2008年5月6日(火)掲載

◎五稜郭公園、堀にピンクのじゅうたん
 函館市のサクラの名所五稜郭公園ではソメイヨシノが見ごろを終え、5日には散った花びらが堀に落ち、水面がピンクのじゅうたんになった。

 今年のサクラはこれまでで2番目に早い4月18日に開花。同29日は大型連休中で最も多い2万6600人が訪れ、花見や史跡を楽しんだ。花は連休後半から散り始めたが、5日も午前中から周辺の駐車場が満車になり、公園内は親子連れや観光客で賑わった。

 東京から訪れた増田武志さん(51)久美子さん(47)夫妻は「昨夜は函館山に行ったが曇りで視界が悪く、今日はサクラも終わっていた。自然や天気が相手なので仕方ないですね」と話していた。(山崎純一)


◎こどもの日、各所でイベント
 「こどもの日」の5日、函館は曇り空で、日中の最高気温は4月中旬並みの12・3度と肌寒さを感じる一日となった。市内や近郊では、たこ揚げやラリーゲームなど子どもを対象にしたイベントが開かれ、チビっ子たちの笑顔がはじけた。


◎親子凧作り・凧あげ大会

 五稜郭タワー(中野豊社長、函館市五稜郭町)では、伝統的な遊びを子どもに伝えようと「第40回はこだて子供の日 親子凧(たこ)作り・凧あげ大会」(五稜郭タワー主催)が開かれた。約50人の家族連れが参加し、世界に一つの手づくりたこを大空へ揚げた。

 「はこだて日本の凧の会」の会員7人を講師にタワー内のアトリウムでたこ作り教室を開催。五稜郭タワーのマスコットキャラクター「GO太くん」のシールを貼り付けた赤いポリシートを参加者に配り縦48センチ、横42センチの「ダイヤ凧」づくりに取り組んだ。

 完成したたこを手に五稜郭公園前の広場へ移動し、凧揚げに挑戦。あいにくの強風で悪戦苦闘したが、風向きを見ながら何度も挑戦する親子の姿が見られ、楽しいひとときを過ごしていた。参加した雪田来希君(8)は「作るのは大変だったが、たこ揚げは楽しかった」と笑顔を見せていた。(小橋優子)


◎市民の森で交流フェス

 函館市上湯川町の「市民の森」では、「こどもの日交流フェスティバル」(函館市主催)が開かれた。市内の児童館を利用する子どもたちや引率の指導員ら約200人が参加。公園内に設置したチェックポイントを回るネイチャーラリーで園内散策を楽しんだ。

 開会式で、市子ども未来室の妹尾正白室長は「自然観察など、いろいろな体験を、寒さに負けないで楽しんで」とあいさつ。子どもたちは早速、地図を手にネイチャーラリーに出発した。

 園内の10カ所に設けられたチェックポイントでは、花の名前を調べたり、鳥の観察をするなど、与えられた課題にチャレンジ。子供たちは、友達と協力しながら、寒さを忘れて笑顔を見せていた。ラリー終了後は、児童館ごとにチームを作り、玉入れ大会を行い、交流を深めていた。

 上湯川児童館を利用する函館湯川小3年の石坂浩章君は「竹とんぼづくりが楽しかった」と話していた。(今井正一)


◎ネイパル森でこども祭り

 【森】森町駒ケ岳657の道立森少年自然の森(ネイパル森)では、「こどもの日まつり」が開催された。会場は大型連休の思い出づくりをしようと、フリーマーケットやジンギスカンなどを楽しむ約700人の家族連れや観光客らでにぎわった。

 いす作りやクラフト体験、銅版に絵を書いて作る「七宝焼き体験」などのイベントが行われた。「パン作り体験」では、パン生地を細く伸ばしてスギの棒に巻き付けるなど、夢中になって取り組む参加者の姿も。15分後には熱々のパンが完成し、「おいしい」と笑顔。

 子どもたちが長蛇の列をつくっていたのは「どさんこ乗馬体験」。ゆっくりと歩く馬にまたがり、記念撮影をする来場者の姿も見られた。親子で参加した北斗市在住の前川千春さん(34)と長女・萌南さん(6)は「馬の肌触りが気持ち良かった。乗ったときの眺めも良く、楽しかった」と話していた。(鳴海麻由)


◎6月に函館路面電車まつり、電車のお宝募集
 「第2回函館路面電車まつり」(6月6―10日)の実行委員会は、路面電車(市電)にかかわる「お宝」を募集している。市電グッズや昔の写真、同イベントを盛り上げる自慢のグッズを展示。実行委は、全国の函館市電ファンから掘り出し物の応募を受け付けている。

 電車まつりは、6月10日の「路面電車の日」に合わせて地域交流まちづくりセンター(末広町4)を会場に開かれる。写真パネル展や、電車スタンプラリーのほか、巴太鼓ジュニアの和太鼓演奏、路面電車を歌うライブ、日本舞踊の公演など、多彩なイベントを計画している。

 同センターによると、昔の乗車券のスクラップブックや、函館の市電が走る風景を描いた絵画、昭和初期からの市電の写真など、提供したいと数件の問い合わせがあり、反響も上々という。

