2008年6月13日(金)掲載

◎父の日企画(2)…古山智子ちゃん(10)、晶子ちゃん(7)→古山英樹さん(37)
 「怒ると怖い。でもね、疲れてるのに遊んでくれるし、普段は優しいお父さんが大好き」。ふっくらとしたほおを赤らめ、少し照れくさそうに話す2人。函館北美原小教諭の英樹さんは朝7時に出勤し、帰宅は午後7時ごろになる。父の帰りを待ち続け、「ただいま」という声が聞こえた途端に笑顔が弾ける。「おかえり」の大きな声が家の中に響く。

 休日には自転車で散歩に出掛けたり、公園でボール遊びをしたり、勉強も教えてくれるお父さん。智子ちゃんは「友だちには先生をしているお父さんがいないので、『いいなぁ』って言われるの」と、ちょっぴり自慢げ。夜遅くまで仕事に打ち込む父の姿を見ながら、晶子ちゃんは「体を壊さないかなぁって心配」とつぶやく。愛娘を前に、「一つ一つ何でもこなす娘たちの姿を見るたびに、成長しているんだなぁと思い、胸が熱くなる」と英樹さん。「娘たちの“笑顔”が働くエネルギー」と目を細める。

 「大きくなったらおいしい朝ご飯を作って、お父さんに一日の元気をあげたいな」と晶子ちゃん。「お金を貯めてお父さんの欲しいものを買ってあげるのが夢」と智子ちゃんはにっこり。

 父の日のプレゼントは毎年欠かさない。「ことしはお父さんの大好きな芋ようかんを2人で手作りし、手紙を添えてプレゼント」。無邪気な姉妹がお父さんのために考えた“秘密の作戦”だ。手紙には何て書くのかな? (小橋優子)


◎ヨットで太平洋横断の小松夫婦が帰港
 函館市青柳町の小松基衞さん(61)と妻由美子さん(59)が12日、ヨットで米国と日本を往復する太平洋横断を成し遂げ、無事に函館港に帰港した。大海原で風や雨、寒気といった厳しい自然を相手に、夫婦はヨットの「マイウェイ」号で約11カ月かけて、往復約1万8000キロの距離を航行した。夫婦が加盟する南北海道外洋帆走協会(石川彰理事長)のメンバー40人の出迎えを受け、2人は「長年の夢が達成できてうれしい」と笑顔を見せた。(宮木佳奈美)

 2人はこの日午後1時45分ごろ、函館港に到着。同協会初の“偉業”に、メンバーらは「よくやった」とねぎらいの言葉を掛け、無事の帰還を喜び合った。

 基衞さんは元小学校教諭。ヨットで単独太平洋横断に成功した堀江謙一さんの著書「太平洋ひとりぼっち」を高校1年のときに読み、「いつか行ってみたい」と大学でヨットを始めた。15年前から由美子さんも一緒に乗るようになり、定年退職を機に小笠原諸島の父島まで航海し、「この行程を2往復すると思えば、なんとかアメリカまで行けそうだ」と確信した。

 昨年7月18日に函館を出港し、47日間掛けてサンフランシスコに到着。南下して米国西海岸の数カ所に寄港し、11月2日から3月29日までハワイ島、オアフ島で冬を乗り切り、航海を再開して4月27日に父島に着いた。

 航海は比較的順調だったが、基衞さんは「とんでもないしけに見舞われることはなかったが、寒さと揺れが辛く、晴天で気分がいい日は4分の1ぐらいだった」とする一方、「星がきれいだったこと、一日一日目的地に近づいていくのが楽しかった」と振り返る。食事は圧力鍋で炊いたご飯と魚の缶詰が主。揺れる船内での調理には苦戦したという。長期間の逃げ場のない海上生活だったが、「夫婦で助け合ってきたので普段よりも仲は良かった」と笑い飛ばした。

 米国では、2人がヨットでやって来たことを知ると、その場に居合わせた人たちが渡航をたたえ、拍手が起きたという。由美子さんは「皆さんが感動し、親切にしてくれた。この楽しかった時間は一生の宝物」と話していた。


◎江差町教委 小中一貫教育の導入検討
 【江差】江差町教委は、小中学校を通じた義務教育9年間の連続性確保、学校間連携の強化を進める「小中一貫教育」の導入に向けた検討を始めた。小中学校の校長、教頭や町教委職員による「小中一貫教育基本構想委員会」を立ち上げ、年度内にも基本構想を策定する。町教委は校舎が隣接する江差北小学校(青坂栄廣校長、児童134人)と江差北中学校(小田晴久校長、生徒45人)での先行実施を検討。来年度から2年間を試行期間とし、カリキュラムの共有化や地域連携などの在り方を検証、早ければ2011年度からの本格実施を目指す方針だ。

 児童・生徒数が比較的多い小中学校で、小中一貫教育の検討が本格化するのは檜山管内で初めて。町教委は両校での試行の成果を児童・生徒数が多い町内南部の江差小、南が丘小、江差中の連携強化にも反映させる考え。

 構想委は、学校間での連携や一体化が可能な教科、カリキュラムの編成、学校行事や住民連携の在り方なども幅広く議論する。町教委は「これまで小中学校で重複していた授業内容などを見直し、カリキュラムの一体化などを通じて、地域の理解を得ながら、義務教育の9年間を効率的に活用する方策を検討していきたい」(小笠原正能生涯学習課長)としている。

 このほど開かれた構想委の初会合では、委員長に山北実・江差小校長を選出。江差北小、江差北中の校長、教頭とともに、町教委、檜山教育局の職員も加わり、構想策定に向けた議論を深める。

