2008年6月1日(日)掲載

◎カーネーション 列島各地へ…七飯で選別作業
 【七飯】スプレーカーネーション全国一の出荷量を誇る七飯町で31日、今季カーネーションの共選が始まった。JA新はこだて七飯基幹支店ななえ農産センター(七飯町大中山7)では午前9時半から、パートら60人が規格ごとに25本1束として箱詰めする選別作業に当たった。

 原油高騰の影響で、ハウス内の燃油使用量を抑えたことから、昨年より1週間ほど遅いスタート。初日は町内の花き農家55戸のうち、20戸がスプレーカーネーションやスタンダードカーネーションなどを次々と同センターへと搬入した。

 同センターでは本年度から冷蔵室を3室から4室へと拡大。搬入時から選別後、出荷まで温度調整を徹底し、品質を高める。箱詰めされたカーネーションは首都圏をはじめ東北、九州地方へと出荷。今季は2000万本の出荷を目指し、11月末まで作業が続く。(笠原郁実)


◎限界集落 桧山 道内最多144…道が調査
 道は、65歳以上の高齢者が地区住民の半数を超える「限界集落」の道内実態調査のためのアンケート結果をまとめた。渡島、桧山両管内には計163カ所あり、道南は道内の限界集落数の30%を占めた。特に、桧山は144カ所と14支庁中最多だった。今後、道は過疎市町村を対象に再度詳しく調べ、今後の過疎地域対策の参考にする。

 調査は高齢化が進む集落の現状を把握し、課題の整理や今後の方策の在り方を検討する目的で初めて実施した。3月28日―4月25日に全市町村やNPO団体などにアンケートを行い、回答をまとめた。

 結果によると、道内の集落6629カ所のうち、全体の9%に当たる570カ所が限界集落の状態だった。渡島は480カ所中19カ所(4%)で、管内における限界集落の割合は14支庁中11番目に多かった。桧山は354カ所中、同144カ所(41%)だった。

 住民の半数が55歳以上で、十年後に限界集落となる可能性の高い集落は道内で2396カ所。このうち渡島は183カ所(40%)、桧山は222カ所(63%)だった。こうした高齢化集落の今後の動向について、「いずれ消滅」の可能性があると回答された集落数は渡島で10カ所、桧山で37カ所、「10年以内に消滅」とされたのは渡島1カ所、桧山は28カ所あった。

 今回の調査では、「集落」の定義が行政区や校区、町内会など自治体ごとに単位はばらばらだった状況から、道は「桧山は同規模の自治体と比較して集落数が多く、結果では大まかな実態しか把握できない」と説明。「他の調査でも桧山の高齢化は指摘されており、結果はその傾向を反映した結果ともいえる」とも分析している。(新目七恵)


◎北斗市、七飯町で田植え体験
 【北斗、七飯】季節外れの寒さに見舞われる中、北斗市と七飯町の2カ所で、地元住民を対象にした田植え体験が行われた。防寒着に身を包んだ参加者は、素足で田んぼに入り、冷たい水と吹きすさぶ風に体を震わせながらも、秋の収穫に思いを巡らせて懸命に作業にあたった。

 北斗市東前の山本隆治さん(55)の水田では、連合北海道渡島地域協議会・函館地区連合会(ともに渡部正一郎会長)の関係団体「食・みどり・水を守る労農市民会議」(荒木敏安議長)の呼び掛けで、親子連れら約45人が参加。アジアやアフリカへの救援米として役立ててもらおうと、毎年行っている。

 渡部会長は「飽食の日本とは対照的に、飢餓で苦しむ諸外国の人々を思いやりながら、田植えに臨んでほしい」とあいさつ。作付けしたのは「ななつぼし」で、参加者は長さ10センチほどに育った苗を3、4本ずつ手に取り、丁寧に植え付けていった。

 また、七飯町仁山のついき農園(築城正行代表)では、移住促進事業などに取り組む「北海道コンシェルジュ」(寺西隆経社長)が、体験プログラムとして初めて企画。広さ13アールの1区画を16人で手分けして取り組んだ。

 参加者1人が受け持ったのは、長さ70メートルに及ぶ水田の3列分で、発芽から35日ほど成長させた「ふっくりんこ」の苗を約30センチ間隔で植えた。2時間あまりに及んだ作業後には、同農園で収穫した有機野菜の大豆カレーやサラダ、スープなどが振る舞われた。輪島法子さん(公立はこだて未来大3年)は「寒かったけど、なかなかできないことなので、いい体験になった」と話していた。