 実行委員長で「函館チンチン電車を走らせよう会」の佐原幸子会長は「大切にしている電車にかかわる宝物をこの機会に見せてほしい。ことしは、わたしたちの会も活動20周年。函館の街にぴったりな市電をこの機会に見直すようなイベントにしたい」と話している。

 展示スペースの都合上、事前に氏名、連絡先と提供できる物品の内容、簡単なエピソードを同センターへ連絡する必要がある。展示品は、イベント終了後に本人へ返却するが、万が一の破損や盗難などの責任は負わない。締め切りは31日。問い合わせは同センターTEL0138・22・9700。(今井正一)


◎函館出身の音楽会社社長・河村さんが女性シンガーをプロデュース
 函館市出身で東京の音楽出版社「クラウナーズデザイン」の社長河村悦郎さん(23)がプロデュースする第1号アーティスト・春川しきさん(21)が今月、シングル「終憶(ついおく)」でメジャーデビューする。二人はそろって4日には函館入りし、プロモーション活動を展開。河村さんは「春川の歌声を一人でも多くの人たちに聞いてほしい」と呼びかけている。

 河村さんは中学時代にギター教室へ通ったことをきっかけに演奏と作曲活動を始めた。函館ラ・サール高校在学中に結成したバンドが、東京で行われた全国大会で優秀賞を獲得し音楽の道へ進むことを決意。中央大学法学部在籍中にはブラックメタル系バンドのギターを担当し高い評価を受けた。その後ポップスの世界に転進し、卒業後の2007年4月にクラウナーズデザインを設立した。

 河村さんは、ライブハウスなどを回り100人以上のヴォーカリストを聞いた中から、春川さんの歌声にほれ込み「ロックから歌謡曲、童謡、演歌まで幅広く歌いこなす実力と、豊かな音楽性に無限の可能性を感じた」とプロデュースすることを決意。春川さんも「自分を高く評価してくれたことに加え、河村さんの作った曲が素晴らしかったのでぜひ歌ってみたいと思った」とデビューへ向けて準備を進めてきた。

 春川さんの祖父・故水城一狼さんも、俳優の高倉健が歌う「唐獅子牡丹」などを作った有名な作曲家兼歌手で、小さなころから歌が好きだった春川さんに対し、「(歌手として)自分の後を継いでほしい」と生前語っていたという。祖父が亡くなった後に祖母からその話を聞いた春川さんは、歌手になることを決意し高校2年から本格的な歌のレッスンをスタート。ようやく夢が実現することになり「デビューできるのも祖父が見守ってくれているからかもしれない」と話す。

 デビュー曲「終憶」(作曲=河村悦郎、作詞=河村悦郎・春川しき)は、日本的情緒を漂わせる透明感のある優しいメロディーに、文語調の言葉を取り入れた歌詞が並ぶ。河村さんは「伊勢物語に出てくる在原業平が詠んだ、桜を主題にした2つの短歌から発想した。日本語の美しさと深みをじっくり味わってほしい」と期待する。春川さんは「童謡のようにシンプルなメロディーに奥深い詩が乗っているので、感情を込めすぎずにストレートに歌うように心がけている」と話す。

 河村さんは「今後は函館で、春川のライブやイベントも行っていきたい。そのためにもまずは多くの人たちにこの歌を聴いてほしい」と訴える。「終憶」は5月中旬以降に発売を予定。函館市内では大型CDショップなどで購入できる。(小川俊之)


◎06年「函館市の1日」出生5・3人、死亡は8・8人
 函館市の2006年は、1日当たり5・3人が生まれ、8・8人が死亡し、差し引き3・5人の自然減。転入が同29・3人あったが転出が36・1人で、社会減は6・8人だった。05年に比べ自然減は0・2人、社会減は2・4人増えている。市がまとめた2007年版統計白書から、このような「1日」が浮かび上がった。

 基礎データは06年、もしくは06年度。市の人口動態調査や住民基本台帳、各種統計のほか、他の官公庁や民間企業の統計から、人口、各種産業、貿易、社会福祉、治安などの状況をまとめた。

 主な「1日」をみると、結婚は4・1組だが離婚も2・0組。水道使用量は10万立方メートル、郵便配達数が16万1000通、船舶入港が43隻、市電利用者は1万8000人でバス利用者は2万人だった。

 刑法犯罪の発生は13件、交通事故は5件、救急車出動は37件で、前年とほぼ同じ。市立病院の利用件数は06年1699人から07年は1550人に減少している。

 市民生活に関連したデータでは、普通乗用車は1世帯に0・7台、大学進学率が35・0%。市民1人当たりの一般会計予算額が43万6000円だった。市職員は市民76人に1人、教員は小学生17人に1人、中学生14人に1人、学校(小中高校)は人口2939人に1校の割合となっている。

 産業別で大きな変化が見られたのが製造出荷額。工業統計調査によると、04年に2939億8000万円あったが、05年は1797億7000万円と大幅減となった。04年に1211億5000万円あった飲料・たばこ・飼料が、JT函館工場の閉鎖でたばこが全減し、05年は28億4000万円に落ち込んだ影響が大きい。(高柳 謙)