2008年5月19日(月)掲載

◎箱館五稜郭祭閉幕 「維新行列」迫力の白兵戦
 第39回箱館五稜郭祭(同協賛会主催)は18日、函館市の五稜郭周辺でメーンイベントの「維新行列」や音楽パレードが行われ、2日間の祭りに幕を閉じた。榎本武揚軍や明治新政府軍などに扮(ふん)した出演者総勢約950人が街道を練り歩き、沿道の観客は目の前で繰り広げられる時代絵巻を堪能した。

 午後1時、行列は市内の中学・高校9校による吹奏楽の演奏隊を先頭に千代台公園を出発。陣羽織や軍服に身を包んだ両軍も中島廉売から後に続き、五稜郭公園までの約3キロを行進した。榎本軍の開陽丸やペリー艦隊のサスケハナ号の模型には西尾正範市長や畑秀叔渡島支庁長らも乗り込み、沿道の市民らに手を振った。

 本町の行啓通で行われた最大の見せ場「白兵戦」は、榎本軍と新政府軍が撃ち合う大砲を合図に幕開け。鉄砲隊の銃撃や迫真の殺陣(たて)を披露したほか、新選組副長の土方歳三の壮絶な討ち死にの場面では、沿道に詰め掛けた見物客からひときわ大きな拍手を浴びていた。

 最後に一行は、五稜郭公園に移動し、五稜郭明け渡しの模様を再現した「開城セレモニー」を実施。特設ステージでは祝砲や紅白のもちまきもあり、2日間の日程を終えて閉幕した。 (森健太郎)


◎子どもらが新種の大豆タマフクラの種まき
 【北斗】道南限定で今年から栽培が始まった新品種の大豆「タマフクラ」の種まきが18日、北斗市の女性農家が営む農産物直売所「六輪村」(東寺百合子代表、同市大工川48)の畑で行われた。地域の子どもと保護者約50人が参加し、東寺代表らからアドバイスを受け、「元気に育って」と秋の収穫に期待を膨らませながら種をまいた。

 タマフクラは一般の大豆に比べ1・5倍の大きさで、秋が長い道南の気候が栽培環境に最適だという。風味豊かな甘みがあり「粒の大きさとともに味も良い」と道南を代表する特産品化に向けて関係者の期待も大きい。

 種まきは少林寺拳法北斗支部(片桐義雄支部長)の社会貢献活動の一環で、農作業を通じて食育について知識を深めようと昨年に続き六輪村の協力で実現した。

 東寺代表(57)が「この大豆は地域の希望が詰まった貴重なもの。心を込めて種まきをしてほしい」とあいさつ。参加者は3人ずつのグループに分かれ、計3キロのタマフクラを1・5アールの畑にまいた。

 子どもたちは腰をかがめる姿勢が続き「想像以上に疲れる」「食べ物を育てるのは大変だ」と汗をぬぐいながら作業。種まき後には演武を披露し、関係者に感謝を伝えた。

 同支部父母会が用意した豚汁も振る舞われた。父母と一緒に参加した浜分小5年山内泰斗君(10)と同小2年圭佑君(7)は「貴重な大豆の種まきができてうれしい。汗を流したあとのご飯はおいしい」と声を弾ませていた。

 9月上旬に収穫祭を行い、豆腐や納豆などにして試食をする予定。 (田中陽介)


◎7月のサミット、ロ大統領訪問に現実味
ロシア人墓地の通路舗装
 7月の北海道洞爺湖サミットで、ロシア大統領の函館訪問が極めて現実味を帯びてきた。訪問を想定し、函館市船見町のロシア人墓地では、入り口から奥へ通じる通路をコンクリートブロックで舗装したほか、同市元町のロシア極東大函館校では、サミット前までにロシア文化センターを開設する準備を進めている。

 函館市は根室市と胆振管内白老町とともに、サミットでのロシア政府首脳の訪問を道や国に要請。今年2月にはロシア政府のサフォーノフ・オレグ極東連邦管区大統領全権代表が来函し、極東大や旧ロシア領事館などを視察した。表敬訪問を受けた西尾正範市長は全権代表に大統領訪問を重ねて要請し、ロシア政府がメドベージェフ大統領の函館訪問を検討していることに大きな期待を寄せている。