 江差北小は町内北部3小学校の統合で2007年4月に開校。同じく学校統合で03年4月に開校した江差北中とは校舎が棟続きで、校区も重複している。江差北小の開校後から、教諭の交流や授業参観、学校運営に住民の声を反映する学校評議員も同じメンバーが務めるなどの連携を強化している。 (松浦 純)


◎中元商戦へいざ出陣 棒二森屋にギフトセンター
 函館市内の百貨店の先陣を切り、棒二森屋(若松町17)は12日、新館アネックス7階催事場に「お中元総合ギフトセンター」を開設した。同店では午前10時の開店を前に社員ら約80人が出陣式に臨み、中元商戦に向けて気勢をあげた。

 今年は「『函館』を贈る歓(よろこ)び」をテーマに、イカめしや海鮮珍味など道南各地の名産品16品の中から3品を選ぶ新商品「巴(ともえ)かさね」を中心に、計約500種類を用意。山形のサクランボや会津若松の馬肉など、東北の中合グループ各店で好評の産地直送商品のほか、定番の缶ビールの詰め合わせなどもそろえ、価格は3000円―5000円が売れ筋という。購入客の先着2000人には保冷タイプのエコバッグを進呈し、7月7日までに申し込むと割引の特典もある。

 同店では今年、昨年よりも3日早く店内に特設売場を設け、早めに従業員の意識喚起を図った。出陣式では、法被姿の社員を前に井上裕司店長が前年比1%アップの売り上げ目標を掲げた後、全員でこぶしを突き上げて「頑張ろう」を三唱した。ギフトセンターの開設は8月13日まで。 (森健太郎)


◎きょうから建具の全国大会
 国内の優れた建具を集めた「全国建具組合連合会北海道・函館大会」(同連合会、道建具工業協働組合連合会主催)が13―15日、函館市民体育館(市内湯川町1)などで開かれる。函館で開催されるのは初めて。業界の活性化と建具の良さを多くの人に認識してもらおうと、都道府県ごとの組合が持ち回りで毎年開催し、今回で53回目。開幕前日の12日には、市民会館で同連合会の通常総会や講演会が開かれた。(鈴木 潤)

 大会スローガンは「すばらしき匠、北に集う」。同連合会所属の団体会員や建具関連メーカーら約3000人が集い、職人が出展した作品を審査する全国業者大会や建具展示会などが行われる。

 業者大会は13日午後2時半から市民会館(市内湯川町1)で開かれ、最高賞の内閣総理大臣賞をはじめ、優秀な作品を表彰する。同体育館で開かれる展示会は木製建具を中心に約150点が並ぶ予定で、一般公開される。14、15日には函館建具工業協働組合青年部(葛西雄部長)の木工体験教室などが開かれる。

 実行委の葛西松夫委員長(函館建具工業協働組合理事長)は「建具の魅力を感じてほしい」と話している。

 12日の講演会では、札幌出身の芸術家で、テレビ番組などでも活躍する篠原勝之さんが「森のたなごころ」と題し、「建具の技や芸術性は世界に誇れるもの。国内にとどめることなく、世界に向けて発信していくよう仕掛けていくべき」と話した。


◎7月5日に平中弓弦さんパイプオルガン演奏会
 デンマーク国教会で最大級のパイプオルガンを持つコペンハーゲン聖ヨハネ教会の音楽監督、主任オルガニストを務める同国在住の平中弓弦(ゆづる)さん(46)のパイプオルガン演奏会が7月5日午後3時から、日本キリスト教会函館相生教会(久野牧牧師、本町29)で開かれる。(新目七恵)

 平中さんは札幌出身。玉川大学芸術学科でオルガンを専攻し、デンマーク王立音楽大学、同大学院を修了。ヨーロッパ各地や米国、日本国内で演奏活動を行っている。函館相生教会での演奏は2004年6月以来2回目となる。

 曲目はバッハの「トリオソナタ 第6番ト長調」のほか、函館の夜景をイメージして賛美歌「暁の空の美しい星よ」にスポットを当て、500年間にわたるさまざまな作曲家と変奏曲などを紹介する。

 このほど、同教会のパイプオルガンの下見に訪れた平中さんは「音楽は理屈抜きで人間の精神を癒やし、力を与えると信じている。悩みを持つ人もオルガンの音色からエネルギーをもらってほしい」と話している。

 チケットは大人2000円、小学生―大学生は500円。チケットは同教会のほか、河合楽器函館店、ヤマハアベニュー五稜郭、吉岡写真館で取り扱っている。問い合わせは同教会TEL0138・52・7035。


◎補正予算など19議案提出…函館市議会開会
 函館市議会の第2回定例会は11日開会し、市が本年度の一般会計補正予算案や市夜間急病センター条例案、東消防署的場支署庁舎改築工事請負契約など議案19件を提出した。会期は26日までの16日間。16日午前10時から一般質問が始まり、20日まで20人が質問に立つ。

 一般会計補正予算案は、道の制度変更による重度心身障害者の医療助成対象者増加に伴い832万円を見込むなど、7億3592万円を追加して総額を1231億4592万円とする。老人保健医療事業特別会計は5億1974万円追加して総額を35億8040万円に、介護保険事業特別会計は1億5717万円を追加して総額を181億5429万円とする。

 市夜間急病センター条例案は、同市五稜郭町の市総合保健センター内に急病センターを移転設置し、指定管理者が管理する内容。市桔梗福祉交流センター条例等の一部改正では、児童館の利用時間を学校が定めた外遊びの時間と同じになるよう調整する。

 各議案は23日に開かれる各常任委員会で審議する。(小泉まや)