


◎物産協会07年度取扱高2年連続20億円台
 函館物産協会(石黒義男会長)は2007年度の取扱高をまとめた。全国各地の百貨店で開かれた物産展での売り上げは前年度比4・7%増の21億4667万円で、2年連続で20億円の大台に乗った。昨年は、道内で食肉偽装や有名菓子の消費期限改ざんなど、食の信頼を揺るがす事件が相次いだが、依然として「食の宝庫・北海道」のイメージは根強い人気があり、全国各地で、水産加工品を中心とした函館近郊の特産品も高い支持を受けた形だ。

 同協会は1957年に創立し、昨年50周年を迎えた。現在、水産加工品や海産品を取り扱う企業を中心に、正会員63社、賛助会員12社が加盟している。取扱金額は、03年度に15億円を初めて上回り、以来5年連続で過去最高額を更新している。

 昨年度は、全国各地で開かれた道主催の「北海道の物産と観光展」が34会場、百貨店主催の物産展は、115会場、延べ178回に参加。近年は、春と秋の2回開催や、催事期間を数日間延長し、集客を高める百貨店が増えているという。

 函館の製品は、定番のイカの塩辛、コンブ製品などの水産品を中心に人気がある。近年は、若者や女性をターゲットにしたスイーツや菓子類にも注目が集まっているという。事務局は「各会員企業が食の安全や安心に留意し、長年培ってきた信頼がある。各地にリピーター客も多く、物産展ならではの対面販売の良さも評価してくれているのでは」と話している。 (今井正一)