 ロシア人墓地は、砂利道だった中央の通路を舗装した。極東大のイリイン・セルゲイ校長によると、在日本ロシア大使館が費用約100万円を負担し整備。入り口部分の幅は約5?で、幅2メートル30センチの通路が約40メートル続いている。イリイン校長は「大統領が訪問する可能性は極めて高く、6月中旬ごろに結論が出る。大統領が訪問できなくても、夫人や政府関係者が必ず訪れるだろう」と語る。

 16日には、大阪府枚方市から両親の墓参に訪れた寺井藤三郎さん(98)一家が、墓地を管理する函館ハリストス正教会の馬場登神父とともに通路の完成を喜んだ。

 極東大に併設が決まったロシア文化センターの開設準備も進んでいる。昨年6月にプーチン前大統領の提唱で設立された財団「ロシアの世界」が、日本国内で初めて開設する。ロシアの祭りやイベントなどを紹介する刊行物などをそろえ、日ロ文化交流の拠点となる。

 函館日ロ親善協会(倉崎六利会長)も14日に開いた総会で、大統領訪問が実現した場合、最大限の協力をすることを確認した。

 大統領訪問が実現すると、極東大やロシア人墓地、旧ロシア領事館などを訪問することが予想されている。また、報道関係者も来函することから、世界へ函館を紹介するまたとない好機となる。 (高柳 謙)


◎江差追分地区予選会 全国目指し熱唱
 【江差】9月に開かれる第46回江差追分全国大会と第12回江差追分熟年全国大会の出場者を決める江差地区予選会(大会長サ柳田真・江差追分会江差地区運営協議会長)が18日、江差町文化会館大ホールで開かれた。

 予選会には追分の本場・江差町をはじめ、上ノ国、厚沢部、乙部の各町など、檜山管内南部で活動する江差追分会支部から一般大会72人、熟年大会33人が出場。9月には全国大会の会場となる同会館のひのき舞台で日ごろの練習成果を披露した。

 緊張した面持ちの出場者が尺八の音色に合わせて「かもめの鳴く音にふと目をさまし―」で始まる江差追分を、息を切らさずに朗々と歌い上げると、大勢の観客からも盛んな拍手が送られた。

 同予選会では一般27人(補欠5人)、熟年大会9人(同5人)が通過。審査結果が発表されると喜びの声が随所で起こった。ステージでは、念願の全国大会出場への切符を手中に収め、満面の笑みを浮かべる予選通過者一人ひとりに記念メダルが贈られた。

 江差追分全国大会は9月19日開幕。19・20日は一般・熟年大会の予選会、23日は決選会と少年全国大会が行われ、全国の地区予選を勝ち抜いた出場者が“追分日本一”を目指して自慢ののどを競う。 (松浦 純)


◎秋田犬支部展覧会、道内外から44頭
 国の天然記念物である秋田犬の展覧会「第78回函館支部展」(秋田犬保存会函館支部主催)が18日、函館市八幡町3の亀田八幡宮境内で行われた。市内を中心に、道内および東北各地から自慢の愛犬たちが顔をそろえ、りりしい姿を披露した。

 秋田犬は秋田県大館市発祥の日本古来の大型犬で、温厚な性格と美しい姿から全国各地に数多くの愛好家がいる。道内には道南に2カ所、札幌に1カ所の保存会支部があるが、函館支部はその中でももっとも歴史が古く、毎年この時期に全国の締めくくりとなる支部展覧会を開いている。

 今回は道南地域をはじめ、道内各地、青森、秋田から合わせて44頭が参加し、年齢や性別などによって14部門に分かれて審査。天候にも恵まれ大勢の観客が見守る中、特設ステージに飼い主と登場した犬たちは、どれも引き締まった表情と立ち振る舞いで審査員のチェックにも動じることはなかった。

 会場を訪れた亀田町の40代の主婦は「どれも美しい犬ばかりで見とれてしまった。ここまで育てあげるには飼い主の苦労も並大抵ではないのでは」と感心していた。(小川俊之)