 収穫期は、9月下旬から10月上旬を見込んでいる。(浜田孝輔)


◎魅力いっぱい 韓国に触れて…大韓航空 函館―ソウル線就航2周年記念イベント
 大韓航空の函館―ソウル線就航2周年を記念し、韓国の文化に詳しい道内出身のラジオ・ディスクジョッキー古家正亨さんを招いたトークショーが31日、ホテル函館ロイヤル(函館市大森町16)で開かれた。古家さんは、留学や番組制作などを通じて感じ取った韓国の魅力を伝えた。

 市、函館空港振興協議会(高野洋蔵会長)の主催。ソウル便のさらなる知名度向上や利用促進などにつなげようと企画し、会場には事前に公募した約400人が集まった。

 古家さんは、韓国に興味・関心を抱くきっかけとなったカナダ留学時のエピソードを披露。「クラスの大半を占めていた韓国人と交流を深めるうちに、日本のことをよく勉強していることや、愛国心の強さを知らされた」と明かし、新たな留学先となった韓国で経験したアルバイト時の思い出として、「韓国人の心模様を知るのに役立った」と話した。

 また、韓国でお気に入りの名所や収録スタジオなどで撮った写真、制作にかかわった北海道をPRする情報番組の映像を紹介。古家さんは「日本と韓国の懸け橋はすでに出来上がっており、橋の上を行き来する手伝いをするのが役目」とした上で、「まだ知られていない魅力あふれる地方都市にも目を向け、味わったことのない韓国に触れていってほしい」と呼び掛けていた。(浜田孝輔)


◎気象庁長官表彰に道立道南農業試験場、八雲町消防本部
 気象庁はこのほど、1日の第133回「気象記念日」における気象庁業績表彰受賞者を発表した。このうち、気象庁長官表彰の委託観測所として、函館海洋気象台管内から道立道南農業試験場(北斗市本町)、八雲町消防本部(八雲町本町)が選ばれた。同管内で長官表彰を受けるのは、2005年の山崎農園(長万部町)以来で3件目となる。

 気象記念日は、気象庁の前身である東京気象台が1875(明治8)年6月1日に設立されたことを記念し、1942(昭和17)年に制定。業績表彰は、気象行政の推進に顕著な功績がある団体などを表彰する。国土交通大臣表彰、気象庁長官表彰があり、長官表彰は、気象行政の推進に寄与したり、海上気象の観測通報に積極的に協力し気象業務に寄与した団体などに贈られる。本年度は計52の団体、船舶などが受賞する。

 今回表彰を受ける道南の2団体は、長年にわたり、地域気象観測所(アメダス)の委託観測業務に協力し、気象業務に大きく貢献した。全国で33団体、本道では5団体が選ばれた。

 道立道南農業試験場は、26(大正15)年から、八雲町消防本部は61年から委託業務を続けている。現在ではアメダスの施設管理や、オンラインで気象庁に送られてきたデータの詳細確認などを行っている。現在は気温や降水量、降雨雪などが自動的に観測されるが、昭和50年前後までは目視で確認し、データを送っていた。

 全国で委託業務している団体は、消防本部のほか農協、学校、役場など。同気象台によると「学校など施設の統廃合、閉鎖により長年、委託を続けられるのは難しい状況にある。この中で管内から2つの表彰が出たことは喜ばしい」と話している。

 表彰は八雲町消防本部が2日、道立道南農業試験場が9日、それぞれ同気象台職員が施設を訪れて行う。(山崎純一)


◎寒い!函館9.8度
 5月の最終日が一番寒かった―。函館海洋気象台によると、31日はオホーツク海高気圧から冷たい空気が流れ込んだ影響で、渡島、桧山では日中の気温が上がらず寒さを感じる一日となった。函館市美原では午後6時現在の最高気温は9・8度。平年の18・3度より8・5度も低い4月上旬並みで、5月に入って初めて10度を下回った。

 そのほかの最高気温は同現在で長万部7・9度、厚沢部町鶉8・9度、北斗市本町9・2度などで、いずれも4月の上旬から下旬並み。

 同気象台によると気温の低い状態は2日ごろまで続くという。農作物の管理に注意を呼び掛けている。(山崎純一)