2008年5月25日(日)掲載

◎イカ釣り大漁祈願祭
 6月1日のスルメイカ(マイカ)漁解禁を前に、函館市漁協の「函館小型いか釣部会」(佐藤豊次郎部会長)は24日、入船漁港(同市入舟町)で「イカ釣り大漁祈願祭」を開いた。漁業関係者や地域住民など大勢の市民が集まり、豊漁と安全を祈願した。

 色鮮やかな大漁旗を掲げた漁船を前に、山上大神宮(同市船見町)の宮司が神事を行い、漁業者や漁協関係者、函館市職員、渡島支庁職員らが玉ぐしをささげた。神事後は安全操業と大漁を祈願し、参加者全員でもちまきを実施。子どもから大人まで大勢の市民が集まり、菓子やもちを受け取ろうとにぎわった。

 佐藤部会長は「潮の流れや水温の影響で南方での漁はなかなか厳しいと聞き、不安。それに加え、原油高の影響で燃料が昨年に比べて2倍以上に上り、関係者も頭を痛めている」とし、「船舶操作の工夫や節電などの対策をし、なんとか乗り切っていきたい」と話していた。 (小橋優子)
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◎きょう函館でコンサ戦
 サッカーJリーグ・ヤマザキナビスコカップ予選リーグ第4節「コンサドーレ札幌対ジェフユナイテッド千葉」が25日午後2時から、函館市千代台公園陸上競技場で開かれる。コンサドーレ札幌の選手は24日、札幌市内で攻撃や守備の確認練習を行った後に函館入りした。この日、函館市内では試合をPRするイベントも行われ、キックオフに向けムードを高めていた。(浜田孝輔、山崎純一)

 函館で年に1回のコンサドーレ戦は今年、1年を通じて戦うリーグ戦ではなく、鹿島とG大阪を除く16チームが4グループに分かれて予選を行い、決勝トーナメントで優勝を決めるカップ戦の予選リーグ戦が行われる。札幌は千葉、川崎F、柏と同グループで、3節終了まで1勝2分けの2位で、1位は千葉。札幌、千葉ともリーグ戦は下位に低迷中だが、函館では、ばん回し上昇気運をつかもうとする好ゲームが期待される。

 大勢での応援を呼び掛けようと、五稜郭タワー(函館市五稜郭町43)の1階アトリウムでは24日、試合をPRするイベントが開かれた。クラブのオフィシャルダンスドリルチーム「コンサドールズ」やマスコットキャラクター「ドーレくん」が登場し、華麗なパフォーマンスを披露した。

 会場には試合を待ちきれない市民らが多数詰め掛け、アップテンポな曲に合わせて手拍子を打った。コンサドールズのメンバーは「テレビでは味わえない、熱気を感じ取ることができるので、ぜひスタジアムに足を運んでください」と来場者に呼び掛け、コンサドーレの勝利に向けて士気を高めた。

 また、試合のチケットや選手のサイン入りグッズが当たる抽選会、コンサドールズやドーレくんとの記念撮影会も行われた。

 試合の当日券はSS指定席4300円、B自由席大人2400円、同小中学生1100円などを午前11時半から会場で発売する。


◎夕陽記念館リニューアルでオープニングセレモニー
 道教育大函館校(函館市八幡町)の校内に保存している同校設立当時の校舎の一部「夕陽(せきよう)記念館」のリニューアルオープニングセレモニーが24日、同校で行われた。同校同窓会の「夕陽会」(川島孝夫会長)会員や職員ら約150人が参加し、盛大に祝福した。

 同記念館は、1914年に道函館師範学校校舎として建てられ、国の登録有形文化財に指定されている。破損や劣化に伴い、同会が創立90周年を記念し改修費用3000万円を大学に寄付し、補修。今年2月29日に工事が終わり、先月19日に同会会員らで展示品約600点を搬入した。

 同校吹奏楽団の演奏でセレモニーが開幕。「夕陽賛歌」の斉唱後、川島会長が「大変うれしく思う。学生はもちろん、多くの地域の人々にもたくさん活用してほしい」とあいさつした。同大の本間謙二学長も「道内の教育大学で90年以上の建物があるのは函館校だけ。心より感謝しています」と述べ、来賓の多賀谷智・函館市教育長は「このような形でリニューアルできたことは素晴らしい。教育の精神がずっと受け継がれてほしい」と話した。

 市内の建設業者への感謝状贈呈後、学長ら6人でテープカットをした。午後1時ごろまで同記念館を開放し、記念撮影をする市民の姿も見られた。 (鳴海麻由)


◎ジョン・カミツカさんリサイタル
 アメリカ在往で世界的なピアノ奏者ジョン・カミツカさんのチャリティー・リサイタル「平和ピアノリサイタル」が24日、函館市民会館で開かれた。ピアノソナタや、函館在往のマリンバ奏者市川須磨子さんらと協奏曲を披露した。

 函館では4年連続のリサイタル。モーツァルトやベートーベンのピアノソナタは、各楽章ともドラマチックな展開で、聞き応えのある魅力的な音を奏でた。バーバーの「遠足」第1番は軽快なテンポで来場者を楽しませた。

 最後の曲バッハ「コンチェルト ニ短調 BWV 1052」では、市川さん、三浦浩平さんと共演。カミツカさんは「バッハの協奏曲で、オーケストラ部をマリンバで演奏するのは始めて」と話し、出演者は楽しみながら演奏。会場を明るい雰囲気にし、音楽が平和を作り出すことを紹介していた。

 このリサイタルの収益金は函館で進められている、第2次世界大戦末期の沖縄戦を主題にした絵本「おきなわ 島のこえ」(小峰書店サ東京)の英訳本出版資金に贈られる。 (山崎純一)


◎詐欺容疑で2容疑者を再逮捕 厚沢部町議は処分保留
 【厚沢部】江差署は24日、環境保護を目的とするNPO(民間非営利団体)の名前を悪用した恐喝未遂容疑で先に逮捕した江差町本町123、すし店経営針谷喜代治容疑者(62)と、厚沢部町松園町7の8、林業高野勝紀容疑者(52)を詐欺の疑いで再逮捕した。

 調べによると、両容疑者は共謀して厚沢部町内の牧場経営者の男性(58)から現金をだまし取ろうと計画。2月5日ごろ、高野容疑者が男性宅に電話をかけ、牧場にあった牛ふんたい肥の管理状況をめぐり、「おまえの所も近く支庁に摘発されるぞ」と言いがかりを付けた。数日後、針谷容疑者が加盟するNPOが、同支庁と深い関係にあることをほのめかし、「NPOに寄付金を支払って丸く収めてもらった所もある」と持ち掛け、同9日ごろに現金20万円をだまし取った疑い。2人は容疑を否認している。

 針谷容疑者は3月までNPOの会員だったが、野外に家畜のふん尿や農業系廃棄物を放置していた、複数の農業者に寄付金などの名目で金銭を要求するなどの問題を起こした理由で除名処分となった。

 同署はさらに余罪や共犯の有無についても2人を追及している。

 両容疑者は5月3日、厚沢部町の会社役員の男性(62)から同様の手口で現金100万円を脅し取ろうとした恐喝未遂の疑いで逮捕された。函館地検は21日、両容疑者の共犯として逮捕した厚沢部町議会議員(57)を処分保留のまま釈放した。他の事件とは関連性が薄く、悪質性が低いと判断したとみられる。